No.202338

真・恋姫無双 魏が滅亡した日 Part10 ハチミツ姫

見習いAさん

迷子の元王女様

2011-02-18 23:31:35 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:4009   閲覧ユーザー数:3718

「頼むからまって!服をそんなに引っ張ったら一張羅が」

 

「うるさい奴じゃのぅ、なんじゃ一体」

 

「ふぅ・・・・七乃さんを探すのはわかったから、これからどこへ行くの?」

 

「お主は何を言うておる。七乃のところにきまっておるじゃろ」

 

「七乃さんはどこにいるの?」

 

「その七乃を探すのがお主の仕事であろ」

 

「うん、なら君は今どこへ行こうと・・・」

 

「じゃーかーらー!七乃のところと言うておるではないか!何度も同じことを言わすでない!」

 

あれ、だんだん俺が間違えてる気がしてきた

 

「ええーい!七乃さんがいなくなったことに気づいたのはどこ?」

 

「いなくなったことに?・・・むぅ~~~~~~確かあっちじゃ」

 

聞いてよかった逆方向じゃないか

 

「よし、まずはそこへ行こう」

 

彼女主導で動いたら見つかりそうも無い

ここは俺が主導で動かないと

 

「こ、これ!勝手に手を握るでない・・・ゴニョゴニョ」

俺達二人は七乃さんとはぐれたと思われる場所へやってきた

そこは市場のメインストリート

人の数が一番多く、一番広い道

 

「人が多いな。ねえ、君達は何を買いに市場に来たの?」

 

「ほぇ?ま、真名はまだ早いのではないかの・・・」

 

「ん?ああ、名前をまだ言ってなかったな。俺は・・・・」

 

と、危ない、北郷一刀を名乗っちゃまずいか

 

「俺は・・・・助左衛門、助さんと呼んでくれ」

 

「助さん?変わった名じゃのう。わらわは袁術、真名は美羽じゃ、頼りにしておるぞ助さん」

 

「・・・・ちょっとまった、袁術だって?それに真名も?」

 

「わらわを知っておるのかの助さん。ふふーん、いかにもわらわが袁術じゃ」

 

この子が袁術だったのか

確か、反董卓連合の時にいたけど、う~ん、この子もいろいろと成長してるな

 

「そんな簡単に真名を預けちゃっていいの?」

 

「うむ、わらわは助さんを信用するのじゃ、特別じゃぞ?」

 

う、心が痛い・・・・

 

「・・・・ごめん美羽、俺嘘つきました」

 

「嘘?わらわに嘘をついたのかえ?」

 

「うん、俺の本当の名前は北郷一刀、真名はない。真名を預けてくれる相手に偽名を使うなんて、自分が情けないよ」

 

「助さんではなかったのかや?ふむ、きっと理由があって偽名を使ったのであろう?許すのじゃ」

 

「ありがとう、やさしいんだね」

 

「ふ、ふん!部下に優しくするのは当たり前なのじゃ。さっさと七乃を探すのじゃ、一刀」

と、言われても手がかりが何もない

まずはそこの魚屋さんに聞き込みしてみよっかな

 

「あのー」  「らっしゃーい」

 

「すいません、ここら辺で迷子の女の子を捜してる人見ませんでしたか?」

 

「迷子を?おーい、迷子の女の子を捜してる人みなかったっかって」 「迷子?見てないねぇ」

 

夫婦で営業してるみたいで、奥さんにも聞いてくれた

 

「七乃はとってもやさしくてとってもいい匂いがするのじゃ、見なかったかや?」

 

「悪いけどみてないな」

 

「フミュゥ・・・・あ、おぬしは、一刀離れるのじゃ!!」

 

「え?くっ!!」

 

魚屋に警戒を見せた美羽

俺は咄嗟に美羽を背後に回すと、魚屋にいつでも反撃できる態勢を取った

 

「おぬし、魚屋ではないな!?」

 

「なんだって!?」

 

まさか、七乃さんはこいつらに捕まったとでも言うのか

 

「お主、一体何者じゃ!」

 

「魚屋ですよ」

 

「ふむ、魚屋らしいのじゃ、一刀次いくぞ~」

 

盛大にずっこけた俺を放置して、美羽はさっさと行ってしまった  

それからも七乃さんにぶつかる情報は何もなく、むなしく時間がすぎて行った

 

「ひぃ、ふぃ、一刀~もう歩けないのじゃ~~」

 

「そうだな、もうすぐ日が落ちるしそろそろ戻らないと・・・・ってあああああああああああああああ」

 

「なんじゃ突然大きな声だして」

 

「春蘭達のこと忘れてた・・・・」

 

まずい、これはまずい、どうする俺、どうすんの俺

 

「一刀、一刀、かーずーとー!」

 

「あ、ごめん、何かな?」

 

「七乃とはぐれてしまって、帰るとこがないのじゃ・・・・一刀のところへ行ってもいいかのう?」

 

それだけはだめだ!

これで美羽を連れて春蘭と秋蘭の元へ帰ったら・・・・それだけはだめだ!!

 

「殺される・・・・」

 

「だめかのぅ?」

 

そんな上目遣いで頼まれたら・・・・

 

「おう、どんとこい」

 

俺は覚悟を決めた

 

さて、こうして俺は美羽を連れて宿の近くまで来たわけだけど

 

「とてつもない殺気を感じるんだが・・・・」

 

「お、鬼がおる・・・・鬼がおるぞ。ガクガクブルブルガクガクブルブル」

 

宿の前で仁王立ちする春蘭、そしてその後方から殺気を放つ秋蘭  

くそ、俺だけならいいけど、美羽まで巻き込むことはできない

 

「どうしたらいいんだ」

 

「困りましたねぇ~。お嬢様に怪我をさせるわけには行きませんからぁ」

 

「ガクガクブルブルガクガクブルブル・・・ほぇ?」

 

そこにはいつぞや見た女の人がいて、やっぱこの人が七乃さんだったか

 

「七乃~~~」 「お嬢様~~~」

 

涙の再会だった

そんな美羽と七乃さんを見ていると、俺の恐怖心も薄らぐ気がした

 

「俺は北郷一刀といいます。あなたのことを探していました」

 

「ふふ、お嬢様がお世話になったみたいで。私は張勲、真名は七乃と言います」

 

「うむ、一刀はよく働いてくれたのじゃ」

 

「そんな簡単に真名を・・・いいんですか?」

 

「いいんですよ~、と~ってもかわいいお嬢様をたくさん見せてくれましたから」

 

「は?」

 

「実は、お二人を近くから見てたんですよ。もぉ~お嬢様がかわいすぎて声がかけられなくてぇ」

 

「・・・・」

 

「一刀さん、お嬢様のこと本当にありがとうございました。これ以上ご迷惑はおかけできませんのでこの辺で~」

 

「ちょっと待つのじゃ七乃、あ、一刀~~~」

 

「それでは~」

 

行っちゃった

なんだったんだよ本当に

 

「ま、いっか」

 

もう疲れた

休もう

 

「ふぅ・・・・あ」

 

「ほんごうぉ~、今まで、どこを、ほっつき歩いていたのかな?」

 

「北郷、私達を置いて何をしていたのか、聞かせてもらおうか」

 

不幸だ


 
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