「一刀、調子はどう?」
「おぅ蓮華」
城に帰還した一刀は、しばらく肩の治療に時間を費やしていた。
その間はトレーニングもせず、まるで入院生活のような静かな過ごし方だった。
今も、一刀の隣には医者がおり、診察を行っている最中だ。
「ふむ、ここを押されたら痛むかい?」
「いんや、別に」
「なら、肩をまわしてみてくれ」
一刀は医者の指示通りに肩をグルグルとまわす。
「痛みはねぇよ」
「先生、一刀は・・・・?」
医者はその後も触診を数回おこない、蓮華のほうを見る。
「もう大丈夫でしょう」
医者の言葉に、蓮華はホッと胸を撫で下ろした。
「よかった・・・・」
「よし。治ったんだな」
一刀は立ち上がり、急ぎ足で部屋を出る。
「え、ちょ・・・一刀!?」
蓮華も慌てて一刀の後を追う。
「一刀!!」
後を追うと、一刀は中庭にいた。手に『何か』を持った状態で・・・・
「ちょっと一刀!!お医者様に礼もせず―――・・・・一刀?」
「蓮華。『あの街』、どうなってる?」
『あの街』とは、晋達が破壊した街のこと。
「今は、思春の部隊が駐屯して復興を援助している。『現在は治安も回復している』という報告も入ってるわ」
「そうかい。そんで革命軍の近況は?」
「・・・・・討伐に向かった官軍は全滅。それどころか青州方面でも大規模な武装蜂起が発生して、曹操達がこれの鎮圧にあたっているそうよ」
「ほぅ・・・・」
一刀は手に持った『何か』をガチャガチャといじりながら話を聞いている。
「で、孫呉はどうすんだ?この動乱に関与すんのか?」
「それは袁術次第でしょうね。客将である私達の独断が認められるのは『防衛』くらいよ」
「そうか。」
《カシャッ!!》
「・・・・ねぇ一刀。それ、何?」
「コイツか?コイツは―――・・・」
《パァァン!!》
「きゃぁ!!」
「俺の『切り札』かな。奪われなかった唯一の銃だよ」
一刀は肩に痛みが無いことを確認し、続いて銃の状態を確認する。
「なるほどねぇ、『シングルアクション』だから撃鉄は上がったまんまか。なんか慣れねぇな」
「一刀?」
一刀の言っていることがよくわからない蓮華は、頭に『?』を浮かべて首をかしげる。
「・・・一刀。あなたは、いえ、『天の御使い』は、この動乱に関わるの??」
「まぁ、奪われたモンは取り返す。反乱自体に関しては・・・・・そうだな、もう少し成り行きを見てから決めるつもりだ」
「成り行き?」
「国民がこの反乱を支持するのなら、手出しはしねぇ。まぁ、個人的には不本意だが・・・・」
と言いつつも、一刀の表情は無表情に近い。
まるで、関心がないようだ。
「アイツ等の居所がわかったら教えてくれ」
一刀は銃をしまうと、またどこかへ歩き始めた。
「今度はどこに行くの??」
「『準備』だよ」
蓮華と別れ、一人になった所で一刀はボソッと呟く。
「・・・・・韓忠を殺すためのな」
この反乱で、国が転覆し新政権が発足しても、それが『国民の意思』ならば別にかまわない。
だが、奪われたものは取り返さなければならない。
それに、韓忠には『宣戦布告』を決めている。
『銃』を玩具と勘違いするような奴には、キッチリ教えてやらないと。
『銃の恐怖』ってヤツを。
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お久しぶりです。
最近は忙しくて中々パソコンに触れる機会がありませんでした・・・・
久しぶりの執筆ということもあり、今まで以上に低レベルな文章だと思います。それにすんごい短いです。
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