No.195202

孤高の御遣い Brave Fencer北郷伝20

Seigouさん






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2011-01-10 17:58:56 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:22954   閲覧ユーザー数:14458

時間は少しだけ遡る

 

袁紹軍が公孫賛、劉備を追い出している時、曹操軍も動きを見せていた

 

それは、長安の董卓への宣戦布告である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

徐栄「董卓様!曹操軍が侵攻してきました!」

 

月「・・・・・分かりました、ご苦労様です・・・・・」

 

徐栄「・・・・・はっ」

 

偵察に行っていた徐栄の報告は一同を落胆させた

 

詠「一刀は、間に合わないか・・・・・」

 

月「・・・・・一刀さん・・・・」

 

霞「何しとんねん、一刀・・・・・」

 

嵐「どうしたのだ・・・・・一刀・・・・・」

 

菖蒲「・・・・・どこにいるのですか、一刀様・・・・・・」

 

雫「一刀・・・・・様・・・・・・」

 

恋「・・・・・かずと・・・・・」

 

音々音「生きているなら、手紙くらいよこしやがれなのです・・・・・」

 

徐栄「隊長・・・・・」

 

張済「兄上・・・・」

 

反董卓連合の戦いが終わって、約1ヶ月

 

董卓軍一同は、1月たっても連絡の一つもない一刀を心配していた

 

一刀が死んだとは思わないが、ここまでくると流石に不安になってくる

 

詠「・・・・・・・・・・」

 

詠は一同の顔色を見て思う

 

詠「(このまま戦ったら、確実にこっちが不利ね)」

 

それほど一刀がこの陣営に残していった影響力は計り知れないのだと

 

月「詠ちゃん、これからどうしよう・・・・・」

 

霞「当然、戦うんやろ・・・・・・」

 

雫「一刀様抜きで大丈夫なんでしょうか?・・・・・」

 

恋「・・・・・かずと・・・・・」

 

音々音「恋殿ぉ・・・・・」

 

音々音もこれほどに落胆している恋を見ては、いつものような強気な発言もできなくなっていた

 

月「・・・・・詠ちゃん」

 

詠「月?」

 

月「どうするかは、詠ちゃんが決めて」

 

詠「・・・・・・・・・・」

 

雫「そうですね、詠さんはわたし達の筆頭軍師ですから」

 

音々音「詠の出す作戦ならばねねも納得するのです」

 

詠「・・・・・分かったわ・・・・・ボク達は・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、舞台は戦場へ

 

 

 

 

 

華琳「ふふ♪戦場でここまで心踊ることは初めてね♪」

 

華琳は目の前に広がる董卓軍を見て、逸る気持ちを抑えられなかった

 

華琳「(この中のどこかに一刀がいる♪)」

 

なんとしてもこの戦いに勝利し、一刀を手に入れる

 

華琳の頭の中はほとんどがそのことでいっぱいだった

 

桂花「・・・・・華琳様」

 

華琳「何、桂花?」

 

桂花「董卓軍の動向、かなり怪しいです」

 

零「そうですね、やつらの後ろには篭城できる城かいくつかあるのに、わざわざ打って出てきているのですから」

 

秋蘭「・・・・・何かの罠ということはないでしょうか?」

 

華琳「・・・・・・・・・・」

 

桂花、零、秋蘭の言葉に華琳は少しだけ考え込む

 

そんな時

 

春蘭「おまえら何を言っているのだ!?」

 

桂花「何よ脳筋!」

 

秋蘭「姉者?」

 

春蘭「どんな罠があろうが、力ずくで食い破る、それが覇王曹孟徳の軍だろうが!」

 

華琳「ふふふふ♪・・・・・春蘭、よく言ったわ!その気概でよろしく頼むわね!」

 

春蘭「ははっ!お任せください、華琳様♪」

 

そういいながら春蘭は最前線へ走っていった

 

桂花「・・・・・よろしいのですか、華琳様?」

 

華琳「いいのよ、春蘭の使い方はこの曹孟徳が一番良く知っているわ」

 

秋蘭「ふふっ・・・・流石華琳様ですね」

 

華琳「ふふ♪・・・・・全部隊の将も今のうちに指揮を上げときなさい!いつ戦闘になるか分からないわ!」

 

秋蘭「はっ!夏侯淵隊!武器の確認をしろ!決して油断をするな!相手はあの董卓軍だ!」

 

「「「「「おう!!!!!」」」」」」

 

真桜「ええか李典隊!おまえらの役目を言ってみい!!」

 

「「「「「はっ!我らの役目は工作です!」」」」」

 

真桜「せや!この戦いで勝って、李典隊の名を世に轟かせるで!!」

 

「「「「「おう!!!」」」」」

 

沙和「いいか~この蛆虫ども~!!華琳様の前で恥ずかしい姿を見せたら!!その汚らしい(ピーー)を(ピーーガガガガ!)にして(バキューーーーン!!)のどころか(ウモ~ンピピガピピがガガピガシャーーン!!!)にしてやるから覚悟しておけなの~~!!!」

 

「「「「「サーイエッサーー!!!!!」」」」」

 

沙和は、一刀から渡された紙に書いてあった、海兵隊式訓練法を駆使して兵達を鼓舞していた

 

放送禁止用語様様である

 

凪「報告です、華琳様!」

 

その時、凪が前線から戻ってきた

 

華琳「どうしたのかしら?」

 

凪「はっ!董卓殿が華琳様と話したいと申し出てきています!」

 

華琳「まずは舌戦からか・・・・・いいわ、行きましょう・・・・・桂花!凪!秋蘭!付いて来なさい!」

 

桂花「はっ!」

 

凪「はっ!」

 

秋蘭「はっ!」

 

華琳達は馬に乗り、最前線へと向かっていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月「はじめまして、曹操さんですね・・・・・わたくしの名は董卓、字を仲頴と申します」

 

華琳「あ、あなたが董卓だというの!!?」

 

月「はい、そうです」

 

華琳「・・・・・・・・・・」

 

後ろに詠と霞と嵐を引き連れた月の姿を見て華琳は面食らった

 

「・・・・・・・・・・」

 

桂花と秋蘭と凪もこんな可憐な少女が、暴君と言われ自分達が倒そうとした董卓だとはすぐには信じられなかった

 

華琳「(なるほど、一刀が味方したのも頷けるわね)」

 

あの損な性格の一刀なら、たとえ不利だと分かっていてもこの子の味方をしただろうと華琳は思った

 

月「曹操さん、あなたは今の漢王朝をどう思いますか?わたくしも王朝を復興させようと頑張ってきましたが・・・・・結局、失敗に終わってしまいました」

 

華琳「・・・・・そうね、今の漢王朝を内部から復興させることは限りなく不可能に近いでしょう、例え復興させたとしても、漢王朝が民に残した悪弊と不満は決して解消されることはない、これを解消させるには、今の王朝を打ち壊しもう一度新しい王朝を作り上げることが一番の選択肢でしょうね」

 

月「曹操さんは、これからの群雄割拠の時代に何を見出しますか?そして、どんな未来を創造しますか?」

 

華琳「もちろん、わたしはこの時代を覇業によって乗り切り、自分の行いの正しさを証明するわ、そして大陸を制覇し終えたら、民のために平和を維持し続け、安らかなる生活を保証すると誓うわ」

 

月「・・・・・・・・・・」

 

華琳「さあ董卓!わたしはあなたの問いに答えた!今度はあなたの番よ!」

 

月「いいえ、その必要はありません、曹操さんのお話を聞いてわたくしも覚悟を決めました」

 

華琳「では、聞かせていただきましょうか!あなたの言う覚悟とやらを!」

 

月「分かりました・・・・・・・・・わたくし達、董卓軍は・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月「曹魏に全面降伏します!!!」

 

華琳「え!!?」

 

桂花「えええ!!?」

 

秋蘭「何!!?」

 

凪「どういう!!?」

 

月の思わぬ爆弾発言に華琳達は混乱してしまう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦わずして降伏を宣言した月

 

何かの罠じゃないかと曹操軍も警戒していたが、董卓軍の将達及び各部隊も次々と武器を置き投降していった

 

ついさっき将達に鼓舞して貰った兵士達も、この振り上げた拳はどこへやったらいいのかと困惑していた

 

華琳「どういうことなの董卓?あなたほどの軍勢が戦わずに降伏するなんて、よほどのことがあったとしか思えないわ・・・・・」

 

月「・・・・・実は・・・・・・・・・・・・・・・」

 

月は降伏した理由について語りだした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

回想

 

 

 

 

 

 

詠「・・・・・ボク達は・・・・・曹操に全面的に降伏しようと思うわ」

 

月「え!?」

 

霞「なんやて!!?」

 

嵐「どういことだ!!?」

 

菖蒲「た、戦わないんですか!?」

 

雫「詠さん!!?」

 

恋「!!??」

 

音々音「説明してほしいのです!!」

 

てっきりこれからの作戦について話すと思っていた一同は、詠の言葉が信じられなかった

 

月「・・・・・詠ちゃん、どういうことなのか説明してくれない?」

 

詠「分かっているわ、ボクも思いつきで言ったわけじゃないから・・・・・実は、連合が攻めてきて軍議をした夜に一刀がボクの部屋を訪ねてきて話をしたのよ・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

回想の回想

 

 

 

 

 

コンコン

 

詠「一刀?いいわよ、入って」

 

一刀「夜遅くにすまないな、詠」

 

詠「どうしたの?細かい作戦についてはさっき話したでしょ」

 

一刀「違うんだ詠、俺が話したいのはこの戦いが終わった後のことなんだ」

 

詠「・・・・・・・・・・」

 

一刀「詠は、この戦いが終わった後、この国はどうなっていくと思う?」

 

詠「・・・・・ここまで漢王朝の権威が意味を成さなくなってきたからには、群雄割拠の時代が始まるでしょうね」

 

一刀「そうだな・・・・・それで詠、これから話すことは例え話として聞いてほしいんだ」

 

詠「・・・・・分かったわ」

 

一刀「この戦いが終わって、もし何らかの形でこの陣営に俺が居なかったら・・・・・」

 

詠「ちょっと待って!!あんたまさか!!?」

 

一刀「だから例え話だって言っただろう、俺は絶対に死なない」

 

詠「わ、分かったわ・・・・・続けて」

 

一刀「ああ・・・・・もし、俺が居ない状況で陳留の曹操が攻めてきたとしよう」

 

詠「ええ」

 

一刀「その時は、曹操に全面的に降伏してほしい」

 

詠「な!?何を言っているのよ!?」

 

詠は一刀の言葉が信じられなかった

 

一刀「聞いてくれ詠!仮に曹操に月が勝って、その後この大陸を制覇したとしよう」

 

詠「ええ・・・・・」

 

一刀「詠は、月にこの広い大陸を治めるという重荷を背負わせたいのか?」

 

詠「大丈夫よ!月にはその器があるし、統治する才能もある!」

 

一刀「それは俺も認める、月にはその才能があるだろう・・・・・でも・・・・・」

 

詠「どうしたのよ?」

 

一刀「俺は月に・・・・・あんな可憐で優しい子にそんなことを押し付けたくない、詠だって月には静かに暮らしてほしいと思わないのか?」

 

詠「・・・・・それは」

 

一刀「頼む、曹操は才能ある人材は重宝する人間だ、彼女のところに居れば安全だろう」

 

詠「・・・・・曹操と言う人間は、一刀も認めるほどの者なの?」

 

一刀「俺の知っている曹操は、この大陸を治めるのに十分な器を持った人間だ」

 

詠「・・・・・分かったわ、このことは月達には黙っておくわ、だから一刀、あんたも死ぬんじゃないわよ」

 

一刀「分かっているさ、俺は死なない、約束する」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

回想の回想終了

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

詠「・・・・・・・・・というわけなのよ」

 

月「・・・・・一刀さん・・・・・」

 

月は嬉しかった、そこまで自分の事を考えてくれていた一刀の優しさに

 

月「・・・・・分かったよ、詠ちゃん・・・・・でもまず曹操さんとお話しをしてみたい、それから判断するね」

 

詠「分かったわ・・・・・皆はどう?」

 

霞「一刀の言うことやったら信じるわ」

 

嵐「月様と一刀の判断に身を委ねよう」

 

菖蒲「わたくしも一刀様の言うことなら信じます」

 

雫「ええ」

 

恋「・・・・・わかった」

 

音々音「少しだけ癪に障りますが、一刀の言った事ならねねも納得するのです」

 

詠「皆、ありがとう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

回想終了

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月「・・・・・・・・・・というわけなんです」

 

華琳「ちょっと待って!!ということは、一刀は帰ってきていないというの!!?」

 

月「・・・・・はい」

 

凪「・・・・・・・・・」(しょぼ~~~~~~~~~~~~~~~~~~ん)

 

月達が降伏するという言葉を聞いた凪は一刀がこちらに来てくれると思っていたため、その精神的ダメージは相当なものだった

 

華琳「おかしいわね、わたしは洛陽で一刀と会っているわよ」

 

月「ええ!?そうなんですか!?」

 

詠「一刀はどんな状態だったの!?」

 

華琳「その時は体に矢を受けていたけど、その傷も・・・・・あ!そういえば!」

 

月「な、なんですか?」

 

華琳「わたし達の矢には毒が塗ってあったわ!」

 

月「ええ!?」

 

詠「まさか!?そのせいで!?」

 

華琳「でも、わたしの陣営はそうたいした毒は使っていないはずよ、一刀ほどの人間ならあの程度の毒ぐらいでは大丈夫なはずなんだけど」

 

月「・・・・・・・・・・」

 

詠「・・・・・・・・・・」

 

華琳はそう言うが、月と詠はよりいっそう不安になるだけだった

 

華琳「・・・・・少なくとも一刀は生きているわ、わたしが保証する」

 

月「それにしても、曹操さんは一刀さんとだいぶ親しそうですが?」

 

華琳「そういうわけでもないわよ、でも一刀には洛陽で真名を預けているわ」

 

月「そうなんですか・・・・・ではわたくしも真名を預けましょう・・・・・わたくしの真名は月です」

 

詠「ボクは性は賈、名を詡、字は文和、真名は詠よ」

 

華琳「あなたが董卓軍筆頭軍師賈詡文和ね、わたしの真名は華琳よ、呼んでいいわ」

 

月「はい、華琳さん」

 

詠「分かったわ、華琳」

 

そんなやり取りをしていて、このまま何事もなく投降は進んでいく・・・・・・・・・・かと思いきや

 

春蘭「こぉら!!!いい加減にしろ!!!」

 

華琳「な!!??」

 

月「ええ!!?」

 

詠「何!!?」

 

秋蘭「姉者!?」

 

凪「春蘭様!?」

 

いきなりの春蘭の怒声に一同は驚いてしまう

 

華琳「秋蘭!凪!行くわよ!」

 

秋蘭「はっ!」

 

凪「はっ!」

 

月「詠ちゃん!」

 

詠「分かっているわ!」

 

一同は声のした方へ駆け出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

春蘭「いい加減にしないか呂布!!!それを渡せ!!!」

 

恋「(フルフルフルフル!!)」

 

華琳「春蘭!どうしたの!?」

 

月「恋さん!?」

 

春蘭「華琳様・・・・・呂布のやつが武器を渡そうとしないのですよ」

 

恋「これ・・・・・かずとの・・・・・だから渡せない・・・・・」

 

華琳「・・・・・・・・・・」

 

月「・・・・・・・・・・」

 

恋は、一刀から渡された龍滅金剛刀だけは死守しようと必死で抱えていた

 

春蘭「お前達は降伏したんだろう!!大人しくそれを渡せ!!」

 

恋「(フルフルフルフル!!)」

 

華琳「およしなさい!春蘭!」

 

春蘭「しかし華琳様、もしこやつが暴れだしたらわたし達だけでは抑えられませんよ」

 

月「大丈夫です!恋さんはそんなことしません!」

 

春蘭「信用できるか!実際わたし達はこやつ一人に散々にやられているんだ!」

 

月「恋さん、決して暴れないで下さいね」

 

恋「(コク)・・・・・恋、約束、守る」

 

月「お願いです、華琳さん!一刀さんの武器だけは取り上げないで下さいませんか?」

 

春蘭「な!!?貴様華琳様の真名を!!」

 

華琳「春蘭!!いい加減になさい!!」

 

春蘭「華琳様ぁ」

 

華琳「彼女には真名を預けているわ、それよりも呂布・・・・・いいわよ、一刀の武器を持つことを許します」

 

恋「・・・・・ありがとう」

 

恋は、龍滅金剛刀を抱き抱えながら降伏した

 

秋蘭「よろしかったのですか?華琳様?」

 

華琳「構わないわ・・・・・むしろ取り上げた方が大暴れされそうよ」

 

月「恋さんは、本当に一刀さんのことが大好きですから」

 

詠「そうなのよ、あいつ一刀の金剛刀を誰にも触らせないのよ」

 

華琳「ふ~~~~ん・・・・・それはもしかして、あなた達も?」

 

詠「なななな何言ってるのよ!!?/////////」

 

月「へぅ~~~~//////////」

 

華琳「(まさかこれほどとはね)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後月達は、曹魏に同盟に近い形で吸収合併された

 

各将達および軍師達は、お互いに真名を預け合い意気投合していく

 

そんな中、董卓陣営にとって嬉しい知らせが舞い降りる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

張済「董卓様!兄上から手紙が届きました!」

 

月「ええ!!」

 

詠「本当に!!」

 

霞「ほんまか!!」

 

嵐「遅いぞあの馬鹿者が!!」

 

菖蒲「一刀様からですか!!」

 

雫「ああ、一刀様ぁ」

 

恋「かずと!!」

 

音々音「遅いのです!一体いつまで待たせるのですかあいつは!!」

 

徐栄「隊長!!」

 

「・・・・・・・・・・」

 

華琳達は驚いていた

 

ついこないだまで、覇気がなく顔に影が差していた董卓軍一同が一刀の無事を知った途端に一気に明るい笑顔になったのだから

 

詠「これは・・・・・うん!間違いないわ!一刀から送られたものよ!」

 

華琳「それは何?見慣れない物だけど」

 

詠「これは、一刀が前居た所の貨幣らしいのよ」

 

手紙と一緒に送られたものは100円玉だった

 

詠は以前、一刀から彼の財布の中身を見せて貰ったことがあり、この100円玉が一刀しか持っていない物だと知っていたのだ

 

華琳「これは、なかなか見事なものね」

 

月「それより何が書いてあるの!?詠ちゃん!」

 

霞「せや!はよ読んでや!詠!」

 

詠「そう急かさないで!・・・・・」

 

詠はそう言って読み始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みんな、まずは一言謝っておく、心配掛けてすまない。連合軍の矢を何本か受けてそれに毒が塗ってあったらしくて、解毒するのに時間が掛かっている。華陀に見て貰っているが、華陀が言うには毒そのものにたいした殺傷能力はないそうなんだが、曹操軍の毒と孫呉の毒が混ざり合って、完治するまでにはかなりかかるらしい。

 

みんな元気にしているだろうか、月、君はよく一人で抱え込んでしまう癖があるからな、もっと他を頼って肩の力を抜いて楽をしてくれればいいよ、みんなは月に優しいだろ、月もみんなの優しさに同じくらいの優しさで答えてあげてくれ。

 

詠、軍師はつらいよな、最終的に殆どの責任は軍師に回ってくるんだから、でも詠なら大丈夫、詠はいままでずっと月に付いてきたんだから、これからは徐栄や張済を使ってやってくれ、あいつらもかなり頼れるようになったからな。

 

霞、酒の飲みすぎには気をつけろよ、俺の国では昔、酒は神様が飲むものとして扱われていてな、本当は一日に一杯が本当の目安なんだけど、霞は我慢できないと思うから一言だけ言っておく、本当に体には気を付けろよな。

 

嵐、君は前に言ったよな、自分にはこの武しか無いと、だったらその一つを徹底的に極めてくれ、そして何時か俺を倒せるほどに強くなって、月を支えてやってくれ。

 

菖蒲、男嫌いは治ったか?そんな早く治るとは思わないけど、一刻も早く治っていい男を見つけてくれよ、大丈夫、菖蒲は綺麗なんだから必ずいい男に会えるさ。

 

雫、心配を掛けてすまない、雫のことだからおそらく真っ先に俺を探しに行こうとするだろうが、俺は毒のことを除けば元気だ、だから決して俺を探しに行こうと思うな、そのうちこっちからいけると思う。

 

恋、方天画戟は新しく作ったか?恋の武器ができるまで俺の金剛刀を使ってくれていい、金剛刀はちょっとやそっとじゃ傷つかないから遠慮なく振るってくれていいよ。

 

ねね、相変わらず恋にべったりなのか?でもねねはそれでいいと思うぞ、ねねには詠にも劣らない軍師としての才能がある、これからも恋を支えてやってくれ、頼むぞ龍佐の才。

 

徐栄、張済、おまえらには苦労を掛けてすまない、俺がもっとしっかりしていればこんなことにはならなかったのかもしれないのにな、けどこうなってしまったからには俺の隊の隊長は徐栄おまえしかいない、これからも董卓新鋭防衛隊を引っ張っていってくれ、俺が教えた治安維持法をこれからも使ってくれてかまわない。

 

少し長くなってしまったけどここで終わりにしよう、わけあって今俺が居るところは教えられないけど、そのうちみんなに会いに行く、だから無理して俺を探さなくていい、また何時か会う日まで頑張ってくれ、俺も頑張るから。

 

一刀より

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月「・・・・・ありがとうございます、一刀さん」

 

遠くにいても自分を気遣ってくれる一刀に月は感謝した

 

詠「余計なお世話よ・・・・・でも、ありがと(ぼそ)」

 

最終的に反董卓連合の全責任は一刀に押し付けたようなものなのに、それでも自分の事を気遣ってくれる、そんな一刀に詠は感謝した

 

霞「ありがとな、一刀」

 

今まで何度か一刀と飲んだことがあるが、自分がかなりの酒豪だと完全にばれていたようだ、霞も自分の体のことを気遣ってくれている一刀に感謝した

 

嵐「何時かおまえを超えて見せるぞ、一刀」

 

そんなことはないと言われそうだが、嵐は自分の長所を考えてくれる一刀に感謝した

 

菖蒲「わたくし・・・・・一刀様以外なんて、考えられません」

 

自分の男嫌いが一刀のおかげで治っていっていることを一刀は気付いていない、そんな鈍感野郎の無事を菖蒲は祈っていた

 

雫「お待ちしております、一刀様」

 

一刀が無事と分かっただけでも雫は満足だった

 

恋「・・・・・かずと」

 

自分の方天画戟はまだできていないが、一刀の気遣いが手紙から伝わってきて恋は満足だった

 

音々音「当たり前なのです!・・・・・でも、龍佐の才ですか、いい響きなので貰っておくです」

 

一刀の手紙を見て、音々音は改めて恋を支えると心に決めた

 

徐栄「これからも頑張ります、隊長」

 

張済「北郷隊は任せておいてください、兄上」

 

徐栄は自分がしっかりしていればこんなことにはならなかったのにと思っていたのに、一刀は決して人のせいにせず自分を気遣ってくれている

 

張済も一緒に行けなかった自分を憎んでいたが、一刀の手紙を見て心が晴れた

 

二人はここまで自分たちを気に掛けてくれる一刀に感謝した

 

「・・・・・・・・・」

 

本当に一刀の残した影響は計り知れないんだなと華琳達は思った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

董卓軍、曹操軍に戦わずして降伏する

 

この報は矢のような速さで大陸中を駆け回る

 

 

 

 

 

 

 

 

孫呉陣営

 

 

 

 

 

 

 

明命「雪蓮様!董卓軍が曹操軍に無条件降伏しました!」

 

雪蓮「なんですって!?」

 

祭「なんだと!?」

 

冥琳「どういうことだそれは!?」

 

情報収集活動に行っていた明命の報告に呉一同は驚きを隠せなかった

 

明命「文字通りの意味です、董卓軍は抗戦らしい抗戦を一切せずに曹操に全面的に降伏しました」

 

純夏「まさか、一刀が降伏するなんて・・・・・」

 

蓮華「悪い夢でも見ている気分よ・・・・・」

 

明命「いいえ、それがどうも違うみたいです」

 

穏「どういう意味ですか~?」

 

明命「どうやら北郷さんは、董卓軍の中には居ないようです」

 

冥琳「どういうことだ?」

 

明命「なんでも、北郷さんは洛陽で我々が会った後行方不明になっているらしいです」

 

雪蓮「・・・・・ますますわけが分からないわね」

 

冥琳「そうだな、もっと詳しい情報はないのか?」

 

明命「申し訳ありません、ここまでが限界でした」

 

???「あの~?今まで何度か聞いていますけど、その北郷一刀さんはそれほど凄い人なんですか?」

 

彼女は、姓は呂、名を蒙、字が子明、真名は亜莎、ついこないだ冥琳が軍部から引っ張ってきた逸材である

 

雪蓮「そうよ♪なんせこちらの将が全員で掛かっていってまったくの互角だったんだから♪」

 

亜莎「はぁ~~~~~」

 

冥琳「・・・・・これはわたしの想像なんだが、董卓軍は北郷が不在のために止む無く降伏したのではないか?」

 

思春「しかし、あの陣営には北郷一刀以外にも様々な将達が居ます、その中でも飛将軍呂布は連合でこちら側の将12人が束になって掛かっても傷一つ付けることができなかったそうですし」

 

雪蓮「それもそうなのよね、別に戦って勝てないとは思わないけど」

 

冥琳「・・・・・もし、北郷一刀の影響力がそれほど強かったとしたらどうする」

 

思春「え?」

 

冥琳「北郷一刀が行方不明になって、董卓軍全体の指揮が下がっていたらどうだ?」

 

蓮華「・・・・・それなら有り得るわね」

 

純夏「行方不明なのは心配だけど、ある意味良かったと思うわね」

 

祭「何をいっとるか!たわけが!董卓軍が降ったと言うことは曹操はそれだけ強大になったと言うことだぞ!我々もうかうかしていられんわい!」

 

雪蓮「そうね、早く美羽ちゃんの豪族達を吸収して地盤を安定させないといけないわね」

 

冥琳「そうだな、すでに百合には各豪族達との交渉に行ってもらっている、そのうち戻ってくるだろう」

 

祭「そうじゃな・・・・・おっとそろそろ鍛錬の時間じゃぞ、策殿、思春、明命、純夏」

 

雪蓮「そうね、お願いするわ」

 

思春「お願いします」

 

明命「ご指導よろしくお願いします」

 

純夏「はい!」

 

祭「はっはっは!お主達もあの戦いからかなり強くなっているからのう♪ワシもそろそろ引退時かのう♪」

 

蓮華「何を言っているのよ、祭!」

 

冥琳「そうですとも!祭殿にはまだまだ頑張って貰わねば困ります!」

 

亜莎「わたくしはまだ祭様から何も教わっていません!これからもご指導お願いします!」

 

祭「はぁ・・・・・まったく、お主達はいつになったら一人立ちできるのだ、まぁいいわい、ワシもまだまだ引退には早いということじゃろう」

 

その後、雪蓮達は鍛錬に

 

冥琳達は呉の内政に取り掛かって行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして袁紹軍、曹魏へ侵攻を開始する

 

後の世の官渡の戦いが勃発するのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凪「華琳様!月様!袁紹が攻めて参りました!」

 

月「・・・・・・・・・・」

 

華琳「へぇ~~~、あの愚物にしてはなかなか早いじゃない」

 

桂花「そうですね、あの馬鹿も相当焦っているのではないでしょうか?」

 

悠「帝から永久追放を言い渡されて、麗羽も追い詰められているのかもな」

 

月「・・・・・あの、華琳さん」

 

華琳「何?月?」

 

月「今回の戦いは、わたくし達董卓軍に任せていただけないでしょうか?」

 

凪「な、何を言っているのですか!?月様!?」

 

沙和「いくらなんでも無茶なの~!」

 

華琳「・・・・・・・・・・」

 

稟「情報によると袁紹は、幽州と平原を手に入れて30万に近い大軍になっているそうですよ」

 

風「それに比べて、董卓軍の数はどう考えても5万です~、いくら官渡の城があるといってもかなり苦戦すると思いますよ~」

 

華琳「いいえ、ここは月達に任せましょう」

 

稟「華琳様!?」

 

風「華琳様~?」

 

華琳「稟、風、あなた達は汜水関、虎牢関での董卓軍の戦いぶりを見ていなかったわね」

 

稟「確かにその通りですが・・・・・」

 

風「はい~・・・・・」

 

桂花「はっきり言って防御に関しては、董卓新鋭防衛隊の力はこの大陸一と言ってもいいわね」

 

悠「珍しいな♪桂花が男の鍛えた軍を認めるなんて♪」

 

桂花「止めてください悠姉様!わたしは客観的にものを見ているだけで・・・・・」

 

悠「あはははは♪お前もだいぶ変わったな♪うりうりうりうり♪」

 

モミモミモミモミ

 

桂花「ひゃああああああ!止めてください悠姉様!/////////」

 

詠「・・・・・華琳、ここはボク達に任せて貰えないかしら?」

 

月「はい、それにわたくし、袁紹さんとお話がしてみたいのです」

 

華琳「・・・・・分かったわ、この戦いは月達に一任します」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして官渡

 

 

 

 

 

 

 

 

麗羽「お~~~~っほっほっほっほっほ!お~~~~っほっほっほっほっほ!さあ!雄雄しく、勇ましく、華麗に前進ですわ~~~~!!」

 

麗羽は動く櫓のてっぺんに居座っていた

 

自分のやっていることを理解せず、ただただ自分の欲望のために軍を動かしている麗羽

 

猪々子「・・・・・・・・・・」

 

斗詩「・・・・・・・・・・」

 

猪々子と斗詩は憂鬱だった

 

帝の命に背いただけでなく、ここまで傍若無人なことをしてしまえばもう引き返すことはできない

 

もし戦に負けてしまえば、麗羽もそして、自分達もただではすまないだろう

 

猪々子「・・・・・なぁ、斗詩」

 

斗詩「・・・・・何?文ちゃん?」

 

猪々子「もし戦に負けたら、一緒に死んでやるよ」

 

斗詩「文ちゃん・・・・・・ありがとう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月「あれは何?詠ちゃん?」

 

詠「報告にあったでしょ、月」

 

月「あれが・・・・・」

 

董卓軍一同は動く櫓を見て驚いていた

 

その他にも弓隊を乗せた多数の櫓がまっすぐにこちらに向かってきている

 

詠「確かにあれは厄介ね、でも問題ないわ」

 

月「・・・・・詠ちゃん」

 

詠「分かっているわ、袁紹と話したいんでしょ」

 

月「うん」

 

詠「霞!嵐!一緒に来て!」

 

霞「おう!」

 

嵐「分かった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして月達は麗羽の乗る櫓の前へと来た

 

麗羽「あ~~~ら、誰ですの?そのちびっこさんは?」

 

詠「ちょっとあんた!!!月に向かって「いいの!詠ちゃん!」・・・・・月ぇ・・・・・」

 

月「はじめまして袁紹さん、わたくしは名が董卓、字を仲頴と申します」

 

麗羽「な!!?」

 

斗詩「嘘!!?」

 

猪々子「この子がか!!?」

 

三人は想像していたものとまったく違う董卓の姿に唖然としていた

 

月「袁紹さん、どうして軍を進めたんですか!?何故帝の命に背いたんですか!?」

 

麗羽「・・・・・・・・・・」

 

月「袁紹さん!今ならまだ間に合います!帝にはあなたの助命を懇願します!ですからこれ以上軍を進めるのは止めていただけませんか!?」

 

麗羽「・・・・・ありませんわ」

 

月「え?」

 

麗羽「じょーーーーーーだんじゃありませんわ!!!大体何故このわ・た・く・し袁本初が負けを認めなければなりませんの!!!?」

 

月「袁紹さん!わたくしはなにも負けを認めろと言っているわけではありません!」

 

麗羽「お黙りなさい!!!だいたい董卓さん、あなたも悪いのですわよ、あなたが洛陽であんな出過ぎたまねをしなければこんなことにはならなかったのですわ!」

 

詠「あんたいい加減にしなさいよ!!!」

 

霞「せや!!ウチらがどんな思いで洛陽復興させたと思うてんねん!!!」

 

嵐「それをあんな形で妨害しおって!!!そんな責任転嫁が許されると思ったか!!!」

 

麗羽「五月蝿いですわ!!!あなた方を打ち倒し、あのクルクル小娘の領土も奪って差し上げましょう!!その後帝も我が手中に収めて見せますわ!!皆さん!!やーーーーーっておしまいなさい!!!」

 

月「袁紹さん!!!」

 

櫓に登っている弓兵が一斉に矢を引き絞る

 

詠「くっ!恋!!!やって!!!」

 

恋「ふっ!!はっ!!」

 

怒轟御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御音!!!!!

 

怒我亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜庵!!!!!

 

すぐそばに隠れていた恋の金剛刀の一撃により粉砕されていく櫓

 

袁紹軍兵士達「ぐはああああああああああああああああ!!!ぎゃああああああああああああああああああ!!!!!!」

 

兵達は、破壊された櫓の下敷きになっていく

 

怒轟御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御音!!!!!

 

怒我亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜庵!!!!!

 

次々と粉砕されていく櫓

 

残すは麗羽の櫓のみとなり

 

怒轟御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御音!!!!!

 

その櫓も壊される

 

麗羽「きゃああああああああああああああああああ!!!」

 

斗詩「麗羽様!!」

 

猪々子「姫!!」

 

ドサッ

 

落ちてくる麗羽を斗詩と猪々子が受け止める

 

麗羽「きーーーーーーーー!!!!こうなったら、数で一気に蹴散らして差し上げますわ!!行きますわよ!斗詩さん!猪々子さん!」

 

そう言いながら麗羽達は自陣へ引き返して行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月「・・・・・・・・・・」

 

詠「月、世の中にはああいう奴もいるのよ・・・・・」

 

月「・・・・・うん、分かっているよ、詠ちゃん」

 

月達も官渡の城へ引き返して行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

詠「徐栄!張済!北郷隊の力を見せてやりなさい!!」

 

徐栄「はっ!!」

 

張済「ははっ!!」

 

董卓新鋭防衛隊は次々と盾を構えだす

 

その後、数に物を言わせて官渡の城に攻めかかる袁紹軍

 

しかし、流石一刀が訓練した董卓新鋭防衛隊

 

戦いは、汜水関、虎牢関と同じような形となり、火矢は濡れた布で消化され、袁紹軍が射た矢を再利用していく

 

さらに、袁紹軍の兵士が入れ替わる隙を突いて

 

恋「ふっ!!はっ!!」

 

怒轟御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御音!!!!!

 

怒我亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜庵!!!!!

 

袁紹兵達「どぎゃああああああああああああああああああああ!!!ぐはあああああああああああああああああ!!!!」

 

天下無双と謳われる恋が金剛刀を振るう

 

攻めているにも拘らず一方的に被害を被っていく袁紹軍

 

麗羽「なーーーーーーーにをやっていますの!!?斗詩さん!!猪々子さん!!あんな城くらいちゃっちゃと落としてご覧に入れなさい!!」

 

斗詩「無理ですよーーーー!麗羽様も知っているでしょう董卓軍の力は!!?」

 

猪々子「そうだぜ姫!汜水関と虎牢関を守っていたのはあの軍なんだぜ!!?」

 

麗羽「そーーーーーんな昔のことは忘れましたわ!!!」

 

そんなこんなで数日間膠着状態が続く官渡の戦い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

華琳「・・・・・内側から見てみると、董卓軍の実力を改めて思い知らされるわね」

 

零「このようにして防衛をしていたのですね」

 

桂花「・・・・・あの時この軍と戦っていたら、こちらの被害もただではすまなかったでしょうね」

 

華琳「一刀には感謝してもし足りないわね」

 

 

 

 

 

 

 

官渡の戦いで董卓軍の戦いぶりを内側から見ていた華琳達はこの軍が味方に回ってくれて本当に良かったと改めて思うのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして官渡の戦い七日目

 

雫「詠さん!鳥巣で袁紹軍の補給基地があると報告が入りました!」

 

詠「分かったわ!霞!出番よ!」

 

霞「よっしゃ♪任しとき♪」

 

霞は張遼隊を率いて鳥巣へと出陣していった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暫らくして

 

雫「詠さん!鳥巣から煙が上がっています!」

 

詠「よし、敵はいい具合で混乱しているわね、ねね!菖蒲の部隊に合図の準備!霞が帰ってきたらやつらを挟み撃ちにするわよ!」

 

音々音「分かったです!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

麗羽「どうしたんですの!?何があったのですの!?」

 

混乱している自軍の兵士を見て麗羽も混乱していた

 

斗詩「大変です麗羽様~!!鳥巣が、わたし達の補給基地が燃えているんです~!!」

 

猪々子「なに!?補給ができなきゃ戦えないぞ!!」

 

麗羽「なぁ~~~~んですって~~~~~~~~!!!」

 

そう叫び声をあげる麗羽

 

しかし、時すでに遅し

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャーーーーーーーーーーン!!!ジャーーーーーーーーン!!!ジャーーーーーーーーン!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

官渡の城から銅鑼の音が聞こえてきたかと思えば

 

恋「行く!」

 

嵐「待っていろよ!!袁紹!!」

 

菖蒲「行きます!!」

 

霞「おらおらーーーーー!!!退かんかーーーーーーーーーい!!!」

 

官渡の城から打って出た恋、嵐

 

鳥巣から袁紹兵達を蹴散らしながら戻ってくる霞

 

そして、伏兵として隠れていた菖蒲の部隊に3方向から挟み込まれ袁紹軍は完全に瓦解してしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後麗羽、斗詩、猪々子は董卓軍に捕まり帝の前へと突き出された

 

聖「・・・・・・・・・・」

 

麗羽「・・・・・・・・・・」

 

斗詩「・・・・・・・・・・」

 

猪々子「・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・」

 

洛陽玉座の間をなんともいえない重い空気が支配する

 

聖「・・・・・袁紹」

 

麗羽「(ビクッ!)」

 

聖「十常侍達の件は、どうなったのじゃ?」

 

麗羽「・・・・・奴らの消息は・・・・・掴めませんでした・・・・・」

 

聖「・・・・・もはや弁解の余地無し、袁紹・・・・・お主は死罪じゃ」

 

麗羽「・・・・・・・・・・」

 

もはや何も言えない麗羽だった

 

そんな時

 

月「お待ちください!聖様!」

 

詠「月!?」

 

聖「どうしたのじゃ?月?」

 

月「袁紹さんを死罪にするのは、どうかお許しいただけませんでしょうか!?」

 

麗羽「え?」

 

聖「なにを申しておるのじゃ、月!?お主はこやつにどれほどのことをされたと思うておるのじゃ!?」

 

月「分かっています!しかしここで袁紹さんを殺しても意味がありません!お願いします聖様!」

 

聖「何故なのじゃ!?月!!」

 

月「わたくしはきっとこの方を改心させて見せます!ですからそれまでお時間を下さいませんか!?どうか!!」

 

そう言って月は深々と頭を下げた

 

聖「・・・・・分かった、月がそこまで頼むのであれば致し方ない、しかし袁紹のやったことをこのままにしておくわけにもいくまい・・・・・袁紹、お主から領土および権限そして袁紹本初の名を取り上げる、これからは真名のみで暮らすのだ」

 

月「袁s・・・・・いいえ麗羽さん、わたくしの真名は月です、これからはそう呼んで下さい」

 

麗羽「・・・・・どうしてですの?」

 

月「はい?」

 

麗羽「どうしてあなたはそこまでできますの!?わたくしは今までとんでもない事をしていたというのに!!」

 

斗詩「・・・・・・・・・・」

 

猪々子「・・・・・・・・・・」

 

斗詩も猪々子も自覚があったのかと、内心驚いていた

 

月「それは・・・・・一刀さんだったらこうするだろうと思ったからです」

 

麗羽「北郷・・・・・さんが?」

 

月「はい・・・・・あの方は、常に平和の事を考えそのために行動していました、ですからこうする事が正しいとわたくしは思うことにします」

 

麗羽「・・・・・ぅぅぅぅうううううう・・・・・董卓さん・・・・・」

 

月「もう何も言わないで下さい、あなたの身柄はわたくしが保証しますから」

 

麗羽「ぅぅぅぅぁぁぁぁぁああああああああああああああ!!!」

 

帝の前にも拘らず号泣する麗羽を月は優しく抱きしめた

 

その後、麗羽、斗詩、猪々子は各将達に真名を預けていき、河北四州は月と華琳達が治めることとなっていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうもseigouです

 

官渡の戦いは少し無理やりっぽく終わらせました

 

あまり長くなりすぎても返ってつまらなくなりそうですから

 

ここで金剛刀についての追加説明です

 

金剛刀の総重量は約15キロです

 

この重量であれば訓練した兵士でも持ち運びはできますが

 

柄を持つと約20キロくらいの負担が掛かってきます

 

素振りではさらに倍、実戦では倍々になっていきます

 

やはり一刀や恋くらいじゃないとうまく扱えないということですね

 

それでは次回もお楽しみに


 
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