No.188878

真・恋姫無双after~蜀の日常・その21(下)~

蜀の日常21の下です。ちょっと難産でした・・・冒頭にヒロインとその子供たちの簡単な紹介を載せています。

2010-12-10 02:10:29 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:5461   閲覧ユーザー数:4457

桃香の子

劉禅(りゅう・ぜん)

桃香の娘。母の性格を丸々受け継いでおり、酒乱なところも母そっくり。ブラコン。勉強は苦手。

劉永(りゅう・えい)

桃香の息子。父の血を受け継ぐフラグ建築士。

 

愛紗の子

関平(かん・ぺい)

愛紗の娘。自他に厳しい異母兄弟姉妹たちのまとめ役。胸パッド着用。

関興(かん・こう)

愛紗の息子。劉永に異母兄弟の劉永とは仲がよく、悪友である。地雷(姉関連)をよく踏む。

 

鈴々の子

張苞(ちょう・ほう)

鈴々の娘。母ゆずりの元気娘で、一刀曰く『小型鈴々』。

 

星の子

趙統(ちょう・とう)

星の娘。母そっくりの性格で、関平をからかうのが好き。

張広(ちょう・こう)

星の息子。身体が弱く、王宮の離れの屋敷で生活している。妻は女怪盗である千早。

 

紫苑の子

璃々(りり)

前の夫との間の娘。一刀の子供達の教育係。

 

翠の子

馬秋(ば・しゅう)

翠の娘。馬術の名人で、馬承とはライバル関係。頭は少し残念。

 

朱里の子

諸葛瞻(しょかつ・せん)

朱里の娘。お菓子作りが得意で、母譲りの秀才。

 

雛里の子

鳳林(ほう・りん)

雛里の娘。クールな秀才で、母を「あわわ」させている。

 

焔耶の子

魏長(ぎ・ちょう)

母以上に裁縫など『女の子スキル』が高く、毎度たんぽぽの罠にかかる母を冷静な目で見ている。

 

桔梗の子

厳封(げん・ほう)

桔梗の娘。母譲りの酒豪で、星を敬愛しているが、苦手な相手でもある。料理が得意。

 

たんぽぽの子

馬承(ば・じょう)

たんぽぽの娘。馬術の名手で、馬秋とはライバル関係。

 

月の子

董白(とう・はく)

月の娘。引っ込み思案な母と違って、まだ幼い事もあって元気いっぱいな子。

 

詠の子

賈穆(か・ぼく)

詠の娘。母と違い、素直な感情表現をしてくる。一刀を『パパ』と呼ぶ。

 

恋の子

呂紹(りょ・しょう)

恋の娘。木彫りが得意で母親そっくりの食いしん坊。

「うりゃーっ!突撃!粉砕!勝利なのだー!」

張苞の号令のもと、赤旗隊が凄まじい勢いで雪玉を白旗隊の陣に投擲する。

「このっ・・・うわっ!」

「きゃあっ!・・・うう~・・・冷たいよう・・・」

コントロールなんて関係ない、ただ無茶苦茶に投じられる雪玉は次々と白旗隊の子供たちに直撃していく。

「くそっ・・・こんな状況では雪玉を投げる事も敵わぬではないか・・・」

白旗隊隊長・関平も、雪の盾に背を預けるしかできない。雪玉は用意できているが、投げるタイミングがつかめないのだ。すでに母譲りで彼女自慢の黒髪にも雪玉が直撃した後の雪が積もっている。

「っ!姉上!張苞殿がそっちに・・・」

「しまった!」

弾丸の如き勢いで、味方の雪玉の援護を受けた張苞が白い旗のもとへと駆ける。

「もらったのだー!」

彼女を止めようとする白旗隊の手をすり抜け、張苞は見事に白旗を奪い取った。

勝利に沸く赤旗隊陣地に対し、悔しがるのは白旗隊。

「悔しいー!脳筋の連中に負けた事が滅茶苦茶悔しいー!」

地団太を踏んで馬承が悔しがり、賈穆も髪を掻いてぼやく。

「こんな遊びでは、軍略もクソもないからね・・・」

「でも、次があるよ!みんな頑張ろう!」

「劉禅様の仰るとおりですよ、姉上」

「勝敗は兵家の常。だが関平よ、父者とそなたの母君が見ておられる前で二度も無様に陣を突破されるわけにはいくまい?」

劉禅と弟と趙統に励まされ、「そうだな」と関平の瞳に闘志の炎が灯る。こちらが作戦会議をしている間、自陣で雪遊びをしている赤旗隊のみんなを闘志を込めた瞳で睨みつけ、握りこぶしを握って関平は吼える。

「向こうが勢いで来るのなら、こちらは知略で対抗してくれる!」

中庭に銅鑼が鳴り響き、雪合戦第二ラウンドが開かれた。

「張苞に続くのだー!」

『おーっ!』

第一ラウンドに引き続き、張苞率いる赤旗隊が白旗隊に攻め寄せる。

「赤旗隊のみんなが来たわよ!」

「よし、攻撃開始だ!」

関平の号令のもと、白旗隊も雪玉を投げて応戦する。白旗隊は雪の壁を盾にしながら応戦し、特に張苞に集中して投げる。これではさすがの彼女も前には出てこれない。

「うぴゅ!・・・うう~、なかなかやるのだ~・・・」

張苞に雪玉が直撃。彼女は顔についた雪玉を払いながら、さらに雪玉を投げる。白旗隊は雪で作った壁からモグラみたいにヒョコヒョコ現れたり引っ込んだりしながら攻撃して来ていた。

「くっそ~・・・白旗隊のみんな、やるな・・・!」

関平を中心に劉禅や賈穆、趙統が入れ替わり立ち替わり壁から顔を出しては、雪玉をぶつけてくる。

(ん・・・?まてよ。まさか!)

違和感に劉永が気付くのと、関平の号令がかかるのはまさに同時だった。

「しまった、張苞―――」

「関興!馬承!かかれ!」

「やっとこ出番だっ!」

「もうっ!なんであたしがこんな目に~!」

姿が見えなかった2人は、なんと雪の中に潜んでいた。2人とも雪の寒さのせいか、頬が赤い。

「ど、どこに隠れておったのだ2人とも!?」

「・・・紹も、気が付かなかった」

2人が現れたのは、ちょうど赤旗隊の横腹。いきなり現れてびっくりする赤旗隊のみんな目掛けて雪玉を投げまくる。

「赤旗隊の勢いが死んだぞ!今だ趙統!」

「承知!いざ参る!」

混乱している赤旗隊のみんなを脇目に、趙統が駆ける。「しまったのだーっ!」と叫ぶ張苞を尻目に趙統は駆け―――

「いただいたっ!」

その手に赤き旗を収めて、自軍の勝利を天に掲げた。

「うわー、美味しいのだ~」

「これも父上の世界の食べ物なのですか?」

「そうだよ。『お汁粉』っていうんだ」

その後も雪合戦や雪だるま作り、父を動員してのかまくら作りで雪を楽しんだ子供達は、出来たてのかまくらの中で朱里謹製の『お汁粉』に舌鼓を打っていた。

「・・・甘くて、美味しい」

「ビヨ~ン・・・見ろよ関興、僕の方がお餅長くのびてるぞ!」

「負けませんよ~!」

ワイワイキャッキャと騒ぐ子供達―――白く儚い雪が降る中、一刀はこう思わずにはいられなかった。

―――どうか、大陸中の子供たちが笑顔で過ごせる日々が続きますように、と。

 


 
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