???「まったくお兄さんのおかげで城内は大騒ぎなのですよ~」
ふわふわした金色の髪をなびかせながら
???「それだけ皆に愛されてるというべきか~」
その頭の上に相棒を鎮座させている状態で目的地に向かってテクテク歩く
???「それだけ皆に手を出してる節操なしと言うべきなのか悩みますね~」
悩むと言いながらその顔には笑みを湛えている。
???「”魏の種馬”の二つ名は伊達じゃねぇなあ」
???「これこれ~宝譿、わかっていてもそんな事を言ってはダメなのですよ~」
相棒の辛辣な言葉にも笑顔で受け答えするのは聞いてないようで聞いている”軍師意見まとめ担当”
こと”風”その人である。
一刀が朝議の後に自分が消えた事、そして還ってきた事、イチャイチャしてる事を魏武将一同の前で説明を行った。
最初は消えたことを信用しない者達もいたが、
華琳「本当よ、確かに一刀は一度消えたわ。完全に気配を感じなくなったわ」
この一言で皆信用した。(泣き崩れて消えてしまった瞬間は見て無いことは内緒だった。)
華琳の一言で納得した後に発生するのは、いちゃいちゃする順番争いである。
春蘭「北郷、お前という奴は何故そんな大事な事を黙っていたのだっ!!」
胸倉をつかんで詰め寄ると、
秋蘭「まぁまぁ姉者、そんなに北郷を責めてくれるな。本当は昨日にも報告する気だったのを私が引き留めたのだ。私からも謝るこの通りだ」
姉を押し留めつつ頭を下げる秋蘭
春蘭「引き留めたと言う事は・・・・・・秋蘭もしかしてお前はもうイチャイチャしたのか?」
秋蘭「・・・・・・」
姉の質問に無言で見つめ返す妹
春蘭「秋蘭にまで手を出すとは、きっさまぁ今日一日でとことんその性根を叩き直してやる!!こいっ!!」
と、そのまま左手を引っ張り引きずっていこうとしたが、
???「惇ちゃん、どさくさに紛れて自分がいちゃつこうってのは感心せぇへんなぁ」
その行く手を阻む者が居た。
春蘭「なっ何を言う霞!!わっ私はだなただコイツの性根を叩き直そうとしてるだけだ!!」
霞「ほんじゃあ、叩き直すんは明日にしてんか~。今日はウチが一刀といちゃいちゃするわ」
と、右手に自分の体を絡ませるように抱きつく。
春蘭「ず、ずるいぞ霞。私だってそ、その北郷といちゃつきたいぞ」
最後は小声になりながら、でも正直に自分の気持ちを伝えた。
霞「あっれ~?惇ちゃんは性根叩き直すって言うとったんちゃうの~?まぁ素直になったんは褒めたるけど一刀は譲らへんからな」
春蘭「どうやら口で言ってもわからないようだな」
スチャっと己が得物を構えて闘気を込めだす。
霞「なんや~?やるって言うんやったら相手になるで~」
負けずこちらも得物を取り出し闘気を込める。
春蘭・霞「「覇ぁっ!!」」
喧騒をよそにその場から立ち去ろうとすると、
???「おや?あなたは参加しないのですか?」
と、声をかけられた。
風「風は武に関してはからきしですからねぇ~、なので退散しますのですよ~稟ちゃんこそ参加しないのですか?」
と、声をかけてきた親友に質問を返すと
稟「まぁ、そういうことにしておきましょう。一刀殿には私はいつでもお待ちしてますよと、お伝えしておいて下さい」
眼鏡の縁を指で持ち上げながらあっさりと返された。
風「むむむ~、お見通しですか~」
宝譿「どこで覗いてたんだこの妄想娘は?」
稟「一刀殿が絡んでる事にあなたが興味を示さないワケがないですからね(と、言うのは方便で本当は朝からソワソワしてるあなたを見てるからですよ)。さっ、皆には黙っておきますのでお行きなさいな」
笑顔を添えて言ってくれた。
風「ま、そゆことで~稟ちゃんよしなにお願いしますね~」
宝譿「今度はソフトに鼻血を止めてやるからな」
言葉とは裏腹に笑顔で別れた。
目的の場所に向かって廊下を歩いていると
???「風様、風様」
と、呼びかけられたので声がした方を見ると、青色のショートカットの少女がそこに居た。
風「流流ちゃんじゃないですか~。風に何か用ですか?」
流琉「風様よろしければコレをお持ち下さい」
と、後ろ手に持っていた包みを差し出した。
風「コレはお弁当ですねぇ~」
宝譿「旨そうな匂いがしてるじゃねぇか」
流琉「えぇ、兄様の好きなものや軽くつまめるものを中心にしております」
風「はて?お兄さんの好物を何故風に~?・・・・・・と、聞くのは愚問ですかねぇ~」
風の言葉を聞くと笑顔で
流琉「兄様と風様がお出かけになられるのはわかっております。兄様用の朝餉を作ろうと厨房に行く時に風様の部屋から兄様が出てくるのが見えましたから」
風「それで朝餉のおかずを弁当にしたわけですね~」
それなら、とこちらも合点がいった。
流琉「その時に「んじゃ朝議の後でね」って兄様おっしゃってたので、まさかあんな事があったとは思いもしませんでしたけど。流琉はいつでも兄様をお待ちしておりますと、お伝え下さい」
最後に頭を下げてそう言うとパタパタと走り去って行く。
風「まったくお兄さんはモテモテですねぇ~。でもちゃんとお二人のお気持ちはお伝えしますのですよ~。風とお兄さんの時間を横取りしようとは考えなかったお二人ですから~」
走り去っていく背中を見ながらそう呟いた。
魏ルートパフェ 甘々物語-風編- 前編 完
-あとがき-
どうも駄文製作者のshirouです。
一ヶ月ぶりの投稿なんですが・・・前後編となりそうです。まぁ自分でも遅筆なのは自覚してまし
たが、甘々成分0ですね前編。今自分で読み返してみたら愕然としましたが、ひどい体たらくぶりですね。
ホントにそれでも挫けずにまた投稿していきたいと思いますのでよろしければ読んでください。
風編の後は物語に出てきたように稟>流琉と続けていきたいと思っております。
それでは次回後編(中編か?)でお会いしましょう。
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この作品は誤字脱字遅筆駄文製作者が妄想の元書き上げる魏ルートEND後アフターIFストーリーです。キャラ崩壊口調違和感等は生温かい視線とコメントでお願いします。