一刀 「う~~ん♪ 〈スリスリ〉」
祭 「ん……どうしたんじゃ北郷、机にほお擦りなんぞして。 まだ野生化が治っておらんのか?」
一刀 「ムフフ、さっきまでここに穏が突っ伏して寝てたんスよ~。 あの胸で暖められた温もりがまだここに残って……はぁ~~~///〈スリスリ〉」
祭 「…………相変わらず節度なしで欲望に忠実な奴じゃな」
一刀 「あぁ、そんな褒めないで~~~♪ 〈スリスリスリスリスリスリ〉」
祭 「褒めとらんわ! まったく、ちょっとこっちに来い!!」
ガシッ
一刀 「わっ!? 髪が……祭さん、ちょ待って!! 俺、髪の毛はマジでヤバイ____」
祭 「いいから来い!! 今度こそのウジの沸いたお主の性根を叩きなおしてやる!!!」
ズルズル
一刀 「あ~~~~~~~! ぬける、はげる~~~~~~~~!!」
俺の名前は北郷一刀。
どういうわけか古代三国志の世界へと迷い込んだ思春期の男の子。
そんな俺を助けてくれた呉のみんなに恩を返すべく今日も炊事洗濯や雑用の仕事に励む。
ちなみにココ最近、トイレ掃除が大好きだ。
祭 「ではこれより鍛錬をはじめるぞ」
一刀 「たんれん? なんでっスか?」
頭髪を思いっきり引っ張られ、気持ち薄くなった気がする頭をさする。
(うぅ……俺のデリケートな部分が……)
そうしてやってきたのは孫呉の屋敷の中庭。
そこでなぜか俺と俺の前で剣を持った祭さんがいた。
祭 「そうじゃ、この前の狩り訓練はまったく役にたたんかったからな。 今度は、わしが直々にしごいてやる」
一刀 「え~~~!?」
祭 「文句は聞かんからな……ホレ、そこにある剣を取れ」
一刀 「……ったく勝手なんだからな~~ 〈ニギッ〉」
祭 「誰が自分の逸物を握れといった」
ドカッ
一刀 「いたっ!! だ、だって剣を取れって……」
祭 「剣といえばこっちじゃろうが普通!! なんでそうお主の思考はすぐ下の方にいくんじゃ!!!」
一刀 「だって祭さんと一騎打ち勝負なんて考えたくないもん!! そんなん普通に死ねるじゃないか!! やだ! 絶対やだ!! 俺には一億人の女を抱くという宿命があるんだ!!! というわけでさようなら!!!」
ダッ
俺は一気にまくし立て一目散にその場から走り去るヒット&ウェイ作戦でその場からの撤退を試みた。
が、しかし
祭 「……冥琳がの……」
一刀 「!? 〈ピタッ〉」
祭 「冥琳の奴がわしから一本取れる程の強い男がいたら……そいつに惚れてしまうかもしれんという話を常々しておってのぉ……」
一刀 「……〈ピク〉」
祭 「あやつは普段あんな態度じゃが、きっと惚れた男には尽くす女じゃろうなぁ……」
一刀 「…………〈ピクピク〉」
祭 「あんな事やこんな事、何でも受け入れてくれるじゃろうなぁ……たぶん」
……
一刀 「…………めい、り…さんとお………まん……こ」
……
祭 「ん? どうした北郷。 わしとの鍛錬が嫌ならさっさと消えて構わんぞ?」
一刀 「………ぉぉぉぉおおおおおおおおおお!!!」
その瞬間、俺の魂が暴れ血が沸騰し目と口から破壊光線がでた。
祭 「(ニヤっ)」
一刀 「しゃらああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!! 勝負じゃあ!! 聖フランチェスカ魂、「乙女の園でごきげんよう」をみせちゃるけぇのぉ!!」
祭 「ふふ、そうこなくてはのぉ。 ……しかし何故服を脱ぐ」
一刀 「漢の勝負服はふんどし一丁じゃけぇのぉ!!!」
祭 「……まぁよいが…… ではいくぞ!! 覚悟せい!!!」
チャキッ
一刀 「夜露死苦じゃけぇのぉぉぉぉ!!!」
ダッ
かくして中庭での鍛錬が始まったのであった。
……
数刻後……呉の屋敷の門前。
穏 「はふぅぅ~~~~、やっと終わりましたぁ」
雪蓮 「まったくよ袁術のチビ、私にあんな雑務やらせて……今にみてなさいよ」
冥琳 「お前はほとんど何もしなかっただろう」
午後から客将として仕えている袁術に呼び出され、嫌がらせの如く溜まった庶務を手伝わされていた雪蓮達三人。
それぞれが疲れた足取りで屋敷の中へ帰ってきていた。
穏 「……」
トボトボ……
冥琳 「……」
ツカツカ……
一刀 「でぇぇぇぇえぇぇぇい!!」
キンッ
祭 「甘い!!」
ドガッ
一刀 「ぐはっ」
ムニュ
祭 「くッ!?」
雪蓮 「…………ん、ねぇあれ一刀と祭じゃない。 何してるのかしら?」
中庭を横切る廊下を通る途中。
三人の耳に一刀と祭の声が聞こえ、ふと、その方向へ視線を移した。
穏 「へ? あぁ本当ですねぇ」
冥琳 「あれは……どうやら祭殿が馬鹿を鍛えているようだな」
見れば中庭の中央、膝を突いて肩で息をし体中ボロボロの一刀と、体こそ傷一つないが何やら精神的に疲れきっている祭の姿があった。
一刀 「ハア、ハア、ハア ……まだまだぁ!!」
祭 「……く、まだ立つのか……」
一刀 「フフフ……今の所九十九戦九十九敗……しかし、九十九お触り!!」
祭 「ぐぅ……(なんて奴じゃ、わしに一撃もいれる事が出来んくせに毎回必ずわしの身体をいやらしく撫でおる。 ……しかしもうそろそろ冗談じゃ済まされんぞ)」
一刀 「ハァハァ……(祭さんの身体……全身くまなく堪能したが……あの箇所だけはまだ触ってない、さすがにガードが固いが……漢北郷一刀、アソコを触らずしてこのまま退くわけにはいかないぜ)」
嗚咽をはき、震えながら立ち上がった一刀が剣を構える
穏 「……あれは……」
冥琳 「結構、不味くないか?」
雪蓮 「…………」
その様子をみた三人が一刀の様態に気付く。 見るにそれは鍛錬の粋をとっくに越えている。
一刀 「ふふふふふふ……〈フラフラ〉」
祭 「北郷……その根性、というか執念は素直に認めてやる。 しかしもうそろそろやめにせぬと本気で死んでしまうぞ?」
一刀 「祭さん……俺はね、生きてる限り死ぬ気はないんだよ。 ……俺が俺でありつづける限り俺は、死なない!!」
ダッ
一刀 「頂きマン〇ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!」
祭 「馬鹿もんが!!!」
バキンッ
………
……
…
翌日
一刀 「はぁぁぁぁぁぁ……(トントントン) 痛ててっ」
侍女A「大丈夫一刀君、……ってゆうかなんでその怪我で包丁握れるわけ?」
一刀 「まぁ、ご褒美ですから。 ハハハハ」
侍女B「絶対人間じゃないよね、アンタ」
鍛錬のせいで全身に打撲跡が残り右腕と左足が折れている身体を酷使し、朝の仕事をやっていく。
昨日は結局一本も取れなかった上アソコも触る事ができないまま、いつの間にか俺は意識を失っていた。
(あぁ、なんかホント昨日は疲れたなぁ……)
ヒョコ
雪蓮 「一刀~~~、いる~~~~?」
一刀 「ん?」
呼ぶ声がしたので見てみると、厨房の入り口から雪蓮さんが顔を出していた。
なんと雪蓮さん、この時間に起きてるのか!?
雪蓮 「わっ、本当にいた!? なんで動けるのよ?」
一刀 「何か用っスか? 雪蓮さん」
雪蓮 「え? ん~~~~~……そうね、ちょっとこっち来て」
一刀 「?」
……
雪蓮 「ふぅ、気持ち良いわね。 久しぶりに早起きしちゃったわ」
一刀 「ハハハ、やっぱりそうなんスか?」
雪蓮 「む、やっぱりってどういう事よ」
雪蓮さんに招かれやってきたのは屋敷の屋根の上だった。
もやが段々晴れていくような朝の気配を感じ、二人で空を見上げる。
雪蓮 「……ねぇ、一刀は願いって……ある?」
一刀 「願い? ……ある。 それはたくさんあります」
雪蓮 「フフ、そう……それで、それは叶いそう?」
一刀 「え? ん~~~~~~どうかな? でも願って叶うものなら別に叶わなくてもいいんじゃないですか?」
雪蓮 「叶わなくても? ……どうして?」
一刀 「楽に生きていけるほどつまんないもんはないですよ。
無駄に苦労して無駄に頑張って無駄に楽しんで無駄に喜ぶ。 ……人間ってそんなもんかなって」
遠く地平線を見れば顔をだしたばかりのお日さんと目が合う。
きっと雪蓮さんが願うモノは彼女が背負った滅茶苦茶でかいものなんだろうな
雪蓮 「……一刀……」
一刀 「ハハ、なんて俺みたいな馬鹿が何言ってんスかね~~、俺そろそろ仕事戻らないと……」
そういって立ち上がろうとした瞬間、
____チュッ
一刀 「_______えっ?」
ほっぺにやわらかいグミの感触が、した。
一刀 「……はい?」
雪蓮 「アハハハ、何その顔。 一刀ってやっぱりおもしろいわね♪」
一刀 「し、雪蓮さん!? 今何を? っていうか今のもう一回!!」
雪蓮 「駄目よ、今のは私の問いに上手に応えてくれた褒美。 それから____」
タンッ
そこまで言い、雪蓮さんはヒラリと屋根から飛び降り……着地する。
雪蓮 「昨日はかっこよかったわよ!! 私、少し濡れちゃったわ!!」
一刀 「!!!」
雪蓮 「じゃあね~~♪」
……
一刀 「……ぉ」
一刀「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
…………ダダダダダダダダダダダ
冥琳 「朝からやかましいぞ、馬鹿の御使い!!!!! (ブンッ)」
パカンッ
一刀 「ぐへっ」
ハイヒールが頭を叩く音と共に、今日も呉の楽しい一日が始まります。
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駄文ですが夜ロックです。