No.178784

雛里のラブラブご主人様計画~ご主人様とお出かけ計画・前編~

戯言使いさん

どうも、この話は長くなりそうだったので、分けることになりました。おかげで今回は少し短いですが、どうかよろしくお願いします。

そう言えば、設定ですが、これは『萌将伝』と同じ世界だと思ってください。つまり、3国の武将たちが仲良しってことです。

最後に、いつもコメント、支援、ありがとうございます。それを励みに頑張りたいと思っております。

2010-10-17 13:55:04 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:5689   閲覧ユーザー数:4663

 

 

「朱里ちゃん朱里ちゃん」

 

「あ、雛里ちゃん。どうしたの?」

 

「ご主人様が面白い出し物を考えたって言ってたよ。だから一緒に聞きに行こうよ」

 

「うん!」

 

 

雛里と朱里は互いに「何だろうねー」と談笑しながら廊下を歩き、そして一刀の待つ執務室へと向かった。

平和になったお陰か、武将たちと民たちの触れ合いの場が増え、今では様々なイベントを共に楽しんでいる。今日の話も、きっとそれだろう。

 

コンコン

 

「あ、いいぞ」

 

「はい。失礼します」

 

ガチャ、とドアを開ける。

そこには椅子に座っている一刀と、その傍には武将が何人かが立っていた。

しかし、注目する点は違う。

その武将たち、翠、春蘭、明命の3人の服が見たことのない珍しい服だったのだ。雛里や朱里はとても物知りだったが、この服は見たことも聞いたこともなかった。

しかし、3人ともに言えることは、とても似合っていて、そして綺麗だった。

 

「あわわ・・・どうしたんですか?」

 

「実はな?今度は俺の国の洋服を着てみんなに見せる、俺の国ではファッションショーって言うイベントをしようかと思ってな、その服のモデルにこの3人を選んだんだ」

 

「はわわ!とってもお似合いです!」

 

「まったく・・・・華琳さまのお願いでなければ、私は嫌だったのだが・・・」

 

と、春蘭は悪態をつきながらも、ちらちらと鏡を見て、自分の姿を確認している姿は、まるで新しい洋服を買ってもらって嬉しがっている幼子のようで微笑ましかった。

それは翠や明命も同じで、少し恥ずかしがっていたが、やはり嬉しそうだった。

 

「でもな?この3人はそのイベントの日には大事な用があって、肝心のショ―には出れないんだ。だから、朱里と雛里に、代わりにショ―のモデルになってもらえないかなって。」

 

「あわわ、そ、そんな、私たちがお着替えをして人前に出るなんて・・・」

 

「そ、そうです!そんなの考えただけでもう・・・・はわわ・・・・」

 

「だよなー、二人とも恥ずかしがり屋だし、無理か。だったら、二人にはそのショ―に出る人を探してきて欲しいんだ。個人的には、詠、桂花、桃香あたりを頼むよ。服のデザイン的にイメージと合うし」

 

「は、はい」

 

 

 

 

こうして雛里と朱里はその3人を探し出し、そして交渉をすることになった。

 

桃香は喜んで参加することを承諾し、詠はしぶしぶ月にお願いされた末に承諾、そして一番の難関だと思われた桂花は、華琳の命令でもないのに、口で悪態をつきながらも承諾してくれた。

 

 

 

 

 

しかし、ファッションショーの一週間前、雛里はとんでもないことを聞いてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは、朝の会議の時のことだった。

 

一刀が会議の最後のこう言った。

 

「あ、ファッションショーのことなんだど、宣伝と服に慣れてもらうってことで、これから俺とモデルは一日交代で街を一緒に歩くことにしたから。そうすれば、服にもなれるし、それに街の人へもいい宣伝になるだろ」

 

「ほんとー!?ご主人様と一緒にお出かけ出来るの!?」

 

「あぁ、しかも仕事だから、愛紗を気にせずゆっくりと遊べるぞ」

 

「わーい!ご主人様とお出かけなんて久しぶりー!」

 

と、喜ぶ桃香。

 

「ちょ・・・そんなの・・・・聞いてないし!」

 

と、言いながらも、少し嬉しそうに頬を染めている詠。

 

 

そして

 

 

「ふざけないでよ!どうして私があんたなんかと一緒に街を歩かないといけないのよ!妊娠したどうするの!」

 

と、いつも通りに反抗する桂花。

 

 

「あれ?確か桂花って妊娠して2カ月だったよね。だからもう妊娠の心配はないじゃん」

 

「あんたが勝手に孕ませたんでしょ!?最低よ、あと半年もしたら私は故郷に戻って出産の準備しないといけないし、そのせいで華琳さまのお傍にいられないし、全部あんたのせいよ!」

 

「でもさ、俺はすごく嬉しかったんだぜ?だって、俺と桂花の子供だぞ?きっと凄く可愛いぞ。桂花に似て」

 

「うっ・・・変なこと言わないで!でも・・・まぁ・・・・少しは楽しみだけど」

 

と、少し拗ねたような顔をしながら、自分のお腹をさする桂花の姿は、母性に溢れた母親のようだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、そんなムードどころではない。

 

朱里と雛里は顔を見合わせた。

 

 

 

―――一刀とのお出かけ。

 

 

 

そんなことが出来るのなら、雛里と朱里は恥ずかしかったが、モデルをやってもいいと思っていた。

 

「朱里ちゃん朱里ちゃん」

 

「うん。分かってるよ雛里ちゃん。羨ましいね」

 

「どうしようか・・・・」

 

「私たちなら二人で一人のモデルになれると思うの。体格も同じだし、そうしたら、雛里ちゃんと私とご主人様でお出かけ出来るよ」

 

「その為には誰か一人、欠席してもらわないとね」

 

「そうだね。どうしようか・・・・雛里ちゃん」

 

 

 

 

うーん、と考える二人。

 

今は平和の世。あまり酷いことは出来ないし、それにしたくない。

 

 

 

 

あわっ!

 

 

 

 

 

 

「・・・・あわわ、私に任せて」

 

 

 

 

 

 

雛里がいつものように帽子で目を隠しながらも、普段よりも力のある声でそう言った。

 

 

 

 

 

「雛里ちゃん?」

 

 

 

朱里も普段とは違う雛里に少し驚きながらも問いかける。

 

その問いかけに、雛里は確かに頷いて、

 

 

 

「あわわ、あわわ、ご主人様とお出かけ計画、始動しちゃいます」

 

 

 

と、小さく呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけぺーじ

 

 

 

 

『きょーの、ひなりちゃん!』

 

 

 

「なぁ、雛里」

 

「あわわ、何ですか?」

 

「実は俺の部屋からよく下着がなくなるんだ。それで不思議に思ってたんだけど、ある日お前の部屋に俺の下着があるのを月と詠がみつけてな」

 

「あわ!?」

 

「もしかして、下着泥棒ってお前だったのか・・・・?」

 

「・・・えぐっ、えぐっ・・・・ひ、酷いですぅ」

 

「わ、わ、ごめん雛里!泣かせるつもりじゃなかったんだ!」

 

「わ、私は・・・えぐっ・・・ご主人様の下着が外に落ちていたので、誰か見られたらご主人様が恥ずかしい思いをすると思って・・・・えぐえぐ・・・・私は持っていただけなんです・・・・」

 

「そ、そうだったのか・・・・」

 

「それなのに、私を犯人扱いするなんて・・・・酷いですぅ・・・・ご主人様のためにしたのに・・・・ふええぇぇぇん」

 

「ご、ごめんな?ほんとにすまん!」

 

「ご主人様は私を信用されていないのですね・・・・ずっとお傍でお仕事をしていたのに・・・・えぐっ・・・私、いらない子なんですね・・・・」

 

「違うよ!俺には雛里が必要だよ!そうだ!今日はずっと雛里の傍にいてやるから。ほら、仕事サボって一緒に街にでも行こう!な?」

 

「ご、ご主人様はわ、私を愛していますか?」

 

「当然だよ!本当にごめんな?疑って。でも、もう大丈夫、雛里は信用できるし、それに何より大好きだからな」

 

「え、えへへ、ご主人様ぁぁ」

 

「あはは、雛里は甘えんぼさんだなぁ、よし、今日はいっぱい遊ぶぞ!」

 

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――あわわ、本当にご主人様は優しいですぅ。泣き真似なのに信じてくれて・・・・それにしても月さんと詠さんですか・・・よく言って聞かせておかないと・・・・あわわ、あわわ

 

 

 

 

 

 

※これからおまけは不定期になります。すみません(_ _(--;(_ _(--; ペコペコ


 
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