No.169787

真恋姫無双~ありえたかもしれない外史AF~ 第8話 二回戦×霞 

ちいたさん

久しぶりの投稿です。遅くなってしまいすみません。生暖かく見守ってください。

2010-09-02 00:48:18 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:12007   閲覧ユーザー数:9402

この作品は原作のキャラの性格が変化したり時代背景が変わったりします。またオリジナルな展開などもいれようと思っています。

なので原作好きの方また特定のキャラが好きな方はスルーしてください

 

昨晩、一刀は久しぶりに自室に戻った。寝具の感触は非常に気持ちよく一刀はすぐに意識を手放した。

  「………」

一刀は規則正しい寝息をたて眠っている。そんな一刀の寝室の扉が開き、何者かが侵入する。

七乃「おはようございます~」

美羽「何を言っているのじゃ、七乃?」

七乃「いえ、何か言わないといけない気がしまして~」

美羽「うむ。ならしかたないのじゃ」

そう言って納得する美羽。そして、二人はそのまま気配を殺して一刀に近づく。

  「…………」

寝ている一刀の顔を見て美羽は笑みを浮かべる。

美羽「行くぞ!!」

そう言うと美羽は一刀にむかいボディープレスをかます。

美羽「一刀~~!!朝なのじゃ~!!」

  「ごふっ!!」

美羽はそのまま一刀の腹の上に勢いよくのる。一刀は突然の衝撃で目を覚ます。

  「ごほっ……ごほっ……」

美羽「おはようなのじゃ!!」

七乃「おはようございます~」

一刀の視界に美羽と七乃の二人が映った。

  「何をするんだよ」

七乃「お茶目に一刀さんを起こしてみました~」

  「……あやうく昇天する所だったよ」

二人に文句を言いつつ一刀は起き上がる。

美羽「一刀~一緒に朝ごはんを食べるのじゃ」

  「わかった……着替えるから外で待っていてくれ」

七乃「よかったら手伝いましょうか~」

美羽「ましょうか~」

二人の言葉を聞いた一刀はそのまま二人の首根っこを掴んで部屋の外に放り出す。

  「すぐ済むから待っていろ」

そう言って一刀は部屋の扉を閉めるのであった。

 

着替えを済ませた一刀は、美羽達と朝ごはんを食べてそのまま武闘祭が行われる会場に向かった。そして、まもなく一刀の試合が始まる。

審判「西方!!北郷一刀!!」

審判に呼ばれ一刀が姿を現すと大歓声が起こる。そして、一刀はそのまま中央に向かう。

審判「東方!!張遼将軍!!」

一刀の対戦相手である霞が姿を現したが、物凄く機嫌が良かった。そして、両者が中央で並ぶ。

霞 「一刀~…ついにこの時がきたな~」

  「機嫌がいいな」

霞 「当たり前や!!一刀と戦えると聞いてから昨日の夜からずっと血が滾ってるわ!!」

  「そうかい」

他愛もない会話をしていると霞が思い出したように言う。

霞 「そういえば昨日、季衣と流琉が世話になったみたいやないの」

  「別に……飯をおごっただけだ」

霞 「ふ~ん、そうかい」

  「さてとお喋りはここまでだな……霞」

霞 「そうやな」

両者はそのまま距離を取ると、お互いに武器を構える。

 

 

華琳「昨日、北郷とご飯を食べたのかしら?」

華琳は霞の発言を確認するために季衣と流琉に視線を向ける。

季衣「はい、そうです」

流琉「あ…あの……何か問題でも……」

華琳「いえ……気にしないでいいわ」

季衣と流琉は昨日の一刀とのことを話した。

華琳「なるほどね」

美羽「一刀!!今度妾達にもご飯をおごるのじゃ!!」

七乃「そうだ、そうだ~」

季衣達の話を聞いた美羽と七乃が一刀に対して抗議をするが、一刀は集中していて反応が全くない。やがて審判が二人の間に立つ。

華琳「二人ともそこまでよ……試合が始まるわ」

 

審判「……始め!!」

  「ふっ!!」

霞 「はぁぁぁ!!」

審判の掛け声と共に両者が一斉に距離を詰める。そして、両者の武器がぶつかる。

  「せい!!」

霞 「やぁ!!」

さらに互いに攻撃をしかける。それをお互いに避けて、武器で受け止める。そこから何合も打ち合う一刀と霞。しかし、徐々に霞の顔が歪み一刀の攻撃に押され始める。

霞 「くっ!!」

  「はぁぁぁぁぁぁ!!」

一刀が放つ一撃に霞は武器で受け止めるがそのまま吹き飛ばされる。霞は一刀と距離を取りつつも一刀を見る。しかし、その顔は笑顔にであった。

霞 「くぅぅぅ……ええで、一刀!!」

そう言って飛龍偃月刀を構えなおす霞。すると一刀も双剣を分断して二刀流になる。

  「……霞」

霞 「何や?……一刀」

  「確か……霞の所には氣を使う娘がいたよね?」

霞 「おるで~……凪って言うんやけど滅茶苦茶かわいいで~。何や一刀は凪みたいな娘が好みなんか?」

ニヤニヤした顔で一刀を見る霞。ちなみに観客席にいた凪は顔を真っ赤にしていた。

  「……別に。ちょっと確認しただけ」

霞 「確認?」

  「そう…確認だよ」

一刀がそう言うと白夜と月詠の刀身が輝き始める。

 

一刀の様子が変化したことに霞が警戒を高める。

霞 (何が……くるんや?)

すると一刀がおもむろに白夜を振る。

霞 「っ!!」

白夜の刀身から放たれた氣が刃の形となって霞を襲うが、霞はそれに気づき避ける。

霞 「ちょっ!!」

さらに一刀は連続で氣の斬撃を霞に放つ。連続で放たれた刃を霞はかろうじて避けていく。

霞 「ちょっと一刀~……凪みたいな氣弾も撃てるんかいな~」

  「まあね…氣を纏うことができるならその逆も当然できるよ……霞の可愛がっている娘だってできるだろ?」

霞 「そらそうやけど……近距離も遠距離もどっちもイケるなんて一刀ずるいわ~」

霞は口で文句を言いつつもおもしろそうに口を釣り上げる。

霞 (ほんまに一刀はすごいな。めっちゃ楽しい~!!)

武器を構えなおして霞は一気に一刀との距離を詰める。

霞 「おらぁぁぁ!!」

霞の攻撃を白夜で受け止める一刀はそこから月詠を横に振い反撃をする。

霞 「……くっ!!」

一刀の反撃を避ける霞だが一刀はさらに攻撃を繰り出していく。そこから一刀は流れるように上下左右から攻撃を霞に繰り出す。一刀の連続攻撃を何とか受けとめて凌ぐ霞だったがたまらず一刀と距離を取る。

  「逃がさないぞ……霞」

距離を取った霞を見て、一刀は白夜を空に掲げて氣を放出する。

  「…『千刃』」

そう言って白夜を振り落とす。

霞 「何や……」

霞が空を見上げると、大量の氣の刃が霞に目掛けて落ちてくる。

霞 「嘘やろ!!」

霞は刃の雨を避けることができずにそのまま巻き込まれしまい砂塵が起こる。

 

  「はぁ……はぁ……はぁ」

一刀は呼吸を整えながら目の前の砂塵を見ている。

  (……らしくもないな……こんな戦い方)

自分の戦闘に内心苦笑しながら一刀は呼吸を整える。しかし、その顔はどこか楽しそうであった。やがて砂塵がおさまると、そこには全身ダメージを受けながらも霞が立っていた。

霞 「か・ず・と~……自分、ずいぶんと飛ばしているやないの」

飛龍偃月刀を肩に担いで霞は笑う。

霞 「今までの一刀の戦い方とは全然違うから……ウチ驚いたで」

「折角のお祭りだしな……たまにはこんな戦いもいいかなって……気に入らなかったかい?」

霞 「うんや……最高や!!もっと戦おうや!!」

一刀と霞はそこから再び打ち合いを始める。

 

 

霞 「おらぁぁぁぁぁ!!!」

  「はぁぁぁぁぁぁ!!!」

互いの武器がぶつかる音が聞こえる。

霞 (なんや……この感覚。すごく研ぎ澄まされた感じや)

迫りくる一刀の攻撃を霞は焦ることなく受け止めていく。何度攻撃しても手ごたえを感じない一刀は、一旦霞から距離を取り、刃を撃つ。

霞 「よっ!!」

霞は焦ることなくその刃を避ける。そこでふと霞はあることに気づく。

霞 (やっぱりや……刃を放った後、ほんの少しだけ一刀に隙ができている)

それは、ほんのコンマ数秒の隙。しかし、一流の武人であれば致命傷になりかねない隙であった。

霞 (なら……)

  「…………」

霞が一刀から距離を取るのを見て、一刀が刃を放つ。

霞 「行くで!!」

武器を構えなおした霞は一刀の攻撃と同時に刃を避けて、そして一気に一刀の懐に入る。

  「っ!!」

霞 「一刀!!これで終いや!!」

勝利を確信した霞の飛龍偃月刀の一撃が一刀を襲う。

 

一刀の懐に入った霞は全力で偃月刀を振う。しかし、その一撃があたる寸前で一刀がニヤッと笑う

  「かかったな…霞」

霞 「なっ!!」

一刀が僅かに見せた隙は霞をおびき出すための罠であった。しかし、霞は構わずに一刀に攻撃を仕掛けるが霞の攻撃が一刀に当たると一刀の姿が霧散する。

霞 「なんやて!!」

消えた一刀に霞は驚くと、不意に霞は何かに包まれた感覚になる。

  「これで終わりだ」

霞 「えっ……?」

霞が一刀の声に気づくと、全身に青白い氣を纏った一刀が霞の背後に立っていた。そして、一刀は白夜と月詠を鞘に戻していく。

霞 「なんで武器を戻してるんや?まだ終わって……」

  「いや……もう終わってるよ」

一刀がそう言うと霞は身体の力が抜けていくことを感じた。そこで霞はあることに気づいた。

霞 「い、いつのまに……」

霞はそのままその場所に倒れていき、意識を失った。

審判「勝負有り!!」

審判の掛け声と同時に、観客席から大歓声が上がった。

 

星 「最後のアレは……」

一刀と霞の試合を見ていた星が呟く。

星 「いやいや……一刀殿の底はまだ見えませんな」

そう言って苦笑する星。さらに他の武将たちも一刀に注目していた。

 

 

凪 「……すごい」

真桜「あの姐さんを圧倒するんかいな」

沙和「強過ぎなの~」

凪が感嘆の声を出して一刀を見る。その眼には畏敬の念が込められている。

真桜「同じ氣の使いとして凪どうなん?」

凪 「……別格だ。悔しいけど私と北郷様では氣の質も量も全然違う。」

沙和「凪ちゃんよりもすごいの?」

凪 「…ああ」

凪の発言を聞いた二人は「はぁ~」と息をつく。

凪 「私ももっと精進をしないと」

そう言って拳を強く握り締める凪であった。

 

後書き

お久しぶりです…武闘祭二回戦を執筆しました。相手は霞でしたが何か呆気なく終わってしまった感が否めない…自分の実力不足が悔しい。

今回投稿が遅くなったのはちょっと色々と立て込んでしまって遅くなってしまいました。本当に申し訳ございません。さて次は一話置いてすぐに三回戦を書きます。相手は……誰でしょう?一応何人か候補があるので今考えているところです。

ではみなさんまた

 

設定

『千刃』 一刀が持っている数少ない技。要は大量の氣の刃を一気に放つ。大量に氣を消費するので一刀はあまり使用しない。

 

最後の技は本編で明かしていきます。と言っても大した物ではないですけど


 
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