No.165155

真恋姫無双~奇妙な生活~ 第1話 それは衝撃の出会い?

ちいたさん

投稿です。生暖かく見守ってください。

2010-08-12 01:35:50 投稿 / 全10ページ    総閲覧数:12044   閲覧ユーザー数:9433

この作品は原作のキャラの性格が変化したり時代背景が変わったりします。またオリジナルな展開などもいれようと思っています。

なので原作好きの方また特定のキャラが好きな方はスルーしてください

 

大陸の中心である洛陽は現在、戦火が広がっていた。きっかけはとある一つの檄文である。三公を輩出した名門袁家の当主である袁紹が諸侯に送ったものである。

内容は洛陽で暴政を行っている董卓から民を救うというものであった。各諸侯達はこの檄文を読み、ある者は己の覇道のために、ある者は宿願のために、ある者は自らの理想のために、この反董卓連合に参加していた。

反董卓連合は圧倒的な戦力で、要所である汜水関も虎牢関も陥落していった。主要たる将を失った董卓軍は壊滅状態であった。

 

ある山中を一人の少女が数人の護衛兵士と共に走っていた。少女の服装は見るからにどこかの貴族であるような格好であった。彼女の名前は董卓であり、反董卓連合の最大の目標である。彼女は親友である賈駆が何とか逃がしてくれて山中を走っていた。

月 「はぁ…はぁ…はぁ」

月 (なんでこんなことに……)

洛陽で自分は民たちのために懸命に尽くした。宮中の権力争いにも親友達と共に何とかやり過ごしてきた。決して望んで洛陽に来たわけではないが、それでも自分たちは責められる理由はないはずであった。

月 (……詠ちゃん)

兵士「董卓様!!もう少しで……がはっ」

護衛の兵士が月に声をかけた瞬間、護衛の兵士がその場で崩れる。

兵士「な、何だ!!」

そう言って残りの兵士が身構えると月の前に何十人もの男が現れた。男達の格好は黄色い布を巻いてあるのを見ると黄巾党の残党であることが予想される。

兵士「董卓様……お逃げください」

月 「で、でも」

兵士「あなたに何かあれば賈駆様に申し訳ありません」

月 「……わ、私は」

兵士「速く、お逃げください!!」

兵士の言葉を聞き月はその場所から走り出した。

兵士「あなたにお仕えできたこと誇りに思います……」

兵士達はそのまま残党と対峙する。

 

月は一人になり山の中を走っていた。しかし、石に躓きこけてしまう。

月 「はぁ…はぁ…はぁ」

なんとか立ち上がろうとするがそこに人影が現れた。月が見るとそこには先程の残党達が下卑た笑いを浮かべ月に近づいてくる。月は恐怖で体が動かなくなる

月 「兵士の……皆さんは……」

残党「ああ……殺っちまったよ。」

そう言って手に持った剣を月に見せる。その剣は赤色に染まっておりそれが血液であることがわかる。

月 「あっ……あぁぁぁぁ」

残党の言葉を聞いた月の目から涙が流れて、その表情は絶望に染まる。さらに残党は近づく。

残党「安心しな…お前さんは殺さないよ。俺達が十分に楽しんだ後にどっかの貴族に売ってやるから」

男がそう言うと周囲の残党達も同意とばかりに笑い声をあげる。そして、男が月に触れようとした。

月 (……もう……ダメ……詠ちゃん…みんな……)

  「……何をしているんだい?大勢でそんな女の子を囲んで」

諦めた月の耳にそんな言葉が聞こえた。

 

突然の第三者の介入に残党達がその方向をむくと、そこには背中に籠を背負った男がいた。それを見た残党達がニヤニヤと笑い青年も囲む。

残党「兄ちゃん……今持っているもの全部渡すなら命は助けてやる。」

そう言う残党と月を青年は交互に見てため息をつく。

  「………屑だな」

残党「ああっ!!何だと!!」

  「だから、あんたらは屑だと言ったんだよ」

青年の言葉に残党達は怒りの表情を浮かべる。

残党「どうやら死にたいみたいだな!!お前らこいつを殺っちまえ!!」

男の声を聞き残党たちは剣を抜く。

  「やれやれ……北斗」

むかってくる残党を見て青年は一言呟いた。

??「がおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

突如、獣のような雄叫びが響き空気が震える。

残党「な、何だ!!」

突然響いた雄叫びに怯む男達。すると青年の前に一つの影が降りてきた。

白虎「ぐるぅぅぅうぅぅぅぅぅ」

突然現れた影は白虎であった。それを確認した男達の表情は驚愕に染まる。

残党「び、白虎……だと……」

そんな男達を見て青年は淡々と白虎に告げた

  「北斗……こいつらを葬れ」

 

月 「あっ………あっ………」

月の目の前に映る光景は地獄絵図であった。白虎は男達を鋭い爪で男を裂き、その牙で噛み殺していく。そして、残党は最後の一人になった。

残党「う、嘘だろ……」

男は腰を抜かし、殺された仲間の死体を見ていた。そこで白虎が男を見る。

残党「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

男は視線が合うと恐怖で声をあげて逃げ出すが、人間が虎から逃げられるわけがなくあっさり男の前に白虎が先回りする。

残党「く、来るな!!」

男はそのまま剣を抜くと白虎に斬りかかる。白虎はそれをかわして、男に体当たりをかまして吹き飛ばす。

残党「ぐほっ!!」

男が血を吐きながら立ち上がろうとするが、白虎に前足で身体を押さえつけられる。そして、そのまま男を咥えて引きずり茂みに消えていく。

月 「…………っ!!!」

そこから男の悲鳴があがるのを月は目を瞑り、耳を塞いで聞こえなくする。しばらくすると茂みから白虎が現れる。その口元は赤色に染まっていた。

  「北斗……ダメだろ。あんなもの食べちゃ…」

北斗「ぐるぅ」

  「さてと……」

白虎の頭を撫でながら注意をする青年は月に視線をむける。月はそんな青年を見てそのまま恐怖のあまり気絶する。

  「もしも~し……ダメだ。返事がない」

北斗「ぐるぅ」

  「……しかたない。家に運ぶか……」

青年は籠を降ろすとそのまま月をおんぶして歩き出す。そんな青年の横に並んで白虎も籠を咥えて歩き始めた。

 

  「~~~♪~~~♪~~~♪」

月 (……綺麗な歌です)

月の耳から心地よい歌が聞こえてくる。すると不意に月の身体が揺さぶられる。

月 (ん?何だろう?)

突然の揺れに月が目を開ける。すると目の前に

北斗「ぐるぅ」

白虎がいた。

月 「へぅ~~~~!!!!」

 

 

  「何だ?どうした」

月 「……あっ」

月が悲鳴を上げて北斗と距離を取るとそこにあの青年が現れた。青年は月と北斗を交互に見るとため息をついた。

  「北斗……驚かしたら駄目だろ」

北斗「ぐるぅ~」

青年に注意された北斗と呼ばれた白虎はしょんぼりと項垂れて月から離れて部屋から出て行く。

  「ごめんな……うちの北斗が」

月 「い、いえ……その……」

月が返事に困っていると不意に青年が月に近づきじっと月の顔を見る。急に異性の顔が近づいたせいで月の頬が朱色に染まる。

  「ふむ……顔色は大分良くなったな」

月 「へぅ……」

月の顔色を確認した青年は立ち上がると月に言った。

  「とりあえず飯を食いながら色々話しますか」

 

月と青年は座敷の中央に置かれた鍋を囲むように座っていた。月は青年からお粥を受け取る。

月 「ありがとうございます……あ、あの」

  「ん……あ~俺の名前は北郷一刀な…一刀って呼んでくれ」

月 「あっ…はい……一刀さん」

中央にはお粥と何品かのおかずが置いてある。それを黙々と二人は食べ始める。

月 「ご、ごちそうさまでした」

  「お粗末さまでした」

やがて食べ終わると一刀は食器を片付け始める。

月 「あ、あの手伝います」

  「いいから、いいから。君…まだ病み上がりだから…大人しくしておいてくれ」

そう言って月を制止して、一刀は片づけを始める。月はそのままじっと座っていると、しばらくして一刀がお茶を持ってやってくる。

  「ほい……お茶」

月 「ありがとうございます」

一刀からお茶を受け取りそれを飲み始める月。一刀もお茶を飲むがやがて椀を置くと月を見る。

  「さてと……とりあえず君が何者か教えてもらおうかな?」

月 「………」

  「君が着ていた服とかを見ると結構な身分なのかな?」

月 「えっ?………あっ!!」

そう言って一刀は干している月が着ていた服を見る。ちなみに現在月は白い浴衣のようなものを着ていた。そのことに気づいて月は顔を真っ赤にする。

  「あ~~ごめん。服がすごく汚れていたから……その」

一刀も月の変化に気づいて気まずそうに顔をそらす。

月 「い、いえ……その…大丈夫です………気にしていませんから」

月はそのまま俯き沈黙する。しばしの沈黙の後再び一刀が口を開く。

  「あ~~ごほん。話はそれたけど君の名前は?」

月は顔を上げて一刀を見る。しばらく一刀を見ていた月であったがやがて意を決したように口を開く。

月 「わ、私の名前は……董卓です。」

月の言葉を聞いた一刀は驚いたような顔をする。

 

  「……なるほど」

月から全ての話を聞いた一刀は月を見る。そして、軽く息を吐く一刀。

  「君が董卓ね~……」

そう言ってお茶をすする一刀。そんな一刀を不安そうに見る月。

月 「あ…あの……私は」

  「あ~……別に君を売ったりしないから心配しないで」

月 「えっ?」

月の発言を遮った一刀を驚いたように見る月。

  「君みたいなかわいい娘を売るなんて鬼畜なことはできないよ」

月 「へぅ…」

一刀の発言を聞き再び顔を真っ赤にする月。

  「君がこれからどうするかは、後々考えればいいよ。折角出会えたのも何らかの縁だし……しばらくはここにいるといいよ。」

月 「いいのですか?」

  「別に一人増えたぐらいどうってことはないよ」

月 「ありがとうございます。わ、私の真名は月と言います。そう呼んで下さい」

  「……了解……月」

頭を下げる月。そんな月を微笑ましく見る一刀。

  「あっ…そうだ。あそこにいるのが北斗ね…仲良くしてやってくれ」

北斗「ぐるぅ」

一刀の言葉に物陰にかくれていた北斗が顔を出し反応する。

月 「は…はい……よろしくね…北斗ちゃん」

北斗「ぐるぅ」

若干怯え気味に北斗に挨拶をする月。こうして一刀と月と北斗の奇妙な同居生活が始まった。

 

後書き

久しぶりの更新です。遅くなってしまって申し訳ございません。ありえた~のAFのネタが思いつかずに急遽こっちが浮かんでしまい執筆しました。もしありえた~のAFを待っていたかた申し訳ございません。ただこの作品は見切り発車の部分がほとんどなのであまり期待しないでください。

あと以前のおまけで軽く書いたモーホー伝は萌将伝も完了したので機会があれば書いてみたいです。もちろんAFがしっかり書けてからですが……。次回はAFを投稿できるように頑張ります。

ではみなさんまた

 

設定

北斗 オスの白虎。イメージはうたわれ〇もののムッ〇ル。まだ若い虎だが大きさはかなりでかい。一刀に懐いており、一刀の命令に忠実。徐々に月にも懐く。強さはかなり強く愛紗達ですら一対一で苦戦する。一刀との出会いは……本編で執筆できればいいな。

 

この物語の一刀 黄巾党の前からこの世界に来ていたが誰とも遭遇することなくとある村に辿り着く。そして、そのまま村の外れにある空き家に住み始める。そのまま反董卓連合まで原作に介入することなく過ごしてきた。どんな生活などをしてるかは本編で執筆予定。

この作品の一刀の能力などは自分が書いている『ありえた~外史』の一刀と同じと思ってください。ただあまりその能力を発揮することはないかもしれません。

 


 
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