俺は秋月大和(あきつきやまと)。帝都のとある私立高校に通う普通の学生・・・・だった。
何故過去形なのかと言うと、もう普通とは言えない生活を送っているからだ。
鶺鴒計画。それが今の俺が普通の生活を送れていない理由だ。
鶺鴒計画は、簡単に言うと108羽いるセキレイたちが葦牙と共に最後の1羽になるまで戦い続けるバトルロワイヤルだ。
俺はその葦牙の内の一人になったと言うわけだ。
ちなみに俺のセキレイはNo.07撫子。
特徴は、刀を舞うように振るって戦う。その際になびく白い着物のような服と白銀の髪がとても美しい。と言うより、美しいと言う言葉が具現化したような感じだ。
さて、今はどういう状況かと言うと、撫子が羽化をしてから数日たったのが今。特に何も無く平穏無事に毎日を過ごしていた。
ここは俺の通っている高校。今は昼休み。俺は小学一年からの付き合いのいわゆる悪友(決して親友とは言わない)、泉圭介(いずみけいすけ)と昼食をしていた。
「なぁ、大和。何か最近お前ずっと弁当だな。お前が料理できんのは知ってるけど、今まで『めんどい』とか言って全然やってなかったのになんで急に作り出したんだ?」
「ん?いやぁ、まぁ~たまにはいいかなぁって思って作り出したらハマっちゃってさ~。あはははは」
もちろんこれは嘘である。今まで俺の家の家事は俺がやっていた(まぁそんなうまくないけどな)。しかし、今は違う!すべて撫子がやってくれている!俺なんかより全然効率良く、さらにうまく家事をこなしてくれている。本人は俺がいない間の暇つぶし感覚でやっているようだが、やってもらっているこっちとしては本当に助かっている。
「ふ~ん。なあそれ一個くれよ」
そう言って俺の弁当に箸を伸ばす圭介。だがしかし、貴様ごときに撫子が俺のためだけに作ってくれた弁当を米の一粒たりとも渡すものか!
「やだね!何故俺の弁当をお前に恵んでやらなきゃならんのだ!」
「いいじゃね~かよ一個くらい」
「断る!」
「けち~」
そんなやり取りをしつつ昼休みが終わった。
放課後。俺は帰りの支度をしていると圭介と数人が声をかけてきた。
「なぁ大和。今日この後暇か?」
「あ?なんでだよ」
「実はさ、この後帝都女学院の子と合コンすんだけどさ。お前も来いよ~」
「う~ん。いいや」
「なんで!?お、お前帝都女学院だぞ!帝都でも1、2を争うお嬢様学校だぞ!一生に一回あるかないかのチャンスなんだぞ!」
「まぁ、知ってるけどさぁ。でもまぁ別にいいや」
なにせ俺には撫子がいるからな。ふふふ、負け組み諸君頑張れよ!
「そう言うわけで、じゃあなぁ」
そう告げ、俺は帰路についた。
「たっだいま~」
俺はこれでもかというくらいテンション高めに家の玄関の扉を開けた。すると、奥のほうからエプロンをつけた撫子が出てきた。
「お帰りなさいませ。大和様」
そう言いながら微笑んでくれる。何か新婚さんみたいだよなぁ。
「どうかなさいましたか?」
「いや~なんか新婚さんっぽいなぁって思って」
「し、新婚・・・・(//////)」
「顔赤いけど大丈夫か?」
「だ、大丈夫です。あ、あの・・・や、大和、様」
「ん?何?」
「そ、その。ご飯にしますか?お風呂にしますか?そ、そそそそれとも、わ、わ、わ、うぅ(/////)」
「ど、どしたの?急に」
「い、いえ。そ、その。新婚みたいとおっしゃられたので、その、に、新妻をやってみようと思ったのですが・・・・・すみません」
か、可愛い。可愛すぎだろぉぉぉぉ!!な、なんだ、なんか本当に新婚っぽくなってきたぞ。
「い、いや。あの。良かったよ。本当」
「そ、そうですか?」
「うんうん。すっごく!」
力強く言った。拳を握り締め、血が出そうになるほどに。
「あ、あのでもまだ夕食はできていないんです。お風呂ならもうすぐ沸きますが・・・」
「あ~じゃあ沸いたら入ろうかなぁってもう沸いたみたいだな」
「あ、はい。そのようです」
「じゃあ入ろ」
それから風呂に入り、撫子のおいしい食事を食べ、しばらくくつろいだ後床についた。
その日、俺はなんだか不思議な夢を見た。
女の子が出てくるのだが、その子の顔はなんだかボヤけて良くわからない。
一体、なんなんだろう。この夢は・・・・
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せっかく今第二期が放送中なので書いてみました。
まぁ、前に書いたやつの続きなので本編には関係ないのですが・・・・
コメントください!是非!