この聖フランチェスカ学園は伝統のある進学校である。
数年前までは由緒正しいお嬢様学校だったが、少子化のために共学化された。
最初の頃は男子の数は8:2くらいだったが、俺が入学する頃には6:4くらいにまでなった。
元々俺は地方の出身であったが、何故この学校に入学したかというと、実家の剣術道場を継ぐ気がなかったからだ。どうしてそれが進学校に入学とつながるのかと言うと、祖父曰く「この道場を継がないなら、それなりの結果や経歴を作れ」とのこと。
その言葉によって俺はこのフランチェスカ学園に入学した。
貂蝉の案内に従って学校の歩道を歩いている。その道中、三国のみんなはきっちり整備された道や背の高いビル群に驚いていた。
一刀「なぁ、貂蝉。この道、俺の記憶が確かなら、今まで無かったと思うんだけど、どこにつながってるんだ?」
貂蝉「むふふ、さっきも言ったでしょ。これから案内するところで全部伝えると」
一刀「むぅ、そうだけどさ~。やっぱ気になるんだよ」
貂蝉「もうすぐよん。ほら、見えてきたわ」
目の前に見えてきたのは、超高級ホテルのミニチュア版と言った感じの建物だった。
一刀「・・・・こ、これ・・・・何?」
貂蝉「ここはね、あなた達のための寮なのよん。まぁ詳しい話は中に入ってしましょ」
そう言って貂蝉は建物の中に入っていった。
一刀「じゃあ、早速だけど説明してくれるか?」
今俺たちがいるのは、ホテルで言うところのエントランスにあたる部分にいる。てか、最早エントランスである。
貂蝉「わかっているわん。では、何から聞きたい?」
一刀「じゃあ、まず今はいつなんだ?」
貂蝉「今はご主人様があっちの世界に行った日の翌日の早朝よ。つまり、今は試験休み中よん」
一刀「へ?時間が全然経ってないのか?」
貂蝉「そう言うことね。まあ、時間の流れが違うと思ってもらう他説明のしようが無いのだけれど・・・」
一刀「そうか」
そう、俺があっちの世界に行ったのは期末試験終了日。明日からの試験休みはどうしようかなぁと考えていて、起きたらあの荒野。そして、黄色い三連星。と言った感じである。
一刀「じゃあ次。これから俺達はどうしたらいいんだ?」
貂蝉「まぁ、それが本題よねぇ。でも大丈夫よん。そのことに関しては手は打ってあるから」
一刀「と、言いますと?」
貂蝉「これからみんなには、この聖フランチェスカ学園に入学してもらうわ」
一刀「え?だ、大丈夫なのか?」
貂蝉「問題ないわよ。これから試験休みがあって、あとは終業式だけ。夏休みになればそれなりの勉強もできるでしょ。それにここには歴史に名を残す名軍師たちもいるのだし大丈夫でしょ?」
一刀「いやまぁそうは思うけど・・・」
貂蝉「でもご主人様?一番大変なのはご主人様なのよん」
一刀「へ?俺?」
貂蝉「そうよん。だって、ご主人様はみんなに読み書きだけではなく、この世界の常識や機械の使い方等々教えることは山ほどあるのよ」
一刀「え?貂蝉は手伝ってくれないのか?」
貂蝉「う~~~~ん。そんな捨てられた子犬のような顔で見られても、これはご主人様が頑張ることなのよね~。まぁ、生活の援助はしてあげるけどねん」
一刀「そ、そうかorz。ん?生活の援助?」
貂蝉「ええ」
そう言うと貂蝉はパンツ?から厚みのある茶封筒を取り出した。お前はどこかの特殊刑事か!
その行為にみんなはドン引きだった。もちろん俺も。
一刀「こ、これは?通帳?」
中に入っていたのは銀行通帳。しかし、それはただの通帳ではなかった。中に書かれた残高の数値が異状だった。簡単に言うと、今現在の日本の国債を全額返済しても余裕で残る金額だった。
一刀「な、なななななななgjgkr何だこの金額は・・・・・。だだだだだgfdgんs;大丈夫なのか?これ。俺捕まったりしない?」
貂蝉「大丈夫よん。私たちが色々手を回しているから。ちなみにこの寮もそうよ」
一刀「そ・・・そうか」
まだ心配は残るが、信じるしかない。とか思っていると、貂蝉はまた別のものを取り出した。ちなみに取り出したものはファイルだった。どうやってしまっていたんだ?あれ?はぁ、触るの嫌だなぁ。
一刀「これは?」
貂蝉「それはこれからのみんなのプロフィールよ」
中を見ると確かにみんなのプロフィールだった。かなり細かく書かれていた。
一刀「劉 桃香、曹 華琳、孫 雪蓮・・・これがみんなのこっちでの名前ってことか?」
貂蝉「そうよん。分かりやすいでしょ?あ、でも、ご主人様。ちゃんとみんなに真名のことも言わないと大変なことになるわよ」
い、言われてみれば確かに。こっちの世界には真名がない。このプロフィール通りに行くとすると、少なからずみんなの真名を呼ぶ人がいるだろう。ちゃんと言っておかないと。
一刀「そうだな。ありがとう。忘れてた」
貂蝉「そうそう、それとあっちに置いてあるダンボールの中身はみんなの服を一人三着分ずつくらいと、生活雑貨がいくつかよ」
貂蝉が指差すほうを見ると、おびただしい数のダンボールが山積みになっていた。
貂蝉「ちなみに、ご主人様の荷物もあるからね?」
一刀「は?何故に?」
貂蝉「ご主人様の肩書きは、この寮の寮監督生なのよ。」
一刀「何、それ?」
貂蝉「簡単に言うと、寮長の生徒版みたいな感じかしらね。この寮に住むのはみんなだけだから、この世界を分かっているご主人様がいたほうがいいでしょ?」
一刀「ま、まぁそうか」
貂蝉「大体、こんな感じかしらね?まぁ、何かあったらここに連絡してくれればある程度のことなら、なんとかしてあげるわ」
そう言って貂蝉が取り出したのは電話番号とメールアドレスの書かれた紙だった。
一刀「分かった。ありがとう、貂蝉。なんか、至れり尽くせりだな」
貂蝉「まぁ、ちょっとした罪滅ぼしよ」
一刀「そうか・・・ありがとう」
貂蝉「ふふ、そう言ってもらえるとうれしいわ。それじゃあ、頑張ってね、ご主人様」
一刀「おう!」
そう言って貂蝉は男前な背中を見せ、去っていった。ああ、これから本当に大変そうだなぁ・・・。
<あとがき>
これからの話しとしては、軍または数名もしくは個人で動かし、1話完結な感じで書いていこうと思っております。
自分でもいくつかは考えていることはありますが、もし、ご希望のキャラやシチュエーション(シュチュ?)等のリクエストがあればお願いします。
なるべく沿った感じのものを書きたいと思います。
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今回で世界観の説明は終了です!
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