No.159232

鬼姫武者  第1話

BLACKさん

この作品はクロスオーバー作品の関係上、恋姫キャラの性格や立ち位置や生き様などが変わっています。
それが嫌な方をご閲覧をご遠慮願います。

7月21日追記、指摘によりタイトル変更を行いました。

2010-07-20 14:39:31 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:7099   閲覧ユーザー数:6447

現代日本。

 

 

聖フランチェスカ学園高等学校

 

 

 

その学校から少し離れた街で一人あるく青年がいた。

その青年の名は北郷一刀。

聖フランチェスカ学園に在学している二年生である。

 

「何か変わったことないかな……」

 

一刀が街を歩いている理由は変わったこと探しでもあるが、もう一つあった。

一刀は街の花屋に立ち寄る。

 

「いらっしゃい。どんな花をお求めで?」

「近々墓参りに行こうと思ってまして……その墓参りにあう花を……」

「畏まりました」

 

店員はすぐに花を用意し、一刀は金を支払い、花を受け取った。

 

「さてと……」

 

一刀は花を受け取り、バイクに乗ろうとすると……。

 

「~~~~~~」

「ーーーーーーーー!」

「うん?」

 

聖フランチェスカの方で何か騒がしい声が聞こえてきたのだ。

 

「おかしいな。学校じゃ特に行事とかはないはずだ。

何かあったのか?」

 

一刀はバイクを走らせた!

 

 

三国志の時代に入る少し前。

時は反董卓連合の中国。

虎牢関を突破した反董卓連合は董卓が居るとされる洛陽にいた。

 

「愛紗ちゃん、準備はいい?」

「大丈夫です。桃香様」

 

愛紗と呼ばれる長くて綺麗な黒髪をした女性。この人物は関羽とも呼ばれる女性である。

そして桃香と呼ばれるピンク色の長い髪をした女性とは劉備のことであった。

ここは三国志の英雄達が居る中国。しかしその大半が女性である世界であった。

愛紗は暗い雲に覆われた洛陽を見る。

愛紗は知っていた。この反董卓連合を作るきっかけを作った董卓は悪人ではない事を……。

そしてその董卓を隠れ蓑にしている存在『幻魔』と呼ばれる怪物達が居るという事を……。

 

 

 

 

『幻魔』とはこの戦乱の世に突如として現れた怪物である。

愛紗は幼い頃に、その幻魔に唯一の肉親であった兄を殺されてしまう。

愛紗はその時から幻魔を憎み、幻魔に立ち向かうべく力をつけていった。

下等の幻魔なら力の強い『普通』の人間でも倒せるが高等の幻魔が相手では太刀打ちできない。

愛紗は戦いの中、高等の幻魔と戦い、敗れ、一時意識を失った。

意識を失っていた中、意識だけの時に愛紗はある存在とあった。

それは幻魔と古くから争い、幻魔に滅ぼされた鬼一族であった。

鬼一族は愛紗に鬼の篭手を与え、愛紗を鬼武者とさせた。

その際に、愛紗の主な武器であった青龍偃月刀を鬼龍偃月刀と改造、旅をしていく中、新たな武器などを手に入れ、幻魔を確実に減らしていき、ついには幻魔の王であったフォーティンブラスを討ち滅ぼした。

だが幻魔はフォーティンブラスを失っただけでは止まらなかった。高等幻魔であり、フォーティンブラスと同じくらいの時を生きてきた幻魔の科学者ギルデンスタンは新たな幻魔王として秦の始皇帝を甦らせたのだ。

そして秦の始皇帝は再び秦の世を復興させようと幻魔と手を組み、今、董卓を傀儡として幻魔と秦の世を甦らせようとしていた。

そうとは知らず、袁紹は群雄達に伝令を出し、反董卓連合を結成したものの、相手は人間もいたが幻魔もおり、幻魔相手に苦戦を強いられた。

しかしそこにある女性が現れた。

その女性こそ愛紗であった。

愛紗は義理の姉の劉備、義理の妹張飛、そして頼れる仲間の諸葛亮、鳳統、趙雲を連れてやって来たのだ。

愛紗の活躍により、虎牢関までの幻魔は討滅。

そして今、反董卓連合は幻魔がはびこる洛陽にたどり着いたのだ。

しかし幻魔のことがあったので、劉備軍以外の軍は後ろに下がっていた。

 

 

 

 

「なんか情けないのだー」

「まあ無理はあるまい。今まで幻魔は隠れて行動していたのだ。それが公に出てきたら誰だって驚くさ」

 

愛紗は張飛にそう言いながら、鬼龍偃月刀を強く握り締める。

 

(今度こそ、全てを終わらせる!)

「皆、行くよ!」

『応っ!』

 

桃香の声により、劉備軍は洛陽に入っていった。

幻魔に改造された人間『造魔』などが劉備軍を襲う。

造魔は下等幻魔と同じくらいかそれ以下。雑兵でも頑張れば倒せるくらいである。

劉備軍の兵士や趙雲達が造魔と戦う。

 

「星! 鈴々!」

「愛紗は宮殿に向かうのだ!」

「幻魔との決着をつけるのであろう? 我らがその道を作り、守ってやる」

「お前達……すまない!」

 

愛紗は一人、宮殿に向かって走り、入っていった。

 

 

愛紗は玉座の間に入る。

そして玉座の間には秦の始皇帝と一人の部下がいた。

 

「始皇帝……エイ趙……」

「ふっふっふっふっ……関雲長か」

「とうとうこの時が……覚悟!」

 

愛紗が鬼龍偃月刀を構える。

 

「陛下。ここは私にお任せを」

 

部下の青年が立ちはだかる。

 

「始皇帝親衛隊李信(りしん)。参る!」

 

李信が剣を抜き、愛紗に襲い掛かってくる。

愛紗は上手く、李信の攻撃を防ぐと同時に一閃を入れる。

李信はその場に倒れる。

 

「………」

「…………」

 

愛紗と始皇帝の間に沈黙が漂う。

 

「ふん!」

 

始皇帝の右手から氣弾が放たれ、愛紗はそれをかわす。

氣弾は何度も発射され、愛紗はそれを避け続け、足を躓いていしまいこけそうになる。愛紗が視線を始皇帝に戻そうとすると、いつの間にか始皇帝が自分に近づいていた。

始皇帝は愛紗の肩を左手で掴み、右手に氣を溜めていた。

 

(まずいか……)

 

愛紗がそう思ったとき、始皇帝は突然愛紗から離れたのだ。

 

(? どういうことだ?)

 

始皇帝が愛紗から離れる直前に見ていたものを愛紗が見る。

それは床の一部が光だし、始皇帝は危険なものだと察知して離れたのだ。

その光は大きな円となって、愛紗と倒れていた李信を円の中に入れる。

 

「これは…」

 

始皇帝も予想だにしていなかったことであった。

 

円は半球となって愛紗達を包み、光が消えたと同時に愛紗達もその場から消えてしまった。

 

「奴め……どこに行った……」

 

 

戻って現代では……。

 

「きゃあああああ!」

「うわあああああ!」

 

聖フランチェスカ学園では、なんと幻魔達が襲ってきていたのだ。

幻魔達に殺されていく、生徒達。

そこにやってきたのは……。

 

「おらおら!」

 

バイクに乗って戻ってきた北郷一刀であった。

バイクに轢かれる幻魔達。

 

「くそ! 何でこんな化け物が……。いくら何でも変化しすぎだろ」

 

一刀はバイクを走らせ、何とか生存者を探そうとしていた。

しかし……。

 

「うおっ!」

 

一刀はバイクから転げ落ちてしまう。

一刀は何とか受身を取ったために怪我はしなかったが……。

 

「少しまずいな……」

 

一刀は幻魔に囲まれつつあった。

そんな時、自分の近くの塀が少し光りだした事に気付く。

 

「なんだ?」

 

一刀は不審に思いながらも何とか逃げる事を考えていた。

 

 

一刀が見た光は消えると同時にある人物が倒れていた。

愛紗であった。

その場には愛紗しか居なかった。愛紗はすぐに目を覚まし、立ち上がる。

愛紗は見慣れない風景に少し戸惑う。

 

「ここはどこだ? 奴はどこだ?」

 

愛紗が歩こうとすると鬼の篭手が光に包まれる前と違って力を失っている事に気付く。

 

「鬼の力が……」

 

愛紗は近くにあった鬼龍偃月刀を拾う。

そして鬼の篭手から別の武器を出そうとするも出てこない。

 

「どういうことだ?」

 

しかし今の愛紗にとっては武器よりもここがどこなのかを把握することが大事であった。

愛紗は塀を飛び越え、一刀に襲いかかろうとする幻魔達を一閃で倒す。

 

「……へ? コスプレ?」

 

一刀は突然現れた愛紗にそう言った。

 

「すまぬが、ここはどこだ?」

 

愛紗がそう尋ねる。

 

「あんた何者だ? どこから来たんだ?」

 

一刀は尋ねる。二人は全然会話が出来ていない。

愛紗はそれに気付き、その場を去ろうとすると……。

 

「!」

 

一刀は光に包まれた。それは愛紗が包まれた光と同じものであった。

愛紗はすぐに近寄ろうとするが、時既に遅く、光が消えると同時に一刀が消えてしまった。

 

「消えてしまった……」

 

愛紗は歩き出すと見たことないものを拾う。

 

「何かあるかもしれん。持って置こう」

 

愛紗は拾ったものを適当にしまった。

愛紗は次に高い建物を見る。

するとその建物の屋上には高等幻魔の一人であり、幻魔の科学者ギルデンスタンの姿があった!

 

「あいつは!」

 

愛紗はすぐにギルデンスタンのいる建物に向かった。

愛紗は建物の中であるものを見つけた。

それは鬼一族の武器が封印されている鬼の祠であった。

愛紗はそこに鬼の篭手を当てる。するとそこから新たな武器が生まれた。

その武器は二刀流の剣。名を「天双刃」と言う武器であった。

 

「こんなものがあるとは……」

 

愛紗は天双刃をしまって、一旦外に出る。

ここからでは建物の屋上にいけないからである。

愛紗が外に出て、少し歩くと突然愛紗の足元に銃弾が放たれる。

愛紗が目の前を見ると、銃を構えた人間が何人も居た。

愛紗はあまり気にせずに歩き出そうとすると……。

 

「動くな!」

 

声をかけられたため、振り向く。

 

「手を上げろ!」

 

愛紗は手を上げない。

 

「お前……何者なんだ!?」

「?」

 

愛紗は理解していない。状況的に「動くな」しかイマイチ分かっていないのだ。

愛紗が考えているうちに銃を持った人間が数名ほど、建物の屋上に通じる建物に入っていく。

愛紗はとりあえず自分に銃を向けている人間に近づく。

 

「言っている事が分からないのか?」

 

そう。愛紗は日本語が全然分かっていなかった。

 

「異国の言葉か。何を言っているのか……」

 

そんな時、先ほど突入していったであろう人間の叫び声が聞こえてきて、愛紗に銃を突きつけていた人間が建物に入ろうとする。

 

「おい待て!」

 

愛紗は追いかけた。

 

 

愛紗は建物に入る。

そこには先ほど銃を突きつけた人間と入っていった人間が倒れていた。

 

「死んでいる……」

 

そこに造魔が現れる。

 

「いくら異国の者だったとは言え、許さん!」

 

愛紗は現れた造魔達を倒していく。

階段を上っていき、ギルデンスタンが居るであろう屋上にたどり着く。

屋上にはギルデンスタンがいた。

 

「ギルデンスタン!」

「はっはっはっは!!」

 

ギルデンスタンが振り向き、愛紗を見る。

 

「関羽か。久しぶりだな。まさかお前が来るとは…。時と世界のねじれはまだ不安定のようだなぁ」

「時と世界のねじれ? 何のことだ。これは全て貴様の仕業か!?」

「はっーはっはっはっは!! 相変わらず生意気な虫ケラだ」

「ここはどこだ!?」

「ここ? ここは日本の首都東京。ただし、お前がいた戦国の外史よりも1800年ほども経った未来の正史だがな」

「なんだと!?」

 

愛紗は信じられないことを耳にした。

 

「趙様の命令で、幻魔はこの土地で新たな作戦を開始したのだ。

ふふふふ、ははははははははは!!!」

 

ギルデンスタンは不気味に大笑いする。

 

「貴様、何を企んでいる!」

「そいつは簡単には教えられないな。そうだ……お前に私の新しい息子を紹介しよう。ブレインスタン」

 

ギルデンスタンがその名を呼ぶと、下からその幻魔が現れた。

いや、もはや幻魔ではない。機械そのものと言っても良い。人間を一回りも大きくした丸い機械がやって来た。

一言で言えば丸い戦車であった。

 

「邪魔者を消してしまえ。ふはははははは」

 

ギルデンスタンはその場から姿を消した。

ブレインスタンはガトリングを発射させる。

愛紗はその攻撃をよけ、天双刃の鬼戦術を発動させ、ガトリング砲を破壊する。

ブレインスタンは武器がないとして、自身の体を回転させ、愛紗に向かうが……。

 

「遅いわ!」

 

愛紗は上に飛び、ブレインスタンを上から切り裂いた。

ブレインスタンは行動不能となり、その場で爆発。

愛紗は鬼の篭手に幻魔の魂を封じ込めた。

 

(しかし……この先、どうなるのだろうか……)

 

愛紗は東京の暗い空を眺めながらそう思った。

 

 

 

 

 

                       鬼姫武者  

 

 

 

 

 

 

 

 

                        第1話

 

 

 

 

 

 

                        了

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

 

作者「新連載は鬼武者3とのクロスオーバーだ!」

一刀「三国志シリーズはどうした!」

作者「あれな。ぶっちゃけいつも攻城戦ばっかで書きづらい。だからいっそのこと要点部分だけにしようかなと思っている」

一刀「というと?」

作者「大事な人間との戦闘と会話くらいであとは省略だ!」

一刀「手抜きだな!」

作者「だが私は謝らない! それに『星と共に』を越えるなんて絶対無理だもん」

一刀「そりゃあここの人間はクロスオーバーよりもオリジナルを好む傾向はあるけど…」

作者「『星と共に』の反応を見て、俺はすごく嬉しかった。支援者とかの数が最初より減ってはいるけど、なんやかんやで応援してくれている人がたくさんいたからだ。応援ありがとうございます!

そしてまたオリジナルを考えてみたんだが、思いつかない」

一刀「そもそも『星と共に』って他の人の作品を見て思いついた作品だしな」

作者「インスパイア元の海皇さんには本当に感謝しています。いろいろ設定使わせてもらったし…。

それにどうしても俺は一刀に戦わせようと考え、思いついたのがこの鬼武者3だ」

一刀「北斗の拳のときみたいなクロスオーバーだな」

作者「キャスティングクロスというみたいだぞ。まあキャスティングの関係上次回からはオリジナルキャラが出てくるぞ。

それでは!」


 
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