No.158801

外史演義 その6

一刀くんのルートがきまったぜい( ゚∀゚)o彡°

2010-07-18 23:48:08 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:9718   閲覧ユーザー数:7472

 

 

 

楼桑村を黄巾党の魔の手から守り抜くために、立ち上がった劉玄徳以下約五百名。

そのほとんどは、普段の服装と変わりない。甲冑を身に纏っているといえば、僅かにいた守衛くらいのものだった。

武器も農具というものも少なくないように見えた。

そして俺こと北郷一刀は場違いながら軍議に参加させていただいていた。

 

 

「か、一刀殿。このようなか弱そうな者たちで大丈夫なのでしょうか?」

 

 

関羽の言葉は尤もだ。

俺ですらこの可憐な少女二人が、伏龍と鳳雛だとはいまだに信じられない。

……というかあなたが関羽というのも未だに半信半疑なのではあるが。

 

 

「大丈夫です。この二人はきっと素晴らしい策を考えているはずです」

 

 

俺の言葉を受けた関羽は、二人を値踏みするように視線を浴びせる。

 

 

「はわわ!」

「あわわ!」

 

 

本当に大丈夫なのだろうか……。

 

 

 

 

 

 

 

「まず敵は隣の村を落としたことにより勢いに乗っているでしょう。そのため策などを弄すことなどせずに、ただ単に突っ込んでくるはずです」

「そこで正面の部隊には矢で迎撃してもらいます。全て使いきってもかまいませんのでとにかく出来るだけたくさん射てもらいます」

「この策の目的は相手を混乱されることが目的です。そして相手が混乱したことで両翼の関羽さんと張飛ちゃんの部隊に挟撃してもらいます」

「そこに正面の部隊も加わり、三方向から敵を撃退します」

 

 

代わる代わる策を説明する諸葛亮と鳳統に、劉備さんは目を輝かせて、関羽は悔しそうに拳を握っていた。

 

 

「すごいね愛紗ちゃん! 私たちじゃこんな策絶対浮かばなかったね!」

「そ、そんなことは……」

 

 

劉備さんの笑顔に関羽は尻すぼみになっていく。

というかそういうことは笑顔で言うことではないだろう。

 

 

「調練された部隊ならもう少し良い策があるんですけど……」

 

 

諸葛亮が呟く。

確かにこの軍は寄せ集めということは周知の事実である。

しかし軍の練度に合わせていくつも策を考えているなんてさすがに名軍師だと思った。

とういうより関羽と張飛が突っ込めば黄巾党くらい全員やっつけられるんじゃないかとしか浮かばなかった俺の頭が良くないのだろうか。

おそらく両方な気がする。

 

 

「しかしそれでは桃香様を守る者がいなくなってしまうのではないか?」

「鈴々と愛紗のどっちもいなくなってしまうのだ」

 

 

確かに関羽と張飛が離れてしまってはいざという時に劉備さんを守ることが出来る人がいない。

 

 

「そうですね……。劉備さんには長老の家に――――」

「ダメだよそんなの!」

 

 

諸葛亮の言葉を遮るのは劉備さん。

長老の家には非戦闘員が集まっているのでそこに隠れていろということなのだろう。

俺も情けない話だが少しそこに居ようかと考えていた。

しかし村人たちを扇動した手前、自分だけそこにいるのはどこか後ろめたいものがあったので流れるようにここまで来てしまった。

 

 

「みんなが戦っているのに私だけ隠れることなんて出来ないよ!」

 

 

悲痛な面持ちで諸葛亮に訴える劉備さん。

正直劉備さんが戦えるとは思えない。というよりむしろ足手まといになるのではないかと思う。

しかし、それでも戦場に身を置きたいのは関羽たちが心配なのはもちろんのこと、自分たちの行動に目を逸らしたくないということだろうと思った。

なぜならこれからこの娘はたくさんのことを背負い、大徳の王になるのだから。

 

 

――――今なら簡単に答えが出せる気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今です!」

 

 

諸葛亮の合図を皮切りに村人たちは一斉に矢を放つ。

小さな城門は開いたままにしてある。

そしてその横の気持ち程度の低い城壁から放たれる矢の命中率はほぼ十割。

なぜなら黄巾党の連中は我先にと欲をむき出しに突っ込んでくるだけなので非情に密集していたからだ。

 

 

「なんだ!?」

「前で何が起こっているんだ!」

「くそっ! 前に進めねえぞっ!」

「矢が大量に飛んできてるぞ!」

 

 

思わぬ反撃を食らった賊たちは、諸葛亮と鳳統の思惑通り混乱し始める。

そして、頃合いを見計らい銅鑼を鳴らす。

 

 

 

 

「よし、関羽隊は張飛隊と連携し挟み撃つぞ! 敵には必ず二人で当たれ! さすれば仲間が必ず助けてくれる!」

 

 

関羽の激に村人たちは覚悟を決める。

 

 

「突撃ーーーーーーーー!」

『応!』

 

 

 

 

「張飛隊も行くのだ! 鈴々の後ろについてくればいいのだ!」

 

 

目の前の少女の言葉にどこか勇気づけられる村人たち。

 

 

「行くのだーーーーーーーー!」

『応!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くそっ! この村も簡単に落とせるんじゃなかったのか!」

 

 

この部隊を仕切っていた男は阿鼻叫喚としている惨状を見て悪態を吐く。

今までろくに反撃などをされたことなどなかった。

今回もそうだと思っていた。

ただ奪い、ただ殺し、ただ蹂躙するだけだと思っていた。

しかしそんな男の思惑は脆くも崩れ去った。

一騎当千の武を持つ二人の少女によって。

 

 

「うりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃーーーーーー!」

「はあっ!」

 

 

身の丈よりも長い武器を扱う関羽と張飛。

張飛が蛇矛で突けば、後続をも巻き込み蹴散らす。

関羽が偃月刀で薙ぎ払えば、一気に数名を蹴散らす。

そんな二人を見た村人たちの士気は高まる。

さらに三方向に囲まれた黄巾党の者たちは次々にその命を散らしていった。

 

 

「お前ら! この人数相手に何をやってやがる! あんな女共にやられて悔しくないのか!?」

 

 

ここで逃げていればおそらく命は助かっただろう。

この男の不幸は声を荒らげたために指揮官だと気付かれてしまった事である。

 

 

「貴様がこの部隊の頭だな」

「て、てめえは怪力女!?」

 

 

関羽はいち早くこの男が指揮官だと気付き、行動を起こしていた。

男の目の前には青龍偃月刀を持つ関羽。

その美しい容姿はこの血みどろの戦場には似合わないものだった。

 

 

「ほう。怪力女とは私の事か?」

「デケェ得物を軽々しく振り回すてめえ以外に誰がいるんだ!」

 

 

この男の最大の不幸は関雲長を罵倒してしまったことだった。

 

 

「てめえのような――――」

 

 

その先が紡がれることはなかった。

関羽は頭の頸を掲げて高らかに叫んだ。

 

 

「貴様らの頭の頸、劉玄徳が一の家臣、関雲長が討ち取った!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴様らの頭の頸、劉玄徳が一の家臣、関雲長が討ち取った!」

 

 

関羽の高らかに叫ぶ声を聞いた途端黄巾党の連中は蜘蛛の子を散らしたように逃走を始める。

そんな黄巾党の連中に軍師二人は追撃を指示しない。

なぜならまとまって逃げるのではなく、一人一人が行く先も決めずに四散していくからだ。

俺は、目の前の光景をじっと見つめる。

その時、誰かに手を掴まれる。

 

 

「一刀さん、大丈夫?」

 

 

劉備さんである。

護衛ありなら、と関羽から許しを得る劉備さん。

そこで護衛に選ばれたのが俺である。

初めは断ったのだが、劉備さんに上目遣いでお願いされたところ「命を賭けてでもお守りいたします」と口走っていた。

 

 

劉備さんの質問に「何が?」とは聞き返さなかった。

なぜなら自分自身が一番分かっていることだから。

目の前の苛烈な光景にとてつもないショックを俺は受けていた。

初めて人が死ぬのを見た。

人が人を殺すことに言い表せない不快感に襲われた。

おそらく俺の顔は今、真っ青だろうと思う。

 

 

「ははっ。情けないけど大丈夫とは言えないかな……」

「一刀さん……」

「人が死ぬのを初めて見たんだ……。俺の住んでいたところは、こんな争いがなかったからね……」

 

 

現在の日本じゃ絶対見ることの無い光景。

ある程度の安全が約束されていた環境がどれだけ幸せな事なのかが身に沁みて良く分かる。

 

 

劉備さんが心配したように俺を見る。

その顔はどこか青白く感じられた。

 

 

「私も初めてなんだ」

「え……?」

 

 

最初、その言葉の意味を理解できなかった。

 

 

「私も戦はもちろんのこと目の前で人が死ぬのを見たのは初めてなの……」

「…………………………」

 

 

俺は何も言葉を発することが出来ない。

劉備さんはそんな俺を見て儚く微笑む。

 

 

「とても怖くて、とても悲しくて、とても辛くて……」

「なんで……」

 

 

そんな悲しい思いをしてまで戦うの?

戦いなんか他の人に任せればいいじゃないか。

女の子なんだから隠れていればいいじゃないか。

そんな考えが頭に浮かぶ。

 

 

「それでも……やっぱりみんなの笑顔が見たいから。こんな悲しい世界を変えたいから。だから――」

 

 

劉玄徳の双眸は戦場を見据えていた。

 

 

「私は戦うの!」

 

 

その時、俺はこの人と共に在りたいと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お姉ちゃーーん!」

「桃香様!」

 

 

黄巾党相手に楼桑村を守ることが出来た。

おもに目の前の美少女、関羽・張飛の二人のおかげで。

無論この二人の力だけではなく、拙い軍を巧みに動かした諸葛亮・鳳統の二人の軍師。

自分たちの村を守るために立ち上がった村人たち。

そして、それらを率いる劉備さん。

 

 

「鈴々ちゃん! 愛紗ちゃん!」

 

 

帰って来た義妹二人を抱きしめる劉備さん。

 

 

「と、桃香様!?」

「にゃはは♪ 抱きしめられちゃったのだ」

 

 

顔を赤らめて恥ずかしがる関羽に、嬉しそうに笑う張飛。

なんかこう美少女三人が抱き合っているといけない妄想をしてしまいそうだったので、俺は二人の軍師を出迎えた。

 

 

「凄かったね二人とも」

「はわっ、そ、そんなことないですよ~」

「そ、そうです。関羽さんと張飛ちゃんの指揮が凄かったからですぅ」

 

 

恥ずかしそうにしているがその顔は褒められて嬉しそうだ。

 

 

俺の気分はと言えば、万全ではないものの劉備さんのおかげでかなりマシになった。

あんな可愛い女の子に手を握られたら違う事を考えてしまうのが悲しき男の性。

 

 

「桃香様、この度の戦の勝利を祝して凱歌をあげましょう」

「ええっ!? それ私が言うの!?」

 

 

すでに劉備さんから離れた二人。

関羽の要望に激しく戸惑う劉備さん。

というか総大将が言わなきゃ誰が言うというのだろうか。

 

 

「はぁ。あなたは総大将なのですから当たり前です」

「で、でも私そういうの分からないし……」

 

 

そんな劉備さんを見て関羽はもう一度ため息を吐いた。

 

 

「……今回だけですからね」

 

 

そう言うと、関羽は己の得物を高らかに天に突き上げる。

 

 

「卑しい賊共からお前たちはこの村を守った。だがこの村が安全になるというわけではない。しかし、今はこの勝利を祝おうではないか! …………勝鬨をあげよーーーー!」

『うぉーーーーーーーーー!』

 

 

その声は村中に響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

長老の家へと凱旋した俺たち。

というか俺は何もしていないんだけど。

 

 

目の前では無事に帰って来た家族を迎えている。

しかし、こちらの軍も無傷とはいかなかった。

負傷者、死傷者合わせて百名にも満たなかったのは、相手の規模からして大勝利といえるものであろう。

しかし、亡くなった者にも家族がいる。

自分の夫が帰ってこなかった女性のすすり泣く声や、父親が帰ってこなくて大声で泣き叫ぶ子供を見ると心が痛む。

それは劉備さんも同じようで悲痛な面持ちでそれらを見つめる。

 

 

「桃香様……」

「お姉ちゃん……」

 

 

それは二人の義妹にも伝わったようで、二人とも心配した表情で劉備さんを見つめている。

劉備さんはそれらの人々から決して目を背けない。

そして何かを決め込んだ表情で一歩前に出る。

 

 

「皆さん! ごめんなさい!」

 

 

そして、村人たちに向かって頭を下げて謝罪をした。

 

 

呆気にとられたのは村人の方。

 

 

「この戦い何人かの方が亡くなってしまいました。怪我をした人もいます。全部……全部私のせいです! ごめんなさい!」

 

 

閑静な空気の中、夫を亡くした女性が話し出す。

 

 

「夫は、立派……でしたか?」

「はいっ。……戦ってくれた人たちは皆さんはとても立派で、誇らしい姿でした」

 

 

劉備さんは自分の目で見て感じたことを素直に話す。

すると、女性は何かに満足したのか涙を拭い微笑んだ。

 

 

「それならきっと夫も本懐を遂げたはずです。だから……だから泣かないでください」

「えっ」

 

 

劉備さんは自分の頬を撫でる。

そこで自分が涙を流していたことに気付く。

 

 

「あれ? なんで、わ、わたし……」

 

 

それに気付いてからは涙は留まるところを知らず、どんどん溢れ出てくる。

 

 

「あなたは一人で背負い過ぎなんですよ。私の夫なんですから私にも一緒に背負わせてください」

「う、うえーん!」

 

 

その言葉を切欠に大声をあげて、子供のように泣き喚く劉備さん。

そんな劉備さんを関羽は優しく抱きしめる。

 

 

「あなたは間違ったことはしていません。それはここにいる人たちが証明しています」

 

 

村人たちの表情を見ると、誰一人として劉備さんを恨んでいないことが分かる。

むしろ心配しているようにも思える。

 

 

「はわ~、雛里ちゃん、これってあれだよね?」

「しゅ、朱里ちゃん! こ、これは違うよ~」

 

 

あれ?

なんか抱き合ってる二人を見て不穏な会話をしている人がいるような。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっと、改めて言います。孔明ちゃん、士元ちゃん、一刀さん、私と一緒に来てくれませんか?」

 

 

あれから劉備さんが泣きやんで、村人たちは宴会モードに入った。

勝利を祝うため、悲しみを紛らわすため、理由は様々だがそれぞれが宴会の喧騒に身を任せていた。

 

 

そこで劉備さんが、諸葛亮と鳳統と話していた俺のもとにやって来た。

 

 

諸葛亮と鳳統は劉備さんの為人を知った二人は、はわわとあわわで答えた。

 

 

「はわわ! こ、こちらこそお願いしましゅ!」

「あわわ! しますぅ」

「ありがとう! 私は劉備。字は玄徳。よろしくね」

 

 

諸葛亮と鳳統が仲間になった!

 

 

「我が名は関羽。字は雲長。よろしく頼むぞ二人とも」

「鈴々は張飛なのだ! チビ同士よろしくなのだ!」

 

 

関羽、張飛とも自己紹介をする。

 

 

そして劉備さんは俺の方を向く。

 

 

「一刀さんはどうですか?」

 

 

真っ直ぐと俺を見つめる劉備さん。

俺は負けじと見つめ返し自分の意見を言う。

 

 

「前も言った通り俺は戦えません」

「うん」

「それに頭もたいしてよくありません」

「うん」

「いつかは自分の国に帰るので死ぬことも出来ません」

「うん」

「そんな……そんな半端者でいいならお願いします」

 

 

自分でも随分と都合のいい事だと思った。

そんな卑怯な俺でも劉備さんは言ってくれた。

 

 

――――よろしくお願いします、と。

 

 

 

 

 

 

予想以上にアンケートの投票が多くてびっくり( ゚д゚)

 

 

うれしいです(*/∀\*)

 

 

結果発表といきましょう!

 

 

 

ベスト3を発表します( ゚∀゚)ノ

 

 

 

第ニ位が二つありました。

 

 

 

ひとつは『馬ルート』でした。

 

 

馬超さんとか馬岱さんとかですね。

 

 

眉毛が魅力的( ^ω^)

 

 

 

 

そしてもう一つが『へぅ』

 

 

みんな大好き月ちゃんですね(*゚∀゚)=3

 

 

いいですよね(*/∀\*)

 

 

へぅ( ゚∀゚)o彡°

 

 

 

 

 

そしておまちかねの第一位は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『筋肉エンド』

 

 

いいですよねあの胸筋( ゚∀゚)ノ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ではなく『ちっちゃいけれどいっちょまえ!ショタ王朝ルート』ですね(^ω^;)

 

 

内容は全く考えてません。

 

 

ただアンケートの多かった人たちを吸収しようかなと思ったり思ってなかったり。

 

 

そこはご都合主義ですw

 

 

便利ですね。

 

 

外史って言葉( ゚∀゚)ノ

 

 

亀更新になりそうですがそれでもよいと言う人はご覧あれ!

 

 

へぅ!


 
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