魏国
華琳 「ハアハア、……これでもう文句はないわね!!」
たっぷり時間をかけ天の国訪問メンバーが決まる
最終的な選定方法は兵の訓練場の地面に端から端まで縦と横に線を引き、その一方の端に4つ当たりをつけもう一方にそれぞれの名前を書く、そして当たりに辿った名前の者を勝ちとする阿弥陀くじなるものだった。
公平を規す為、私がそれをたどる任を買ってでたのだけど、なんせ距離が距離だけに訓練場の往復でかなり疲労している。
………
華琳 「も・ん・く・な・い・わ・ね!!」
魏一同「は、はい!!」
今だ不満気味にこちらを見る選ばれなかった者たちを一喝する。
華琳 「まったく、王たるこの私にこんな下働きさせて…まだ納得しないなんて許されると思っているのかしら?」
再度周りを睨みつけ釘をさす、正直にあきらめきれない気持ちはわかる
わかるのだからこそ区切りをつけなければ前には進めない。
まぁ、みんなの気持ちを無視してちゃっかり天に行く事を決めている私が言うのもどうかとも思うけど………どうあってもこれだけは譲れない
華琳 「じゃあ準備が出来次第天に行くものは玉座の間にあつまってちょうだい」
春蘭 「はっ」
風 「は~い」
凪 「承知しました」
天和 「わかったよ~♪」
それぞれが返事を返してくれる。
最終的に選ばれたのが彼女達になったわけだけど……すごく不安な面子だわ…
秋蘭 「華琳様…この者達で問題ないのですか?」
さすがは秋蘭といったところ、私の心情をすばやく見抜き心配してくれる
それ以外の者ときたら「譲れ」「譲らぬと」向こうで今だ諍いを起こしている事に私をあきれさせた。
華琳 「そうね……まず一刀にあった瞬間春蘭と凪が突撃。
凪が一刀に抱きついたところで春蘭が一刀に斬りかかる、それを避けた後に凪が一刀を守ろうと春蘭と対峙。やがて激突した二人の隙をつき風と天和がちゃっかり一刀にすがり甘える………こんなところかしら…」
秋蘭 「風がどこまで気を配るか、 という所ですか…」
確かにこの中で唯一、私情の中にあり周りを見ることができるのは風だ。
彼女が気を遣い、一刀の周りから他の者を遠ざけてくれれば私も一刀に近づきやすい。
私は……素直でない所があるから、それを見抜いた上で秋蘭が言葉にふくませる
華琳 「…野暮な事を言うのね、心配しなくてもうまくやるわ。
あなたこそ、そんなこと言って自分を取り入れてもらおうと思ってももう遅いわよ?」
秋蘭 「ははは、残念です。私もあ奴に拳のひとつもくれてやりたかったのですが…」
軽口なのだけど秋蘭は本気だ、気丈に隠しているが長い付き合いでわかる。
…彼女がひどく落ち込んでいることに。
華琳 「悪いわね」
秋蘭 「いえ、華琳様を慕う事はあれど恨む事はしませんよ。
…それより五胡との婚儀の件、いかがなさるおつもりですか?」
華琳 「……今は捨て置く、今後の状況によっては白紙にもどすつもりだから、そのように覚えておいてちょうだい」
秋蘭 「仰せのままに」
華琳 「ありがと、じゃあ私は汗を流したいから少し空けるわ 後はよろしく」
秋蘭 「御意」
背を向けその場を後にする。
秋蘭やその他行けない者、そして魏国の民には悪いけど今は彼の事しか頭に入らない。
胸は…あまり成長してないけど、昔より肉付きはよくなったし、一刀も私に会えばきっと他の女なんか目に入らなくなるに決まってる。
(私だってちゃんと素直になるんだから…)
そしてあのバケモノがどうでようと、この国の…私の元に絶対連れ帰ってみせる。
そう心に決めていた。
俺の名前は北郷一刀、
今俺はこの世界でのハッピーエンドの選択を迫られている。
具体的なビジョンとして優しく素直で従順な女性と結婚、しばらくして郊外の一軒家を購入した後二人の暮らしを満喫し、やがて子供を授かる。子はやはり一姫二太郎で俺らは幸せ一杯の家族を作るのだ。
どこぞの世界の騒がしいハーレムエンドより派手さはないが、慎ましやかで穏やかな日常こそが至高ではないか!!
世界 「ねぇ、一刀って三国志好きなんだ?たくさん本があるけど…」
一刀 「まぁね、昔は好きだったよ」
合コンで出会った彼女はその足で俺が住むアパートの部屋にやってきた。
つまり今、この世界と言う女性は俺にナニをされても文句の言えない状境なのだ。
したがって後はそういう雰囲気作りとか襲うタイミングとかをうまいことやっていかなければならない。
…まちがってもバットエンドは避けたいし 絶対 nice boat だけは御免こうむる
(……ていうかnice boat って何だよ)
そういえばと思い出す。普通の女の子の扱いってどうやるんだろう?
魏のみんなが普通の女の子ではないとは言わないが、戦場を駆け回る女性、ましてや覇道を掲げる女の子なんてこっちの世界では特殊すぎておつりがくる上に宝くじが当たる。
世界 「へぇ……」
ベットに座り手に取った本をめくる世界、ちらちらとこちらに視線を送ってくるの感じる。
向こうも俺のアプローチをまっているんだろう、ならばやるしかない、据え膳食わねばなんとやらだ
(誠の男と書いて北郷一刀と読む!!)
もう雰囲気とかタイミングとか面倒くさいものは全部すっとばして俺は彼女を押し倒すべく覚悟をきめる。
女性はそういうところを大事にするかもしれんが男は狼なのだ。多少のフライングは多めにみてほしい。
一刀 「せっ_______」
世界 「ねぇ一刀 華琳って誰?」
一刀 「か_____………はい?」
相手の名前を叫び “ガオッ 食べちゃうぞ♪” みたいな行動をしようとした瞬間、今一番恐ろしい呪文を聞いて俺は心臓が止まった。
世界 「ほらここ、曹操の名前の横に華琳って書いてあるじゃない」
一刀 「あ、ああ!!そ、それね、…いやただ読むんじゃつまらないからさ、三国志の人物を女の子にしたらどうかなぁ…な~んて…その方が読んでて楽しいだろ?はははは……は…」
本に彼女の名前を記したのはまさしく言ったとおりなのだが、まさか実際にそんな人に会ったとは言わない。
世界 「ふうん…てっきり前の女の名前かとおもっちゃた」
一刀 「はっ、はははは、そんな訳ないだ………ん? 今[前]のって…」
世界 「そうだよ、だって……今は私、って思ってるんだけど …ダメ?」
世界が俺との距離を詰めて、やがて身体が触れる
ベットの上で身体を寄せ合う二人。
俺は世界の肩に手を置く、すると彼女は顎を上げ唇を突き出し…
目を瞑る……
世界 「…………」
一刀 「…………」
が、しかし俺は動けない
一刀 「…………」
世界をまえに思い浮かぶ光景。
それは慎ましく幸せなアットホームではなく騒がしく不幸ばかりのあの日常……
…どうもさっき出た名前がいけないな…
世界 「………どうしたの?」
一刀 「世界、やっぱり俺__」
世界 「だめ」
一刀 「……え?」
世界 「だめだよ、絶対だめ、そんなの……認められない」
待ちくたびれた彼女へ俺が応えようとするとその言葉を遮られる、
そして俯き何か囁くように喋りだす世界……なんか様子がおかしい
世界 「……どうして?好きっていってくれたじゃない…」
一刀 「は?俺そんな事言ってないぞ??」
世界 「うそっ!!じゃあどうして私を抱いたの 誠!!!」
一刀 「いや、まだ抱いてない…ってか誠って誰だよ!!」
豹変。 髪を振り乱しものすごい形相で迫る世界に俺は咄嗟に距離をとる
バッ
(なんだなんだなんだ!!??一体何が起っているんだ??)
世界 「……そう、どうしても[彼女]がいいのね……」
ゴソゴソ
そういって世界はハンドバックから…………………………………………………………刃物を取り出した。
それを手にゆらりと生気がないようにこちらへ向かってくる。
世界 「……さよなら…」
一刀 「 nice boat キターー―――――――――――――――----------ッ!!!」
(だから nice boat って何!!!)
魏国
霞 「じゃんけんで一回譲ったんやからこれでチャラや!!次こそ正々堂々武できめようやないか!!!」
春蘭 「なんだと!!あれはお前のおそだしでどちらにせよ反則負けであろう!!!」
季衣 「もお~春蘭様落ち着いてくださいよ~」
流琉 「秋蘭様二人を止めてください!!」
秋蘭 「霞、いいかげんあきらめろ!!やけ酒なら私が付き合ってやる。姉者もそんな怖い顔だと北郷に嫌われるぞ?」
霞 「うっ、うぅぅぅ……ぐすっ」
春蘭 「む、ふにゅう……」
主たる魏のメンバーの諍いにようやく収集がつき始めた頃
一人、集団からはずれ何やら楽しげに素振りをしている者がいた。
天和 「え~いっ♪ えいっ♪」
それに気付いた彼女の妹達が尋ねる
人和 「…何してるの?姉さん」
天和 「あっ人和ちゃん♪ ねえねぇ、見て~~これ!
さっき兵隊さんに護身用にってもらったの~♪どう?お姉ちゃんかっこいいでしょ~」
どうやら彼女のファンであった兵士が渡したらしいそれを妹達にみせびらかす。
地和 「格好はともかく、そんな危ないもの姉さんが振り回してると怪我するわよ。
…第一それが何かわかってるの?」
天和 「知ってるよ~、これで相手の頸を切り落とすんだよね~~♪」
人和 「………」
地和 「………」
天和 「あははははっ♪」
ブン ブンッ
嬉しそうに再び鉈を振り回す天和、その笑いに何か常ならぬ姉の狂喜を感じる姉妹
人和 「なんだか……」
地和 「すごく不安だわ……」
天和 「あはははははははははははははははははっ~~~~~♪」
Tweet |
|
|
48
|
3
|
追加するフォルダを選択
今回スクイズネタと声優つながりのネタがあります。
私自身スクイズのエンディングしか見てないのでそれほどわかりにくい事はないかと思いますが、一応詫びを。