No.149697

真・恋姫無双 刀香譚 ~双天王記~ 第三・二話~

狭乃 狼さん

刀香譚の拠点です。

今回は愛紗編をお送りします。

ではどうぞ。

2010-06-11 15:57:43 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:28693   閲覧ユーザー数:24209

 

 私は性を関、名は羽。字を雲長という。

 

 ただ、この名はもともと私のものではない。

 

 今は亡き兄のものだ。

 

 私が十歳のとき、賊に襲われたむらを守るため、兄は死んだ。

 

 兄の最期を看取るとき、私は自身が持っていた、兄に対する感情に気づいた。

 

 ああ、私はこの人が好きだったのだと。

 

 兄としてではなく、一人の男性として。

 

 けれどすべては遅かった。

 

 「さよなら、あいしゃ。・・・僕の、かわいい妹・・・」

 

 いとしい人は、自身の腕の中で冷たくなっていった。

 

 「にいさま?!にいさま!!いやあああああああ!!!」

 

 雨の降る中、物言わぬ屍となったその人に、私は生涯ではじめての、口付けを交わした。

 

 そして、近くで両親のなきがらにすがり泣きじゃくる義妹をつれて、邑を出た。

 

 

 それから五年後、私は自分の名を捨て、兄の名を名乗っていた。

 

 義妹も成人し、張翼徳と名乗った。

 

 旅から旅への日々。

 

 そんななか、一人の男に出会った。

 

 きらびやかな鎧を身につけた彼は、自分は漢王朝の末裔であると名乗り、賊に盗まれた宝剣を取り戻すのに協力して欲しいと言った。

 

 私たちは彼を信じ、その賊がいるという邑を訪れた。

 

 だが、私はそこで自分の未熟を思い知った。

 

 劉備玄徳と名乗った男は、真っ赤な偽物で、本物は女性であった。

 

 偽者は、本物の兄、劉北辰によってとらわれた。

 

 私は罰を受けるつもりだった。

 

 だまされたとはいえ、県令に剣を向けたのだから、極刑も当然だと思った。

 

 だが、彼らは自分を許してくれた。

 

 それどころか、家族のいない私たちと、義兄妹になってくれた。

 

 だから私は心に誓った。

 

 生涯をかけて、この人たちの剣となり、盾となることを。

 

 

 それから暫くして、義姉の桃香さまから、実兄である一刀さまへの想いを、聞かされた。

 

 しかし、自分も、いつの間にか、義兄である一刀さまを慕っていた。

 

 「桃香さま、確かに実の兄を愛することは禁忌です。ですが、人の想いが理屈でないのもまた事実」

 

 そう、想いは理屈ではない。

 

 亡き兄の姿を、義兄に重ねたわけではない。

 

 わたしは、義兄上が、心底好きだ。

 

 だから、

 

 「私も譲る気はありません」

 

 そう、宣戦布告した。

 

 それからは、政務や訓練の間を見ては、義兄上になんとか喜んでもらおうと、料理修行に励んだ。

 

 そのときは、桃香さまも一緒に修行した。

 

 どんなモノが出来ても、義兄上はすべて平らげてくれた。

 

 まあ、その翌日は、確実に調子が悪そうであったが。

 

 

 

 ひとつ、義兄上のことで思い知ったことがあった。

 

 義兄上は、ともかく異常にもてる。

 

 屋敷勤めの女官はもちろん、邑の若い娘からもだ。

 

 義兄上がほかの女性と仲良く話しているのを見ると、どこからか、違う自分が出てきて、

 

 義兄を追い掛け回してしまっている。

 

 今日も今日とて、

 

 「グオンノスエッズォウヌアシガーーーーーー!!」

 

 「愛紗!!言葉が!!言葉がおかしい!!」

 

 「ウオトヌアシグ、スヲゴニスワルェーーーーーーィ!!」

 

 「と、桃香まで?!何語だよそれ!!た、たすけてーーーーー!!!」

 

 桃香さまと私の二人で、義兄上を追いかける。

 

 私は青龍偃月刀を、桃香さまは靖王伝家を、それぞれに振り回して。

 

 三人で仲良く、追いかけっこをする毎日。

 

 にいさま、愛紗は元気です。

 

 これからも、私を見守ってください。

 

 では、あの節操なしをとっちめてきます。

 

 「ムァタン、ガーーーーーー!!!」

 

 「何言ってるかわかんないってばーーーーー!!」

 

 

 てわけで、ちょっと短いですが、拠点の其の二です。

 

 ほんとーは、もっと長いのを書いていたんですが、

 

 書いてる途中でなぜかリセットされました。

 

 どこもへんなとこ触ってないのに。

 

 

 リアルタイムで、考えながらの執筆だったので、記録等は何もなし。

 

 も、全部書き直した結果がこれです。

 

 苦し紛れのあいしゃごん降臨。

 

 初めて書きましたが、オンドゥルはむずい。

 

 原作者様には脱帽ですわ。

 

 

 また次回から本編に戻る予定です。

 

 鈴々ですか?

 

 ねたが思い浮かばないいですよ、これが。

 

 じっくり練っておきますので、それまでご勘弁を。

 

 

 それでは、次回、本編第六話にて。

 

 コメント等、お待ちいたしております。

 

 


 
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