No.147812

真・恋姫†無双‐天遣伝‐

この作品は、真・恋姫†無双の二次創作です。

今回が初投稿になりますので、生温かい目で見て下さると有り難いです。

2010-06-04 23:02:57 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:24388   閲覧ユーザー数:16229

 

 

・Caution!!・

 

この作品は、真・恋姫†無双の二次創作小説です。

 

オリジナルキャラが大量に出てくる上、ネタやパロディも多分に含む予定です。

 

また、投稿者本人が余り恋姫をやりこんでいない事もあり、原作崩壊や、キャラ崩壊を引き起こしている可能性があります。

 

ですので、そういった事が許容できない方々は、大変申し訳ございませんが、ブラウザのバックボタンを押して戻って下さい。

 

それでは、初めます。

 

 

 

 

 

真・恋姫†無双

-天遣伝-

プロローグ

 

 

―――――――静かに

 

―――――――動く気配を感じさせず

 

―――――――少年はそこに居た

 

 

一人道場の中心で佇み、眼を閉じたまま、ただ立っている。

 

その顔立ちは、他者と比べてきっぱりと「美形」とは言えないものであるが、纏う雰囲気は明らかに他者の「それ」とは異なっていた。

 

その左腰にぶらさがっている物は、まごう事無き日本刀。

鞘に仕舞われているとは言え、その圧倒的な重量感は遠目に見ても尚、真剣だと感じさせる。

 

少年の持つ雰囲気と合わされば、その感は殊更だ。

 

次の瞬間少年の目が見開かれ、静謐を保っていた空気が切り裂かれた。

 

 

「―――ッ!!」

 

 

左手で鯉口を切り、右手で柄を握り、一息に抜刀。

前方の空間を分かつ。

 

勢いをそのままに、振り抜かれた刃を右脇へと構え直し、右斬上。

 

更には袈裟斬、右薙と、流れるように斬撃を繋げていく。

 

そうして刀を振り続けて10分も経った頃だろうか。

 

 

「ハァ・・・」

 

 

少年はその年若い姿に不似合いな重苦しい溜息を一つ吐いて、手元を見ずに抜き身の刀を鞘に収める。

 

キン、と小気味の良い音を立てて普段通り刀は収まるが、それとは逆に少年の表情は優れない。

 

「合点がいかない」

 

そう語る様な表情。

 

もう一つ溜息を吐いてから、少年は道場の隅に置いてあった自身の荷物から手拭いを引っ張り出して額に浮かんでいる汗を拭った後、道場の清掃を始める。

 

 

 

15分もした頃、清掃を終えた少年は白い服へと着替える。

 

既に傾きかけている日の光を受けて、キラキラと輝くその服の実際は、聖フランチェスカ学園の制服。

因みに原料はポリエステル100%である。

 

少年は刀を専用の袋へと仕舞い、荷物を担ぎ上げる。

 

その表情はやはり優れない。

 

しきりに溜息を吐きながら、彼は道場を後にした。

 

 

 

 

 

 

所が変わり、少年がもう間も無く運命と激突する頃。

役者は愚か、時代さえも変わり、場も移る。

 

 

「・・・お?」

 

 

茶髪を頭の後ろで高く結い上げた、一人の見目麗しい女性が月を肴に徳利を傾けていると、視界の端に流星が映った。

それは短く尾を引いて、ふっと消えていった。

 

 

「おお、普段は見れん物が見られるとは、今夜は良い事があるかも知れないねぇ」

 

 

上機嫌にそう呟く美女。

 

先程まで飲んでいた酒の味が増したように感じ、口の端が吊り上がる。

獰猛な笑みだが、そこには確かな色香と喜悦が混じっていた。

 

 

「碧(みどり)! また飲んでいるの、貴女は!!」

 

 

突如背後から聞こえた怒号に慌て、危うく酒の徳利を落とし掛ける、碧と呼ばれた美女。

先程までの上機嫌は何処へ行ったのやら、不機嫌そうに声がした方向を見た。

 

そこに立っていたのは、血の様に紅い髪を腰の辺りまで三つ編みにした、これまた見目麗しい女性。

 

 

「そんなに硬い事言うなよ、朔夜(さくや)。

折角の良い月なんだ、楽しまない方が無粋だろう?」

 

 

口を尖がらせて、文句を言う碧。

 

それを聞いて、朔夜と呼ばれた女性は、異性を魅了出来る様な華やかな笑顔を浮かべる。

最も、同時に巨大な青筋を浮かべている所為で、相殺されてしまっているが。

 

 

「貴女と言う人はねぇ!! まだ五胡の連中は完全に退いた訳ではないと言うのに、総大将の貴女がそんなんじゃ皆が不安がるじゃない!

唯でさえ兵達が向こうの妖術に怯えて士気が低いってのに・・・・・・」

 

「・・・・・・んな事は、あたしだって解ってんだよ。

ただ、あたしが毅然としてれば、兵達の傷が治るのかい!?

そうだってんなら、あたしだって、きちんと総大将の役割を果たすさ」

 

「・・・ごめん、言い過ぎた」

 

「別に構わないよ、あんただって本気であたし達を心配してるからこそ、そう言ってるんだって、解ってるからさ」

 

「ありがと」

 

 

それを境に、二人の間から会話が消える。

 

その雰囲気は先程までとは打って変わって、重苦しい物と成ってしまった。

 

改めて口を開いたのは、碧から。

 

 

「あのさ、朔夜」

 

「何? 碧」

 

「今さ、こんな噂が流行ってるんだと。

『黒点を切り裂いて、天より飛来する一筋の流星。

その流星は天の御遣いを乗せ、乱世を鎮静す』

・・・ってやつ」

 

「ああ、洛陽でも持ちきりの噂でしたね、それ。

管輅とかいう占師の予言」

 

「ああ、あたし等からしてみれば、天は漢王朝しかないんだが、このご時世ならばそんな噂を信じたくなるのも致し方なし、かな」

 

 

フッ、と自嘲めいた笑みを漏らす碧。

 

朔夜もそれに倣うように、口元で形だけの笑みを作る。

 

 

「しかし、実際にその『天の御遣い』が現れたら、貴女はどうするつもり?」

 

 

そう聞く朔夜。

それに対し、碧はニヤリと深い笑みを浮かべ。

 

 

「無論、今の乱れ切った世を正す為に力を揮って貰うさ」

 

 

そう答えた。

 

その姿に、朔夜は薄く震えた。

本能的に、碧に恐れを抱いたから。

 

 

「・・・お、また流星だ」

 

 

ふと、碧が夜空を見上げ、一際強く輝く流星を見付けた。

釣られて朔夜も空を見上げる。

 

 

「ありゃ、中々消えな・・・ん?」

 

 

訝し気に眉を顰める碧。

 

そこで漸く、朔夜も異常に気が付いた。

 

 

「落ちて来る・・・!?」

 

 

そう、流星がこの辺りに落ちて来ているのだ。

 

そして、流星が地に触れた瞬間、真っ白い光が辺りを包んだ。

 

思わず目を覆ってしまう程の発光。

 

やがて、光が治まる。

 

 

「・・・一体何だったの?」

 

「―――ッ!」

 

「あっ、碧!? 誰か、誰か馬を持て!!」

 

 

突如として走り出した碧を追って、自らも走り出す朔夜。

 

一瞬の事だったので、誰にも判別できなかったであろう。

碧の口元が溢れ返らんばかりの喜悦で、獰猛に歪んでいた事を。

 

 

 

 

 

 

 

馬が駆ける。

 

大地を駆ける。

 

今の時代では突然変異並の巨体を翻しながら。

 

最も信を置く主を背に乗せて。

 

 

碧の顔は未だに笑みを保っていた。

 

ただし、その表情は既に、新たな玩具を目の前にした無垢な幼子の様に、期待の表情へと変わっていたが。

 

感覚を極限まで研ぎ澄まし、流星の落ちた辺りを見やる。

如何な音も、反応も、聞き逃さず、見逃さぬように。

 

次の瞬間。

碧の聴覚は、まごう事無き剣戟の音を耳にし、己が槍『極一閃(きわみいっせん)』を振り上げ、跨った友に合図を送る。

 

その合図が示すものは、突撃。

唯その一念のみ。

 

応えた碧の相棒は、その巨体に相応しい躍動を見せる。

僅か一瞬。

されど一瞬。

その一瞬の内に、人馬一体の極みを体現した両者は、世界を置き去りにした。

 

トップスピードに乗った両者の吶喊を受ければ、如何な存在がいようがその身を骸に変える事だろう。

 

だが、碧の武が振るわれる事は無かった。

 

 

何故ならば―――

 

辿りついたその場所に居たのは、見た事も無い不思議な白い服を着。

これまた、見た事も無いやや曲がった剣を携えた、一人の少年。

そして、その周囲に倒れ伏す五胡の兵隊共であったのだから。

 

 

 

 

 

プロローグ:了

 

 

後書きの様なもの

 

いや~、遂にやってしまった!

 

常日頃から妄想していた中身を曝け出してしまうと言うのが、これ程恐ろしい事だとは・・・

 

今更ながら、戦々恐々している身でございます。

 

大学があるんで、亀更新+駄文+短文という、眼も当てられないような事態になるのが正直滅茶苦茶怖いです・・・・・・

 

で、では、機会があったら、また次回で・・・・・・・・うぅ、胃が痛い。

 

 

 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
100
81

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択