真・恋姫†無双 外伝 - 鬼を従えし、天の御遣い -
第三章 『神の娘?!いきなりの許嫁に騒然!!修羅場の開始5秒前!!・中編』
決意した樹夜達は、邑へと急いで向かった。
果たして、そこで待ち受けるものとは……
SIDE:瑶姫
「ふむ。煙が立っているのはあの邑で間違いありませんねぇ。
ここは、一足先に獣のしつけをしましょう。
母上達もしばらくすれば、到着するようですし。
人々の救済は、神仙としての修行にもなりますからお咎めはないでしょう」
着いた邑では、火は鎮火しており山賊達が長老を脅迫している場面だった。
「ジジィ、女と食糧を集めて俺達に差し出せ。
そうしたら、この村にはこれ以上の事は勘弁してやるぜ?」
「どうか、それだけは……許して下さいぃ……」
「ムカツク野郎だなぁ!! 他の奴ら、目を見開いて見ておけよ!!
これが、俺に逆らった罰だっ!!」
機嫌を害したのか、剣を長老の首にめがけ振り降ろした。
「んっ??」
目の前から、長老が消えた事に不思議に思った。
「あははっ、貴方の様な濁ったような眼では前も見えないでしょう?
犬畜生は、さっさと山に帰る事を提案しますよ♪」
「誰だっ、てめぇは!?」
瑶姫は、小首を傾げつつ答えた。
「誰ですって? 私は薄幸美女の旅人ですが、何か?」
「ほぉ~、旅人さんかい。よく見りゃ、この女。上玉じゃねぇか。
おいっ!お前ら、この女を捕らえろ!!俺様が、囲ってやるぜぇ!!」
山賊の頭らしき人物が叫び声をあげると、大男が数人がかりで四方八方から襲いかかってきた。
「ふむ。やはり、獣は獣ですか。畜生道がお似合いですね。
天から裁きを下して差し上げましょう。
すぅーーー……ふんっ!!
哈アアァァアアアァアアア!!!!!」
氣の籠った咆哮が辺りに響き渡ると、
先程まで威勢よく襲いかかってきた大男が泡を吹いて倒れていた。
「これでも、まだやるというのですか? 貴方も中々の武をお持ちのようですが、
これ以上はやめておいた方が身の為ですよ」
「そんな叫声だけで、俺は身がすくむような男じゃねぇ!!」
瑶姫は手に指先が鋭い爪の様な手甲を装着すると、一言だけ呟いた。
「そうですか、残念ですね」
「死ねぇえええええ!!」
叫び声共に、真正面から切りつけて来た。
「傲りは長ずべからず、欲jは縦にすべからず、
志は満たすべからず、楽しみは極むべからず。
この一撃を、地獄の審判と心得なさい!!」
迫りくる斬撃を柳の様に受け流し、急所たる場所に剛撃ともなる鋼の拳が振りぬかれた。
「うぐぇぁ……」
「去勢完了」
山賊の頭は、顔を青白くさせて地面に倒れ伏した。
一仕事を終えた瑶姫は、長老に話しかけた。
「山賊共は、縄で縛っておきました。これで、大丈夫でしょう」
何やら、長老の顔色がまだ優れないようだ。
「まだ、何か困り事でも?」
「山賊を倒して頂いて、本当に感謝しきれんのですが……
あやつらは小間使いの山賊じゃ……
先程の山賊を操っとるのが、黄色い布巻いた盗賊集団なんじゃ。
下っ端からの報告がはいらんかったら、ここに襲いに来る違いない。
どうすればよいか……」
瑶姫は、優しく老人に語りかける。
「大丈夫ですよ。私の援軍がしばらくすると来ますから、天の御使いの御一行がね♪」
日が正午を迎える頃に樹夜達も着いたようだ。
SIDE:樹夜
「火は、もぅ鎮火しとるなぁ。さて、長老さんのとこでも向かいますか。
何やろ、あんな所に何で人がめっちゃ集まっとるんや?」
「とりあえず、あの場に行けば分かるじゃろ」
樹夜はそれもそうだと思い、人が集まっている場所まで向かった
何故か、魅麗だけは意味深な笑みを浮かべていた。
「やはり、この時代も戦国の世と同じく貧困にあえぐ民草はいるのですね」
樹夜も、道雪と同じく辺り見ていてしみじみと思う。
「何とかしてあげたいんやけどなぁ……」
悪政に苦しむ民を、早くこの手で何とかしてあげたいと
決意を再度、心に刻む樹夜であった。
思考を止め、人だかりができている場所まで着くと……・
「やっとご到着のようです♪ 初めまして、天の御使いの御一行様♪」
見知らぬ人が挨拶してきて、樹夜は唖然とした。
「お主は、相変わらずじゃな」
どうやら、魅麗は知ってるようだが……なんだろうと樹夜は危機感をつのらせる。
「あっ、母上!この度は、修行の一環として同行させて頂きますね。
それで、こちらの殿方が許嫁の方ですか?」
一瞬の静寂の間が訪れたと思いきや……
「「「「「母上!? 許嫁!?」」」」
樹夜達は、驚きの余りに大声をあげてしまった。
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注意書き:オリジナル色が強い作品ですので、もし苦手でしたら推奨できません。
休止中の結城つきみんです。
今回は、多忙な中での気分転換に書いたものなので次回は未定です。
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