「家康さま。戻ってまいりました」
暗い天幕の中を見るとそこには一人の少女が寝ている。
「まったく、まだ寝ていらっしゃるのか。起きてくだされ家康さま」
「うっうう~」
「起きてくだされ客人ですぞ」
「んん~・・・・・あなたは誰?」
「へ?家康さま何を言ってらっしゃるのですか?あなたの家臣の本多忠勝ですぞ」
「私はそんな人知らないわよ。だいたい私は誰?」
「えっええー!!!!!!!!」
家康と呼ばれる赤髪の長髪の少女はどうやら記憶がないらしい。
「というわけで家康さまはただ今見事に記憶喪失でありまする」
「そっそのようだね」
予想もしない事態にさすがの俺も驚いている。
「まずはどこまでの記憶がないか調べないと」
「そっそのようですな。とりあえず唯さま自分がだれか分かりまするか?」
「唯?」
「家康さまの真名でありまする。今は知らなかったからいいものの次言ったら北郷殿とて許しませぬぞ」
「ああ、すまない。」
彼女らの世界にも真名はあるようだ。気をつけないと
「私は徳川家康。真名は唯。そのほかは覚えていません」
「名前ぐらいはわかるんだ。とりあえず安心したよ」
「よっよくありませぬ」
「へ?どういうこと?」
「家康さまは自分のことを私などとは呼びませぬ。そもそも家康さまは自分のことを俺と呼びその勇敢な姿で戦場をかけておりました。」
今の姿はとてもそうには見えない。むしろおとなしい感じだ。
「とっとりあえず城に来ないか?話し次第で君たちの大将の記憶が戻るまではうちの国で面倒見てやれるかもしれない」
「おおっ本当でありまするか。面目ありませぬ。」
「とりあえずこの国の王に話してみないと分からないから」
「うっうむ。とりあえずよろしくお願いしまする。」
「君たちの身に起きたことは城に来てもらってからみんなの前で話すよ。」
「みんな?と言いますると?」
「うちの軍の仲間だよ。みんないいやつだから分かってくれると思う」
「よろしいでありまするか家康さま?」
「分からないけどおなか減ったからご飯たべたいな~」
「は~。この変わり様最早元の家康さまの欠片もござらん。仕方ない、私がそちら側と交渉いたしまする。」
相当呆れているようだ。そんなにすごかったのだろうか、元の家康は。
「半蔵。出てこい。」
シュタッ
どこからともなく現れた半蔵と呼ばれるくのいちの様な服に身を包んでいる小さな少女?幼女?。あの有名な服部半蔵だろうか。
「神夜に命令される覚えはないのです。我に命令できるのは家康さま唯一人なのです」
「神夜?」
「ああ、私の真名でありまする」
「そうか、ごめん訂正するよ」
「うむ、分かっていただければいいのでありまする」
「聞いているのですか~」
「私を無視するな~」
「ああ、すまぬ。ところで半蔵には家康さまの御守を頼みたいのだが」
「このように変わり果てたとはいえ家康さまには変わりはない。いいでしょうこの服部半蔵が責任をもって護衛を承るのです。」
「ああ、すまぬ。」
「ちょっと~、私を忘れないで~。」
二人の間から家康が現れる。
「私を置いてかないで。おなか減ってるの~。だいたいその言葉使いからしてあなたたちは私の部下なんでしょ。だったら私の言うことを聞きなさ~い。」
「なあ、家康ってもともとこんなキャラなのか?」
「キャラ?っと言いますると?」
「ああ、ごめん性格って意味だよ」
「いやそんなことはありませぬ。元々家康さまは熱血漢で武芸にも秀でておりまする。それがこんなお姿に、よよよ。」
「とりあえず行こうか。家康も一緒に行こう。ご飯もつくらせるし」
「わ~い、ごはん、ごはん。あなた、名前は?」
「ほッ北郷一刀だよ。よろしく」
「よろしく一刀!私は徳川家康、真名は唯だよ」
「いいのか?真名を教えちゃって」
「いいの。一刀はご飯食べさせてくれるって言ったんだもん」
そういうと家康は俺の手をとり城門へかけていった。
てか、この状況、蓮華が見たらまずくないか。
「あッこら家康さま。駄目でござりまする」
「こら~。貴様家康さまに触れるな~」
「まって下さい。一刀様~。」
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3話です。
実史とはいろいろ違うところもありますが作者の勉強不足ですのでご了承ください。
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