No.136680

真・恋姫†無双 天の御遣いと紅き武者 第十話「曹魏、『志』と共に・・・」

FULIRUさん

真・恋姫†無双 天の御遣いと紅き武者 第十話 です

更新が時間の都合上 少し遅れましたので
学校でコソーリ投稿
もう直ぐで反董卓連合編に突入です・・・

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2010-04-16 16:06:06 投稿 / 全10ページ    総閲覧数:3033   閲覧ユーザー数:2627

 どうも、FULIRUです

 

 前回でようやく、夜行の単独遠征が終了しました

 

 そして、反董卓連合への最終段階が始まります

 

 皆さんのご期待に沿えるよう頑張ります

 

 それでは、どうぞ・・・

 

 

 ・・・曹魏、強くし過ぎたかな?

 Side/一刀

 

 夜行が遠征から去って、十日が過ぎた

 

 いい加減、帰りが遅いと皆が苛々し始めた。 その中には心配する人も居た

 

 しかし、そんな中夜行からの書簡が届いた

 

 書簡の内容は、もうすぐ帰る・・・。との事だ

 

 どんな情報か、皆はあんまり期待していない

 

 洛陽なんて得する情報よりイラつく情報が多いと知っているからだ

 

 しかし、華琳曰く「夜行の事だ、今噂の董卓とやらを見極めるのでしょう」

 と言っていた

 

 俺は、俺自身の存在の意味を・・・未だに理解すら、納得すらしていなかった・・・

 

 書簡が届いてから二日・・・夜行は戻ってきた

 

 その表情は相変わらず一点の曇りも無い

 

 俺とは、大違いだった・・・。

 洛陽偵察の任から戻った夜行は手に入れた情報の少しを報告した

 

 董卓との接触 洛陽の現状 しかし、張譲の野望や月の無罪を

 報告はしなかった・・・。

 

 何故なら、張譲を確実に仕留めるには情報の漏れは許されないから・・・

 

 しかし、大きな情報を報告せずとも

 夜行の収穫は大きなものだった・・・

 

 「成程、董卓達は・・・戦う気が有る・・・と、いう事ね?」

 「あぁ、俺の読みが合っていたら・・・な」

 

 華琳が目を細める、本当にそれだけ? とでも言いたげな目だ

 

 しかし、夜行は決して真実は言わない

 もし、自分が張譲を仕留めきれなかった場合は・・・

 華琳達の手で夜行を処断し、罪滅ぼしをさせるために

 

 俺は、紅 夜行。 この世界に依存する気は毛頭無い

 

 そして、俺は・・・この世界の人間じゃない

 

 俺はあくまで独り、そう・・・独りなのだから。

 「・・・と、言う訳だ。 華琳

  袁紹からはもう招待されているのだろう?」

 

 「えぇ、そうね。 だけど、本当に戦う気かしら?」

 「あぁ、この戦いで名を上げれば天下に近づく事が出来るからな」

 「それは・・・どういう意味で言っているのかしら?」

 「何れ判る時が来る・・・・」

 

 夜行は一応、天の知識・・・未来の知識を所有している

 だから、これから起きる戦い・・・出来事を知っている

 だからこその進言だろう

 

 「そう、判ったわ。 ではこれで・・・「待ってくれ」・・・」

 

 華琳の言葉を遮ったのは、意外な人物・・・一刀だった

 

 一刀の顔は今までと違って、決意が備わっている

 しかし、彼の言葉は・・・あまりに酷かった。

 

 「何だ? 一刀」

 「夜行・・・。 俺の代わりに、天の御遣いをやってくれないか?」

 

 

 静寂が辺りを駆け抜ける

 周りの空気が重くなる

 夜行の周りからは、殺気が溢れ 怒りに満ちた目を細めた・・・

 

 「・・・どういう意味だ?」

 「そのままさ、夜行」

 「其れは・・・俺に御遣いをやれ、と?」

 「あぁ」

 

 夜行には一刀が理解出来なかった

 天の御遣いとして、この世界で覚悟を決めた彼が

 どうして、今更責任を放棄するのかが

 其の答えは、彼だけが知っている・・・

 

 彼も又、『独り』なのだから・・・。

 長い沈黙

 一刀の言葉は、夜行だけじゃない 皆の気分を損ねた

 

 「どういうつもりだ! 貴様ぁ!!」

 「そうよ! この全身精液男! ついに頭がおかしくなったの!?」

 

 桂花や春蘭の反論すら、彼の耳に届いてはいない

 彼は、夜行の答えだけを求めていた

 

 「・・・逃げるのか?」

 

 夜行の静かな怒り

 しかし、一刀の気持ちが変わるはずもない・・・

 

 「違うよ、合理的に君が名乗った方が良いと判断したんだ」

 「何故、そう思う?」

 「君は俺より全てが勝っている・・・唯、それだけだよ」

 「そうか・・・・」

 

 確かに、一刀の言う事も一理ある・・・事実だ。

 しかし、夜行はそんな彼に対し・・・

 

 「北郷一刀、見損なったよ。

  俺は、変わった。 君も、変われるんじゃないのか?

  それとも、所詮は口だけかい?

  ・・・戯言は自分の周りを見てからほざけ・・・っ!!」

 

 夜行は失望した顔をして、広場を後にした

 

 一刀は顔を俯けたまま、何処かに去っていった・・・

 

 (一体、どうしたの・・・一刀?)

 

 華琳は・・・何も言えなかった

 王としても、女としても・・・・何も。

(はぁ・・・何やってんだろ、俺)

 

 白き御遣いは、城壁の上

 風に扇がれながら独り、思い更けていた

 

 「これじゃ、御遣い失格だな・・・でも」

 

 でも、俺に何が有るのだろう・・・

 夜行、お前は一体・・・俺に何が見えていたんだ?

 俺は、春蘭みたいに強くない 桂花みたいに賢くない

 そんな俺に、何で仕えてくれているんだよ・・・

 

 俺の周りを見てから・・・か

 

 何が有るのだろうか

 

 夜行は多分、自分には無い何かが俺に有るから仕えて・・・信頼してくれている

 

 だけど、其れが本当に良いのか・・・俺には判らない

 もう、何も考えたくないな・・・。

 

 一刀の雫が地面に落ちて弾けた

 其処に一つの影が勢いよく出てきた

 

 「ちょっと! 何一人で泣いているのよ!」

 「・・・え?」

 

 其処には、意外な人物が現れた

 

 「けい・・・ふぁ?」

 Side/桂花

 

 苛々する 落ち着かない 胸が痛い

 

 何これ? どうして私が?

 

 あの馬鹿が広場から去ってから

 私は落ち着かなかった

 あの馬鹿・・・北郷の事が気に掛かっていた

 

 そんなはず無い!

 何故私があんな馬鹿のために胸を痛めないといけないの!?

 まさか・・・私が? いや、そんな・・・

 

 そんな思考に私は無意識に足を動かしていた

 そして、着いた場所が・・・城壁の上

 何故か北郷が地平線を見つめ座っていた

 

 ・・・否。 私が探してしまった・・・彼を

 

 でも、どうして?

 

 どうしてそんな顔をしているの?

 

 まるで抜け殻。 機から見れば死んでいるような顔

 

 一体何があったのよ・・・北郷一刀

 

 無意識に私は、アイツに近づく

 自分の思いとは裏腹に、彼に近づく

 じゃないと・・・彼、壊れちゃう

 

 そんな感じがしたから・・・

 教えなくちゃ・・・彼に

 

 『貴方は・・・独りじゃない』

 風が透き通る

 沈黙の間

 

 其処に突然、声がした

 

 「何が、『けい・・・ふぁ?』よ! 死んだような顔して」

 「・・・何か用?」

 「・・・何言っているの? 私がアンタに用が無くて近づくと思った!?」

 「用が有るなら早く言ってくれ。 一人にしてくれないか?」

 「・・・貴方、何か勘違いしてない?」

 「・・・何が?」

 「・・・こっち向きなさい!!」

 「えっ?! ・・・あ」

 

 一刀が顔を上げると

 彼の鼻先に少し離れた所に桂花の人差し指が据えてあった

 

 「良い? アンタに何が有ったか知らないけど

  アンタのせいで皆が心配しているのよ!?

  判っているの?!」

 

 「知っているさ。 だけど、此れは俺の問題だから・・・」

 

 「そうやって一人で抱え込んで

  アンタが無理しても誰も喜ばないわよ

  凪なんて、毎日相談に来るし・・・私だって迷惑なのよ!」

 

 「・・・・・・・・」

 

 沈黙

 一刀の顔が段々と暗くなっていく

 其れを見た桂花は・・・

 

 「・・・・・・・?」

 

 桂花の手が、不意に一刀の頭の上に置かれた

 桂花は何も言わず、頭を撫でた

 

 「・・・・・無理・・・しないで」

 「・・・っ!?」

 

 一刀が頭を上げた・・・が

 其処に桂花の姿は無く

 走り去っていく影しか見えなかった

 

 (ありがとう、桂花・・・。 でも・・・それでも、俺は・・・)

 

 不意に視界が・・・霞んだ

 先程の広間に

 

 「一刀は・・・居ないわよね。 ・・・当然」

 

 華琳の声が普段より暗い

 しかし、彼女達は立ち止まってはいられなかった

 

 「・・・四の五の言っても仕方ないわ。

  ・・・我等曹魏は、これより董卓を討つべく

  遠征に出る! 準備をしなさい!」

 

 「「「御意!!」」」

 

 全員の声が響く

 此の戦いに正義は無いのかもしれない

 

 しかし、彼女達は止まらない

 進む未来に、希望が在ると信じて

 

 今この時が、歪んでいても

 彼女達は、自分達が進む道・・・志に正義が在ると信じて

 戦う・・・。 御遣いもまた、自らの志・・・自分自身と

 戦っていたのだった・・・。

 あとがき

 

 どうも、FULIRUです

 

 少し、更新遅れました・・・申し訳ありません

 

 さてさて、次回は・・・連合視点では無く

 董卓軍視点で話を進めたい(?)と、思います

 

 皆さんの期待に応えられるよう努力します

 応援、宜しくお願いします!

 

 それでは皆さん 御機嫌よう、さよなら~


 
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