どうも、FULIRUです
さて、今回は夜行の洛陽潜入視点でお話を進めて行きます
今回はオリキャラを出したいなぁ・・・という事で、出します
キャラ設定は、もう少しオリキャラを出してからお伝えします
それでは、どうぞ
Side/???
「旅の武芸者・・・・か」
「・・・はい」
何処かも判らない暗い部屋
其処には、老いた文官とあの間諜が会話をしていた
「如何しましょう、張譲様」
「良い、放っておけ」
「・・・御意」
「お前はお前の役目を果たせ・・・お前は儂の手足だ」
「・・・仰せのままに」
張譲と呼ばれた文官はそう言うと
闇に消え、間諜の少女は部屋を後にした
「・・・月様」
少女から涙が弾け
最愛の主君の名前が零れた・・・。
Side/夜行
成る程、そうくるのか
流石は董卓軍 軍師賈文和
的確な判断だな
しかし、天の御遣いときたか
まぁ、強ち間違ってはいない
俺は此処の人間じゃない
そして、此処に依存する気は毛頭無い
だが、ここで正体がバレるのは得策じゃない
俺は、紅葉
紅 夜行ではない
今の俺は、俺であって 俺では無い
まだ、チェックを掛けられたわけじゃない
詰みは、まだ先だ・・・賈詡文和
「・・・天の御遣い、か」
「何故、そう思う? とでも言いたげな顔ね
いいわ、教えてあげる」
「・・・聞かせてもらうか」
「まず一つ、貴方の戦闘能力について
貴方の得物はこの国の思想とは違った形状をしている」
「国の思想・・・って、どういう意味や? 華雄」
紫の髪の少女が華雄に首を傾げて問うた
「いや、サッパリ判らん」
「即答かいな、まぁわかっとったけど」
夜行は目を細めた
「・・・成る程、俺の剣・・・刀と言うが
この国では叩き切る と、いう思想が強いみたいだな」
「えぇ、そうね。 だけど、貴方の剣・・・刀だったかしら?
其れは、叩くのでは無く・・・」
「切り裂くものだ」
「「「!!??」」」
夜行の言葉に皆が目を見開き
耳を疑った 何故なら、この時代の中
剣に切り裂くという概念は無く、唯斬る事だけを考えられてきた
「しかし、其れが確信をつく証拠・・・というわけでは無いだろう?」
「そうね・・・、貴方の戦闘能力を説明した所で
貴方が天の御遣いである事を証明出来るわけではないわ」
「・・・まだ、何か有りそうだな」
「流石、鋭いわね。 そう、私が本当に聞きたいのは
貴方は・・・何者?」
「何故、其れを聞く」
「天の御遣いと聞いたのは、回りくどかっただけ
少なくとも、貴方は只の武芸者じゃない・・・そうよね?」
周りがざわめく
もし、何処かの間諜・・・という思想は有り得ないと
考えられた、何故なら間諜とは隠密が基本
態々姿を現しても得は無い
しかし、詠はそんな思考の隙を突いて大胆な行動に出た・・・という
考えに至っていたのだ
「・・・流石、とでも言おうか。 賈詡文和」
「どういう事?」
「確かに俺は、唯の武芸者じゃない」
「「「!!??」」」
華雄と紫の髪の少女と真紅の髪の少女は得物を手に取った
しかし、まだ取るだけ
構えはしない、もし構えてしまったとして彼が何者でも無かった場合
自分達の主である董卓の風評は益々悪くなるからだ
「貴方・・・何者?」
詠の肩が震える
もし、彼が間諜か何かだった場合
彼は情報を知り過ぎた。 勿論、其の場合は生かしては帰さない
しかし、彼には逃げるだけの能力は有る
此方は捕らえられる自信は皆無だった
彼は・・・強いと、軍師の勘がそう告げる
「俺は、唯見極める」
「「「・・・へ?」」」
華雄と紫の髪の少女と月の言葉が重なった
真紅の髪の少女は、首を傾げるしかなかった
「見極める・・・って、何を?」
そんな中、詠の肩は先ほどより大きく震えていた
「賈詡文和、お前の想像通りだ
尤も、君以外誰もあの話を知らないみたいだがな」
「「「???」」」
「言っても良いか? 賈詡殿」
「・・・仕方無いもの、もう隠すだけ・・・無駄だから」
詠が俯いた
皆、彼に視線を集中させる
「良いか、よく聞け。
単刀直入に言う・・・
現在、各諸侯で『悪逆暴君 董仲穎を討たん』とする者達が集まろうとしている」
皆にとって、彼の言葉は
ある意味、宣戦布告だった・・・
「なんやそれ! どういう意味や!!」
紫の髪の少女は夜行の胸倉を掴み
激怒を表しながら、怒声を放った
「落ち着け、激怒する気持ちも判るが・・・
話は聞いて損は無い。 そして、出来れば名前を教えて欲しい
我が名は紅葉 字は無い」
「・・・判った 我が名は張遼 字は文遠や」
彼女が夜行の胸倉を放すと
彼は話を続けた
「俺も旅の途中、風の噂で聞いたものだ
嘘か真かは、己が判断に委ねる」
「俺も此処洛陽に到着した時は、噂を信じた
此処は腐っている・・・、噂の内容だが—
夜行の会話が中断された
そして、不意に夜行は懐から小刀五本を取り出した
「「「・・・ッ!!??」」」
其れを見た華雄と張遼、そして真紅の髪の少女が自分の得物を構えた
「・・・言ったはずだ、それで隠れているつもりなら・・・殺す、と」
ヒュンッ! ヒュンッ! ヒュンッ! ヒュンッ! ヒュンッ!
五本の小刀が裂く風の音
そして、五箇所別々の所に五本の小刀は突き刺さった
突き刺さった壁から、赤い液体・・・血が流れていた
「・・・なんや、これ」
「・・・・・・・・」
「まさか、五人の間諜全てを仕留めた・・・のか?」
張遼と真紅の髪の少女は今起こった事実に驚き
華雄は分析しつつも半ば驚いていた
「後で死体を調べると良い・・・切り裂く、という思想の真偽が
確かめられるだろう」
夜行は壁に突き刺さった小刀を一本・・・また一本と引き抜いていった
引き抜く度に、壁の向こうで何かが落ちる音が聞こえた・・・
そう、夜行は初めから間諜に気づいていた
見過ごしたのは、詠の質問・・・刀の思想についての答えを見せ示すため・・・
月達は、初めて彼の存在に危機感を感じていた
この者は、敵に回すと危険過ぎる
自分の敵なら、容赦無く 其の者の命でさえ軽く使う
そんな人物なのだ・・・と
「・・・扉の向こう。 隠れるつもりが無いなら出て来い」
そう夜行が言い放つと、不意に扉が開いた
其処には蒼髪の少女が立っていた・・・。
「失礼しました、紅葉殿
盗み聞きするつもりは有りませんでしたが・・・」
「お前は・・・誰だ?
俺の名を知っているなら、名乗る必要は無いな」
「はい、我が名は李儒 字はありません
董卓様に仕える軍師です」
(李儒・・・賈詡文和に並ぶ董卓軍の軍師・・・厄介だな)
突然の意外な人物の登場に眉を顰める夜行
しかし、今の夜行に考えに浸る事は許されない
此処は許昌ではない
付け入る隙を見せれば・・・死ぬ。 そういう事だ
「・・・笑止、もう一人。 来る気が無いなら殺す」
「私以外に? あっ・・・」
李儒の後ろからもう一人
桃色の髪をした少女が現れた
「よくお気づきに・・・」
「誰だ? ・・・・・」
「我が名は・・・貂蝉 字はありません
董卓様に仕える一人の将です」
少しの沈黙の後・・・夜行に悪寒が走った
(少し待て、俺。 この嫌なデジャブ感はなんなんだ・・・)
夜行の背筋に冷たい何かが流れた・・・
彼女を肯定する自分と 彼女の何かに抵抗する自分が居た
その理由は・・・。 ※原作参照(貂蝉)
貂蝉と名乗った少女は何故か目を逸らした
彼女以外の者は其の意味を理解してはいない
其の真意は・・・あまりにも残酷だから・・・
「貴様等が何用だ、呼んだ覚えはない」
「貴方は何か誤解しています。 先程の貴方の話は
我等、董卓様に仕える者全員に関わるお話しです
・・・調子に乗らないで頂きたい」
李儒は強気な姿勢で夜行を見下している
其の行為は、彼女の覚悟の示し方・・・。
「・・・良いのだな? 受け入れる覚悟は有ると」
「無論です、そのために此処に来ました」
彼女・・・李儒の目は澄んでいる
澄みすぎて、少し心の内を容易く読めるようだった
「・・・貴公は?」
夜行の視線の先
貂蝉の瞳は、濁っていた
そんな彼女を、彼はあまり信じていない
まだ、敵では無いと・・・決まったわけじゃないから
「私の事なら構わず・・・」
「・・・判った」
夜行は手短に話した
また、先程のような間諜が現れるか判らなかったから
董卓が悪政を布いている事
袁紹が各諸侯に対し討伐連合の参加を書簡で呼び掛けている事
其れを聞く皆の表情は険しく、怒りに満ちていた
一人、月だけが顔色一つ変えずに澄んだ目で夜行を見ていた
「・・・と、いう事だ。 だから、俺は見極めに来たのだ」
「なるほど・・・、せやけど、どう見極めるん?」
「俺は、正直言うが董卓殿が悪政を布いているとは思えない
董卓殿は優しすぎる、それに・・・」
「それに?」
「あの間諜や、董卓殿を渡せとほざいた兵士達が気になる所だ」
「それなら・・・答えは簡単よ」
今まで黙っていた詠が不意に、口を開いた
「簡単とは?」
「その兵士達・・・奴等は、張譲が率いる十常時の兵よ」
「張譲・・・皇帝に仕える文官か・・・」
「えぇ、私達は今、その十常時・・・張譲に監禁されている
と、言っても過言では無いわ」
「監禁? どういう意味だ」
「月が相国の位に着いたのは・・・知っているわね?」
「無論」
「そして、私達は張譲に此処洛陽に引き入れられた
だけど、張譲の狙いは・・・盾が必要だったのよ」
「盾・・・だと?」
「えぇ、自らの野望を成し遂げる為の・・・囮よ」
「・・・野望の内容は?」
「知ってどうするの? 貴方に益は無い・・・
寧ろ、張譲に悟られたら貴方まで狙われるのよ?」
「・・・愚問。 言ったはずだ、見極めると」
「・・・そう、判ったわ。 教えてあげる」
夜行は其の瞬間(とき)まで知らなかった
此処洛陽の腐敗の根源を
そして、知ってしまった。 彼女(月)の『呪い』とも言える運命を・・・。
『皇子両名の殺害。 そして、月を生贄とし自らを帝位に着かせる事よ・・・』
「不可能だ。 そんな夢物語が--「可能・・・なのよ」---」
夜行の否定に詠は即答とも言える肯定を突きつける・・・
そう、張譲の帝位掌握は非人道的に行われる
張譲には現在、国一つを作れる程の莫大な財産を所有している
そして、人とは元々己が欲望に忠実な生き物だ
其の心理を利用した張譲は、資材・・・カネを利用し人々の忠誠心を掴む。
次に、張譲は名のある貴族や富豪を誘い込む
これも実に簡単。 将来、帝位を握ると確信している張譲は
権力者達に、自分に味方すれば良き待遇が得られると唆す
これで、財政面はカバーできる
同時に、自らの為に強き者に寄生するのは弱者の当然の思考
そんな心理をも巧みに利用し、兵を集める
これで、国力に問題は無くなる
そして、現在
此処洛陽には、表面上では董卓軍と名乗っている兵は多い
しかし、中身は殆ど張譲に属する下種共
そして、宮廷内における重要人物・・・例えば何皇后や大将軍何進の殺害や
劉協、劉弁の隔離 監禁などを行っている
今の宮廷には、監禁された月や劉協達と張譲しか残っておらず
この真実を知る者は他に居ない
だからこそ、張譲は董卓の暴政を各諸侯に伝えたのだ
後は、自分の盾達が無益な争いをしている様を上から面白げに観察し
飽きたら、皇子両名を殺害 月に罪を被せ
自分達で月を殺害し、皇子両名の仇を取る
そして、霊帝に専断され内政に努めていた張譲は
絶対的信頼を持たれ、堂々と帝位に着ける・・・というシナリオだ
後は、国力に問題は無く
此処洛陽が腐敗した後処理を行えば、民からの信頼も厚くなる
財源である民達は洛陽の噂を嗅ぎ付け、尽きる事無く洛陽に流れ込む
後は、膨大な財源を上手く利用すれば
今回のような首都腐敗の二の舞は起きず、更に民の信頼は厚くなり
上手く事が運べば、各諸侯による洛陽合併が起きる
そうすれば、事実上 張譲の独裁体制が整う・・・と、いう事である
「つまり・・・この連合に、正義は無い・・・と?」
「正義どころか下手したら、大義すら無いんじゃない?」
「・・・張譲の手の平の上で踊れ・・・だと?」
「事実上は、そうなるわね。
この真実を知るためには、確たる証拠すら提示出来ないし・・・」
詠以外の者には既に、諦めの色が見えはじめてきた
どうにも出来ない・・・変えられる事が出来ない・・・と
「そうか、ならば俺は俺の信じる正義を貫かせてもらおう」
そう夜行が呟くと
宮廷を去っていった・・・
誰も、彼を止める事は無く 唯、佇んでいた・・・。
あとがき
どうも、FULIRUです
さて、ここで黒幕登場です
どうやって今後に繋げようかな・・・
そして、ようやく新たなオリキャラの登場です
かなり空気でしたね、別話に目立てるように工夫します サーセン
女貂蝉ですが・・・覚悟は出来ています
苦情、罵倒等々、全て受け取ります
バッチコーイ です
最近、ネタ不足なのです
スランプなのです
今回はかなりの駄文だったようなのですが、説明長文は苦手なのです
申し訳ありません
もし、指摘等々ありましたら救いになります
今回は最後まで読んでくださって有難う御座いました
それでは皆さん。 御機嫌よう、さよなら~
夜行の牙門旗どうしよ・・・
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真・恋姫†無双 天の御遣いと紅き武者 第九話 です
今回でオリキャラを出したいな~と思います
ご指摘等々ありましたら嬉しい限りです
それでは、どうぞ・・・
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