ショタ一刀シリーズ作者MiTiです。この話を読むに当たって諸注意をば。
今回、外史にショタ一刀が召喚されたら…って話の妄想集です。呉√で。
現在執筆中のお祭シリーズとは完全無関係です。
ショタなら一刀でなくても良いんで無い?というツッコミはスルー。イメージの問題です。
でもって、これ言っちゃったらどうしようもないかもですが…
連載・続く予定皆無です!例によって妨害(妄想)電波を受信しちゃいましたwww
なにやら最近Tinami内でショタ一刀のSSがぽつぽつと現れ始め、
これは負けるわけには行かないと色々考え書こうとはしているのですが、
中々ネタが浮かばず、浮かんでも文にするのに一苦労。
でも、妨害(妄想)電波は浮かびだすと止まらない!
てわけで書きました。
設定としては…
名前:北郷一刀
年齢:6歳 小学校入りたて
性知識:あったらおかしいだろwww
性格:明朗快活、初心
身体能力:チートと言うわけではありませんが…生存本能が働くと速さは武将達を超えます(逃げ足とか)
知能:現代の小学生入学したての子供くらい…程度が分らん…
こんなもんです。外史への来方は原作と一緒。なので発見されてからを書きます。
ではどうぞ…
謎の光が二人を包み込み、以上は無いかと見回したところ、荒野に誰かが倒れているのを発見する。
近付き見てみると、倒れていたのは外見5、6歳程度の男の子であった。
「男の子?」
「場違いにも程がありますな。このような荒野で童子一人、我々以外親や保護者らしきものも一切見当たらぬ」
「捨てられたって線もあるけど、見た感じ肌も健康そうだしそれはないわね。そして、この格好…」
「"流星に乗り光る衣を纏いて"…でしたかな。確かに月明かりを浴びて輝いていますが…どうします?」
「つれて帰りましょう」
「っは、迷いなくおっしゃりましたな。妖の類かもしれんのに」
「この子、私の勘だと本物よ。将来的にね。もし妖なら…そのときは私達で討てば良いこと」
「なるほど。とは言え、妖であるかもしれないという可能性は捨て切れませなんだ。
抱えるのはワシが」
「そ。お願いね」
祭の提案に了承し、本当は自分が抱えたかったところを、その役を譲る。
子供を苦手とする祭であるが、それは良い言い方で自分に懐く、悪く言えば纏わり付く子供に対して。
今自分が抱き抱える少年が起きていたらどんな反応をするかは分らないが、
現在はグッスリ眠っていて起きる様子が無い。
で、抱えてみてあら驚き。何の抵抗もなくどころか、
こうして子供を抱き抱えることでどこか穏かな気持ちになる祭がいるじゃないですか。
子供を苦手とする自分がと不思議に思いながら、ふとそのプニプにとした頬を突いてみる。
すると…
きゅ…
突いていた指を握られた。更に、握ることで安心感を得ているのか、手ごと両腕で包み込まれた。
手が包み込まれるのと同時に、自分の心が暖かくなるのを感じる。
まだ自分の半分の背も無いほどの子供がもたらしてくれる暖かさに思わず表情が緩み…
「……………さ~い~~~」
「っ!な、な、な、なんですかな!?策殿?(汗」
「妖かもだから、危険かもしれないから預かるんじゃなかったかしら~ぁ」
「さ、作用!ももももし妖なら、起きたときに何をするか分りませんからな(汗汗」
「ふ~~~~~~~~~~~~~~~~~~ん」
「た、ち、つ、て、ととと、とにかく…早く帰りましょうぞ!(汗汗汗」
「後で抱かせなさいよね」
「…妖でないと、判断できましたら…」
正にしぶしぶと言った感じで言った。何気に抱く力をほんの少し強めながら…
さてさて、到着しましたお城へ。門の前では冥琳が出迎えに来ており、
「それどした~?」「拾っちゃった~」なやり取りをし、「そうなんだ~」と思って祭を見て、驚愕した。
あの子供を苦手とする祭が、その子供を抱き抱えてみたこと無いかもしれない優しげな表情をしている。
「さ、祭殿?」
「ホゥ……ハっ!?な、なんじゃ冥琳?」
「いえ…それが件の”天の御遣いかもしれない男の子”ですか」
「ああ、そうじゃ。が、まだ妖の類かもしれんのでこうしてワシが抱えておる」
「なるほど。…その割には私達には到底見せないようなやさしげな表情ですね。まるで母親のように」
「母親…」
反論があるかと思ったが、予想外にそんなこともなく、むしろその評価を考え込んでいる様子。
そして…
「…いいかもしれんの」(ボソリ
そう呟いた。その呟きを間近にいた二人は聞き逃さなかった。
「…祭殿、まずはその童子が起きてからいろいろ聞かねばなりません」
「妖かどうかの検討もね~」
「む…そうでありますな」
「妖だったら始末、そうで無いなら孫呉に天の血を入れるってさっき…って、どうしたの?」
つい先ほど寝ている子供の横で二人で相談したときに決めたことの確認のつもりで行ったのだが、
何故か複雑そうな顔をしていた。
「う~む…これが我が子を婿に出す親の心境というものか?嬉しい反面どこか複雑な…」
「気が早すぎでしょ~。それに、もし妖なら可哀想だけど…」
「くっ…そ、その時はワシが責任を持って」
「と言いながら、庇い隠しておくと言うのはなしですよ」
「うぐぅ…」
その後、見張りとして数人を男の子が眠る部屋に配置し、
起きたら尋問…もとい、話を聞くことにした。
見張り役の中に付きっ切りで監視する役をさり気無~くしかし強く希望する祭がいたが、
残念ながら却下されてしまった…
翌朝、窓から差し込む朝日と小鳥のさえずりを聞き男の子、北郷一刀は目を覚ます。
眠たそうに目をこすりながら辺りを見渡すと、何もかもが自分の知らないもの。
暫くボーっとしていた一刀は…これは夢だと思い再び布団を被る。
そこに三人の女性が入ってくる。入ってきたのは祭・雪蓮・冥琳。
実は、傍にいることを却下された祭は、それなら部屋の前ならという妥協案で食事などの休憩以外はずっと扉の脇にいたのだ。
そして部屋の中で起きる気配を感じた彼女は、話を聞こうと入ろうとしたところで、
偶々通りかかった雪蓮と冥琳が一緒に話を聞こうということに成り入っていく。
そして、部屋に入った三人がまず目にしたのは…今から眠ろうとする一刀だった。
「こらこら少年。折角起きたんだから二度寝なんかしようとしない」
「…んにゅぅ?」
寝入る前に声に気付き、一刀は身体を起す。
くぁあ~っと、大きく口を開けて欠伸をし、腕を伸ばす仕草は見ているとなんとも言いがたい保護欲が掻き立てられる。
「むにゅむにゅ」
「おはよう、少年」
「うん、おはy……」
目をこすり、挨拶してきたものに返そうと目を開き、雪蓮を見て一刀は固まる。
「ん、どうしたの?」
雪蓮の問いに答えることはなく、次いで一刀は雪蓮の右、冥琳を見る。
「………どうかしたか?」
またしても応えることなく、今度は雪蓮の左、祭を見る。
「…気分はどうじゃ?」
「…うん、ちょっとネムイ。でもおきる」
「そうか」
「うん…」
「………」
寝起きのせいか、一刀は言葉少なく答え、そして黙る。
暫く黙り込み何事かを考え、やがて、
「そっか!これってユメなんだ!!よし!…も一回ねよー」
「「「こらこらこら」」」
考え込んだと思ったら夢オチは無いだろうと思い、思わず三人同時に突っ込んだ。
「で、何故夢だと思ったのだ?」
「えっとね~、お父さんがね。すっごくキレイなお姉さんがいっぱいいるところは、
天国かおとなの人が行くところかユメの中だって言ってたの。
ぼく死んじゃってないし、おとなじゃないから、じゃあユメ!」
「…色々言いたいことはあるが、残念ながら夢じゃないからな」
「そうなんだ。…あれ?そういえばお姉ちゃんたち、だれ?」
今更である。
自分達のことを”すっごくキレイなお姉さん”と評価されたことに喜び、
目の前の少年、一刀の父の表現にちょっと引きつり、
そして夢で無いことを否定してやっとその疑問が出てきた。
いろんな意味を込めた苦笑をこぼしながら、三人は自己紹介をする。
「じゃ私からね。性は孫、名は策、字は伯符よ」
「性は周、名は喩、字は公勤」
「最後はワシじゃな。性は黄、名は蓋、字は公覆。よろしくの」
三人の自己紹介を聞き終えた一刀は…首を傾け頭の上に?を浮かべていた。
「”あざな”ってなに?」
「む、字を知らないと?まぁ、まだ幼いからそこまで知識がないのだろう。
とりあえず、私達のことはそれぞれ孫策、周喩、黄蓋と呼べばよい」
「はーい、シュウユお姉ちゃん」
「うむ。それで、君は?」
「うん!ぼくほんごうかずと!苗字がほんごうで名前がかずと!
お母さんに教えてもらったから漢字でも書けるよ!えらい、えらい!?」
「(苗字?恐らく性のことか。字が出なかったが…どういうことだ?)
ほぅ、その歳で字が書けるか。では書いてみてくれないか?」
「はーい」
字が無いことを問いただそうと思ったが、余りに無邪気に答えられたので、
問い詰めると言う選択が冥琳の中で消え、別方向から判断することにした。
書いてみてくれと言われて、てっきり紙と鉛筆かペンが出るのかと思っていた一刀は、
筆と竹簡を差し出されて一瞬と惑うが、武道派の家系の為初めてでは無いので気にせず書くことに。
フラフラと筆を揺らしながら覚束無い手つきで一画をこれでもかというくらい大きく書き、
北の一字だけで一巻き分を使ってしまった。郷では二巻き分を。
何故か一刀の部分は一巻きで。その際、ちゃんとこれは二文字だと言うのも忘れない。
「おー、ちゃんと書けたね。えらいえらい!」
「えへへ~」
実際雪蓮達は本当に感心していた。
この世界では大人でも文字を書けない者がいる中、一刀程の幼い子供が漢字を、
特に”郷”なんて漢字を書けているのだ。
褒められ撫でられている一刀は心底ご機嫌で満面の笑み。
その笑みを見て思わずちょっと強めに撫でてみると更に笑みに輝きが増した。
「さて、それでは一刀のことをもう少し詳しく教えてくれないか?」
「ボクのこと?」
「ああ。何処に住んでいるのか、家族は何をしているのか。思いつくことを言ってくれ」
「うん。えっとね、ボクのお家は東京の浅草ってところにあって、ちょっと古いんだけど大きなお家なんだ!
お父さんはおまわりさんのえらい人でね、剣道がすっごくつよいんだ!
お母さんはコーヒーとかお茶のお店の一番えらい人!お父さんともお母さんがやってるお店で会ったんだって。
あとおじいちゃんがいるんだけど、お父さんよりも剣道がつよくてね、お父さんがおじいちゃんは日本一だ!って言ってた!
ボクはせいフランチェスカ学園の小等部の一年生!で、今ぼくがきれるこのポリエステルのお洋服が、
そこの制服なの!」
「「「……………」」」
「どう、どう!?ぼくちゃんと言えたよ!えらい、えらい!?」
「う、うむ。良く言えたな、偉いぞ」
「えへへ~」
若干強めに、誤魔化すように冥琳は強めに撫でながら褒める。が、その表情は引きつった笑み。三人ともそうだ。
三人の思っていることは皆同じ。
「(い、言えない…言っている事の半分も理解できないなどと言えない!
こんな、こんな純粋無垢で期待に満ちた笑みを見せられては…
それを損なうようなこと、断じて言えない!!)」
共通してそう思う中、冥琳はこのままでは、一刀の笑みに呑まれたままではいけないと考え、
別の質問を投げることにする。
「で、ここにはどうやって来たのだ?」
「え?う~ん…わかんない」
「ふむ。もしや妖術の類などではないな」
「ぇえ!?ちちちちちちちちがうよー!!」
ぶっちゃけ三人とも一刀がその類のものでも、自分達に敵対するものでは無いと感じているが、
自分達は一国を預かる王とその重鎮。軽はずみに一刀を受け入れるわけには行かない。
「それって、証明できることってあるかな?」
「え………ない」
「そ。でも…もし証明できないなら…」
「な、なら…」
恐る恐ると言った感じで聞き返してくる一刀に、ちょっと可哀想かなと思いながらも、
雪蓮は南海覇王に手を掛けながらいう。
「残念だけど、それなら…」
と、言った所で一刀はバヒュンッと音を立てて三人の前から消えた。
いきなり一刀の姿が消えたことに驚くが、一刀は直ぐに見つかった。
一刀が移動した先は祭の後ろ。祭を盾に、その影に隠れているつもりだが、
裾を握りながら二人を覗き見てるところですぐに見つかった。
そんな一刀を微笑ましく見ながら、雪蓮は告げる。
「一刀君。今君の前にいる人も私達と考えは同じよ」
「…え」
一刀にとって絶望的なことを告げられ、一刀は上を、祭の顔を見上げる。
見下ろす祭と見上げる一刀。暫く見詰め合っていたが、
やがて一刀は再び音を立てて三人の前から消える。
次に移動した場所も直ぐに分った。一刀は布団を捲り上げ、布団を巻き込みながらうずくまる。
その際、巻き込む力が強すぎたせいか、後ろの部分が丸見えになっていた。
正に”頭隠して尻隠さず”。怯えて震えている為に、その可愛らしいヒップがプルプルと揺れている。
そんな一刀に、雪蓮のいたずら心が大いに沸き立っていた。
うずくまりまわりに気付かずにいる一刀にそ~っと近付いた雪蓮は、
プルプルと揺れている尻に手を近づけ、
チョン
「ぴっ!!??」
突いた途端、一刀は寄声をあげた。そして、
バヒュンッガチャ、バタン!ガチャガチャガチャガチャ
またしても音を立てて消えたかと思うと、猛烈な勢いで扉を開け放ち、直ぐに閉扉。
その後、扉の向こう側でなにやら行っている。やがてその音が止む。
「ここここここれでお姉ちゃんたちは出られないんだもんね!」
扉の向こうから聞こえた声に、雪蓮は笑いをこらえながら告げる。
「ね~、一刀君♪」
「な、なに?」
「自分であけたから分ると思うけど…この扉は中に引いて開けるものなのよ」
「…………」
「だ・か・ら、私達はな~んにも問題なく、この扉を開けられるわ」
「だだだ、だめだよ!あけたら大変なことになっちゃうよ!!」
と、返って来た。大変なこととは何か理解察することはできたなったが、
子供にとっての大変なこと、自分達にはそれほど脅威では無いと判断する。
「ふっふっふ~、開けたらどうなっちゃうのか~な!!」
勢い良く扉を開け放ち、そして…固まった。
扉を開けて視界に入ったのは廊下ではなく、扉の枠内を埋め尽くす竹簡の山、いや、壁だった。
予想外の光景に驚いていると、扉と言う支えを失った壁が部屋の内側に、
扉を開けた雪蓮に向かって雪崩となって倒れてきた。
ガラガラガラガラガラガラガラガラガラ!
避けようとするが一歩遅く、雪蓮はその雪崩に飲み込まれてしまった。
雪蓮を下敷きにする竹簡の上には、雪崩にのって一刀が転がってきた。
「もぅ、だから大変なことになるって言ったのn…」
「「………」」
呟く一刀と、あまりの状況に固まっている祭と冥琳の目が合った。
そのまま暫く、互いに無言で見詰め合っていたが、
「……」
「「………」」
「…えっと~…逃げる!」
「逃がさない!」
振り返り扉の方へと跳んで逃げようとしたところで、竹簡の山の中から雪蓮の手が生えてきて、
一刀の服を掴んだ。山から這い出てきた雪蓮は、一刀を自分の顔の前まで持ってくる。
「よ~くもやってくれたわね~♪今のはちょっと痛かったわよ~」
「わーーわーーーこわいーー!!ころされるー!おかされるー!!」
「こらこら暴れない。別にもう何もしないわよ。てか犯すとか…」
と、雪蓮が言うが、一刀は聞いていない。
床壁についていない手足をばたつかせて必死に逃げようとする。
このままでは埒が明かないと思い一刀を抑えようと手を伸ばした所で、
「む~、うつせみのじゅちゅ!」
言いながら、一刀は万歳の姿勢を取り、掴まれている服から抜け出る。
いきなり人一人分の重圧が子供用のフランチェスカの制服と中に着ていたシャツの重圧だけになり、
僅かにバランスを崩し、慌てて体勢を立て直し一刀を掴もうとするが、
一刀は既に扉に向けて駆けていた。そこに、
「雪蓮様~、今の音はなんです「わぷっ」」(フヨン
穏が現れ、止まることはできず一刀はその双丘に挟み込まれた。
挟み込まれた一刀は抜け出ようとするも、弾力が強いせいか抜け出せず、
動かせる手足をジタバタさせて暴れる。
「あやや~、どなたですか~この男の子は?」
突然自分の胸(の谷間)に飛び込んで来、暴れる少年の後頭部を撫でながら、
穏は三人に問う。
「その子供が、例の雪蓮が連れ帰ってきた”天の御遣いかもしれない”少年だ」
「ほー、この子がですか」
「ああ。今御遣いか妖の類かを見定めていた所なんだが、そこで雪蓮がな…」
「ちょっと~。それじゃ、私が怖がらせたみたいじゃない」
「あながち間違っていないのでは?ワシ等は質問を投げ、それに答えられ褒めるくらいしかしておらんしの」
「ブー…って、あら?一刀君大人しくなってきてる?」
ふと一刀を見ると、暴れる手足の力が先程よりも弱くなってきていた。
「フム、撫でられるうちに緊張感が抜けたか?穏、そのまま安心させてやれ」
「は~い、えっと…この子のお名前は?」
「一刀だ」
「では一刀君、怖いことは何も無いから大人しくしてくださいね~」
抱きしめる力と撫でる力を強める。数秒すると、手足は力が抜け垂れ下がった。
「大人しくなったか。では改めて話をしようか」
「だそうですよ~。それじゃ一刀君、残念ですけど離れてくださいね~」
旨に顔を挟んだままでは話せないだろうと、一刀に離れるよう促す。
が、何故か一刀の反応が無い。
まさか…と思った雪蓮は穏の胸から一刀を引っこ抜く。果たして一刀は、
「…息、してないわね」
何と、胸に顔を、口や鼻をふさがれて息が出来ずに気絶していた。
一瞬慌てるが、直ぐに落ち着き、時間が経っていないならば助かるだろうと考え、
雪蓮は即座に人工呼吸を行った。
息を吹き込み、胸を押すことを繰り返して数回、
「っケホ、ゴホ」
一刀は息を吹き返した。
何が起こったのかと周りを見回すと、一刀のことを、
雪蓮たち三人ともう一人知らない人がいて心配そうに見つめていた。
「一刀君、大丈夫?」
「う、うん…ボクどうなってたの?」
「一刀君、走り出そうとしたらこのお姉ちゃんの胸に頭を挟んじゃって息が出来なくなってたのよ。
で、私が人工呼吸をして起したの」
「そうなんだ。えっとお胸のお姉ちゃん、ごめんなさい」
「い~え~、気にしなくてもいいですよー。 それと、私はお胸のお姉ちゃんじゃありませんからねぇ。
性は陸、名は遜、字は伯言ですよー」
「うん、リクソンお姉ちゃん。それから、ソンサクお姉ちゃん、ありが…と、う…」
「ん?どうしたの?」
雪蓮にお礼を言おうとした一刀はふと何かを思い出し考え込む。
数秒考え込んだ一刀は、顔を上げて雪蓮に問いかける。
「ねえ…ソンサクお姉ちゃんって、ボクに人工呼吸で助けてくれたんだよね?」
「ええ、そうよ」
「…それって、チューしてフーしてグッグッってするやつだよね?」
「…まぁ、間違ってはいないわね」
肯定すると、一刀は固まった。
固まった一刀はいきなりボンと音を立てて顔全体を赤く染めて、
「うわーーーーーーー!!!///」
ボスボスボスボスボスボスボスボスボス
突然叫びだし、枕に向けて頭突きを連発。
「ちょ、ちょっとどうしたの?」
「うわーーーーーーーー!!!///
チューしちゃった!チューされちゃった!
お姉ちゃんとチューしちゃった!お姉ちゃんにチューされちゃった!
キレイなお姉ちゃんにチューしてフーしてグッグッされちゃった!
うーーーわーーーーーーー!!
はーーーずーーーかーーーしーーーよーーー!!///」
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ
恥ずかしさを打ち消そうと、一刀は枕を抱きしめながら寝台の上を右に左に転がりまくる。
見ている雪蓮の方が恥ずかしくなってくるような恥らいっぷりだ。
転がり続ける一刀は、掛け布団を、敷布団を巻き込みながら転がり、巻きつける厚さを増していく。
そしてついに、
「あ、あれ?…う、うごけないーーー!?」
北郷一刀の布団巻きが完成した。
笑いを堪えながら解いてやろうと考えるが、また逃げ出されるのも面倒なので、
そのまま起こすことにする。
起し前を向かせ雪蓮と一刀の目が合う。一刀再び赤面。
暴れそうになるが、布団を押さえてそれを止める。
動きを止められ雪蓮と視線を交わすこと数秒、今度は何故か赤面しながら若干涙目に。
「ちょっと、どうしたの?」
「ぅうう…ボク、もうおよめにいけない…」
「…それを言うならお婿でしょ?…まぁ、それに関しては心配ないわ」
「え?」
雪蓮の心配ない発言に、一刀は首を傾けながら雪蓮を見る。
「一刀君は人間、妖じゃないのよね?」
「だーかーらー、そうだって言ってるでしょ!」
「うん。それでね…一刀君が良かったらなんだけど…
大人になったら私達のところにお婿さんとしてきてくれないかしら?」
「・・・え?」
一刀は言っていることがわからなかった。
孫呉に天の血を入れる。これは雪蓮たちが決めていたことだ。
今はまだ幼い身だが、一刀は間違いなく自分達とは異なる世界に生きてきた。
それはこれまでの会話からでも分ることだ。
異なる世界ならば、いずれ成長したら自分達とは違う見方で今自分達が生きる世界を見、
いずれは自分達の常識をも超える行動を起すだろう。
この場には雪蓮の言葉を拒否するものはなく、
そして一刀も了承するのだった。
こうして、僅か6歳の少年一刀は孫呉の一員として迎えられたのであった…
~もう一つ浮かんだ妄想電波・反董卓連合にて~
「では、この中でこの連合の対象にふさわしい人は誰でしょう!」
自分がやりたいという空気を振りまきながら、決して自分からやるとは言わない袁召。
軍議に参加する諸侯らは全員うんざりしていた。
そんな中、ふと袁召を見た雪蓮は見た。
特徴的なグルグルヘアー、その輪の中から何かが突き出てきたのを。
良く見ると、それは丸めた紙を先端につけた棒の様な物だった。
軍議が少しずつ進む中、グルグルの数だけ同じものが増えていく。
そして雪蓮は気付く。袁召の後ろに、何故か一刀がいることに。
どうやら、あれは一刀がやっているようだ。
雪蓮が気付いたのを皮切りに、他の将達も一刀の存在に気付く。
だが、その意図は全く不明だった。
そして、総大将は袁召がやればいいじゃんという意見が出る。
同時に一刀は息を大きく吸い込み…
「では、この連合軍の総大将は、この袁本初が務めさせていただきますわ!
おーっほっほっほっほっほっh(プピーーーーーーーーー!!!)ほぅおっっげっほぅえっほ!!?ひっく!」
お嬢笑い以上の音と共に、丸められた紙が伸びながら笛のようなラッパのような音が響き渡った。
「ひっく!な、なにが(プピープピープピーーー!!)って、なんひっく!ですの!?」
驚く中、そのグルグルからは紙が伸びたり縮んだりを繰り返す。
きょろきょろと周りを見渡すが特に変化は…あった。
この場にいる全員が唖然とする中、一部笑いを堪えている者達がいた。雪蓮たちだ。
さては何が起こったか知っているのだと思い問い詰めようとした所で、場違いな存在がいることに気付く。
幼い少年がいることに。
少年は笑いを堪える雪蓮の許に行くと、満面の笑みで片手を上げる。
雪蓮はそれに答で片手を上げると、二人はハイタッチを交わす。
「いえーーーい♪ねぇ、お姉ちゃんおもしろかった!?」
「っくくく、えぇ、面白かったわよ…ぷぷぷ」
必死に笑いを堪えているが、口からは抑えようとしている笑いが漏れ、
耐えられないとばかりに腹を押さえているので意味が無い。
「ちょっと孫ひっく!策さん!?その子ひっく!共はなんですの!?」
怒り奮闘に犯人の少年と親しくする雪蓮に問いかける。
「この子?うちで保護してる子なんだけど…
ねぇ一刀、なんであんなことしたの?」
とりあえず、一刀の意図を聞いてみることにする。
「だってー、あのグルグルのお姉ちゃんだけが楽しそうにしてるのに、
ほかの人みーんなつまんなそうにしてるんだもん…
だからおもしろくしようかな~って。
で、で、おもしろかった?」
なんとも子供っぽい回答に、雪蓮以外にも笑い出すものや笑いを堪えるものが続出する。
が、それに反比例して袁召は不機嫌になっていく。
「なななひっく!なんって無礼な!この総大ひっく!将に対してなんてことを!
皆ひっく!さん。その無礼なお子ちゃまをしま「ねぇ、グルグルのお姉ちゃん」
…なんでひっく!すの?#」
言葉を遮って一刀は問いかける。
「さっきからひゃっくり何回もしてるけど…いまので何回?」
「はぁ?一体何を言っひっく!てますの?」
「ねぇ、メイリンお姉ちゃん。今ので何回?」
「ふむ…数えてはいないが、少なくとも10回以上はやっていると思うが。
それがどうかしたか?」
冥琳の答えに、一刀は不安そうな、心配そうな視線を向ける。
「そっか…グルグルのお姉ちゃん。気をつけてね?」
「な、何がひっく!ですの?」
「あ!またなった…あのね、ひゃっくりってね。
止まらないで百回までなるとね、その人は…」
「そ、その人は…?」
「死んじゃうんだよ…」
一刀の言葉を聞いて、袁召の顔から血の気が失せていった。
「ボクのおばあちゃんもね…それで…(うそだけど)」
その呟きを聞き、慌てふためく総大将。
その後、思いつく限りの対処法を(一刀から聞いて)実行してみるも、一行にひゃっくりは止まらなかった。
回を増すごとに、このまま止まらず一刀の言葉が現実になってしまうのではないかと焦り、
その焦りが仮想の苦しみを表す。顔を青くし、汗を流し、呼吸は荒くなる。
総大将がこのような状況になり、連合軍は瓦礫していったのであった…
めでたし?めでたし…
~あとがき~
…やっちゃったよ。いろんな意味でやっちゃったよ…
妄想電波の除去の為とは言え、こんなのを書いてしまうとは。
まぁ、これでスッキリしたから良しとしよう。うん。
これを読んでくださった方、続きは期待しないでね?
マジでこのシーンしか思いつかなかったんだ。
では、この話のあとがきと言う名の謝罪はここまでにして…
~近況報告~
まずは、これから更に執筆が滞り、そしてキャラやセリフに違和感を感じるであろうことをお詫びします…
理由ですが…先日恋姫のディスクをPCから取り出して他のディスクを入れようとしたときのこと。
家のものから呼び出しがかかり、直ぐ済むだろうとディスクを机の上に置きました。
そして戻ってみると…恋姫のディスクの上にうちで飼っているお猫様が。
ふと視線を降ろしてみると…ディスクが… /^\ ってされていたーーー!!?
修復不可能…よって、ゲームをプレイして確認やネタ構想が出来なくなってしまった…OTZ
よってこれからは自分の記憶と他の方の書くSSだけが頼りに。
以後間違いが結構出るかもですが…見捨てずにいてくれるとありがたいです。本当に…
さて…残念報告はここまでにして…
現在の執筆状況ですが、ランキングベスト3で言うと、
1.ショタ一刀 風+稟√
2.チェンジ番外 冥琳⇔穏
3.ショタ一刀 明命√&思春√(同列三位)
てな所です(SHUFFLE!SSは別にして考えてます)。
では、次が何時になるか分かりませんが…また会いましょう。
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とある事情により執筆は滞るわ遅れるわ進まないわ…
あとがきにてそのところもお話します。
では、ショタ一刀シリーズ番外編…という妄想電波ネタです。
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