作者より一言:
承前の設定集が増大してきたので、そろそろまとめでも作ろうかなと考えてみたり。
……('A`)マンドクセ
五胡
孫呉の北方に位置する異民族集団。
漢領特有の真名のあり方に疑問を持つ者が多く、
また真名を誤って呼んだことにより妻子や仲間を殺された者たちの遺族も多く移住している。
上記の理由により、(本作品においては)漢王朝の始祖高祖劉邦が真名という制度を設立したころから
南方の民とは折り合いが悪く、散発的な紛争が絶えない。
特に匈奴の民として生きていく場合は、しきたりとして自らの真名を放棄することが単于によって求められている。
彼らにとっては、何故ただ名前を間違って呼んだだけで殺されるような目に遭わねばならぬのか
心底理解できないのである。
第十三章
-16-
【絶叫する者たち】
一刀「ああああああああああああああああぁぁぁぁぁあああああああぁぁぁあああああぁぁぁああぁぁ!!!!!」
/(^o^)\ナンテコッタイ
本当に、“お母さん”がお義母さんになってしまうとは!!
人生\(^o^)/オワタ
リーチ一発ツモメンタンメンチンドラ2で数え役満!!!
ビバ婚姻の儀wwwww
一刀「冗談じゃねえええええぇぇぇぇええええぇぇえええええ!!!!!!
AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAK!!!!!!!!!!!!!!」
あああああああああ!!! 怨むぞ永琳さん!! この俺を嵌めやがったな!!
どっちにしたって、待つのは地獄じゃないか、Fuck!!!!!!!!!
天界だったら、マジ重罪モンだぞ!!
しかもあの人、希望者全員に妊娠促進剤を一本ずつ配って回っているときたものだ。
だって、
まさか、
全員“当たる”とは、
思いもしなかったんだ!
あのマッドサイエンティストめ!!
あんな凶悪な薬を配って回って、その間の呉の防備はどうするつもりなんだ永琳さんは!!?
俺は三つも四つも部隊の統率なんて、とても無理だぞ!!
というか、今までに受け取った奴はいったい誰がいるんだ!!?
つーかあんた、自分の娘を後宮に放り込んで一体何を企んでるんだ!? この悪女!! 楊貴妃!!!
と、とりあえず俺の怨念を機関砲のようにぶつけると、あのお方は、
永琳『大丈夫ですよぉ、坊ちゃま☆ いざとなったら第六師団の皆様方が匈奴のカス共を
暑苦しい胸板で受け止めてくれますから♪
それにこの私が、そのくらい簡単に予想がつく憂慮を見通せないとでも思いましたか?(ナデナデ)』
一刀『頭をなでるな!!』
永琳『えー、じゃぁおっぱいおっぱい☆』
一刀『よせ!!! 』
煌蓮『うるああぁぁぁああーーーーー!!! ぬぅあぬぃやっとるかぁ、こんの腹黒ウサ公がああぁぁあ!!!!』
永琳「あらぁ~、見つかっちゃいましたねぇ~」
あぁ、この人たちにはホントついていけない。
ウオオオオオオオォォォオオオオオォォォオオオーーーーーーーーー!!!!!!
ワアアァァァア!!
ピーーーピーーーピーーー!!!
一刀「なっ……何だ? 城下のほうが騒がしいぞ!?」
[Help me, ERINNNNNN!! 恋姫無双 呉ルートIF 鬼畜王版]
観衆「えーりん! えーりん! えーりん! えーりん!」
観衆「一、二、三、はいっ!!」
野次馬「えーりん! えーりん! えーりん! えーりん!」
アニキ「えーりん! えーりん! えーりん! えーりん!」
チビ「えーりん! えーりん! えーりん! えーりん!」
デク「えーりん! えーりん! えーりん! えーりん!」
『えーりん! えーりん! たすけて! えええぇぇえりいいいぃぃいいいんんんん!!!!!』
一刀「なっ……何だぁ、何がおきてるんだ!!?」
永琳「あーあー、どうしようー、高くー振り上げたこの腕、私のーしーちせい(北斗七星)ー逆さーまのお月様ぁー☆
もーうー早くしてー 強くー振り下ろした腕は あなーたを呼ぶ印 えーりん あなたへの印ぃ~♪」
愛紗「誰だ!? 城門の前で歌会など始めている輩は!!」
煌蓮「ぬがああぁぁああ!!! 何じゃこりゃああぁぁ!!!??
人が政務疲れで爆睡しとる時に糞デケェ声出しよってからに!!!!」
焔耶「殺す!! 絶対殺す!!!」
菖蒲「ひっ……!! 男の人がいっぱい……」
永琳「えーりん、えーりん、助けてー、今日も聞こーえてくるー
誠心誠意 まごころー込めて助けーに行こうー
江東の虎達はいつも凶暴ぉー ほらまた坊ちゃまが噛み付ーかれてるよー♪」
華琳「お……おおお義母様!!!?」
地和「あー! ちぃたちの観客取られちゃってるよーー!!」
人和「これは……新しい競合相手ね……まずいわ」
天和「うーん……どうしようか」
永琳「えーりん、えーりん、助けてー、今日も叫ーんでみるー 一発即死 崑崙のお薬の力ー☆
孫堅・馬騰の二人はー まだ帰ってこないー
誰かが来た もうだめだ やられちゃうよぉー イエェェェァア!!!」
馬騰「ざけんなボケ嵩!! あちきゃここにいるわ!!
つ-かこんの色ボケ婆ぁ!! テメェ自分の年がいくつか分かってんのかクソが!!」
煌蓮「坊主の鉄砲隊がおるわい!!! ったく一気に六人も種付けさせおってからに
国防力が下がっちまう言うて冥琳に怒られちまったろうが!!
その間の一年間どうしてくれるんじゃい!! えぇあぁ!!? しばくぞーーー!!」
霞・真桜「しばいたれぇーー親分ーーー!! あとウチらにも薬よこさんかーーい!!」
一刀「ヴーーーー!!!!!」
野次馬「えーりん! えーりん! たすけて! えーりん!」
アニキ「えーりん! えーりん! たすけて! えーりん!」
チビ「えーりん! えーりん! えーりん! えーりん!」
『早く来てええぇぇーーー!!!』
永琳「さーぁー 助けましょうー 高くー振りあがるあの腕
あなたは王子様ぁ 種馬の王子様ぁー 一刀「俺のことかああぁ!!?」
ほーらー 急がなきゃー 強く振り下ろした腕は
私をー呼ぶ印 えーりん 私への印ー☆」
『えーりん! えーりん! えーりん! えーりん!
因幡! 因幡! 甘寧! 周泰!
因幡! 因幡! 趙雲! 張合!
因幡! 徐公明えぇぇぇいぃ!! 因幡! 徐公明えぇぇぇいぃ!!
あの人はうどんげの生まれ変わりだ、間違いない!! うどんげって誰だ!?
いやそれを言うなら水銀燈だろ! だから誰だってんだそいつは!!?
曹操様だって髪を解(ほど)けばてゐに瓜二つだぞ!! 嘘だぁ!?
袁紹! 袁術! 袁紹! 袁術!
働け炎症!! 働け陥術!!
曹操! 郭嘉! 鳳統! 呂蒙!
桂花「華琳様ぁーー!!」 鈴々「まな板って言った奴は誰なのだ!? 名乗り出るのだ!!」 風「ぐー」
爆弾屋! 爆弾屋! 爆弾! 爆弾屋! 爆弾! 爆弾岩!
剛弩砲充填!! 撃てえぇぇぇぇーーーーー!!!! メガンテエェェェェーーーー!!! 人間砲台かよ!!?
おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱお! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱお!
おっきいおっぱい! でっかいおっぱい! おっぱいえーりん!! デカ乳えーりん!!
えーりん! えーりん! えーりん! えーりん! えーりん! えーりん! えーりん! えーりん!
えーりん! えーりん! えーりん! えーりん!!!
助けてえええぇぇえりいいいぃぃいいいんんんん!!!!!』
春蘭「があああぁぁぁあああぁぁああ何なんだこの騒ぎは!!? あまりに騒々しくて聞くに堪えぬぞ!!」
朱里「はわわわわわ、落ち着いてくだひゃい春蘭さあぁぁん……」
永琳「それじゃぁ二曲目、いっくよぉーーー☆」
観客「オオオオオオオォォォォォォーーーーーー!!!!!!!!」
[サディスティック永琳教 恋姫無双 呉ルートIF 鬼畜王版]
永琳「千年 時を越え 孫堅不老不死 洛陽皇宮城の前 SM永琳教~☆」
永琳「私のお薬を~」 観衆「はいはいはいはい!」
永琳「がぶがぶ飲みなさい」 観衆「ほいほいほいほい!」
猪々子「だあああああぁぁぁぁああうるせええぇぇ!!!! 近所迷惑だ!!」
詠「ちょっと!? 何なのよこの騒ぎは!! あんたどうにかしなさいよ馬鹿ちんこ!! 大将軍でしょ!?」
一刀「ふざけんな! できたらとうにやっとるわい!!!」
永琳「そしたら鞭打ち目隠し 気持ちが阿鼻地獄~」 観衆「もっとくれ~!!」
思春「おい北郷!! 何事だこの騒ぎは!? 官たちが色めきたっているぞ!」
一刀「分からん! 俺が来たときにはもうこうなってたんだ!!」
思春「クッ、騒々しい……!」
永琳「裸でお薬を~」 観衆「はいはいはいはい!」
永琳「じゃぶじゃぶ浴びなさい」 観衆「ほいほいほいほい!」
永琳「これから蝋燭 猿轡(さるぐつわ) 体が蝦反(えびぞ)りよー☆」
永琳「何よその目は!? え? 早く伽を始めて欲しいですって!?
あのね、馬鹿言ってんじゃないわよ! お願いしなさいよ! お 願 い を !!
そうよ! そうそう、懇願しなさいよ。 私に、そう、私に、苛めて下さい虐めて下さいって
あぁ、それだけじゃ駄目ねぇ……。 永琳様、永琳様、どうか、この卑しき雄豚を、
人生の最底辺に存在するゴミの如き「えぇ加減にせんかああぁああぁぁ曹巨高おぉおおぉーーー!!!!」」
永琳「ひっ!!」
[ストIIX 豪鬼]
煌蓮「うぬぁさっきから騒々し過ぎんじゃぁこんのボカカスがあぁ!!
ちっとばかししばいたるわぁ!!!
弾幕だぁ!? んな細っけぇモンこの孫文台にゃ効かぬわ!! 拳で一発よ!!
ふんぬぅうううぅああああぁぁあああああぁぁぁあああ!!!!!
オルァ覚悟はよいか!? 一 瞬 千 撃 孫 呉 千 年 瞬 獄 殺 !!!」
怒我蛾峨餓俄芽牙河瓦雅臥画賀!!
煌蓮「滅ッ!!!」
永琳「アッーーーーー!!!」
一刀「やっちまったあああぁぁぁぁああーーーーー!!!」
これは何だ? 妊娠特有の悪阻(つわり)ってやつか? もしそうなんだとしたらこれは余りにひどすぎる。
永琳さんが注射器で放った“気”の弾幕は、鬼畜様の空拳で一発残らず揉み消されてしまった。
そして哀れ永琳さん、スカートを捲り上げられ下着を無理やりずり下ろされてお尻百叩きの刑。
ホント、初めて会ったときもそうだったけれど、実際の年よりずっと幼く見えるんだから不思議だ。
永琳「うえぇ~~ん、ごめんなさいもうしませんから許してくださいお義姉様あぁ~~」
煌蓮「んなこと言ってほとぼり冷めたらまた同じことやりだすんだろ!? えぇぁ!!?
おいよく聞けいクソ嵩!! 本当なら華琳ちゃんに罰して貰うつもりだったんだが、
継母とはいえ子が親に手を出すわけにはいかん。 だから代わりにあたしがやっとるんじゃあい!!
ったく、ガキの頃からぜんぜん成長してないじゃないかお前さんは!!」
華琳「申し訳ありません……」
煌蓮「で、結局のところズボラな親に育てられた子は
こういう風に捻(ひね)くれて育つわけだ。 自明の理よ。
わが名は剣を極めし者、武烈帝孫文台なるぞ!!
こやつのようになりたくなくば、この場を今すぐ立ち去れいぃ!!!
本日我はこの城門前の広場において、歌会を催す許可なんぞ出してはおらぬ!!
愚か者どもめが!! 去(い)ねえいぃ!! 祭りの予行練習ならばもっと西のほうでやれぃ!!」
馬騰「解散だ! 解散!! お前らいい加減にしろやオラァ!!
堅陛下は今、政務続きでお疲れなんだ! 火急の用なく安眠を邪魔する奴は重罪だぞ!!!」
観衆「うわあああぁぁぁあああああぁぁぁぁああああーーーーー出たあああぁぁぁーーーーーー!!!!!」
観衆「鬼だあああぁぁーーーー孫帝だぁああああーーーーーー!!!!!」
観衆「ヒィイイィィーーーーー喰われるうううぅぅううーーーーーー!!!!!」
馬騰「チッ、やってらんねーぜ……」
煌蓮「おい坊主、このアホンダラはくれてやる。 煮るなり焼くなりブチ犯すなり好きにせい。
あの観衆共が胸がでかいとか何とか抜かしとったから、じっくり楽しむのも一興だろうよ。
とにかくあたしゃ眠いから風呂入って酒飲んで寝るぞ。 特段の用がなけりゃ明日の昼まで起こしてくれるなよ」
そう言って文台様は俺のほうに永琳さんを投げてよこした。
一刀「はぁ……どうぞお休みなさい」
永琳「あ……あははー……怒られちゃいましたねぇ~。 民草の士気向上のつもりだったんですがー」
一刀「成るべくして成った末の顛末だと思うけどな。
獰猛な虎と一つ屋根の下で暮らすなら怒らせないに限る。 俺が孫呉で学んだ知恵だよ」
永琳「……泣いていいですか?」
一刀「駄目です」
永琳「むー……」
あぁそうか。 この人、穏や風と同じ匂いがするんだな。
要は頭の螺子(ねじ)が一本飛んでるんだ。
とてもじゃないけれど祭さんや紫苑さんと同年代には見えない。
むしろ、手のかかるお姉さん……雪蓮と同じか。
はぁ……また厄介な爆発物を抱えてしまうことになった……。
んで俺の自室。
すっかりふて腐れた永琳さんは、押しても引いても動かなかったので、仕方なく抱えあげて担いで戻ってきた。
……軽かった。 文台様が滅茶苦茶重かったのとは対照的だった。
あまりに可愛げがあったので、つい頭を撫でてみたら、猫みたいに顔をすりすりされたので少し困った。
ってぇ、胸が胸g
永琳「当ててるんですよ~☆ ねぇ一刀坊ちゃまー、ずっと私とこうしたかったんでしょ?
遠慮しないで、どーぞ♪ ぱくっ」
ムニュムニュ
一刀「おぐっ!!?」
お、俺の逸物を、口と胸で!!
――――――――――――――――――――――――――――――
( ゚∀゚)o彡°えーりん! えーりん! おもらし! えーりん!
――――――――――――――――――――――――――――――
その後どうなったかというと……口と胸で二回、突撃三回。
途中で永琳さんが、『こ の 早 漏 ☆』 などといらぬ喧嘩を売ってきたので
怒った俺が全力で相手をしてやったら、あっという間に息切れして前言撤回。
ついに泣き出して哀願してきた一場面もあった。
さらに華琳やら春蘭やら秋蘭やらも後から加わって、とんでもないことになった。
華琳の場合、子を宿しているため下は使えないのでその分上でとか、
いろいろヤバイこともやったけれども、この話はここまで。
さて、その後夜も更けて、再び永琳さんと二人きりになったのだが、
その後で永琳さんが、今までの腑抜けた顔から急に引き締まった戦士の顔つきに変わり、
とても重要なことを語ってきた。
永琳「坊ちゃま、少々よろしいでしょうか?」
永琳「長い話になりますが、……お休みになる前に少しの間お時間を頂けますか?
私たちがなぜお義姉様……孫文台陛下の御許にはせ参じたのか、
どうしてもお伝えせねばならない重要な事項がございます」
一刀「あぁ…そういえばまだ聞いてなかったな。 聞かせてくれるか?」
永琳「はい、それなのですが、以前孫呉に四百万を差し向けてきた匈奴の呼厨泉っておりましたよね?
お義姉様の領地に曲がりなりにも攻め込んできたあの敵将についてなのですが、
私たちは函谷関の戦のはるか以前……曹魏が江東に侵攻する直前あたりから
五胡に不穏な動きがあるという情報を占術師の管輅様より聞かされておりました」
一刀「それって……雪蓮、孫策が矢に倒れたあの時のことじゃないか!!
もう二年半も前の話だぞ……」
永琳「もともと彼らは彼ら同士で領有権をめぐる散発的な小競り合いを続けていたのですが、
我々は彼らの中で比較的勢力の強い匈奴の呼厨泉という単于が治める地域で
饕餮(とうてつ)という、あらゆる存在を食い尽くしてしまうといわれる
巨大な鯨に良く似た化け物が野を駆け回っているとか、
白い装束を着た魔道士風の男が街中を闊歩しているといった
不可解なうわさが、反董卓連合結成時の頃から司州を中心に飛び交っておりました」
一刀「饕餮って…あの伝説の凶神、四凶(しきょう)饕餮?」
永琳「はい、そう聞いております」
一刀「俄かには信じられんな……(というか、そんな化け物相手に、迫撃砲なんて効くのかな……)」
永琳「そこで私たちは、五胡の主要勢力の中でも、特にその単于の治める匈奴の勢力が最も怪しいものと判断し、
お義姉様がたが漢領を統一すべく奮戦していらっしゃる間、
私たちは彼ら五胡の動向を匈奴領内を中心に秘密裏に調査を開始し、
このたびその調査結果の報告にあがりに参ったのです」
永琳「そして、私たちが張譲ら宦官の生き残りを五胡まで追い込んで抹殺したはよいのですが、
一人だけとり逃してしまいました。 それがかの呼厨泉です。
張譲に自白剤を打って話させてみたところ、その呼厨泉という人物は、
どうもこの大陸ではない別の天地からやってきた人物のようなのです。
私たちは盛楽まで潜り込んで懸命に嗅ぎ回っておりましたから、
何度連中に捕まりそうになったか分かりません」
一刀「俺と同じ……別世界の人間……」
永琳「それでもどうにかして盛楽から劉協様を奪還し、洛陽の孤児院までお連れしたはよいのですが、
結果としてお義姉様や御使い様がた孫呉の皆様には、
四百万という大軍勢を相手させることとなってしまいました……本当に申し訳ございません。
とにかくあの呼厨泉は利用できるものは何でも利用するとんでもない悪辣な人物なのです。
今呼厨泉は、孫呉に大多数の草を仕向け、孫呉の内情の入手に躍起になっていることでしょう。
我らが一丸となって、なんとしてもその陰謀を阻止せねばなりません」
永琳「その呼厨泉は反董卓連合が五胡の民たちを妖の術で操り、
さらにかの劉表や黄祖・許貢といった人物らを
裏で取りまとめていた可能性が高いのです。 つまり自らの手は汚さず、
無辜の民を虐げ、その上その民たちを妖術で傀儡に化けさせて孫呉に差し向けてきたのです。
さらに呼厨泉は、もうひとつ、別の名を持っているらしいのです。
たしか張譲が死に際に、『ちたせい様万歳、孫呉に滅亡あれ』……でしたか、
などといった人物の名を口にしていたと思います」
一刀「……」
永琳「私たちは呼厨泉の魔の手から孫呉の皆様をなんとしてもお守りするべく
皇帝となられたお義姉様の御許まで参りました。
刺客の謀殺や外患の割り出しといった汚れ仕事は、
いつか必ず誰かが引き受けなくてはならないものなのです。
私は漢王朝の謀略渦巻く薄汚い宮中で、その必要性を身に沁(し)みて痛感しております。
そのように、皆さんがお気づきになられないような、この国の見えない闇の部分を掃き清めるべく、
この曹巨高ははせ参じたのでございます」
永琳「それと坊ちゃま、これはあなた自身に対しての忠告なのですが、
あなた様はこと女性関係に関しては、およそ異常なほど鈍感なのではと思いました。そうですよね?」
一刀「ははは……よく言われるよ。 自分では自覚ないんだけどね」
永琳「それがいけないのです、感心できません。 もう少し周囲の女性の目に気を配ってください。
これは坊ちゃま自身の身を守るためでもあるのですから。
その上天性の女たらしとお聞きしております。
嫉妬に狂った女性というのは、何をしでかすか予測がつきませんよ?」
一刀「……精進します」
永琳「精進だけではいけません。 曹家の考え方で言えば、結果を残さねば戦も政も色恋も意味がないのです。
そこで私が大きな危機感を抱くのは、あなたを政治的に利用して骨抜きにする目的での、美女連環の計です。
もしくはあなたの人のよさに付け込んで、表面上はにこやかに保っておきながら
裏では暴虐三昧の人物が呉領内に潜んでいないとも限りません。
最も危惧すべきは袁家上がりの兵や官です。 この際彼らに対しての性善説は捨て置いてください。
これに関しても、五胡からの警戒をより一層強めなければなりません。
おそらく、何らかの罠を仕掛けてくる可能性が高いでしょう」
永琳「坊ちゃま……いいえご主人様、私たちの力は、必ずや孫呉を五胡の魔手から救うこととなりましょう。
このとおり、よろしくお願い申し上げます。 この曹巨高、ならびにわが養子曹孟徳ともども、、
どうか北郷様の部下として、末永く据え置きくださいませ」
一刀「分かった……こちらこそ、よろしくお願いします、永琳さん」
永琳「はい~♪ というわけでぇ、さっきの続き、始めましょうねー☆」
一刀「だああああああぁぁぁぁああああ!!! 折角のシリアスな雰囲気が台無しだああぁぁぁあーーーー!!!」
やっぱり、あの子にしてこの親ありだ!!
第十三章十六節終了
???「見つけた……孫堅と北郷め……やはり皇宮にいたか」
???「ねぇ左賢王様、本当にこの町に潜伏するんですか?」
???「当然だ。 なるべくなら祭りが始まる前の早いほうがいい」
???「さっさとあの北郷って奴を殺しちゃえばいいんじゃない?」
???「慌ててはなりませんよ小喬……大喬も、周囲によく気を配っておきなさい。
真名えお持たぬ我ら北方の民は、えてして漢民族に蔑まれるものです」
???「はい……右賢王様」
???「では、参りましょうか……南蛮の者たちも来るでしょうから、如何相成りますか。
道を外れたこの外史に、滅びあれ!」
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注意・免責事項については、[01 第六章IF]の注意書きをお読みください。
上記内容にすべて同意された方のみ、
本作品をご覧になられることをお勧めいたします。