No.130543

天の御使い「宝譿」Ⅶ

aki ecoさん

燃え尽きてます…いつものように跳ねてます

2010-03-17 13:13:08 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:1591   閲覧ユーザー数:1435

呉の王が死んで数日…

 

「呉との同盟を破棄するんですね」

 

「うん、孫権さんは、まだ信用できないからね」

 

「桃香様、この先呉に侵攻することがあると?」

 

「それは無いよ、攻めてきたら守るために戦うけどね」

 

「ふむ…では、呉への使者は私が引き受けていいでしょうか?それと、しばらく暇を貰いたいのですが」

 

「星!呉に降ると言うのか!?」

 

「いや、呉の内乱を早く治めたいのでな、前回は最後まで手伝えんかったのでな」

 

「わかった、良いよ。」

 

「桃香様!?」

 

「愛紗ちゃん、今内乱で、呉は戦が起こって苦しんでる民もいる……それに星ちゃん帰ってくるんでしょ?」

 

「はい、ですが同盟を破棄する以上、劉備の将としては、手助けできませんのでな」

 

「……星、同盟破棄には反対ではないのか?」

 

「私が孫権殿を信用できる人物と言っても、桃香様が実際に見て感じていない以上私が口を出すわけにもな」

 

「うん、星ちゃんには悪いけど……」

 

「いいのですよ、桃香様あなたは自分の国を一番に考えないといけません」

趙雲さんが劉備軍の使いとしてやってきた。

 

友好関係を白紙にと……

 

「雪蓮が言ってたわね…劉備は強かだって」

 

「しかし客将としてまた仕えたいとは…」

 

「内乱を早く治めないと呉の民が困りますからな、再び手を貸しますぞ」

 

「…分かった頼む」

 

そして会話が終わった後俺のほうへ

 

「久しぶりですな、宝譿殿」

 

「…久しぶり、できれば北郷か一刀で呼んでほしいんだが」

 

「それは、私を信頼させてからですな…ここに居る間どれだけ成長したか見せてもらおう」

 

「それと風は、すでに旅に?」

 

その言葉に祭さんが

 

「いや…まだ、旅には出てない……」

 

程立さんは、自分の分の仕事を早く終わらせ町に出かけているらしい

 

警邏で祭さんが、何かを探してる様子だったと…

 

最近あの頭の人形を見かけなかったのは、それを落としてたのかもしれないな、

 

暇があったら手伝うか、程立さんの機嫌が直ればもう宝譿と名乗らなくて済むかもしれないしな…

 

内乱の鎮圧に向かった俺達は、祭さんに注意されながらも、蓮華は戦闘態勢を指示する

 

蓮華は、緊張したまま姿勢が固いままで……

 

俺も、あの戦いの後、吐いてしまい、まだこの緊張感には、慣れない

 

つい弱音をこぼしてしまった

 

「……なんか緊張してきた」

 

「か、一刀もか?実は私も……」

 

そう言えば蓮華は、王になって…初めてなのか……

 

「俺は気弱なだけかもしれないけど……蓮華は、王になって初めてだから俺よりも緊張して当たり前だ」

 

「…そういうものなのか?」

 

「場慣れしてても、役割が変わったんだ俺はそう思う」

 

「そうか…しかし一刀が気弱とかは、思えんのだが」

 

「ようやく戦場まで出れるようになって、初めての戦闘の後にあれじゃあな…」

 

自分の失敗談や雪蓮の話をしながら蓮華は、元気を取り戻していく

 

そして、蓮華と別れて俺は自分の部隊に戻り…

 

 

「聞け!呉の勇者達よ!」

 

蓮華の号令が戦場に響く

呉の内乱を収め、城に戻った後俺は、程立さんと一緒に人形探しを手伝うために

 

町に出かけるのに誘おうと城を歩いていた

 

「…周瑜さんの仕事を風に回して下さい」

 

「……断る」

 

「あの戦いから休みを取ってませんそろそろ限界です」

 

「やる事がいっぱいあるんだ休んでなどおれん」

 

「だからこそ仕事を風にも回せといってるのですよ、最後まで戦場に立ってられるか…」

 

「……」

 

「悪い事は言いません……雪蓮さまの様に最後まで見たいなら……おや、宝譿さんじゃないですかー」

 

「あ…取り込み中なら、俺のほうは後で…」

 

冥琳は、ため息をついて

 

「程立…お前も休んでないだろ…」

 

「風は、倒れても孫呉の将ではないので士気には影響でません、ですが周瑜さんは、…言わなくてもわかりますよねー」

 

「どっちが倒れても、士気は下がるんだから二人ともちゃんと休んでくれ…」

 

「だがやるべき仕事は、まだまだあるんだ」

 

「そうですよー、そうでなければ風が人のお仕事を取ったりはしませんよー」

 

…これはまた、人形探しはしばらくは無理そうだな。

 

「ところで、北郷は何か用があったんじゃないのか?」

 

「いや…程立さんの、人形を探すのを手伝おうと…」

 

そういった瞬間程立さんが、身体を強張らせた…

 

「ふむ…そう言えばしばらく……あの人形を見てないが…」

 

「……探す必要はないのですよー」

 

「でも大事な―」

 

「いいんです!」

 

 

 

「宝譿は、もう……あなたしか居ないんですから……」


 
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