No.129326

北郷一刀争奪戦争勃発 魏国ホワイトデー戦線異状アリ

叢 剣さん

予定道理にホワイトデー編を投稿します、どうなるかは皆様のご想像にお任せいたします、もしかしたら、その通りになるかも・・・

2010-03-10 23:20:01 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:10408   閲覧ユーザー数:8341

 出だしからなんだが、北郷一刀は悩んでいた。

「ホワイトデー・・・・・・何をやればいいんだろう?」

 そう、バレンタインデーの3倍返しと言われている、お返しを考えているのだ。

「何をやれば喜んでくれるか・・・・・」

 おそらく何をプレゼントを贈っても喜んでくれるだろうが、それではインパクトが無い。

 送るなら特別な何かを贈りたい。

「とりあえず・・・・・」

「一刀!おるか?」

「ん?霞、どうしたんだ?」

「鍛錬しようや」

「え?」

「そやから、ウチと鍛錬」

 いろんな意味で覚悟が必要な言葉であった。

「いや、それは・・・・」

「駄目か?」

 そんなに上目遣いで見られて断れるわけもない。

「・・・・・・やります・・・・」

「そうか!じゃあいこうや」

 腕をつかむと、そのまま庭へと連れられて行った。

「武器はなに使ってもかまへんから」

 慣れ親しんでいる日本刀に近い型の剣をとった。

「いくで!」

 明らかに手加減をしていない一撃で、手がしびれる。

「ちょ・・・・・・!」

 追撃がまともに入り、一刀は昏倒した。

「か、一刀?」

「・・・・・・・」

 無論反応することなく、そのまま部屋へと運ばれていった。

「それで、華陀、どうなの?」

「そうだな、どうやら気を失っているようだが・・・・・」

 その言葉に全員が胸をなでおろしたが、華琳だけは何かに気づいた。

「だが?」

「おそらく、何かの弊害が出てい・・・・・」

 しゃべっていた途中で、一刀が起き上る。

「一刀!」

「ん・・・・・・お姉ちゃんたち、誰?」

「悪いが、一刀君は何歳かな?」

 冷静さを失っていない華陀は質問をする。

「ん~と・・・・・・僕7歳!」

「・・・・・・・完全な幼児退行だ」

「華琳様!また、強い衝撃を与えると治るのでは!」

 鼻息を荒くし、春蘭が華琳に提案する。

「そうね・・・・・・・できるのであれば・・・・」

 すぐに春蘭が殴りかかろうとしたが、そこで目にしたのは完全に泣こうとしている一刀であった。

「お姉ちゃん、僕を叩くの?」

 体は大きいが、心は幼い、その言葉は春蘭の胸に深々と突き刺さった。

「そ、そんなことは・・・・・」

 と、春蘭から逃げるように凪の後ろに隠れる。

「助けて、お姉ちゃん」

 裾を握り上目遣いでたのまれ、凪が抗うすべは一切持ち合わせていなかった。

「・・・・・・・」

 迷うことなく、抱き上げるとそのまま走り、どこかへ去って行った。

 誰もが反応することができず、凪が見えなくなってから重大なことに気付いた。

「な、凪が逃げたぞー」

「凪ちゃんずるいの~」

「ちょ、凪、待ちぃや!」

「さすがに見過ごすことはできませんね~」

 複数の武将が凪を追うために出ていく。

「それで、華陀・・・・いつ治るの?」

「そればかりはわからん、外的もしくは内的・・・あぁ精神的な打撃があればおそらく・・・・」

「そう・・・・・難しいわね、あの上目遣いには・・・・」

 魏の大剣である春蘭の動きを完全に止めた一刀の上目遣いにあらがうすべを持ち合わせているものはこの魏の武将にいるのだろうか?

「・・・・・・私はなんということを・・・・私は・・・・私は・・・・」

 先ほどの自分の行為を悔いているのか、何かをつぶやいている。

「悩んでいる姉者もかわいいな」

 ベクトルがずれているが秋蘭も何処かおかしい。

「さて、俺は・・・・」

「あら、ある意味で病人を置いて行くのが、五斗米道(ごっとヴぇいどー)の後継者なのかしら?」

「ぐぅ・・・・・いたい所をついてくるな・・・・」

 がっくりと肩を落とし、何かの対策を考えるために何処かへ歩いて行った。

「それじゃあ、私も行きましょう」

 その目は何かを企んでいるようで、非常に無気味であった。

 その目を見たのは春蘭と秋蘭であったが、全く気にすることなくスルーしていた。

 

 

 

 激しい衝撃で幼児退行してしまった一刀、はたしてホワイトデーに間に合うのか・・・・それを知るのは神のみぞ知る

 


 
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