No.114694

真・恋姫無双紅竜王伝番外編①~瞳陛下の一日~

今回は番外編と銘打って09年最後の投稿です。
久々にこの作品のメインヒロイン登場です!

2009-12-27 03:23:18 投稿 / 全10ページ    総閲覧数:5325   閲覧ユーザー数:4527

私の名前は劉協。字は伯和。仕事は・・・光武帝が再興した後漢王朝の11代目の皇帝をしています。今日は、そんな私の一日を皆さんにご紹介したいと思います。

「ふぁ・・・あ~あ・・・」

私は日の出と共に起床します。もし起きなくても女官長に叩き起こされるだけですから結局これくらいの時間に起きる事になるんですけど・・・

起床し、寝巻を脱いで普段着に着替えます。

「むむ・・・」

寝巻を脱いで対面する、サラシにまかれた私の平面胸・・・

(あの人も、大きいほうが好きなのかな・・・)

大好きな青年の部下達の胸と自分の胸を見比べて敗北感を覚える彼女は、皇帝といえども恋する乙女なのだった。

「あ、おはよーさん。伯和様」

皇帝一家専用の食卓に朝食を食べに行くと、そこには先客がいました。我が漢に仕えてくれている元董卓軍の将・張遼さんです。

「おはようございます、霞さん。朝からお酒ですか?」

「せや!ある国の武将にな、こんな格言があんねん。『酒は朝に飲め』って」

「それは多分、何かの戒めの格言だと思いますけど・・・」

朝食後、私は執務室に入って曹丞相や織田大将軍から提出された書類に印を押します。山のように積まれた書類の片付けを手伝ってくれる友がいます。

「いつもありがとうね、市さん」

「いえ、私も陛下とお仕事ができて楽しいですよ?こんなに大量のお仕事を私に手伝わせてくれるのですから」

「うう・・・市さんの皮肉が痛いよぅ・・・」

皮肉も混じらせながらも下座で書類の印鑑押しを手伝ってくれるのは漢軍の軍師・田豊こと市さん。元は袁紹軍の軍師だった人です。

市さんに皮肉られながら政務を終わらせると、丁度お昼頃になっていました。昼寝をするという市さんと別れた私は、市井におりて昼食を―――といいたいところですが、『皇帝である陛下が臣民と共に食事を取るなど帝室の威厳にかかわります!』と女官長に説教されてしまいました・・・

うう・・・華琳さんや舞人さんはしょっちゅう行っているのにぃ・・・・

「あ、陛下だー」

昼食を食べに食堂に向かっていると、私の胸に桃色の頭の少女が飛び込んできました。彼女は華琳さんの親衛隊の隊長の一人、許緒こと季衣ちゃん。

「あはは、季衣ちゃんおはよー。今日も可愛いねぇ!」

「うにゃー」

私は彼女の頭をワシャワシャと撫でます。これが私と彼女の親愛行動(スキンシップ)。後ろからパタパタと慌てた様子で駆けてくるのは、水色の髪にリボンを可愛く結んでいる少女・典韋こと流琉ちゃん。季衣ちゃんと同じく親衛隊の隊長さん。

2人とも、私の妹みたいな存在です。

「ほんとにごめんなさい!この子ったらいっつも陛下に抱きついたりして・・・」

「いいのよ、流琉ちゃん・・・あ、そうだ。2人ともお昼ご飯は?」

さきほどからお腹ペコペコの私は、料理名人の流琉ちゃんと食欲王女の季衣ちゃんに出会えたのでお昼を誘ってみます。

結果は・・・まぁ、書かなくても、いいですよね?

お腹も膨らみ、満腹感に満たされた私はフラフラと宮中を歩いています。許昌城を拡張して築かれたこの宮殿には木々が生い茂り、風景に緑が広がって涼やかな風が吹いています。

(う~ん!なんだか眠たいなぁ・・・)

ふぁ、と小さなあくびが出ちゃいました。なぁ~んにもする気が起きないよぉ・・・

(そうだ、風さんの作った吊り式の寝床(ハンモックの事です)があったっけ。そこで寝ちゃおうか)

私は眠い目を擦りながら、中庭に作られた寝床に上って目を閉じました。

大好きなあの人が出てくる夢を見ることを祈って・・・

ゴチン

「痛った~・・・」

あの人の夢を見る事は敵わず、頭部への鈍痛が目覚ましでした。涙目を擦りながら攻撃者を睨みつけると、そこには―――

「こんなところで寝る奴があるか、阿呆」

「舞人さん!」

深紅の瞳を半眼にして拳を握りしめているのは私の大将軍様。私は嬉しさから彼の首に腕をまわして抱きつきました。

「もう討伐戦は終わったんですか?」

「はいはい、終わりましたよ。皇帝様」

舞人さんは私の膝の裏に腕を通して抱き上げてくれました。彼の厚い胸に体を預ける姿勢になり、自然と胸が高鳴ります。

「女官長、怒ってたぜ?『陛下はどこに行ったんでしょう』って。説教は覚悟した方がいいぞ?」

「うえ~ん。舞人さん、付き合ってよぉ」

「なんで俺が・・・」

泣き真似をして彼の胸で甘えちゃったり。舞人さんは渋面を浮かべていますが、なんだかんだ言って付き合ってくれるのが彼ですもん。

結局、女官長には私と舞人さん2人で怒られましたとさ。

『酒は朝に飲め』

日本の戦国時代に相模国(神奈川県)の小田原城を本拠に大勢力を築いた後北条氏の3代目当主・氏康が家臣に残したといわれる格言。寝る前の飲酒は深酒をしやすく、失敗につながりやすいという意味。

あとがき

瞳√の今年最後の投稿です。しばらく出番がなかったので本作のメインヒロインにご登場いただきました。

実は昼食のくだりは春蘭と料理をする予定だったんですが、「季衣と流琉を出すのもいいな」って思って変更しました。

・・・てゆーかなんで1000年以上後の格言を知ってるんだ霞。

この後は予告通り、袁譚・孫策・馬超・劉備と戦っていく予定です。

ではでは皆さまよいお年を~


 
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