No.113648

恋姫無双~正義の柱 第一話

後ろの人さん

こりずに投稿しにきました。
少しでも楽しんで頂ければ幸いです。

2009-12-22 14:31:23 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:3300   閲覧ユーザー数:2932

 

黒装束の持っていた鏡から光が溢れ、私は意識を失った。

目を覚ました時、そこには荒野が広がっていた・・・。

先程まで海にいたはずなのに・・・

まあ落ち着こう、そして口に出そう。

 

「ここはいったいどこだ?」

 

まあこの程度では驚かないさ。昔、起きたら部屋の外に敵わんさかいたもんなぁ。

二、三百人くらいの精鋭が一斉に殺しに来た・・・あれはやばかったなぁ。

そのことに比べればたいした事じゃないが・・・理解不能。

黒装束になんの目的があったとしても私をここへ運ぶ理由もメリットも無い。

これから何かが起きて私の性能を試すということなら解らなくも無いが・・・。

 

「そういえば外史とか別の世界とか言っていたな・・・。」

 

ここが異世界だとでも?馬鹿らしい・・・

しかし今の世の中こうまで見渡す限りの荒野などそうあるものでは無い。

映像かもしれないな・・・。

地面に触れてみる・・・これは本物だ・・・。

壁はあるだろうか・・・100メートル程歩いてみる・・・無いな・・・。

もっと広い可能性もあるが・・・情報が足りないな・・・。

 

「おい、そこの兄ちゃん。見慣れない格好してんな。」

 

「た、高そうな服だな。」

 

「ん?」

 

後ろを振り返ればデブとチビにリーダー格らしき三人が立っていた。

腰には帯剣が吊るされている。

どうみても雑魚、そして・・・「悪」

とはいえ貴重な情報源、首を刎ねる前に痛めつけて知っている事を全て吐いてもらおう。

 

「ひ、人の話をき、聞いてんのか!?」

 

「デク、もういいから殺して剥いじまおうぜ。ねぇ、アニキ?」

 

「服を汚すんじゃねえぞ?」

 

返り討ちにしようと思った・・・その時!

 

「待てぃ!」

 

「!?だっ、誰だ!!?」

 

私にとっては別にピンチでもなんでもない圧倒的有利な状況に凛とした女の声が響き、

状況について来れず混乱しているのか必死に声の主を探しているがその前に第二声が飛んできた。

 

「たった一人相手の庶人相手に三人掛かりで襲いかかるなどと・・・その所行、言語道断!」

 

「てめえ、何者だ!?」

 

声の主を見つけたのか私を含め4人で後ろを向いた。

そこには・・・白を基調とした振袖のような着物。しかし裾の丈がミニスカート位しかなく白いニーソ?

に底の厚い下駄を履いた、短髪に藍鼠色の髪の女が鋭い目つきで三人組を睨んでいた。

 

 

「貴様ら外道に名乗る名前など無い!」

 

「ぐえっ!」

 

「なっ、何だこいつ!ぐはぁっ!」

 

「ヒィッ、に、逃げるぞっ!」

 

「逃がすものか!」

 

いきなり出て来た彼女は目にも止まらぬ速さで三人組を倒した。

正確に言えば逃げる敵を追っていた・・・追い剥ぎ?強いなぁ。

しかし情報源がいなくなってしまった・・・。

 

「大丈夫ですかー?」

 

「ん?」

 

そこには二人の少女。長い栗色の髪の頭に変な人形を乗せた眠たそうな少女と、

黒髪の眼鏡をかけた理知的な女性がいた・・・。

まあかわいい♪ ってやってる場合じゃないな。

 

「ああ、私は平気だ。いきなりの事で驚いてはいるがな。」

 

「だめですよー、お兄さん。

 こんな所を一人で歩くなんて。」

 

「そうですね、ただでさえ珍しい服を着ているのに

 子供の一人歩きとは・・・これでは盗賊に狙われて当然です。」

 

珍しい服?確かに私は黒の軍服に黒のコートと一般的でない格好をしているが・・・

高価かどうかと言われるとそんなことは無いだろう。足もつきやすいし。

いやそれより子供って・・・確かに童顔で背も低いが二十歳過ぎてるのに・・・。

 

「やれやれ。すまん、逃げられてしまった。」

 

「お帰りなさい 星ちゃん。・・・盗賊さん馬でも使ってたんですか~?」

 

さっきの振袖女が戻ってきてなにやら話している。

落ち込んでる場合じゃない、とりあえず情報を引き出してみようか・・・。

 

「いや~助かりましたよ、ここに来たらいきなり盗賊に襲われてましてね。

 それにしても美しい上にお強いとは・・・ぜひお名前を聞かせてもらえないでしょうか?」

 

「おお、これは失礼。名乗っておりませんでしたな?我が姓は趙、名は雲、字は子龍と申します。趙雲と呼んで構いませぬ。」

 

「私は、今は戯志才と名乗っております。」

 

「私は程立です~。」

 

名前から察するにここは中国辺りかな?

はて?趙雲?その名前どこかで聞いたような・・・読んだような・・・

ああ!確か昔読んだ三国志とやらにその名前が・・・もしかして偽名?

 

「大変失礼な事を聞くようですがその名前は本名でしょうか?

 例えば偽名とか?」

 

戯志才と自己紹介したものが睨んでいる。

あからさまに偽名だろうからなぁ。

他の二人も睨んできた。険悪な雰囲気になってきたぞ・・・。

 

「お主は私達の名に何か不満でも?」

 

若干殺気が出ている。

 

「いえいえ、決してそのようなことは・・・

 私の知っている名と同じだったものでつい・・・。

 もしや貴女が常山の昇り竜、趙子龍殿では?」

 

「おやおや、私も有名になったものだ!!はっはっはっ!」

 

先程の険悪な空気はどこへ行ったのか・・・。

しかし・・・どうやら本物の趙子龍のようだ・・・。

ならば・・・

 

「つかぬ事を伺いますが今は後漢の時代でしょうか?」

 

「?・・・何を当たり前の事を聞いているのだ?」

 

・・・どうやら間違いないようだ。

ここは別の世界、なぜ趙雲が女なのかは知らないが・・・

これからどうしたものかなぁ。

 

「ところで、お主 私と手合せせぬか?」

 

何をいきなり言い出すんだこの趙雲(ニセ?)は。

 

「趙雲殿と? いやいや私はただの旅の者、趙雲殿程の達人と

 手合することなどできませんよ。」

 

「ほう?私には大層強そうに見えるがな?」

 

あきらかに私が実力者だと解っている目だ・・・

隠す方が不自然か?

 

「確かに私は趙雲殿の言うように多少腕に覚えがあります。

 しかし何故突然手合わせなどを?」

 

「誰よりも強くありたい。武人ならば誰だって思うことだ」

 

俺の質問に答えた趙雲は槍を一度頭の上でぐるりと回すと構え直し、その切っ先を私へと向けた。

無駄な戦いは避けたいんだがなぁ。ため息をついてみる。

 

「そういえばお主の名を聞いてはおらんな?

 よければ教えてもらいたいのだが。」

 

この状況で思い出したように聞いてきたな・・・。

しかし・・・

 

「残念ながら今の私に名前はないのだ。

 武を極める上で名前など不要!

 という方針だったのでな、今はただ正義の柱と呼ばれている。」

 

「なんと!しかしそれでは呼び辛いな・・・。

 「今は」という事は元の名があったのだろう?

 そちらを教えてはもらえないだろうか?」

 

私の名か・・・呼ばれなくなって久しい私の名・・・

事実この世界では正義の柱などという名はあまりに異質。

利はあるな・・・。

 

「神崎 士郎・・・姓が神崎、名は士郎、字は無い。

 これは私の母から与えられた名だ。

 尤も使われなくなって久しい名だがな・・・。」

 

「神崎士郎・・・か変わった名だが良い名だ。

 では士郎殿、尋常に勝負!」

 

「結局戦うのか・・・まあいい

 こちらで私の力がどの程度通用するのか、試すいい機会だ。」

 

俺も戦闘態勢に入る。まずは小手調べだ・・・。武器を取り出す。

 

とその時!

 

「星ちゃん、お兄さん、盛り上がっている所悪いんですがお開きみたいですよー」

 

「「は?」」

 

ナニゴト?

 

見れば遠くに砂塵と曹の旗。それが地響きを立てながら、こちらに向かってきている。

曹?確か魏とかいう国の・・・。

 

「官軍か………」

 

三人共微妙な表情である。

結論から言えば手合わせは中止。

官軍に見られると面倒なことになるらしい。

そして趙雲は「今回は邪魔が入りましたので手合わせは次の機会に」

と言って二人を連れて早足で去っていった。

そうして私は置いてきぼりを喰らった。

 

趙雲達が去ってしばらくすると馬に跨い鎧を着ている100から150の兵士に囲まれていた。

 

「……」

 

兵士が近づき不審者である私を睨みつけ槍を構えている。

 

あからさまな敵意を持っているので若干殺気を込めて睨みつけると

恐れを抱いたように目を逸らした。鍛練が足りないな・・・。

 

「貴様等!こんな子供一人に何を恐れを抱いている!?その程度で華琳様の兵が務まるとでも思っているのか!?」

 

「姉者、兵が賊より姉者に怯えているから余り声を張り上げるな。それに、こ奴…」

 

「仮にも春蘭が調練した兵を眼力のみで怯えさせるのだから、ただの賊ということは無いでしょう。少しは出来る様ね?」

 

兵達の後から上司達と思われる人物三人が出て来た、一目見て解る。

全員かなりの使い手だ・・・。

しかしまた女か・・・この世界はどうなっているんだ?

だがあの黒髪・・。私の事を子供と言ったか?

キリストの再来と言われるほど温厚で清い心を持っている私にも限度がある。ツギハナイゾ?

そんな事を考えていると向こうは十代くらいの金髪クルクルの少女を中心に何か話し合っている。

なにか危険な言葉が聞こえてきたが・・・

 

「そうね・・・とりあえず連れて行きましょう。

 ただの一般人ではないようだし。

 半数は残って辺りの捜索を続けなさい。残りの者は一時帰還するわよ。」

 

私の知らない所で勝手に処遇が決まろうとしている。

私はこれからどうなるのだろう?

 

あとがき

 

どうもこんにちは

 

前回は初め方に悩みある漫画の一部を

流用しました。

 

なんとなく謝っときます。

 

あとタイトルにある正義の柱ですが・・・

まだ名前だけで全然係わって来てません。

 

神崎士郎(かんざきしろう)君の使う

予定の武器と生い立ちに係わってくる予定です。

 

打ち切りにならなければ・・・。

 

ちなみに主人公の名前は龍騎とは関係アリマセンヨ。

 

それでは今日はこの辺で次回があったらお会いしましょう。

 

ではではー。

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
27
2

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択