人は人とめぐり合う・・・
そして、別れまた出会う・・・
その出会いに何が待ち受けているのか・・・
誰にも解らない・・・
俺達、3人は今回の会談について俺の執務室で話あっていた。
最初に口を開いたのは珍しく佑からだった。
「今回の会談は変な事が多かった・・・あの時は、冷静さを欠いとったが、馬車に乗り込み、魏を脱出した時から違和感があった・・・あの曹操が暗殺なんて不名誉な事するわけない・・・更に言えば、兵士達の目や・・・なんか、薬中独特の目やった・・・」
及川の言葉に俺も同意した。
「俺も会談で何か違和感を覚えた・・・あの劉備や諸葛亮が民のことを蔑ろにする発言をしていた事だ・・・後々考えたらアレは嘘をついている目だった・・・何か俺に嘘をつかなければならない事情・・・なんだろう・・・」
愛紗は俺達、2人の言葉を聴き呉での出来事を話す。
「呉での交渉の時、妨害がありました・・・襲撃に使われていた武器がグレネードランチャーとロケットランチャーでした・・・この事から考えるに、敵はおそらく、『ゼロ』と『テン』の一派ではないかと・・・ですが・・・」
「ああ、解らん事が出てくる・・・何で蜀と魏の交渉妨害は成功させとんのに呉だけは失敗したかや・・・」
愛紗の言葉を佑がつなげる。
「多分やけど、蜀は脅されたか情報操作で交渉を決裂させるよう仕向けたかや、魏は近衛兵に薬を打ち込んで薬中にし、ワイを襲わせた・・・呉はロケット弾で爆破して吹き飛ばす・・・」
佑の推理に半ば賛成しながら補足する。
「解らないのは何故、最初から解らないように部屋自体に爆発物を仕掛けておかなかったのかだ・・・アレほど派手な事して愛紗が捜索に加わったにも関わらず、犯人の足取りすら掴めなかった・・・ソレほどの奴が会議室に爆発物を仕掛けることは簡単だし、其方の方が効果的だ・・・殺せる確率も城壁からロケットランチャー撃ちこむより遥かに効率的に殺せる・・・だが、あえてソレをせず、城壁から目立つやり方、さも、自分は貴方達を殺しますと言ってる様な殺しをしている・・・」
ダメだ・・・益々解らなくなった・・・
「もしかすると・・・『ゼロ』と『テン』の間に不協和音が起こっているんじゃないか?」
俺の言葉に愛紗、佑はまさか? という表情をする。
ええい!! ますます解らん!!
そんな時だった、俺等の執務室にノックが響き渡ったのは・・・
「はい、どうぞ」
そう、俺が入室を許可した。
「失礼いたします」
文官の一人が一礼し入室する。
「用件は?」
俺の言葉に文官が答える。
「お三方にお客様です。御坊様とその従者が来ておられます。何でも『KING』と言えば解るとか・・・」
俺達は驚きと同時にやはりと言う思いが浮かぶ。
ついに来たか『KING』・・・
いや・・・ハウゼン・トライフ・・・
「解った・・・謁見の間まで案内してくれ・・・すぐ向かう」
俺の言葉に文官が「はい、解りました」と答え退室する。
「さて・・・懐かしき友と再会を果たしますか・・・」
俺の言葉に愛紗と佑がそれぞれ答える。
「そうですね」
「せやな」
俺達が謁見の間に到着すると、そこには星、鈴蘭、稟、風が両ザイドに居並んでいた。
中央の謁見者の所に坊主姿の金髪の男とその従者と思われる18歳位・・・星と同じくらいの少女が右側に控えていた。
俺が椅子に座り、愛紗が俺の隣に座る。
佑は俺の右側に位置し、立つ。
「久しぶりだな・・・『KING』・・・いや・・・ハウゼン・トライフ・・・」
俺の言葉に愛紗と佑以外は驚きを隠せないでいた・・・
「お久しぶりです『ACE』・・・いえ・・・北郷 一刀・・・」
ハウゼンの言葉に今度は隣の少女が驚き、呟く。
「・・・本当に知り合いだったんだ・・・」
「・・・しかし・・・お前が坊主とは・・・中々どうして・・・似合うじゃないか・・・」
俺の言葉にハウゼンは笑いながら答える。
「貴方こそ、王が板についている」
お互い軽い世間話をした後、俺は本題に入った。
「世間話をしに来たわけでもあるまい、何かあったのか?」
俺の質問にハウゼンは答えた。
「ああ、『テン』が俺を襲撃してきた・・・」
俺、愛紗、佑はやはりという感想を抱いた。
「やはりか・・・妨害工作といい、お前の襲撃といい・・・やはり『ゼロ』の干与が疑われるな・・・」
俺の言葉に驚いたのは星達だった。
「主・・・今回の首脳会談妨害には黒幕がいるのですか!? しかも主達はその黒幕に心当たりがあると見ましたが・・・」
星の言葉は皆の思いを代弁した言葉であることが窺い知れた。
「予想は付いているのだが、確証が持てない。確証が持てたら星達に話すつもりだった・・・いらぬ混乱をさせたくないからな・・・だが、黙っていた事は誤ろう・・・済まない・・・」
俺は立ち上がり、星達に詫びた。
「いえ・・・良いのです・・・主達が話してくれるまで我等は待つ積りでした」
「ありがとう」
俺はそう言い話を戻した。
「済まない、話が脱線した・・・」
俺の言葉にハウゼンが首を横に振る。
「気にするな、私も情報が得られた・・・しかし、この大陸を混沌とさせて一体何が目的なのだろうか・・・『ゼロ』と『テン』は・・・」
「解らない・・・だが何かが起ころうとしている・・・この大陸で・・・」
俺の言葉に皆一様に暗い顔をした。
「まあ、解らん事を考えても解らんものは解らん・・・ところでソレだけでは無いんだろ・・・」
俺の言葉にハウゼンは答える。
「ああ、本題は私たちをココに置いて欲しい・・・勿論、貴方の指揮下に入り戦うつもりだ」
そういい俺、愛紗、佑は助かった気分だ。
何せ、戦える文官が圧倒的に我が国には足りない。
「俺達としては願ったり叶ったりだが・・・お前はそれでいいのか? 坊主だろお前・・・」
俺の言葉にハウゼンは笑いながら答える。
「今さらでしょう、そんな事、俺の手は血で汚れている。一刀や愛紗、佑を除けばこの中で誰よりも人を切り殺しているし、軍隊の指揮も取った事もある」
「解った・・・もう何も言わん・・・お前の下に稟と風を付ける。稟、風・・・いいか?」
「・・・本当に私達を使いこなせるのですか?」
稟は不安と疑問の目でハウゼンを見る。
「その心配は皆無や、ムカつく事に天界でハウゼンは神童なて呼ばれとるくらいやからな・・・」
以外にも佑が助け舟を出した。
「・・・以外ですね・・・貴方から助け舟が出るなんて・・・」
ハウゼンが驚きを篭めて呟く。
「・・・お前は気に食わんが、お前の能力はホンマモンやソレは否定せえへん」
佑はムスッとしたようにいう。
「お前達、相変わらずだな・・・まあ、彼の技量は何れ解る・・・その軍師能力は神懸り的だからな」
「・・・解りました・・・期待させていただきます。ハウゼン殿・・・」
「ココでの姓はトライフで名がハウゼンだ」
「解りました・・・トライフ殿・・・私の名前は郭嘉ですよろしく・・・」
「よろしく」
「風はですね、程昱と言います。よろしくです。ハウゼンさん」
「おうおう、髪金のニイチャン!! オイラは宝譿てんだ! よろしくな!」
「ええ、よろしくお願いします」
「ところで、そこに控えている少女は・・・」
俺の質問にハウゼンは思い出したと言わんばかりに言う。
「おお!! 全力で忘れていた・・・彼女は流意だ・・・流意、挨拶・・・」
「さりげなくトンでもなく酷い事言いますね。三蔵様・・・」
流意と呼ばれた少女はハウゼンを『三蔵』と呼んだ・・・
三蔵!!!!????
お前三蔵か!?
全員驚いている・・・そらそうだ・・・三蔵と言えば坊主の最高位のはず・・・
「お前・・・三蔵なのか・・・?」
「ああ、法名は黒天三蔵と名乗っている・・・」
全員開いた口が塞がらない・・・
「そうです!! 三蔵法師様です!! でも・・・ハウゼンは全然その自覚が無くて困っているんですよ!! タバコは吸う! 酒は飲む!! 剣は振り回す。鬼畜生臭破戒僧で困ってるんです・・・」
よくこんな奴が三蔵になれたな・・・いやマジで・・・
「盗賊退治のときなんか、彼等の塒を夜襲して焼き払い逃げ惑う盗賊千五百人切り殺すし、黄布党の時なんか1日に一万人切り殺すし・・・その度に私が苦労するんですよ・・・」
なんか・・・涙目になってないか・・・
「この鬼畜・・・」
佑がそう呟く。
「彼らに仏罰を与えただけです」
サラッと嫌味を返す。
・・・モノは言い様だな・・・
「その気持ち・・・解るわ・・・私も一刀様が浮気で枕を何度涙で濡らした事か・・・」
愛紗・・・
「解るぞお主の気持ち・・・私など佑が仕事せず、ナンパでどれだけ苦労している事か・・・あと、私が飲みに行こうと誘っても仕事でいけなかったりと、女心を全くもって解ってない!!」
星・・・君、そんなキャラじゃなかったはず・・・しかも、拳を握り力説してる・・・てかお前仕事しろ佑・・・だから残業する羽目になる・・・
「ダメな男といると苦労するわね・・・女って・・・」
愛紗さん・・・話がズレてない? そんな悲哀に満ちた人妻キャラだったけ? あなた?
「まったくです・・・仕事しない男上司に私は振り回される・・・」
星、君はそれ言う資格ないよ。公務サボって昼間から酒飲んでたよね? 君・・・
「同士!!」
順応早!!!! 流意君、その順応の早さなら蒼でも充分やっていけるぞ!! 君!!
なんかあの三人・・・もう真名で呼び合ってる・・・
マズイ!! なんか愛紗たち3人が人妻が集まって夫の愚痴を言い合ってる様にしか見えない・・・
このままじゃ俺、佑、ハウゼンに被害が来る!!
話をいい加減戻そう!!
「あ~お三方・・・そろそろ本題に・・・」
どうにかこうにか紹介が終わると同時に文官が蜀からの書状を持ってきた。
どうやら蜀とは戦争せずに済みそうだ・・・
おまけ
「稟ちゃん・・・鈴蘭さん・・・」
「何ですか・・・風・・・」
「何だ? 風」
風の問いかけに2人は同時に答えた。
「・・・彼氏・・・作りたいですね・・・」
「「ソレは言っちゃだめええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」
そんな嘆きにも似た叫びが聞こえたとか、聞こえなかったとか・・・・・・
南無南無・・・・・・・・・
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恋姫無双の愛紗ルート後の二人が真の世界にやってきたら?
という妄想から生まれた駄文です。
読んでもらえれば幸いです。