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真・恋姫†無双 外伝 - 鬼を従えし、天の御遣い - 第二章

注意書き:オリジナル色が強い作品ですので、もし苦手でしたら推奨できません。

誤字修正などは、時間の空き次第していきます。
牛歩な更新すみませんです><
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2009-10-22 01:14:07 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:4149   閲覧ユーザー数:3546

 

 

 

 

 

 

これからの行動を決めかねていた俺達の前に、突然と現れた謎の女性。

 

俺達の現状を見透かしているように、女性はこの世界の真意を語りだす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真・恋姫†無双 外伝 - 鬼を従えし、天の御遣い -

 

 

第二章 『手負いの虎は儚き少女を守り、天の御遣いに遭遇す』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

樹夜達は、再び息を落ち着かせる為に暖を囲うようにして座った。

 

 

 

 

 

 

SIDE:時雨 樹夜

 

 

 

 

 

「それで、この世界の事とはどういう事や?」

 

 

まだ、春日と道雪は警戒してるようだ。流石に、戦国の武将だけあり威圧感がある。

 

家久は、謎の女性に甘えるようにじゃれている。

 

 

「そうじゃのぉ……お主達は、周りの風景で気づく事は無いかのぉ?」

 

「んー、しいていうたら……俺が居た平成の時代でも無いって事しか……」

 

「さらに、ここが現代で無く1800年前の世界だとしたら?」

 

「……もしかして!?三国志の時代!!」

 

「おお、冴えておるのぉ」

 

 

 

 

今まで静かに聞いていた道雪が樹夜に尋ねる。

 

 

「あの、樹夜殿。三国志とは、どのような歴史なのですか?」

 

 

「漢王朝が腐った政治で重税で民を苦しめ、盗賊などが跋扈していて……

 

 各地の英傑達が立ち上がって様々な戦が始まり……

 

 後に、魏・呉・蜀の三国が天下統一をかけて戦った歴史。

 

 これが、三国志のあらすじだよ。」

 

「ふむ、そうじゃな。時雨 樹夜よ、お主が思うてる通りじゃよ。

 今、宦官は堕落し漢王朝は正常に機能しておらん。

 

 じゃが、この世界の三国時代は少し変わっておってのぉ。

 時雨が知っておる有名な武将・軍師等は女性になっておるということじゃ」

 

 

『な、なんやってーーーーーーーーーー。

 

 こんな時こそ、びーくーる!! びーくーる!!

 

 三国志の武将までもが女性とは……』

 

 

「それやったら、あなたもこの時代の武将なんか?」

 

「妾は、いちおう神じゃ。時雨には、西王母と名乗れば分かるじゃろう?」

 

 

三人の武将は、何の名前かさっぱりな様子。

 

俺には分かってしまった。

 

 

「崑崙山の女仙を束ねる長であり、5人の娘を持つ母でもある神仙……」

 

「妾の事を、よく知っておるのぅ。博識なのは良い事じゃ♪」

 

 

『何てよんだらええや……神仙を相手に呼び捨てにはできんし……』

 

 

「時雨よ、難しく考えるでない。妾は、下界では姓を 楊 名を回と申すが

 お主には真名を預けよう。これからは魅麗と呼ぶのじゃぞ?」

 

「勝手に心を読まんといてや~、恥ずかしいわ///

 それじゃぁ、俺の事も樹夜って呼んでや?」

 

 

『3人共……この刺々しい視線が……前よりも3倍増しになってる……』

 

 

「それにしても、村までの道のりがわからん以上は野宿するべきやろか……」

 

「樹夜殿、今日は野宿で我慢してはどうですか?

 

もう、夜更けですから明日の早朝から散策するのが得策かと」

 

「そうやな、今日はここで野宿しよか」

 

「「「「はーい」」」」

 

 

これからの行動方針が決まり、野宿の為に寝床は草の上ということになるが

 

魅麗が人数分の外套を持っており、みんなに手渡してくれた。

何故、人数分を持っていたのかは謎だが、とにかく気にしたら負けだと思った……

 

家久はすでに魅麗に膝枕をしてもらって寝ており、

 

寒さをしのぐ為に魅麗を中心に雑魚寝した。

 

魅麗のおかげか、盗賊や獣はよってこずに気持ちの良い睡眠を迎えれそうだ。

 

さすが神様やなぁと、改めて思いつつ眠りについた。

 

 

 

宵も深まり、月明かりのみ……

 

茂みがかさかさと音をたて、魅麗は何事かと気を張り巡らし周囲を探ったが

 

よわよわしい気配しか感じ無かったので、邪気を追い払う結界を張り眠りについた。

 

 

 

 

先程、よわよわしい気配と捉えられた集団の様だ。

 

何やら、小声で話をしている。

 

 

SIDE:???

 

 

「七乃、わらわはいつまで逃げればよいのじゃ……

 逃亡の際に助けて貰った孫堅も、このままじゃ……くすんくすん」

 

「大丈夫ですよー。絶対に、お嬢様も孫堅様もこの身にかえても守り抜きます。

 それに、この辺りに流星が落ちたと街で噂になってたじゃないですかー」

 

「それが、どうしたのじゃ?」

 

「私の推測ですが、あの方達が天の御使いの一行じゃないかとー。

 

 それで、噂というのが胡散臭い占い師さんが言うには……

 

 『流星、黒天を貫きて大地に舞い降りし時

 

   天の御遣いは英傑と共に、この乱世を天下太平の世に導くであろう』

 

 でも、それが本当かはわかりませんけどねー」

 

「じゃが、今はそれにすがるしかないかの……何としても、孫堅を助けたいのじゃ……

 

 籠の鳥であり政では傀儡の様に扱われていたわらわを救ってくれたのじゃ……

 

 だから、今度はわらわが助ける番なのじゃ」

 

「お嬢様……」

 

 

孫堅は、未だ意識が戻らぬまま七乃に背負われている。

 

七乃達は体力の限界のようで木に寄りかかり、一時の休息につくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

チュン チュン

 

 

「ふぁぁ~、よぉ~寝たわぁ」

 

 

まだ眠たい様だが、樹夜は目を覚ます為に河原に行ったのだが先客がいた様だ。

 

 

「あのぉ~、この近くの村の人ですか?」

 

 

少し警戒して、敬語で話かけてみた。

 

 

「……はっ!い、いえ~、私も旅をしてたりするんですよ~」

 

 

七乃は動揺してしまった。早朝なら、大丈夫と思って河原に出たのだが……

 

昨日の見張ってた対象人物がいるではないか、どうしようかと考えていると。

 

対象人物が話しかけてきたのだ。

 

 

「なるほど、俺は少し道に迷ったみたいで村に辿り着けずに野宿してたんですよ」

 

 

樹夜は事情を話しても信じて貰えないと思い、内容を少し嘘を交えて話した。

 

 

「そ、そうですかー。私も、村に……」

 

 

七乃が話を続けようとした瞬間に、茂みから出てきたのは少女と負傷している孫堅。

 

孫堅も意識を戻した様で、すこしふらつきながらも少女を守る様にして出てきた。

 

 

「七乃~、お水はまだかの?」

 

「おいっ、美羽……」

 

「お、お嬢様~……」

 

 

孫堅が警戒するように、袁術の前に立つと樹夜を威圧するように睨む。

 

だが、七乃のとりなしで落ち着いて話をしようということになった。

 

 

「それでや、あんたら何者なんや?その少女の着てる服は、偉い豪華やし……

 さらには、何か知らんけどめっちゃ警戒しとるようやし」

 

 

樹夜も、不審者に対しては敬語を使う必要はないとばかりに話し始めた。

 

 

 

 

SIDE:時雨 樹夜

 

 

「はい~、私は張勲っていいます」

 

「わらわは、袁術じゃ♪」

 

「おいっ、お前達!」

 

「大丈夫ですよ~、孫堅様。この人達は、きっと信頼できると確信してますからー」

 

「あぁ、わかった……私の名は、孫堅だ。孫 文台と言えばわかるか?」

 

『なっ!?有名な人物が3人も揃ってるなんて……

 

 しかも、袁術と呉の孫堅が一緒に居るなんて俺の知ってる歴史じゃありえない……』

 

「樹夜よ、何を固まっておる!ていっ!!」

 

 

じっと黙ったままの樹夜に西王母は拳骨を落とした。

 

 

「いたっ、痛いやんか~!」

 

「お主が惚けておるからじゃ!!」

 

「ってて……あれ、孫堅さん……肩から血がでてるやんか!?」

 

 

樹夜は、孫堅の肩から血がでてるのを見て驚き大声をあげる。

 

 

「ふふっ、慌てるな。私は、この程度の傷では死なんよ」

 

「うむぅ。孫堅よ、肩の傷口を見せてみよ」

 

「んっ、どうした?別にかまわんが、大した傷では無いぞ?」

 

 

西王母は、孫堅の肩にある傷口をじーっと見つめたままだったが

 

隣にいた七乃に声をかけた。

 

 

「張勲よ。孫堅は、逃亡中の際に一度でも意識を失ったままになった事はあるか?」

 

「はい~、樹夜さん達と出会った時にやっと意識を取り戻したので安心したんですよー。

 何か、その傷と関係があるんですか?」

 

「なるほど……それは第一症状じゃ、毒矢でもらったのであろうな。

 

 おそらくは、遅効性の毒でも塗っておったんじゃろう。

 

 このまま放置していたら……孫堅よ、お主は死んでおったぞ」

 

 

「!!」

 

 

これには、孫堅や他の者達も驚いて言葉がでなかった。

 

 

「まぁ、妾が早く見つけたからには安心してよいぞ。

 

 ふぅ……癒しの力よ、この者の内なる所にありし毒を払いたまえ」

 

 

紙の札のような物を孫堅の傷口に当てて、手より淡い光を放っている。

 

徐々に淡い光がおさまっていくと、肩にあった傷が綺麗に無くなっていた。

 

 

「これで、大丈夫じゃろう。だが、絶対安静の身は変わらんぞ?

 あくまでも毒を取り去り傷をふさいだだけじゃ。

 体力までは回復しとらんからのぉ」

 

「あぁ、わかった。貴女には命を助けて貰い、感謝する」

 

「感謝するなら、そこのお嬢ちゃん達にするんじゃな。

 お主が意識を失ったままで、ここで我らに会わなかったら助からなかったからのぉ」

 

「そうだったな……美羽……七乃……迷惑をかけてすまんな。感謝するぞ」

 

「わらわは、孫堅に恩返しをしたまでじゃ……じゃから、あまり気にするでない」

 

「そうですよー。孫堅様は、私達にとっての命の恩人でもあるんですからね♪」

 

「ふふっ、そうか」

 

 

落ち着いた所で、樹夜は先程の会話で最初に聞きそびれた事を尋ねてみた。

 

 

「まぁ、傷が治ったようやし。よかったわぁ~。あんた達に、少し聞きたいことがあるんやけどさ……

 

 そこまで危ない奴らに追われる理由って何や?まさか、お姫様やって逃げたのが理由で……」

 

 

『なんや!?この地雷を踏んだ様な空気は……何があかんかったんや……あっ!

 

 袁術っていう名前やったよなぁ……袁……袁家!三公を輩出した名家……でも、何で逃亡中?』

 

 

「ん~、さすがは天の御使い様ですね。私達は、その悪い蛆虫達に追われてるのですよー」

 

「そうだな。あやつらは、蛆虫というのが妥当だな。美羽に寄生する蛆虫共だ……」

 

「そうなのじゃ……わらわと七乃は、孫堅に助けに来てもらうのが遅ければ殺されていたのじゃ……」

 

 

あらすじはというと、袁術達と呉の孫堅は同盟を結ぶために事を進めていたのだが

 

それに反対する反同盟派の文官などが武官達を金で従わせて、根回しで政に関する事柄に圧力をかけてきた。

 

 

さらに、潤沢な資金に目が眩んだ文官と武官はクーデターを計画する。

 

 

ここで張勲は内情を察知し逃亡を計画し、信頼のおける文官や武官には別々に別れて

 

孫堅の治める長沙で落ち合う事で決まった。そこで、張勲は袁術を助ける為に孫堅に密偵を送った。

 

だが、反同盟派に見つかり袁術と共に捕まってしまう。

 

 

そこに孫堅を先頭に呉の精鋭達が助けに来た……ここまでは良かった……

 

 

だが、相手が悪い……潤沢な資金により集められた武官の数が多く

 

袁術達を連れて、命からがら脱出できたが孫堅の肩を毒矢が掠り傷を負ってしまう。

 

一時の休息と思い、逃亡中だが野宿することにした。

 

 

そして、翌朝に樹夜達と邂逅したのだ。

 

 

『だいぶ、俺の知ってる歴史とはちゃうことが起きてるなぁ……

 

 嫌な予感がするわ……しかも、女難に会いそうやなぁ……』

 

 

樹夜は張勲からの話を聞きながら、これからの事について思考の海に耽っていた。

 

 

西王母は、何かを感じたのか遠くの方をみつめる。

 

「あやつもここにそろそろ来る頃じゃな。妾が気づかないと思っておるのかのぉ。

 

 やはり、まだまだ未熟じゃわい。じゃが、樹夜の嫁にするのも一興か……

 

 ふふふっ……瑶姫よ、はよぅ来い。お前の婿は、ここにいるぞ♪」

 

 

 

 

SIDE:瑶姫

 

「バレていましたか……さすが母上ですね。それにしても、私の許嫁ですか……

 

 さらに興味が湧きましたね。さて、母上が認めた殿方はどんな方……ふふっ……」

 

 

母からの伝言を受け取ると、スピードをさらに上げ目的の場所へと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

樹夜の予感は当たりそう……女難からは逃れられないのか!

 

 

西王母が樹夜の許嫁として決めたのは、4番目の娘である瑶姫。

 

見た目は知的でクールな女性に見えるが、武術が何よりも好きで好奇心旺盛だが座学は嫌い。

 

 

袁家のお姫様や孫呉の王、さらには神の娘。

 

続々増える仲間に、樹夜は難題が山盛り。

 

 

どうする、時雨 樹夜!!

 

 

 

 

次章は、『神の娘?!いきなりの許嫁に騒然!!修羅場の開始5秒前!!』です~♪

 

それでは、また次回に乞うご期待を♪


 
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