No.101456

恋姫無双異聞録~外史に降り立つ鬼~ 09

鴉丸さん

第9話です


今回は、暁鬼に何かが起こる

2009-10-17 12:12:54 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:3009   閲覧ユーザー数:2670

 

 

―――Side 雪蓮―――

 

 

雪蓮「母様・・・見ていてください」

 

 

母である孫堅文台の墓の前で、私は誓う 後ろに居る蓮華をはじめとした仲間たちと共に天下を取ることを

 

 

明命「でも、蜀をどうにかしないと・・・」

 

 

冥琳「蜀はこの際考えなくてもいい」

 

 

明命が、蜀をどうするか考えているようだけど、冥琳の言うとおり考えなくていいかもね  蜀は積極的に領土を広げようとはしていないし

 

 

祭「それに、蜀は自国に不利益が無ければ何をしようが構わないと言っているらしい なら、無理にちょっかいを出して「鬼」を怒らせることはしなくてもいいだろう」

 

 

ま、同盟とかを結べばいいことだしね~ 暁鬼は、良くも悪くも現実的ってことかしら?普通なら、天下を統一しようと他国へ出兵する準備をするところだけど、それもしていないようだし・・・本当に、蜀にちょっかい出さなければ動かないつもりね

 

 

思春「・・・ん?」

 

 

蓮華「思春?」

 

 

思春が、後ろを向いた途端に私たちを囲むように殺気があふれた

 

 

穏「な、なんですか!?」

 

 

そして、現れたのは明らかに人ではないものたち いや、確かに十人ほど人はいる・・・でも、全員が同じ顔というのはいくらなんでもありえないだろう 

 

 

 

 

童子「皆死んでもらうよ?」

 

 

姫「・・・死ね」

 

 

これは、暁鬼が言っていた魔化魍って奴ね・・・でも、あいつは腕に覚えがある奴なら倒せるといっていた

 

 

雪蓮「皆、行くわよ!」

 

 

全員「「「御意!」」」

 

 

その声に反応したのか、先ほどまで居た男たちはその姿を魔化魍と同じように変えた あいつらも、同じだったのね

 

 

怪童子「ドロタボウ、バケネコ、カッパ、テング・・・お前らはこれで終わり~♪」

 

 

私たちの目の前にいるのは、下手をすれば50近くいる魔化魍の大群・・・まずいかしら?今はまだ、応戦できているけど・・・いずれ負ける そんなことを考えていたのが拙かったのか、テングと呼ばれた魔化魍の大群の一体が私に襲いかかろうとしていた

 

 

冥琳「雪蓮―!」

 

 

ここで、終わり?私は目の前に迫ってくるテングの嘴を、見つめ続けながらそんなことを考えていた でも―――

 

 

雪蓮「・・・え?「ちっ・・・攻撃をもらうとは・・・」暁鬼?」

 

 

テングの嘴を肩に刺さりながらも受け止めて私を守っていた暁鬼が居た

 

 

 

 

―――Side 暁鬼―――

 

 

暁鬼「だらぁ!」

 

 

危なかったな・・・あと少しタイミングがずれていれば孫策は死んでいたな 

 

 

暁鬼「変身・・・」

 

 

鬼角を振動させ変身をしていると、なにか体に違和感を感じた・・・何だ?

 

 

妖姫「・・・やれ」

 

 

って考えている暇は無いか・・・

 

 

暁鬼「いいか?人とは違うが、あいつらは人と同じように左胸に心臓を持っている それを潰せば倒せる・・・行けるな?」

 

 

雪蓮「・・・舐めないでよね?とりあえず、後で礼はさせてもらうからね?」

 

 

祭「主を助けてくれたものに何もしないのは、儂の名が廃るからな」

 

 

ま、別にそこら辺はいいがね・・・同盟でも結ぼうかね?

 

 

暁鬼「さて・・・数が多いな・・・フゥー・・・ハァー・・・」

 

 

体の中にある氣を全て炎の氣に変換して自らを強化する 元の世界では、響鬼さんと俺しか体得することが出来なかった姿 大量の魔化魍を一人で倒すのには欠かすことの出来ない姿 体色はいつもの黒ではなく赤、自らの炎の氣を極限まで高めた姿 その名は―――

 

 

 

 

暁鬼「暁鬼・・・紅!」

 

 

さて・・・行くぞ?

 

 

ドロタボウ「ガァァァ!」

 

 

暁鬼「『爆龍咆哮の型ァ』!」

 

 

自分で編み出した『業火絢爛』とは違い、俺が師匠から教わった唯一の『型』である『爆龍咆哮の型』 その動きは、龍が空を翔けながら獲物を食らうが如く大量の魔化魍を巻き込んでいく技 師匠が一対多を想定して作り上げた技 故に、負けは無い

 

 

―――Side 雪蓮―――

 

 

大半の魔化魍を暁鬼が倒してくれているので私たちは、こちらに来た数体の魔化魍を相手にすればいいので非常にやりやすい

 

 

祭「美しい・・・」

 

 

雪蓮「あれは、武の完成形の一つね・・・」

 

 

大量の魔化魍の中を舞うように走る暁鬼を見て、祭が漏らした言葉は的確だった

 

 

バケネコ「シャー!」

 

 

思春「ハァッ!・・・それに、無駄な動きが一つも無い さらに、言われたとおりに左胸を攻撃すれば、このように倒せる」

 

 

こちらに来た魔化魍は暁鬼の攻撃のあおりを受けているのか結構ボロボロだったりするので落ち着けば対応できないことは無い・・・本当に敵でなくてよかったわよ

 

 

明命「ナンデスカー!?コエガー!?」

 

 

えっと、カッパだったかしら?そいつが出した粘液を剣で受け止めながら倒して、固まった粘液を取ろうとしたら煙が出たらしく、それを吸ったら声が変になったようだ・・・結構可愛いわね

 

 

亞沙「明命・・・「キュー」あら、鳥?・・・文が・・・えっと「カッパの粘液から出る煙は吸うと声が高くなるから注意 でも、二・三日もすれば元に戻るのでそれまで我慢しよう」・・・」

 

 

明命「シバラクコノママデスカー!?」

 

 

蓮華「えっと・・・頑張って」

 

 

 

 

―――Side 暁鬼―――

 

 

暁鬼「後は・・・テングの怪童子と妖姫だけか」

 

 

『爆龍咆哮の型』で一気に魔化魍を潰し、残るはテングの怪童子と妖姫のみになった 早くしなければ、『紅』を保てないな・・・だが、何故かいつも以上の疲労を感じる 『紅』を使ったからと言ってここまで疲労するのはおかしい

 

 

怪童子「シャッ!」

 

 

暁鬼「遅い!『業火絢爛』!」

 

 

飛びついてきた怪童子に『業火絢爛』を叩き込み爆殺する そのまま妖姫の懐に入り込み

『業火絢爛』を叩き込む しかし、妖姫が死ぬ直前に放った言葉は俺を驚かせるには十分の威力を持っていた

 

 

妖姫「貴様は・・・テングの毒を受けた・・・いずれ、死ぬことになる・・・クハハハハ!」

 

 

テングの毒か・・・本来テングには毒は無かったはずだが・・・ありえないとは言えないな 先ほどから感じていた疲労感はそれか そしていずれ死ぬ、か 俺は・・・

 

 

雪蓮「暁鬼?考え事をしている途中で悪いんだけど・・・一緒に城に来てくれる?」

 

 

暁鬼「あ?・・・分かった」

 

 

とりあえず、今は考えるときではないな・・・だが、もし死ぬことになるとしたら・・・桔梗・・・

 

 

 

 

―――Side 一刀―――

 

 

一刀「NOOOOO!」

 

 

凪「北郷!逃げるなぁ!」

 

 

皆さん、こんにちは!北郷一刀です 今、俺は後ろから走ってくる凪から全速力で逃げています 暁鬼さんが呉に魔化魍退治に行ったので、その間の訓練を任された凪は暁鬼さんが渡していた訓練メニューに沿って修行をつけているんだけど・・・さっき、足をもつらせて凪を押し倒してしまって・・・「まだ師匠にも触られていないのに!何故貴様が触る!?」と叫んで追っかけてきます あれ?凪ってこんな子だった?

 

 

一刀「本当に申し訳ありませんー!」

 

 

愛紗「・・・最初は、行こうかな?と思ったんですが・・・」

 

 

桃香「凪ちゃんを見てると・・・ね」

 

 

追われている俺を、安全地帯から眺めるのは桃香や愛紗、真桜と言った政務に直接関わっていないメンバー あ、桃香の説得は成功しました 結局、数時間かかったけどなんとかなりました これで暁鬼さんも安心できるかな?

 

 

凪「貴様ァ!考え事とは、いい度胸だな!?」

 

 

後ろから追っかけてくる凪を忘れてた!ていうか、性格変わっていませんか!?

 

 

真桜「凪は、お師匠様に惚れこんどるからな~」

 

 

沙和「ししょー以外の男に触られるとああなるの~もっとやれ~!」

 

 

一刀「煽るな!」

 

 

焔耶「いや、お前のせいだろ 凪はああ見えて乙女だからな・・・暁鬼さん以外には触られたくないんだよ」

 

 

凪「焔耶・・・貴様「って、北郷が言っていました!」北郷ゥ!」

 

 

一刀「えー!?濡れ衣!」

 

 

恋「もきゅもきゅ・・・どんまい」

 

 

ねね「恋殿・・・どういう意味ですか?」

 

 

恋「暁鬼に教えてもらった「気にするな」って意味」

 

 

一刀「気にするわー!」

 

 

あ、もうだめ・・・これは・・・

 

 

一刀「\(^O^)/」

 

 

 

 

―――Side 暁鬼―――

 

 

暁鬼「ん?なんか北郷君が、オワタしたような気が・・・電波か?」

 

 

とりあえず今は、呉の城を出て蜀に向かっている最中だ まあ、とりあえずは同盟を結んだ その内容は簡単に言えば、蜀をそちらの個人的な戦争に巻き込まなければ、物資の援助などをするというものだ 蜀は他の国からは痩せている国と言われるが、ちゃんとした運営をすれば他の国と比べても遜色ない しかし、蜀に戻る途中「曹操が袁紹を滅ぼした」という情報を手に入れた やはり、曹操は天下を取るための動きをしているな 多分、蜀にはしばらく手は出さないと思うが・・・いずれくるな 来るならせめて、俺が死ぬ前に来て欲しいものだ もし、俺が死んでいても対応できるだけの準備をしておかなければな・・・死ぬ、か 魔化魍と戦っている以上、そしてこの戦乱の世に身をおいている以上覚悟はしていたが・・・

 

 

暁鬼「死にたくはないよ・・・桔梗」

 

 

でも、お前らを守るためなら・・・

 

 

 

 

「舞台裏」

 

 

暁鬼「ちょ!?俺に死亡フラグたったよ!?」

 

 

狂骨「フラグをおるイベントはあるのか・・・」

 

 

一応、そのときは分身が出張してくると思うよ?まだ、どうするかは決めていないけど

 

 

暁鬼「・・・orz」

 

 

狂骨「え~・・・とりあえず、またお会いしましょう」

 

 

 

 

「紹介ページ」

 

 

『爆龍咆哮の型』:暁鬼が、先代の暁鬼から教えられた唯一の音撃打の「型」大量にいる魔化魍の間を『煉獄』で叩き潰しながら、駆け抜ける技 状況に応じて、『煉獄』で魔化魍を引っ掛け、別の魔化魍にぶつけて二体纏めて倒すこともある

 

 

ドロタボウ:等身大魔化魍 背中にタニシのようなコブがあり、そこから分裂して仲間を増やすことが可能

 

 

カッパ:等身大魔化魍 首から子を分裂させて仲間を増やす 口から粘液を出す これは、固まる際や取り除く際にヘリウムに似た成分のガスを出す 今回、明命はそれを吸ってしまったので、声が高くなってしまった

 

 

バケネコ:等身大魔化魍 9本ある尻尾を引き千切ることで仲間を増やす 身体能力は鬼並み

 

 

テング:等身大魔化魍 様々なタイプがおり、今回戦ったのは嘴があるタイプ さらに、何者かに強化され毒を持ち、その毒を雪蓮を庇った暁鬼の体内に注入した

 


 
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