No.99744

連載小説8

水希さん

第8回

2009-10-08 21:18:24 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:474   閲覧ユーザー数:471

念願の休み時間。

 

ガイダンスは、授業より楽なのは間違いないんだけど…

やっぱ、休み時間には敵わない。

「で? さっきの話だけど、私が古い校則をなくすって、どう言う意味?」

「どうって、明白でしょ。生徒会役員になれば、校則の変更も夢じゃない」

 せ、生徒会ぃ? ちょっと待って。

「木谷さん、いくらなんでも新入生は生徒会役員にはなれないでしょ!」

「立候補だけなら、出来るはずよ? つまり、理論上不可能じゃない」

 り、理論上って…困ったなぁ。木谷さんの目、ちっとも笑ってない。

「本気? わ、私なんかが当選するはずないじゃん」

「そんなの分かんないじゃん。生徒会役員選挙、秋だよ? それまでに、

そうだなぁ、存在感を示すとか、演説頑張るとか、やりようはあると思うけど?」

 い、一年坊主がそんな事して、当選するのか? 私には、自信がない…

「それに、古い校則なんて、別にあってもなくても構わないし…」

「そんなの、一例でしょ。私だって、古い校則になんて執着しないし」

 ん? んん? なんか、雲行きが変わって来たぞ?

「じゃあ、何が目的なの?」

「んー、目的っていうか…倉橋さんが講堂で演説してる姿を見てみたいのと、

学校を運営する立場なんて、面白くない?」

 私の演説姿と、学校の運営か。

「木谷さん、そういう子だったんだ…なんていうか」

「不純とは思わないように。私は十分な理由だと思うから」

 十分不純だと思ったのは、言ってもいいんだろうか…

「で、なんで木谷さんは立候補しようと思わないの?」

「私? 向いてないもの。それに、文学部に没頭する予定だし」

 ぶ、部活? 今度は目が別の色に輝きだしたんだけど。

「それじゃあ、私も部活に入るよ」

「それは自由だけど…生徒会の立候補は関係ないしね」

 なっ!

 

 木谷さんは、私を生徒会役員に立候補させる気満々だ!

 

~つづく~


 
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