No.988972 英雄伝説~灰の軌跡~ 閃Ⅲ篇soranoさん 2019-04-01 20:28:48 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:932 閲覧ユーザー数:881 |
~グラーフ海上要塞・天守閣~
「そこだっ!」
「セイッ!」
「「ぐっ!?」」
互いに突撃した二人は同時に武器を繰り出したが、互いの武器がぶつかり合った衝撃によって同時に仰け反り
「行くわよ―――ピアスアロー!!」
「させません―――刃よ、行きなさいっ!」
仰け反ったリィンの隙を狙ったエンネアがクラフト―――ピアスアローを放った事に対してエリゼはクラフト―――連接剣伸張で放たれた矢を叩き落し
「くふっ♪遊んであげる―――五連射撃!!」
「逃がさない―――ヤァァァァァッ!!」
「お熱いですがご容赦を―――シュート!!」
「―――盾よ!!」
エンネア同様遠距離攻撃ができる武装を持つエヴリーヌ、ユウナ、ミュゼも仰け反ったデュバリィに遠距離攻撃のクラフトを放ったがそこにアイネスが前に出てクラフト―――秩序の盾を発動してデュバリィと自分に襲い掛かった遠距離攻撃を無効化した。
「ブリューナク起動、照射。」
「――――――」
「ぶっ放せ~!!」
「――――――」
「「「!!」」」
左右からそれぞれレーザーを放ったクラウ=ソラスとアガートラムの遠距離攻撃に対してデュバリィ達は同時に後ろに跳躍をする事で散開せずに回避をした。
「「「――――――」」」
「させないわよ―――ハアッ!!」
「―――聖なる盾よ!!」
それぞれ魔術の詠唱を開始したセレーネ、ツーヤ、ゲルドを見たエンネアは魔術の発動を妨害すると共に動きを封じ込める為に石化の効果を持つ矢を放つクラフト―――メデュースアローを放つとユーシスがクラフト―――プラチナムシールドを発動してセレーネ達を襲い掛かる石化の矢から守り
「そこだっ!!」
「無駄だ!!」
「くっ!?」
クラフトを放つ為に逃げ場のない空中へと跳躍したエンネアにガイウスとレーヴェはそれぞれの武装から異なる竜巻を繰り出してダメージを与え
「もらったぜ―――オラアッ!!」
「走れ―――飛天翔駆!!」
「セイッ!砕け散れっ!!」
「チィッ!?」
「く…………っ!?」
追撃をする為に放ったアッシュのクラフト―――ランブルスマッシュと全身に風の魔力を纏った状態で跳躍して空から奇襲するクルツのクラフト―――飛天翔駆で攻撃したがアイネスがクラフト―――兜割りで二人の攻撃を防ぐと共に反撃をし、反撃を受けた二人は追撃を受けない為に一端下がった。
「行きますわよ―――ハアッ!!」
「雷よ―――瞬雷!!」
デュバリィが遠距離から一気に詰め寄って攻撃するクラフト―――神速ノ太刀に対してはプリネが雷の魔法剣を凄まじい速さの突撃と共に繰り出す魔法剣技で相殺し
「秘技―――裏疾風!斬!!」
「くっ!?」
「きゃっ!?」
「むっ!?」
「―――旋風斬!!」
「うふふ、これはどうかしら?―――玄武の鎌撃!!」
リィンがかまいたちを纏った電光石火の連続攻撃でデュバリィ達にまとめてダメージを与えた後そこにレーヴェが続けて 旋風のごとく剣で弧を描くように広範囲を斬りつけるクラフトで、レンはデュバリィ達の左右の側面から襲い掛かる広範囲の衝撃波を放つクラフトで追撃をした。
「「「「聖なる水よ、奔流となり、我が仇名す者達に裁きを――――リ・カルナシオン!!」」」
その時魔術の詠唱を終えた3人がそれぞれ全く同じ内容の魔術―――デュバリィ達の足元から凄まじい威力の水のエネルギーを発生させる魔術でデュバリィ達にダメージを与え
「輝け――――――セレブレイトアーツ!!」
「どっかーん!氷結雷撃!!」
「走れ、雷の矢よ―――ネメシスアロー!!」
「落ちよ―――救世の聖雷!!」
「魔の雷よ、応えなさい―――メ・ベルデ!!」
「「キャアアアアアアッ!?」」
「ぐうううううっ!?」
そこに短時間の間魔法攻撃の威力を上げると共に消費魔力やEPを軽減するミュゼが発動したブレイブオーダーの後にエヴリーヌ、ユーシス、エリゼ、レンがそれぞれ詠唱時間や駆動時間が短い雷を発生させる魔術やアーツで追撃をし、水の魔術を受けた事で全身が濡れていた所に雷撃を受けたデュバリィ達はそれぞれ感電した事で思わず悲鳴を上げた。
「四の型・改―――紅蓮斬り!!」
「光の一撃、受けてみなさい!ハァァァァ……ッ!スマ――――ッシュ!!」
「おぉぉぉぉ…………!獅子――――――衝撃波!!」
「”ベガルタ”起動―――斬!!」
そこにリィン、ユウナ、レーヴェ、クラウ=ソラスとシンクロしたアルティナがそれぞれの一撃離脱技のクラフトでデュバリィ達に追撃をし
「ハァァァァ……ッ!斬り裂け!!」
「おらよっと―――逝っちまいなぁ!!」
「竜巻よ―――薙ぎ払え!!」
「ガーちゃん、ハンマー!それぇっ!!」
リィン達の追撃が終わるとクルト、アッシュ、ガイウス、ミリアムがそれぞれ”テンペストエッジ”、”デッドリーサイズ”、”タービュランス”、”スレッジインパクト”とそれぞれの広範囲を攻撃するクラフトで更なる追撃をデュバリィ達に叩き込んだ。リィン達による怒涛の総攻撃を受けたデュバリィ達は普通に考えれば戦闘不能になるか、戦闘不能直前のダメージを受けているかと思われたがリィン達の攻撃が終わるとダメージを負いつつも無事な様子のデュバリィ達がそれぞれ武装を構えていた!
「ええっ!?あれだけの連続攻撃を耐えるなんて…………!」
「――――鉄機隊の”星洸陣”はメンバーのあらゆる能力を強化する事もあるが、受けたダメージを自動回復する効果も付与されている。恐らくそれが影響しているだろう。」
「ちょっ、そんなのずるくない!?」
「というか既に向こうが発動しているリンク効果を知っているのでしたら、予めわたし達にも説明しておいてほしかったのですが。」
「うふふ、おしゃべりはそこまでにしておきなさい。」
「ああ…………―――来るぞ!!」
総攻撃を受けてもなお耐えたデュバリィ達を見て驚いているユウナに説明したレーヴェの話を聞いたミリアムは驚き、アルティナはジト目でレーヴェに文句を言い、反撃の構えをしたレンとリィンが仲間達に警告をするとデュバリィ達が反撃を開始した。
「今度は私達の番ですわ―――”星洸陣”の真骨頂、その身をもって思い知りなさい!アイネス、エンネア!」
「応!!」
「援護するわ!―――どうかしら!?うふふ…………」
デュバリィの号令にアイネスと共に力強く応えたエンネアは跳躍して空から無数の矢を放ってリィン達にダメージを与えると共にその場を動かないように牽制をし
「フン―――砕け散れ!!」
エンネアの攻撃が終わるとアイネスが跳躍をしてリィン達に斧槍を叩き付けて衝撃波を発生させて追撃をし
「見切ってみなさいな―――斬!!」
止めはデュバリィが分け身と共に神速で斬り込んでリィン達にダメージを与えた!
「くっ…………まさかあれ程の連携力があるなんて…………セレーネとミュゼ、アルティナは先程のダメージの回復を!他は反撃だ!―――とにかく連携力を落とすためにまずは一人ずつ確実に潰していくぞ!」
「おおっ!!」
デュバリィ達の連携技―――デルタストリームに耐えたリィンは仲間達に指示を出し
「教官、まずは誰を一番最初に制圧するの?」
「――――まずは後方からの援護を行っている”魔弓”を最優先に制圧する。」
「クスクス、後方からの援護を先に潰せば敵の脅威度は一気に下がるから”戦の定石”ね♪」
「ついでに言えば後ろから魔術や遠距離攻撃する奴って前衛と比べたら、弱いしね。ま、エヴリーヌは違うけど、くふっ♪」
ゲルドの質問に答えたリィンの説明を聞いたレンは小悪魔な笑みを浮かべ、エヴリーヌは不敵な笑みを浮かべた。
「あらあら…………指名されちゃったわね。」
「フフ、まあ戦術としては定石で間違ってはいないが…………」
「”星洸陣”を発動している私達に定石が通じるのならば、やってみやがれですわ!」
一方リィン達の会話を聞いたエンネアは口元に笑みを浮かべながらも目は笑っていない状態でリィン達を見つめ、それぞれリィン達の作戦通りにさせない事を決意したデュバリィとアイネスはそれぞれ迎撃の構えをした。
「聖なる光よ、我らに癒しを―――キュア・プラムス!!」
「回復します―――アルジェムヒール!!」
「蒼珀の雨よ、我等に癒しを――――サフィールレイン!!」
「回復してあげるわ―――ヒールアロー!!」
セレーネ達がそれぞれ魔術やクラフトでリィン達のダメージを回復するとエンネアも回復の光を降り注がせる矢を空に放って自分達のダメージを回復した。
「ガーちゃん、お願い!!」
「――――――」
「行くぞ―――セイッ!雷咬牙!!」
「「「!!」」」
ミリアムのクラフト―――メガトンプレスとガイウスのクラフト―――雷咬牙による空からの奇襲に気づいたデュバリィ達は同時に側面に連続で跳躍して回避し
「十六夜―――”燐”!!」
「――――――剛裂斬!!」
ツーヤが抜刀による広範囲の真空の刃を放つとアイネスがクラフト―――剛裂斬で相殺し
「まだだ!ハァァァァァァ…………そこだっ!!」
「二の型―――洸波斬!!」
「行くわよ―――アクセルアロー!!」
「―――盾よ!!」
クルトがクラフト―――双剋刃、リィンがクラフト―――洸波斬でそれぞれ遠距離からの追撃に対してクラフトを放った事で僅かに硬直していたアイネスにエンネアがその硬直をなくしてすぐに動けるようになる特殊な矢を放ってアイネスをすぐに動けるようにし、すぐに動けるようになったアイネスは前に出て再び絶対障壁を展開してクルトとリィンが放った遠距離攻撃を防いだ。
「行くぞ―――斬!!」
「おぉぉぉぉ…………剛雷剣!!」
自分達に近づいてきてクラフト―――アークブレイドを繰り出したユーシスのクラフトに対してデュバリィは雷の魔法剣による薙ぎ払いで相殺し
「―――破砕剣!ハァァァァァァ…………ッ!」
「おぉぉぉぉぉ…………っ!」
ユーシスの後に繰り出したレーヴェの連続攻撃に対してデュバリィも連続攻撃を繰り出して相殺し
「止めだ―――むんっ!」
「…………っ!!」
最後に放たれた強烈な斬撃を盾で防いだ。
「―――フェヒテンケニヒ!!」
「あうっ!?」
そこにプリネが大きく踏み込んだ強烈な突きでデュバリィの防御を崩してダメージを与え
「崩したわ!」
「追撃する―――イルヴェングス!!」
デュバリィの態勢が崩れるとプリネとリンクを結んでいるレーヴェが高速剣を繰り出して追撃を叩き込んだ。
「「アークス駆動―――」」
「「「―――――――」」」
「時の結界よ―――砕け散れ!!」
「イクシオン・ヴォルト!!」
「ダイヤモンド・ノヴァ!!」
「ホーリーバースト!!」
「アルカナの崩壊!!」
「ライトアロー!!」
「「キャアアアアアアッ!?」」
「ぐううううううっ!?」
その時アーツを放つ為にオーブメントを駆動させていたアルティナとミュゼ、魔術の詠唱をしていたセレーネ、エリゼ、ゲルドにユウナが詠唱や駆動時間を省略させるクラフト―――クイックスターでアルティナ達の駆動や詠唱時間を省略してすぐに魔法を発動させ、アルティナ達が発動した頭上と足元に加えて広範囲と、まさに逃げ場のないアーツや魔術を受けたデュバリィ達はそれぞれ怯んだ。
「うふふ、それじゃあアッシュ、手筈通り頼むわよ?―――グラビティスフィア!!」
そこに転移魔術でアッシュと共にデュバリィ達の背後に現れたレンが重力の魔力球を放ってエンネアを自分達の元へと引き寄せ
「クク、任せとけや―――さ~てと…………喰らえやっ!」
「キャアッ!?」
「クク、油断大敵ってな。」
レンが引き寄せたエンネアをアッシュがクラフト―――ヴォイドブレイカーで追撃した。
「そんじゃ、エヴリーヌが止めの一撃を放つまでちゃんと時間を稼いでおいてね。」
「ああ、任せろ!コォォォォ…………ハアッ!!風よ―――俺に力を貸してくれ!うぉぉぉぉぉっ!カラミティ―――ホーク!!」
そこにレンとは逆側にエヴリーヌが転移魔術でガイウスと共に現れてエンネアを挟み撃ちにするとガイウスは体力と引き換えに闘気と攻撃力を得る猛き野生の咆哮―――黄金吼で自身を強化した後跳躍して命中すると竜巻を発生させる風を纏わせた十字槍を構えてエンネア目がけて突進してエンネアに大ダメージを与えた。
「これで終わりだよ――――――闇に呑まれちゃえ!」
「く…………っ!?」
ガイウスのクラフトが終わると凄まじい闇の魔力と闘気を番えた矢に溜め終えたエヴリーヌが自身の背後に現れた無数の闇の魔力球を放ってエンネアを怯ませ
「くふっ♪死ね。アビス・ロアー!!」
「あ――――――」
止めに巨大な闇の矢を放った!巨大な闇の矢はエンネアを呑み込み、闇の超越爆発を起こした!
「カハッ…………!?ここまで…………みたい…………ね…………」
エヴリーヌの深淵の究極弓技によるダメージに耐え切れなかったエンネアは戦闘不能になり、地面に跪いた!
「くっ…………エンネアがやられてしまいましたか。ですが、一人欠けようが星洸陣は健在ですわ!行きますわよ、アイネス!」
「応!―――砕け散れ!!」
エンネアの戦闘不能を見たデュバリィは唇をかみしめたがすぐに気を取り直してアイネスに呼びかけ、呼びかけられたアイネスはリィン達に強烈な衝撃波を放ったが
「無駄だ。」
レーヴェがクラフト―――零ストームで相殺し
「ふふ…………見切れますか?―――斬!!」
「―――見切った!下がれ!!」
分け身と同時に斬りかかったデュバリィにはリィンがクラフト―――孤月一閃で相殺してデュバリィとアイネスの連携攻撃―――デュアルアタックを無効化した。
「(刻の歌)――――――♪」
「っ!?しまった…………!」
「身体が…………!?」
するとその時ゲルドが短時間だけ敵全員の動きを完全に止める共鳴魔法―――刻の歌・タイムストップを歌ってデュバリィとアイネスの動きを完全に封じ込め、それを見て好機と判断したリィン達は総攻撃で一気にたたみかけた!
「ぶっ放せ~!!」
「――――」
「ブリューナク、照射!!」
「逃がさない―――ヤァァァァァッ!!」
ミリアムとアルティナ、ユウナは二人を包囲してそれぞれ遠距離攻撃で二人を怯ませ
「光よ、我が剣に―――ホーリーインパクト!!」
「風よ……!ハァァァァァ……ッ!――――斬り刻め!!」
「闘技―――月影剣舞!!」
「十六夜―――斬!!」
「むんっ!荒ぶる炎よ―――鬼炎斬!!」
3人の攻撃が終わるとセレーネ、クルト、プリネ、ツーヤ、レーヴェはそれぞれ広範囲のクラフトで追撃した。
「今から魔法をかけてさしあげます―――フフ…………お綺麗ですよ?」
セレーネ達の攻撃が終わるとミュゼは片手に顕現化した魔法陣を放ち、ミュゼの放った魔法陣によってデュバリィとアイネスは氷の華によって包まれ
「覚悟を決めるがいい―――セヤアアッ!―――ハアッ!!」
そこにユーシスが二人に詰め寄って氷に包まれた二人に連続突きを叩き込んだ後その場で跳躍し
「まばゆき光よ我が剣に力を!!」
空中で指で印を結んで印を結んだ指で剣の刃を這わせて、剣を聖剣へと変化させ
「ブリリアント―――ショット!!」
「アイオロス―――セイバー!!」
ミュゼが魔導騎銃で止めの一撃を放つと共に、ユーシスは聖剣を二人目がけて解き放った!ミュゼが放った一撃は氷の中を反射しながら最後は氷と共に炸裂し、ユーシスの聖剣は光の大爆発を起こした!
「これで止めだ!―――エリゼ、一緒に行くぞ!」
「はい、兄様!!」
二人のSクラフトが終わると決着をつける為にリィンはエリゼと共に凄まじい闘気を全身に纏い、二人合わせて”鳳凰”の姿を形どって同時に突撃した。
「「比翼―――鳳凰撃!!」」
「あぐっ!?そ、そんな…………この私が…………」
「フフ…………見事…………だ…………」
二人のコンビクラフトを受けてついにダメ―ジに耐え切れず戦闘不能になったデュバリィとアイネスはそれぞれ地面に跪いた!
「―――勝負あり!勝者―――Ⅶ組と特務部隊の混合部隊!」
「リィンさん、皆さん…………!」
「フフッ、現代の”鉄騎隊”をも超えるとは本当にみんな成長したね…………」
「ええ、ユーシス達もそうだけど新Ⅶ組のみんなも本当によくここまで成長したわね…………」
「うむ、双方よい戦いじゃったぞ!」
デュバリィ達の戦闘不能を見届けたリアンヌはリィン達の勝利を宣言し、リィン達の勝利にアルフィンやアンゼリカ、サラはそれぞれは嬉しそうな表情を浮かべ、リフィアは満足げな様子で双方に対して感心していた。
「やったぁぁぁぁぁぁっ!!」
「ハア…………ハア…………これが本気を出した”鉄機隊”か…………」
「フフ、まさかたった3人で数倍以上の人数差を埋めるなんてさすがは分校長自らが”武”を教えた弟子にして”現代の鉄騎隊”と言うべきでしょうか。」
「うん…………それにブリオニア島で戦った時とは比べ物にならないくらいの気迫を感じたわ…………」
「…………とにかく、疲れました…………」
「ハッ、あの星洸陣とかいう鬱陶しいのがなかったら、もっと早く勝てたんだがな。」
自分達の勝利にユウナは喜び、ミュゼやゲルドはデュバリィ達の強さについての感想を口にし、アルティナは疲れた表情で溜息を吐き、アッシュは勝ち誇った笑みを浮かべた。
「えへへ、ボク達の勝ちだね~!わーい!やったー!!」
「後輩達もいる目の前で子供のようにはしゃぐな、阿呆。みっともないだろうが。」
「フフ…………」
無邪気に喜んでいるミリアムにユーシスは苦笑しながら指摘し、その様子をガイウスは微笑ましそうに見守っていた。
「――――これで貴女達の望み通り、俺達と貴女達の決着はついた。一応念の為に聞いておくが、まだ続けるつもりか?」
「見損なわないでください…………決着がついた以上、そのような無粋な真似はしませんわ。」
「ふふっ、”星洸陣”まで破られてしまった以上、我らも”完敗”を認めるしかあるまい。」
「そうね…………正々堂々互いに全力を出しあった決着だから文句はないわ。」
元の姿に戻って太刀を鞘に収めたリィンの問いかけにデュバリィは静かな表情で答え、自分達の敗北にアイネスとエンネアは清々しい様子で答えた。
「――――とはいっても、今の決着はあくまでⅦ組・特務部隊の混合隊と鉄機隊の決着であって、貴方達との決着はついていませんから、これで勝ったと思わない事ですね―――”灰色の騎士”にNo.Ⅱ!!それとアルゼイドの娘にも、仲間達が私達に勝ったからと言って自分も勝ったと思うのは大間違いであることも伝えておきなさい!」
「やれやれ…………100戦以上も剣を交えていながら、まだ凝りていないのか…………」
「大人げなさすぎです、”神速”の。」
「ハハ…………機会があれば、後日”模擬戦”という形なら喜んで受けさせてもらうよ。」
すぐに気を取り直してリィンとレーヴェを睨んだ後サラ達を睨んで声を上げたデュバリィの主張にリィン達やリウイ達だけでなくエンネアとアイネスも冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中レーヴェとアルティナは呆れた表情で呟き、リィンは苦笑しながら答えた。
その後、リウイ達は天守閣に辿り着いたカーリアン達と合流してフォートガードとオルディスの国境付近に滞空していたパンダグリュエルを呼び寄せて神機を回収した後、プリネ達と共に天守閣へと移動した揚陸艇に自分達に投降した鉄機隊と共に乗り込み、その様子をリィン達が見守っていると最後にリアンヌと共にデュバリィが乗り込もうとしたその時デュバリィは立ち止まった。
「…………?」
「―――その様子ですと、まだ彼らに言いたい事があるのですか、デュバリィ。」
立ち止まったデュバリィの様子をリィンが不思議そうな表情で見つめていると、デュバリィの心情を察したリアンヌがデュバリィに問いかけた。
「はい。―――トールズ本校並びに第Ⅱ分校”Ⅶ組”。貴方達は例え特務部隊―――外国の組織の協力を得たとはいえ、私達―――”槍の聖女”でもあるリアンヌ様直々から薫陶を受けた現代の”鉄騎隊”たる我ら”鉄機隊”の”本気”に勝利したのです。今後も結社を含めた強力な使い手達が貴方達の前を阻む事になるでしょうが…………例え相手がどれだけ強大な存在であっても、負ける事は許しませんわよ!貴方達は結社最強”鋼の聖女”アリアンロード様直属にして、その実力は”執行者”にも劣らない私達”鉄機隊”の”本気”に勝利したのですから、精進していずれ貴方達に再戦を叩き付ける私達に負けるまでは誰にも負けるんじゃありません事よ!」
デュバリィは決意の表情でⅦ組の面々に指を突き付けて激励の言葉を送り
「あんた…………」
「フフ…………」
デュバリィのⅦ組に対する激励にサラは驚き、リアンヌは微笑み
「ああ…………!」
「フン、リベンジはいつでも受けてやろう。」
「次に会った時は貴女が好敵手扱いするのは”アルゼイド”だけでなく、”ヴァンダール”も含まれるように今以上により一層精進させてもらう。」
「ハッ、テメェに言われなくてもオレ達は誰にも負けるつもりなんてさらさらねぇぜ。」
「それじゃあ、いつか会う時まで元気でねー♪」
デュバリィの激励に対してガイウスは力強く頷き、ユーシスは鼻を鳴らして口元に笑みを浮かべ、クルトは真剣な表情でデュバリィに宣言し、アッシュは不敵な笑みを浮かべて答え、ミリアムは無邪気な笑顔を浮かべて手を振り
「―――!フフ、近い内彼女達と邂逅する所が今”視えた”から、”いつか”じゃなくて”その内”だと思うわ。」
「え”。」
「ゲルドさん、予知能力で視えたとはいえ、そういったこの場の空気を壊すような事は今後は黙っておくように気をつけた方がいいですよ。」
「フフ、ゲルドさんは一体私達と彼女達がどのように邂逅する未来を視たのか、個人的には気になりますわね♪」
静かな笑みを浮かべて答えたゲルドの宣言にその場にいる多くの者達が冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中ユウナは思わず声を上げ、アルティナはジト目で指摘し、ミュゼは微笑みながら答えた。そして揚陸艇に乗り込んだリウイ達を見送ったリィン達は協力して戦後処理を始めた。
その後、ウォレス准将の指揮でフォートガード周辺の治安は回復し…………瞬く間に混乱は収束していった。第Ⅱ分校や遊撃士達、ミリアム、ガイウスも手伝い…………ユーシスとアンゼリカはハイアームズ侯やパトリックと協力してこの大騒動の事後処理を行うのだった。
なお、バラッド侯は拘束された状態から救出され…………周囲に当たり散らしていたがもはや相手にする者はいなかった。更には統合地方軍への不当な介入、列車砲や海上要塞を奪われ、クロスベル領であるオルディス地方との国際問題へ発展しかけた失態を追及する声も上がり始めていた。そして、その夜――――――
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第92話