No.978520

裏ビーストテイマー・ナタ57

リュートさん

本編のパラレルワールドをシナリオにしてみました。ストーリー第57話。

登録タグはありません

2018-12-30 06:07:57 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:114   閲覧ユーザー数:114

その頃、ゲイザー邸に住んでいるフラウとロレインは、家事が溜まって困っていました。

 

「アークが居なくなっただけなのに家事をしてくれる人がいなくなったから、こんな大変な事になるなんて…」

 

「私も田舎でゲオルグと住んでた頃はちゃんとしてたんだけど、アークさんがやってくれるから面倒になっちゃったわ…」

 

「料理もアークの方が私より上手いから、やらなくなっちゃったし…」

 

「男が誰も家にいないからだと思うのだけど、最近ジョルジュがよく吠えてるのよー。怖いわぁ」

 

「ジョルジュはいなくならなくて良かったわ。アークの住んでるところではペットは飼えないみたいです」

 

「困ったわねー。そう言えばゲオルグは今頃、どうしてるかしら?ちゃんとご飯、一人で作って食べてるか心配になってきたわ。家事なんか全然、手伝わない人だったし…」

 

「ゲオルグ様はお母様の旦那様でしたっけ?」

 

「ええ、そうよ。ゲオルグと一緒にいると、すぐ喧嘩になるのだけど、ゲイザーが居なくなってから、私をかばう人もいなくなって、毎日イライラしてたのよね…」

 

「お母様はゲオルグ様を愛しておられなかったのですか?」

 

「うーん、愛って言うのかしら?夫は元気で家にいない方がラクよね」

 

「私は夫に家にいて欲しいです」

 

「ふふ、フラウさんはゲイザーとラブラブだったのね。羨ましいわぁ」

 

「ゲオルグ様を迎えに行きませんか?独りぼっちで暮らしてるなら今頃、寂しがっているかもしれませんし…」

 

「あの人がいるとうるさくなるわよ?怒鳴り散らすのが趣味みたいな人だから」

 

「家に男が誰もいないと泥棒が多くなるようですし、ゲオルグ様がいれば、少しはジョルジュも吠えなくなるかもしれませんね…」

 

「そうかしら?ゲオルグの様子を見に行ってみる?あまり気は進まないのだけど…」

 

「行きましょう、お母様。長距離なので馬車を用意させます。遠出は久しぶりです」

 

「そうねー。行きましょうか?」

 

フラウとロレインは馬車に乗って、辺境の地まで旅をする事になりました。

 

…つづく


 

 
 
0
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する