No.977789

裏ビーストテイマー・ナタ16

リュートさん

本編のパラレルワールドをシナリオにしてみました。ストーリー第16話。

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2018-12-24 11:45:02 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:102   閲覧ユーザー数:102

その頃、テオドールは恋人の住む集合住宅にいました。ベッドの中で裸で抱き合っています。

 

「なんだか寒気がした…。ゲイザーが地獄の底から蘇って私を殺しに来る予感がする…」

 

「服を着たら?寒気がするのなら風邪をひいてしまうわ…」

 

「私は親友を手にかけてしまった…。ゲイザーの妻のフラウを見つけ出して、私の貯金を全て差し出しても許してはくれないだろうな」

 

「あなたが本当は優しい人なのは私、よく知ってるの」

 

「私がもし死んでも私の子を産んで育ててくれるか?」

 

「何、馬鹿な事を言ってるの!死なないで一緒に子供を育ててよ?テオ…」

 

「私はもう長く生きられないような気がしているんだ。神が私のした事を見ていたら天罰を下すだろう…」

 

「本当に神様が見ているなら天罰なんて与えないはずよ?だってテオは何も悪くないもの…」

 

「ギルバートの策に嵌められたとは言え、親友を裏切って、その首をはねたのは紛れもない事実だからな」

 

「あのギルバート様って人は嫌いよ?人をまるでゴミのように見下している目だわ」

 

「ゲイザーの妻のフラウに謝りたい…。どこにいるのかさえ私にはわからないのだが…」

 

「フラウさんが見つかったら教えてね?その時は私も一緒に行くわ。テオの無実を証明したいの」

 

「いや、出来れば私の弁護はしないでくれ…」

 

「どうして?話せばきっとわかってくれるはずよ」

 

「更にフラウの心を傷つける事になる…。私を憎む事で心を保っているのならば…」

 

「テオ、あなたって本当に優しい人ね?」

 

「犯罪被害者の気持ちは被害を受けた者にしか理解できないんだ。自分が被害者になった時にやっと理解できるが、それでは遅いんだよ?」

 

「テオなら被害者の気持ちもちゃんと理解出来てると思うのだけど…」

 

「いや、私には理解出来ているとは言えない。泣いて無実を訴える者を何人も処刑しているギルバートを止める事もせず、見ていただけなのだから」

 

…つづく


 

 
 
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