No.966591

真・恋姫ガールズ&パンツァー 第八話

アサシンさん

俺は此処に居る

2018-09-09 06:59:20 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:1432   閲覧ユーザー数:1372

 

 

大洗学園艦、自動車部にて

 

 

ボコゥ「マジでコレ乗りこなせるのは自動車部だけですね」

ナカジマ「まぁ手の掛かる子だけど可愛いモノだよ」

ボコゥ「アレを可愛いで済ませるアナタ方はハイスペック過ぎるっと伯爵の方はどうですか?」

ナカジマ「伯爵くんなら、今ツチヤが試運転しているよ」

ボコゥ「そうですか、では後でまた来ます、ソレとコレ、休憩時にでもどうぞ」

ナカジマ「おっ、悪いねぇ」

ボコゥ「いえいえ、ウチのバラバラな戦車達の整備に加え伯爵の改装と普通なら無茶な事お願いしていますから、それでは」

 

 

火炎放射戦車に急遽改造して貰った伯爵をまた対戦車用に改造し直して貰っていた、それも決勝戦で自分がやるべき事を成せる様に大会規定内で済む改造も施して貰った。現状は先輩が試運転をしてくれている様なのでまた後で来ようと思う、いつもお世話に成っているので細やかな御礼の品を置いて自動車部を後にした

 

 

ボコゥ「そちらの調子はどうですか?」

ねこにゃー「むふふ、前は貧弱・・・だったけど今はこの通り」

ももがー「砲弾だって片手」

ぴよたん「軽々だっちゃ」

ボコゥ「・・・・・随分と逞しく成られましたね」

ももがー「レバーも簡単に動かせる様になったナリ♪」

ねこにゃー「僕とぴよたん氏にかかれば」

ぴよたん「三秒で装填可能ぴよ」

ボコゥ「・・・気力が充ちている様で何よりです」

 

 

自宅近くの練習場で自分が普段使っているトレーニングエリアを利用していたネトゲ三銃士、三式中戦車チヌに乗るアリクイチームの御三方の様子を見に来たのだが・・・・・トップランカーのネトゲ廃人がリアル戦車に乗れるようになっていました、ナニこのハイブリット?大洗って色んな方面で技能が突出している人多くない?戦車道復活しなくてもコッチ方面で頑張れば普通に廃校撤廃出来たんじゃ?

 

 

ボコゥ「明日は御三方の初陣、それも決勝戦ですが練習を視ましたが十分過ぎる位の練度です、みほ隊長も褒めていましたよ、初めて動かした時とはまるで別人みたいだって」

 

 

アリクイチームのテンションとやる気を天元突破させた所で自宅へと戻ると電話が来た

 

 

ボコゥ「はい、お久しぶりです義御母様・・・え?頭文字を取れってせめて18歳に成るまで待って下さいな・・・はい、はいそうです。準備はほぼ終えています、勿論ですリアスとアナタの前で無様な戦いは見せません。ええ解かっています、勝つにしろ負けるにしろ決勝が終ればアノお話をお受けします・・・そりゃそうですよ、軽く調べましたが文科省の七三共が相手です、口約束ってだけで確約では無いと言っても不思議じゃありません。その件でリアスが拗ねていると?解かりましたボコミュージアムの新作ボコ料理を用意して貰います・・・ええ、どっち道この大会が終われば自分はアチラに就職する為に今の職を辞する予定でした、義御母様と理事に無理言って未成年だったのに働かせていただいた恩もありますしガッツリ投資と意見は出させてもらいますが・・・・・ええ、連中世界大会に御執心ですからね、最悪世界大会規定の殲滅戦を要求して来るかと・・・はい、今回に限っては自分はどちらも選べません、決勝戦では・・・・・・そうです。そもそも男である自分が出場しているだけでも結構話題に成っていると聞きます、後々それを理由に難癖を付けられない様にする為です。角谷杏生徒会長には決勝戦までの事については話しています・・・ええ、どちらの家名を名乗るにしろご迷惑をおかけします・・・いや孫達を抱かせれば帳消しって気が早すぎます、自分達の年齢お忘れでは?・・・はい、少々無茶をさせていただきます・・・勿論です。ですがコレは自分の、俺と西住流との最初で最後の戦争と想って挑ませていただきます・・・はい。極力怪我をしない様にしますが・・・・・ええ、気絶した時は酒の肴にでも・・・・え”?リアスと御揃いに?それだけはご勘弁を!?」

 

 

決勝戦を前に義理の母に成る人から激励の電話を頂いた、今後の事についても幾つか話して最後の最後で彼女を心配させ泣かせたら一ヶ月間婚約者と御揃いの格好にすると言われた・・・・・下着は勘弁してつかぁさいっ!!!

 

 

時は進み夕刻

 

 

ボコゥ「出来たぞ~」

みほ「は~い♪」

 

 

みーちゃんが泊まりに来た、明日の備えてカツカレーを作ってみた。あんこうチームとは昼に縁起を担いで置いた様だが食べられるのか心配である

結構な量を作ったのだがお互いに三杯もお代わりしてしまった、この前のプラウダ戦で余ったマテ茶を飲む・・・・うん、美味い

ちなみにカレーは市販品だ、ボンカレー?試合当日に全部消費された、ついでにアンツォへ彼方此方から注文が今なお現在進行形で殺到しているそうで、決勝戦に備えての御願いの電話を入れたら嬉しい悲鳴と共に逆切れと御礼が混ざった了承を得た

 

 

ボコゥ「いよいよ明日だな」

みほ「うん、でも本当に大丈夫なの?」

ボコゥ「問題無い、伯爵は小さいからな、上手く突っ込めば射線に入らないし同士射ちを誘える、スモークも駆使するから機銃は恐いが主砲は撃たれないだろう、視界が悪い中の銃撃戦なら車長たちが身を乗り出す事も無いかr」

みほ「それじゃないよ、コウちゃん」

ボコゥ「・・・・・はぁ、アンツォに頼んだ仕込みと情報通りなら勝てる。最悪動きを止めている時にみーちゃん達でスリットを撃ち抜けば撃破可能だ」

みほ「そうじゃないっ!・・・そうじゃないよコウちゃん」

ボコゥ「そっちについても大会運営委員会に確認と許可を貰っているし、自動車部の人達の整備は完璧だ。少し前に試験してみたが気絶しなかったぞ」

みほ「・・・怪我しちゃやだよ?」

ボコゥ「その為に準備を整えた、大丈夫だ、俺が本当に無茶をするのは今回一度だけ、それを可能な限り安全に行い勝つ為の下準備みたいなモノだ、最大の障害の一つは俺が如何にかするから・・・・・勝って、みーちゃん」

みほ「もうっ!コウちゃんの頑固者!何時から自分の事俺なんて言う様になったのかな?」

ボコゥ「家出して働き始めてから」

みほ「むぅ~、あっ御風呂湧いたね。心配させる罰の前払いとして背中を流して貰いますっ」

ボコゥ「わかったよ、みーちゃん」

 

 

風呂上りに腰に手を当て自分はコーヒー牛乳を、みほはフルーツ牛乳をキュー♪っと一杯貰い

映画を見て作戦を立案した梓たちと電話越しに良い点悪い点の洗い出しと明日それが生かされる場面を想定したりした後。みほの髪を拭き終わった所に大洗の全チームが我が家へ突撃訪問して来た、それも徹夜で作業をすると思われた自動車部やネトゲの大会に集中すると言っていたアリクイチームも含めて

どうやら電話越しにみほと一緒に居る事がバレてそれを聞いた杏会長が皆をそそのかして来たらしい

寝袋や布団、優花里殿なんて大人数用のテントや飯盒やらを、いろいろ持って来てバレー部を筆頭にバレーの練習をしたり、ガレージに戦車を集めて整備(改造?)し始めたり、ウサギとカバが共に明日に向けて各車を生かした戦術を練ったり、ネトゲで三式中戦車チヌ無双したり、沙織がみほに自分達の関係をグイグイと聞いて来てそれに反応した周りで恋バナが発生したり、風紀委員筆頭に正座で説教されたりその光景を肴に杏会長が干芋食ってたりと賑やかな夜と成った

 

なお、自宅で一人眠っていたのに目が覚めるとみーちゃんが抱き着いていました。沙織と園みどり子風紀委員長の二人に自分達二人は超説教されました、自分達の関係?決勝戦まで死守しました

 

 

 

 

 

 

 

 

第63回戦車道全国高校生大会決勝戦当日

 

決戦の地、富士演習場についに自分達は辿り着いた。皆準決勝での気の緩みが嘘の様にテレビカメラや観客には目もくれず最後の点検を行っていた、自分は早期に点検を済ませみほに呼ばれて来て見ると

 

 

ダージリン「ごきげんようボコゥさん」

オレンジペコ「ごきげんようボコゥさん」

ボコゥ「ごきげんようダージリンさん、ペコさん」

ダージリン「皆さんが此処まで来れるとは思ってもみませんでしたわって話しをしていた所ですの」

ボコゥ「自分もだ、優勝するつもりではあったが戦車も乗員も素人集団が此処まで成長するとは・・・初の練習試合の時が悪夢の様だ」

ペコ「あははは、確かにアレは単なる夢の一言では無かったですね」

ダージリン「うふふ、そうね。あの後ボコゥさんがこちら側に着いてからみほさん以外には一両たりとも撃破されませんでした、ですがそれでも、アンツォにサンダース、ついにはプラウダを倒し決勝で黒森峰と雌雄を決する事に成るとは夢にも思いませんでしたわ。今度は何を見せて下さるのかしら?」

みほ「えっと、多分ハラハラさせちゃうかもです」

ダージリン「まぁ、それは楽しみですわ」

 

??「ミホ~!ボコゥー!」

 

ボコゥ「この声は、ケイさん」

 

 

ジープに乗ってケイさん達サンダース隊長副隊長の三人がやって来た

 

 

ケイ「またロックなバトルを期待しているわ♪二人ともファイト!」

みほ「はいっ」

ボコゥ「イエス・マム」

ケイ「グッドラック」

 

 

そして来た時の様に颯爽と帰って行った、其処へ更に小さな隊長を肩車した副隊長もやって来た

 

 

カチューシャ「ミホーシャ、ボコーシャ」

ボコゥ「おやカチューシャ先輩にノンナさん」

カチューシャ「先輩・・・えへへ♪っと。このカチューシャ様が見に来てあげたわ。私達に勝ったんだから黒森峰なんかに負けるんじゃないわよ!」

みほ「もちろん私達が勝ちます」

ボコゥ「はい、先輩!」

カチューシャ「あはは♪見ていてあげるわ、じゃぁね」

ノンナ「『カチューシャ様の御期待に添えなければ、どうなるか・・・・・解かりますね?』」

ボコゥ「ウラーーー!!!」踵を鳴らし敬△礼!

 

 

彼女達の背中が見えなくなるまで直立不動でいるとクスクスと笑いを堪えた声が聞こえて来た

 

 

ダージリン「クスクス♪ごめんなさい、あまりに仲がいい光景に・・・フフフ♪」

ボコゥ「・・・・・・・ポピュ~」

ペコ「あはは、御疲れ様ですボコゥさん」

みほ「二人と仲良しだね」

ダージリン「うふふふ・・・ふぅ。貴方達にイギリスの諺を伝えようと思ったのだけれど必要なさそうね。貴方達の戦い、しっかり見ているわ」

ペコ「皆さん、御武運を」

 

 

そうしてダージリンさん達も帰って行った、その数分後試合前の挨拶をするために隊長のみほと副隊長の自分が・・・いや、俺は審判員達が居る両陣営の丁度中央へ向かった

そう言えばドゥーチェ達は来なかったが、昨日からこの場所での頼み事をやってくれて疲れたのだろう、多分何処かで寝ている

 

 

蝶野「両チーム、隊長・副隊長、前へ!」

 

 

互いの隊長の位置に居るのは西住まほとみほ、そして副隊長の位置には逸見エリカと自分

以前の様に何か言って来るかと思ったが何も言って来ない、と言うより隊長の西住まほをチラチラと窺っている、どうかしたのだろうか?

 

蝶野「それではこれより戦車道全国高校生大会。決勝戦を開始します、一同!礼!」

両陣営『『『『『よろしくお願いします』』』』』

 

 

挨拶を終え両者各陣営へと戻ろうとした所で

 

まほ「・・・・・・」

ボコゥ「えっと」

逸見「隊長!?」

 

??「みほさんっ!」

みほ「え?あっ。赤星さん」

 

 

みほは黒森峰の隊員の一人に、自分は西住まほ隊長に袖を掴まれ呼び止められた。みほの方は恐らく去年の決勝戦で助けた子だろうから問題無い・・・が自分の方は

 

 

ボコゥ「あの、どうかしましたか?」

まほ「・・・・・・」

 

 

不安で泣き出しそうな顔で西住まほが無言で自分を見つめて

 

 

まほ「・・・こう」

ボコゥ「・・・何時だ?」

まほ「プラウダ」

ボコゥ「どうして?」

まほ「みほ」

ボコゥ「そうか」

まほ「そう」

ボコゥ「・・・・・あの人は」

まほ「・・・・・多分知らない」

ボコゥ「・・・そうか」

まほ「・・・戦う?」

ボコゥ「ああ」

まほ「どうしても」

ボコゥ「その為に俺は此処に居る」

まほ「・・・・・解かった」

 

 

袖から手を離してくれた所でみほの方の話も丁度終わったようで自分はみほと合流し大洗陣営へ戻って行く、チラリと後ろを見ると。最近知った今の西住まほの何時もの表情に戻り先ほどからオロオロしてた逸見を従えて黒森峰陣営へと戻って行った、なお。何時もの隊長の姿に安堵したのか逸見は落ち着き喜んで彼女の後ろを付いて行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボコゥ「『さて、今回の相手はとにかく堅い、火力が高いドイツのアニマルシリーズが勢ぞろいしている、連中は西住流に則った戦術を可能にする為の重装甲高火力が故に足回りに爆弾を抱えている、自分とカメのヘッツァーで転輪・履帯を破壊ないしダメージを蓄積させ、みほ達は最初の陣地構築ポイントへ向かう道中含め、徹頭徹尾彼方此方へ移動しまくって黒森峰の戦車を休ませず動き続けろ』」

みほ「『山に着いたら車体下部を土で隠して上方からの砲撃で可能な限り敵車両の撃破を目指します。相手は私達との間にある森を突っ切って来れる練度があります、不意の砲撃を避ける為。煙幕で砲撃を封じてください、陣地を構築し相手に無駄玉を撃たせ』」

ボコゥ「『自分とヘッツァーが暴れた後にレオポンのポルシェティーガーを先頭に敵陣を突破、道中にある石橋を破壊し更に相手の脚を使わせ疲労を蓄積させる、次に小川を渡って市街地へ入り込む、そこで黒森峰の、と言うか戦車道で認可されている車両でコレ反則じゃね?な戦車が十中八九待ち構えている・・・が。それは自分が何とかするから心配するな。その後はとにかくみほ隊長と黒森峰の隊長との一騎討ちに持ち込ませ、決着がつくまで相手の車両を絶対にみほの所へは行かせるな。特にティーガーⅡ、キングティーガーとも呼ばれるティーガーⅠ以上にヤバい車両に乗っている副隊長はかなりの無茶をしてでも西住まほの所へ行こうとする、レオポンとアリクイは最後の砦だ。少しばかり無茶して貰いがよろしく頼む』」

 

ナカジマ「『いや~大役を任されちゃった、ん~なら瓦礫で埋めちゃうのも手だね?』」

ねこにゃー「『ま、まかせて。最悪障害物に成ってでも止めるにゃ~』」

 

ボコゥ「『自分が頼んでおいてあれだが初参加なのに中々過激だな、おい』」

 

ナカジマ「『はっはっは、レオポンは身体を良く壊すけど、弱い子じゃないよ』」

ねこにゃー「『倒したり倒された車両を利用するのは常識だよ』」

 

ボコゥ「『本当に大洗って戦車道復活させなくてもこの人達みたいなの集めればどうにかなったんじゃないか?』」

みほ「『あはは、でもその御蔭で皆に会えてここまで来れたよ?』」

ボコゥ「『・・・・・確かにな。では行こうか皆?いざ、パンツァー・・・・・!』」

 

大洗戦車道チーム『『『『『フォー!』』』』』

 

 

 

 

 

 

 

 

杏「『いやぁ~皆派手に撃ち合ってるねぇ~』」

ボコゥ「『これが乙女の嗜みとかマジで笑えん』」

 

 

いや本当に笑えない、飛び交う砲弾。巻き上がる土砂、その只中を進み沈む鉄塊・・・・・乙女って大和撫子とは何なんだ?

今の所高所を取っているこちらが優勢で黒森峰はガンガン砲弾をぶっ放しているが、こちらは損害無し。当たっても角度を付けて上手い具合に弾いている、逆にこちらは何両か撃破出来ている。そろそろか

 

ボコゥ「『行きますよ杏会長』」

杏「『お~!突撃ぃ~♪』」

 

 

自分が先行して敵陣後方から懐へ突っ込み、試合後に伝授して貰ったアンツォ式ナポリターンを習得した自分は伯爵を独楽の様にクルクルと回り至近距離でドイツのアニマルシリーズの脚目掛けゾロターンの咆哮を上げ続けた

まさか戦車道で認可されている車両の中でも、特に黒森峰みたいな西住流至上の生徒にとっては豆タンクが突っ込んで来たのには驚いてくれたようだ、破壊出来ないまでも履帯と転輪にダメージを蓄積させる事は出来る、故にニ十発入りマガジンを幾つも消費して止まる事無く一人と一両でドイツの名車たちの真っただ中で踊り歌う

同士討ちを考慮して機銃を斉射するも俯角足りないでや~んの!プークスクス♪愉快!実に愉快である!

ほぼゼロ距離で自分が回ってぶっ放してをしている間に38tから義援金で改造されタンクデストロイヤーの異名を持つ駆逐戦車へと生まれ変わったヘッツァーの砲弾が自分が相手している車両とは別の足回りが無傷の車両の脚をブッ飛ばす

しばらくそれを続けていると

 

 

ボコゥ「『杏会長、レオポン達が下山するようです』」

杏「『よぉ~しっ、てっしゅ~♪』」

 

 

砲弾を十分に吐かせたと判断したみほ達が昇りの時は引っ張られていたレオポンが先頭と成り、道中に在る敵車両を体当たりで弾いて斜面を加速して降りて行くのを確認した自分達も撤収を開始した

そして市街地へと向かう道中にて、某風の谷が如くレオポンが石橋を壊した。自動車部マジでパネェ!

小川を渡る時にちょっとしたトラブルが起きて時間稼ぎに黒森峰本隊を背後から強襲したが、流石はまほ、直ぐに冷静に対処されて三両しか履帯や転輪を破壊出来なかった、自分は一瞬だけ逸見とまほの間を駆け抜ける時に足回りに二・三発ぶち込むのが限界だった。これ近づくのもそうだけど離れる時が一番ヤバい、それにティーガーⅠとⅡの車体で挟み撃ちどころか体当たりでも普通に撃破される

その間にトラブルは解消された様で別ルートで杏会長と一緒にみほ達の元へ合流し・・・・・そして。俺の得物が待っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

市街地にて、大洗女子学園チームは。盛大に逃げ回っていた

 

 

みどり子「『ちょっと何よアレ!?あんなデカイ図体で何がマウスよ!!』」

 

 

御尤もである

黒森峰の数少ない斥候である三号戦車J型を見つけ本隊と今現在相対しているマウスと接敵する前に撃破したかったので追いかけるも逆にマウスの元へ誘導された、だが砲身を狙いつつ逃げている間、調子に乗って車体を晒したところを撃破したが

戦車道連盟認可のドイツアニマルシリーズ最強。重戦車を越えた重戦車。超重戦車マウス。自重188t。砲塔部だけでも55 tを誇り装甲も堅い上に、重戦車であっても真正面から撃って撃破出来るほどのバ火力の主砲を持つ、戦艦と殴り合いでもする気かとコレを作らせたチョビ髭や作った連中に聞いてみたいものだと、アンツォの御蔭でここまで伯爵と共に登った建物の屋上から眺めて思う

 

 

ボコゥ「『砲塔が回らない戦車は砲撃せずに逃げて待ち伏せポイントにて待機、他は砲身を狙いつつコッチに誘き寄せてくれ』」

杏「『や~ら~れ~た~!』」

柚子「『やられてませんっ!』」

桃「『近くに着弾しただけです!』」

ボコゥ「『余裕あるなオイ』」

梓「『こっちは余裕なんてないよ!?』」

典子「『あのサーブを貰ったら一発で退場だよ!絶対に受けないで!』」

バレー部『『『ハイっ!』』』

沙織「『何コレ普通じゃない、こんなの戦車が乗っかりそうな戦車だよ!?』」

ボコゥ「『実際に砲塔を真横に向ければ八九式くらいの大きさの戦車なら乗れるぞ』」

みどり子「『そんなの反則よ!校則違反よ!』」

華「『どちらかと言うとルール違反では?』」

優花里「『あははは、初めて見ましたがこんな物まで連盟に認可されていると思うと、マニアにとっては最高ですが、こうして相手する側に回ると笑えませんね』」

みほ「『コウちゃん!今ルート入ったよ!目標の予定地点到着まで約三百秒!』」

ボコゥ「『了解した』・・・・・・ふぅ」

 

 

準備は入念に何重にも整え備えた。後は仲間を信じるだけだ

伯爵の天盤に腰掛け青い空を見上げる、練習試合の後ダージリンさんに貰った最後の茶葉で淹れた紅茶を飲んだ

 

 

ボコゥ「・・・・・長かったって言えるのかな?」

 

 

男は戦車に乗れない、みーちゃんとまーちゃんに乗せてもらい教えてもらっても、あの人が戦車を駆ける姿にどんなに憧れても手に入らないと憧れの人に否定された、その日以来戦車に乗るどころか見る事すら禁じられた俺は家を出て。児玉さんの所を頼って、自分を雇ってくれたボコミュージアムを立て直そうと奔走して。リアスと出会ってその縁で義母様とも会い、男でも戦車に乗れるようにしてくれた、その上俺には勿体ないくらい可愛いく愛らしい許嫁が出来て、切羽詰っていた杏会長にスカウトされて。そして今

 

 

ボコゥ「俺は、此処に居るよ母さん」

 

 

俺は試合を中継している上空の審判員が乗っている航空機を久方ぶりに外した仮面を片手に伯爵の上から眺めた

島田流は変幻自在の忍者戦法を

西住流は統制された一糸乱れぬ陣形から成される圧倒的な火力を用いた電撃戦

 

 

ボコゥ?「撃てば必中 守りは堅く 動く姿に乱れ無し。鉄の掟にして鋼の心を持ち勝利を尊ぶ、それが西住流」

 

ならば俺は

 

ボコゥ?「穿つは己 護るは戦友 進む姿に迷い無し。砕けぬ心に枯れぬ憧憬を懐く。求めるは幼き頃に胸に湧いた夢、だからこそ俺は此処まで来れた」

 

故に俺は

 

 

 

観客席

 

サンダース

ケイ「・・・ワァ~オ」

ナオミ「へぇ」

アリサ「は、はぁ?!」

 

聖グロリアーナ

ダージリン「おやりになりますわね」

オレンジペコ「まぁっ!」

 

アンツォ

ドゥーチェ「ふぇっ?・・・・・えええええええ!?」

カルパッチョ「あらら」

ぺパロニ「兄さん別嬪さんっすね」

 

プラウダ

カチューシャ「ボコーシャがミホーシャに?まほ?えっ?えっ!?」

ノンナ『ほほぅ、コレはイイですね、ああ、混乱しているカチューシャ様萌えです』パシャ♪パシャ♪

 

そして一人の母親と二人の母娘

 

しほ「・・・・・・・・」

愛里寿「見て見てお母さま!ボコゥだよ♪」

千代「あらあら愛里寿ったら」

しほ「・・・・・・・・」

千代「あら?しほたん?」

しほ「・・・知っていたの?ちよたん?」

千代「勿論よ?この娘が懐いた唯一の異性、調べない訳無いじゃない」

しほ「・・・・・その娘の婚約者にしたのは?それに軽く調べたら婚約者の名字を、島田の性を名乗る事を許したって」

千代「勿論よ、調べてみたけれど悪い子じゃないし。あそこに至るまで諦めなかった貴女の息子だからこそこの娘に相応しいわ」

しほ「・・・・・・暫く経てば戻って来ると思ったら何年も音信不通、夫が探しても見つからなかったと嘘を着いていたから搾っても口を割らなかったのは」

千代「それは児玉理事ね。私が見つけたのは五年前」

しほ「・・・そう」

千代「それで、どうするの?」

しほ「どう・・・とはどういう意味かしら?」

千代「この試合の後よ、あの子。勝つ心算よ」

しほ「確かに決勝まで上がって来れる実力は十分に備えていたわ、でもそんな事知っt」

千代「黒森峰にじゃなくて貴女と西住流によ。あの子は今大洗を追い駆けている車両をあの小さな戦車で倒す事で貴女達に勝とうとしている」

しほ「そんな事、不可能よ、一番薄い装甲。それこそ照準器や砲身内部に撃ったところで小さな支障は出るだろうけれど撃破なんて不可能よ」

千代「そうね、あの子も最初は自分が障害物と成ってアレの脚を止めた後に他の子に撃たせる作戦を考えていたわ、それが自分が出来うる限りでアレに勝てる一番の手段だからって」

しほ「だったら、何故あんな場所に?」

千代「西住流に認められる為には、言い訳も戯言も挟む余地が無い戦いで勝利するしか無い、昔私が聞いた時にそう言っていたわ」

しほ「・・・確かに塵芥共を黙らせるにはもっとも有効な一手ね」

千代「でしょう♪」

愛里寿「お母さま!お母さま!ボコゥが動くよ!」

千代「うふふ、はいはい」

しほ「・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

みほ「『コウちゃん!マウスの足止め出来たよ!今ウサギさんとアヒルさん、カモさんが砲塔を回させて粘っているよ!』」

ボコゥ?「『委細承知、四十秒で終わらせる』」

 

 

俺は伯爵を目覚めさせ僅かに傾いている建物からマウスの居る急な斜面に成っている所へ乗りだし、アンツォに用意して貰った規定範囲内の機材で組んだウィンチとワイヤーで固定された伯爵はそのまま落下せず殆ど真下に向いて履帯が建物の壁面に着いた状態となった、正面には砲塔に隠れていた車体のスリットがむき出しで動かないマウス

もし俺の我儘で今やろうとしている事以外の手段に俺か杏会長でマウスの下に突っ込み身動きを封じ、挑発し砲塔を今の様に真横に剥いた所へアヒルチームが乗っかり砲塔を固定、根性で粘っている間に斜面等で少し高さを稼いだあんこう辺りが後ろのスリットに砲弾を撃ち込んで撃破するだろう、だが俺と伯爵では例えゼロ距離射撃でもギリギリスリットを破壊出来る程度だろう・・・・・だからこそこの状況を作ったのだ

下の成った正面に片足を掛け、前と成った上の天盤を開けて顔を出し、伯爵をトップギアの状態にし止めていたウィンチの固定を外した

 

 

ボコゥ?「逆落とし!」

 

 

伯爵が壁面を疾走する、伯爵の駆ける速度と俺と伯爵の重量、そして重力(引力?)を利用して通常では不可能な速度へ達すると共にウィンチを分離して僅かに引っ張られて出来てた抵抗も取り払った。故に僅かながら更に伯爵は加速した所でゾロターン S-18/1100対戦車ライフルが20×138mmベルテッド弾を咆哮と共に吐き出した

俺が逆落としを慣行しようとした所で攻撃が止んだ事に不審に思ったのか車長が外を確認し、伯爵の咆哮に気が付きバッ!と身体を車内に戻し俺達がいる頭上を見上げて目を見開いて唇を震わせた

 

 

マウス車長「てっ敵車両!直上ぉおおおおおおおお!!?」

ボコゥ?「もう遅い」

 

 

マウスは足止めと砲塔を真横に向ける事には成功したが建物に密着している訳では無い、故にワザと履帯の片方を窓枠と思われる場所に引っ掛けゆるくドリルの様に車体を回転しつつ、マウス砲塔前部に隠れていたスリットの元へ、容量1,600リットルの燃料タンクに水冷V型12気筒 MB509エンジンに4機の空冷式冷却器等が集まっているヵ所へと伯爵の槍が真っ直ぐに突き進み

 

 

ボコゥ?「がぁっ!?ぐぅ・・・るるぅぉおおおおおおおお!!!」

 

 

砲塔が貫通し車体が激突した衝撃で安全装置として用意した耐衝撃吸収材やエアパックが正常に動作機能するも衝撃が身体の中を暴れ回り意識を失い駆けるがまだだ、まだお互いの撃破判定が出ていない、故に。落下時に撃ち出し空になった弾倉を取り外し最大弾数を込められるニ十発入りマガジンを殴りつける様に装填し、ゼロ距離どこかマイナスに突っ込み内部に直接咆哮を全部ぶち込んだ

衝突時に車内へ引っ込んだ故に天盤がある位置にはマウス砲塔側面しか見えず、下に成った正面も完全にマウスの装甲にぶつかり歪んだ状態で見えない、だが撃破判定を受けない限りエンジンは止まらない、引き金を引ける!砲撃は止まない!通信機もこの時に備えて壊れない様対策して置いた、今もみーちゃん達の声が聞こえる、故に引き金を引き続け。ニ十発全弾が咆哮と共に吐き出され切った時、一瞬だけ見えた鮮烈な赤と逆落としの時とは少し違う浮遊感を見て感じた瞬間。意識を失う直前に通信機から聞こえた

 

 

蝶野『黒森峰女学園マウス!大洗女子学園L3cc!走行不能!』

 

 

俺が知る限り最も弱い戦車が、俺の知る限り最も強い戦車を撃破した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蝶野『黒森峰女学院フラッグ車、走行不能・・・・・大洗女子学園の勝利!』

ボコゥ?「んぁ?、ぐぅっ・・・ぁあ~勝てたか、と言うか殆ど真っ暗だな。時間は・・・そんなに経って無いっと!」

 

 

蝶野さんの声で目が覚めた、どうやら姉妹対決は妹の勝利の様だ。練習試合以来至近距離で撃たれても弾けるように角度付ける練習してたからなぁ、なんて思いつつ現状を把握した。車体が盛大に歪んでいる、天盤もその歪みで噛み合っていて開かない、当たり前だが車体前部ののぞき窓とかも逆落としと衝突時に備えた安全装置が被さってて見えないから。ウィンチ操作用のボタンとは別のプラスチックで蓋がされている取っ手を思いっきり引っ張り

 

 

バパパパパパパッ!

ボコゥ?「フンヌラバッ」ゲシッ!

 

 

天盤辺りに蹴り込んだ、すると重量以外の抵抗を受けずに天盤が開き、それにつられて周りの装甲版が崩れ落ちた。歪んで出られなくなった時に備えて用意して置いたパージ機能だ、改良前のカーデン・ロイド伯爵より見晴らしが良くなった

周囲を見回してみると、消火作業を終えた所と思われる黒森峰の生徒達がこちらを見て身構えた状態で驚いた表情で固まっている、とりあえずは

 

 

ボコゥ?「あぁ~すまん、ソッチ怪我とかしてないか?」

女生徒「あっ、はい、大丈夫・・・です///」

ボコゥ?「それは良かった」

女生徒「あの・・・お名前を教えてくれませんか///?」

 

 

あ~うん、黒森峰の人達からすれば俺の顔って二重三重の意味で気に成るか

 

 

鋼「初めまして、大洗女子学園共学化試験生徒一年普通科兼戦車道副隊長を務めています。西住鋼、ウチとそちらの隊長の弟です」

 

 

ポク・・・ポク・・・ポク・・・チ~ン♪

皆さん御一緒に、さんっはい!

 

 

女生徒達『『『『『え?・・・・・ぇえええええええええええええええええええ!!!?』』』』』

 

 

うん、今の職場から宣伝して来るよう言われたのと島田の姓を名乗るトラブルを避ける為で名前と素顔を隠して理由の一つではあるんだがそれ以上に母さんたちに憧れてて、顔と髪の色がみほ姐さんとまほ姐さんの二人を掛算して母さんで割った男バージョンの容姿なのだ、何年も会っていないと言ってもこの顔と髪で一発でバレる。しかも俺、母さんを真似て長髪にしているから男の服を着ていても完全に女にしか見えないのだ・・・って

 

 

鋼「あちゃぁ、解けている」

 

 

三つ編みにしても腰を越える長さのそれが髪留めが外れて広がっている

 

 

鋼「はぁ、後でリアスに謝らないと」

 

 

アレはリアスこと、愛里寿がボコミュージアム商品開発部と共同で作ってくれた俺への高校入学&戦車道試合出場決定祝いにもらった物なのに、それも以前使っていた髪留めと違って結構頑丈に作られていたのに何処に逝ってしまったのやらっと考えつつ前に垂れて来た髪を弄っていると

 

 

女生徒A「あのぉ、私の髪留めよかったら使ってください///」

女生徒B「ああっ!車長ズルい!」

女生徒C「あのあの!私のも良ければどうぞ!」

女生徒D「くっ、もっと伸ばしておけば・・・!」

 

鋼「それじゃぁお願いします」

 

 

っと逆落としをした際にビックリしていた車長の娘に義母様に頂いた櫛を渡し後ろを向く

何故か後ろから一斉に喉を鳴らす音と妙な緊張感?を感じつつも伯爵に腰掛けて待つ

 

 

マウス車長「そ、それじゃぁ始めますね」

鋼「はい、よろしくお願いします」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皆と合流後みほと俺は仲間達に、黒森峰の逸見エリカとみほが助けた乗員の車長を務めていた赤星小梅さん達に質問攻めに逢った、杏会長と二人で説明した後にやっと表彰式に出られた

みほが旗を受け取り、バランスを崩すので後ろから抱きしめたりとプチハプニングを終えたら

 

 

杏「それじゃぁ皆の健闘と大洗廃校撤廃を祝して。かんぱ~い♪」

 

『『『『『『『『『『かんぱ~いっ♪』』』』』』』』』』

 

 

祝杯を挙げた

最早お祭り騒ぎだった、特に俺の出自や容姿や髪やら。この場を設けた島田・西住両当主と婚約者がサプライズでやって来て手が付けられない状況に陥った、例えばって?例えば

 

 

何故か胸を張って自慢げに膝上に座り俺に身体を預けているリアス

それをどかして左右から腰と肩を抱いて甘えたり頭を撫でて来るみーちゃんとまーちゃん

更に二人を引き剥がして小柄な俺を片膝づつに座らせ両腕を胸に抱きこんで腰にまで腕を回して頭上でアルコールを摂取していないのに俺を自分の家の子だと主張して取り合いを始めた。しほ母さんと千代お母様

 

 

それらを見てはしゃぐ男っ気の無い思春期真っ盛りの女子高生達

俺の髪を結ったと誇る女生徒へ感想をせがむ女生徒達

怒りと嫉妬と良く分からん感情で俺を睨む逸見さん達まーちゃん大好きっ子と何故か狂喜乱舞している優花里殿達一部の方々

不純異性交遊と取り締まりに来るみどり子先輩たち

色々と試合前に準備してくれた。美味い飯を作ってくれるアンツォとお祭り大好きサンダース

肩車をせがむカチューシャ先輩と何故か写真を撮りまくるノンアさん

周りに初の練習試合の時の事と格言をずっと離し続けるダージリンさんと話しを聞きこむ人達に紅茶を配るペコさん

そして最後に、俺に妙な視線を向けて来る蝶野亜美さんを筆頭とした極一部の人達。どうしたんだろう?

大洗で慣れたつもりだったけど・・・・・・男一人は辛いっ。母さんや姉さん達に似ているのは嬉しいのだが。見ず知らずの人達に愛でられたりするのは男子としては本当に辛いモノがある

 

 

一晩中騒ぎ続けた俺達は、翌朝。多くの人達の見送りと出迎えを受け、優勝旗を携えたⅣ号を筆頭に俺も大変見晴らしが良くなった伯爵と共に大洗町に凱旋し学園艦へ帰って来た

 

 

 

 

 

 

いざ、パンツァー・フォー!

 


 
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