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PokemonSM CosmosEpic 06:大試練・しまキングのハラ!

フウイさん

いよいよ最初の大試練です。

2018-08-07 11:11:14 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:480   閲覧ユーザー数:480

 

 

最初の試練達成から3日後、ヨウカは大試練に挑むべくリリィタウンを訪れてた。

大試練に挑むことになってからの3日の間、ヨウカは手持ちの2匹を鍛えていた。

絶対に勝ちたいという気持ちが、彼女を努力させた。

 

「ふむ、ついにここまできましたか」

「はい、ここまできました!

もう準備はばっちりです!」

 

彼女の前にはハラがおり、傍らにはその孫のハウの姿があった。

さらに近くにはククイ博士とリーリエ、そしてコスモッグの姿もあり、これだけの人に自分のバトルを見せるのかとヨウカは一瞬戸惑うが、目の前の目的を思い出してハラと再び向かい合う。

 

「ヨウカー、じーちゃーん!

どっちも頑張れー!」

「私も・・・ポケモンさんが傷つく勝負はあまり好きじゃないですが・・・応援していますね!」

「ぴゅい!」

「ねっぷうを巻き起こす勢いの勝負、頼んだぜ!」

「・・・うん!」

 

周囲の激励を受けてヨウカは笑う。

 

「ではバトルの場である、広場に向かいましょう」

「はい!」

 

ハラに案内された先には、相撲の土壌を模したバトルフィールドだった。

まずはハラが指定の位置にたち、続けてヨウカがその反対の位置にたつ。

二人が所定の位置に立ったのを確認した審判はその中央にたち、試合開始の合図を告げる。

 

「これより、大試練を行う!

かたやしまキングのハラ、こなた島巡りのヨウカ!

使用ポケモンは2体、どちらかのポケモンが2体とも戦闘不能になった時点で試合終了!

両者、準備はよいか!」

「では、しまキングのハラ・・・参る!」

「いっくよ!」

 

ハラもヨウカも、モンスターボールを一つ手に持つ。

それは、準備完了の合図。

 

「大試練、開始!」

 

その審判のかけ声とともに、2人はモンスターボールを投げてポケモンを出した。

 

 

「まずは行ってまいれ、マクノシタ!」

「よしいっくよ、タツくん!」

 

ハラが一番手に出したのはマクノシタ、対するヨウカはタツベイのタツくん。

 

「はっけい!」

「ずつき!」

 

2匹同時に動き出して、二つの技が衝突する。

この攻撃は相打ちとなり双方ともに後方に飛ぶが、再び同じ技で衝突する。

 

「ひのこ!」

 

相打ちになったときにタツくんは吹っ飛ばされたが、飛ばされながらもヨウカの指示にあわせてマクノシタにひのこを放つ。

そのひのこが数発マクノシタには命中したが、マクノシタはケロっとしている。

 

「あれっ!?」

「効きませんぞ!」

 

マクノシタにひのこがあまり効いていないことにギャラリーは驚く。

 

「効いてない・・・!?」

「あのマクノシタ、特性はあついしぼうか!」

「あついしぼう・・・ほのおとこおりの技によるダメージを軽減させてしまう特性ですね・・・!」

 

リーリエはポケモンバトルが苦手で自分のポケモンは持っていないが、知識は豊富だ。

リーリエがマクノシタの特性を解説すると、ヨウカは別の技を指示した。

 

「ずつき!」

「つっぱり!」

 

タツくんのずつきをマクノシタはつっぱりで防いだだけでなく、連続の攻撃でタツくんにダメージを与える。

 

「負けないでタツくん、もっと近付いて!」

「たっべ!」

 

ヨウカはタツくんに対し接近を指示し、マクノシタの攻撃にも持ちこたえて一気に敵に近付く。

そうしてマクノシタの懐にタツくんがつっこんだときに、ヨウカはまた別の技をタツくんに指示した。

 

「そこだタツくん、しねんのずつき!」

「べいっ!」

「・・・むっ!」

 

そこでヨウカが繰り出したのは、かくとうに有利なエスパータイプの技、しねんのずつき。

物理属性であるその技は攻撃力の高いタツくんが繰り出したことにより、かなりの力を発揮した。

 

「しねんのずつき・・・!?」

「かくとうに有利なエスパータイプの技だ!

この技のためにヨウカはひたすら修行していたんだな!」

「ヨウカすごーい!」

 

周囲がヨウカとタツくんのとっておきに驚き歓声をあげる。

一方、技を受けたマクノシタは一気に体力を削られるが持ちこたえ、ハラは彼女の秘策に気付き腕組みをする。

 

「ほう、修行でこちらに有利な技を身につけてきましたか!」

「はい、たくさんの人の協力のおかげで、ここまで強くなりました!」

「なるほど・・・多くの人を頼りましたか・・・。

それは人を信じなければできぬことですな・・・!

マクノシタ、つっぱり!」

「タツくん!」

 

これは本気で応えねばならない。

そう思ったハラはマクノシタで戦い続け、タツくんに反撃をした。

 

「まだ技を決められるよね、タツくん!」

「たんべっ!」

 

ヨウカの声に対しタツくんは力強くうなずく。

 

「・・・!」

 

試合の内容に、リーリエは釘付けになっていた。

出会って数日程度しか経っていないはずのタツくんとヨウカがここまで呼吸を合わせてともに戦っている姿に、心ひかれていったのだ。

 

「もういっちょ決めて、しねんのずつきを!」

 

そうヨウカが叫ぶと、タツくんはしねんのずつきをマクノシタに命中させ、マクノシタを土俵からたたき落とした。

 

「マクノシタ戦闘不能、タツベイの勝ち!」

「よーしっ!」

 

まずはヨウカが、相手から一本をとった。

 

 

一匹倒されてしまったにも関わらず、ハラは大笑いする。

 

「ハラさん、自分のポケモンさんがやられちゃったのに笑っちゃってますよ」

「じーちゃんだからねー。

きっとヨウカが強いからー喜んでるんだよー!」

「はっはっはっはっは!

トレーナーになってから数日しか経っていないのが、嘘のようですな!」

「あたしもタツくんも頑張ってますから!」

「ふむ・・・ではわしの2番手、参りますぞ!

いってまいれ、マケンカニ!」

 

ハラが2番手として出したのは、マケンカニというポケモンだった。

 

「マケンカニ・・・どんなポケモンやろ」

「あいつもかくとうタイプのポケモンロト!」

「わかった!

タツくん、もいっちょしねんのずつき!」

 

同じかくとうポケモンなら、エスパー技が効くはずだ。

そのねらい通りタツくんのしねんのずつきがマケンカニにヒットしたら、マケンカニは一気に弱る。

 

「やった!」

「マケンカニ、体勢を立て直してばくれつパンチ!」

「えぇっ!?」

 

マケンカニはしねんのずつきを受けたにも関わらず、また立ち上がってきた。

それだけでなく、タツくんに向かってばくれつパンチを繰り出し一気に戦闘不能に追い込む。

 

「タツくんっ」

「タツベイ戦闘不能、マケンカニの勝ち!」

「・・・マクノシタとの戦いのダメージが、残ってたか」

「ありがとうタツくん、あとはまかせてゆっくり休んでね」

 

ここまでの頑張りを褒め、ヨウカはタツくんをモンスターボールにもどす。

 

「次はお願い、ニャーくん!」

 

ヨウカが次に出したのはニャーくん。

これでお互いに最後の一匹となり、これでどちらが勝者になるのかが決まる。

 

「グロウパンチ!」

「かわしてほのおのキバ!」

 

マケンカニはグロウパンチでつっこんできたが、ニャーくんは

そこからさらにみだれひっかきを指示して、マケンカニにダメージを与える。

 

「もう一度グロウパンチ!」

「にゃあ!」

 

そこからまた繰り出されたグロウパンチがヒットし、さらにまた同じ技でニャーくんにダメージを与える。

 

「なんかパワーがあがってる!?」

「グロウパンチは、使えば使うほど自分の攻撃力があがる技だ!」

「おまけにあのマケンカニのトクセイは、てつのこぶしロト!」

 

てつのこぶしとグロウパンチをあわせて、攻撃を繰り出すマケンカニの猛攻。

ヨウカはニャーくんにすぐにそこからの脱出をさせる。

 

「ひのこ!」

「にゃ!」

 

マケンカニに向かってひのこを繰り出し、ダメージを与えつつマケンカニから距離を置いたニャーくんは、移動しながらマケンカニに四方八方ひのこを浴びせてダメージを与える。

 

「ここは決めさせていただきますぞ・・・Zワザをっ!!」

「えっ!?」

「おぉー!」

 

ハラは手首につけたZリングを光らせ、構えをとりZパワーをマケンカニに授ける。

マケンカニはそのZパワーによるオーラに包まれた。

 

「全力無双・激烈拳!!」

 

ハラのそのかけ声とともに、激しい猛攻がニャーくんに襲いかかってきた。

何発もの拳による連続攻撃がヒットして、ニャーくんは大ダメージを受け吹っ飛ばされてしまう。

 

「ニャーくん!」

 

ニャーくんの体力は残りわずかになってしまった。

そのZワザの破壊力をみていたハウとリーリエは目を丸くし、ククイ博士も厳しい表情になる。

 

「にゃう!」

「まだやれるんだね!?」

「にゃーっ!」

 

だがニャーくんには敗北の色を見せない。

自分の力を振り絞り立ち上がり、マケンカニを睨む。

そのニャーくんの強さを知ったヨウカは、ここで戦いをやめるわけにはいかないと思い、ニャーくんに激励を送る。

 

「ハラさんも全力でZ技、出してきたんだ・・・!

あたし達も、全力でいこうよ!」

「にゃ!」

「まずはひのこ!」

 

Zワザを決めるためにまずはひのこで相手の隙を作る作戦にでる。

マケンカニはそれをバブルこうせんでうちけすが、それにより出た水蒸気の霧で視界を奪われ、マケンカニは追撃のひのこをそのまま受ける。

そのひのこはさっきより威力が高い。

 

「さっきよりも、ひのこの威力があがってます!

あれはもうかの特性ですね!」

「ああ!」

 

もうかはその特性のポケモンの体力が残りわずかになると発動する特性であり、それが発動しているときはほのおの技の威力が上がる。

それによりマケンカニがやけどを負ったのをみたヨウカは、そこでZリングを突き出す。

 

「決めるよニャーくん!」

「にゃ!」

 

ヨウカがそう叫ぶとニャーくんはうなずき返す。

 

「だすか・・・Z技を!」

「ヨウカさん・・・!」

 

周囲が見守る中、ヨウカはノーマルZのZ技のポーズを決める。

それにより発生したZパワーがニャーくんを包み込む。

 

「ウルトラ・ダッシュアタァァーーック!!!」

 

ヨウカがそう叫ぶと、ニャーくんはZパワーを纏ったままマケンカニにつっこんだ。

Zワザが決まった瞬間、大爆発が起こりバトルフィールドがそれによって発生した砂埃に包まれる。

 

「なんと!」

「決められた!」

 

 

「・・・ほへぇ・・・なんか一気に疲れちゃったよぉ・・・!

って、それよりも・・・マケンカニは!?」

 

Zワザによる疲れを感じながらも、ヨウカは相手を気にした。

ニャーくんも息切れを起こしながらも相手がどうなったか気になるらしい、さっきまでマケンカニがいた場所から目をそらさなかった。

 

「むっ・・・!」

「あっ・・・!」

 

ハラとハウが同時に声を漏らした。

何故ならZワザを受けたマケンカニが、戦闘不能になっていたからだ。

マケンカニがそうなったのを確認した審判は、それを皆に告げるために大きな声で判定を下す。

 

「マケンカニ戦闘不能、ニャビーの勝ち!

よって勝者は・・・島巡りのヨウカ!」

「・・・!」

 

その審判が下り、ヨウカは思わず立ち尽くしてしまうがすぐ我に返りニャーくんに駆け寄り抱きしめる。

 

「勝てた・・・勝てたよニャーくん!」

「にゃあ!」

「頑張ってくれてありがと・・・ニャーくんも、タツくんも、大好き!」

 

そう言って喜びを表現していると、ハラが笑いながらヨウカに歩み寄ってきた。

それと同じタイミングで、ハウもヨウカに駆け寄る。

 

「まずはメレメレ島の大試練、突破ですな!」

「ハラさん!」

「すげーよヨウカー!

じーちゃんに勝っちゃうんだもんー!」

「ハウくん!」

 

ヨウカの前に立ったハラが彼女に差し出したのは拳を模したマークが描かれた茶色のZクリスタル。

 

「これがわしに勝った証であるZクリスタル・・・カクトウZです。

これがあれば、かくとうのZワザを使えるようになりますぞ」

「はい、ありがとうございます!」

 

かくとうのZワザはさっき見たあのワザか。

そう思いながらもヨウカはハラからカクトウZを受け取り、強く握りしめる。

 

「最近の若者は、本当に成長が早いもの・・・君やハウが、これからどうなっていくのか・・・。

このハラ、しっかり見守らせてもらいますぞ!」

「はい!」

「まかせてよ、じーちゃん!」

 

土俵を降りると、今度はククイ博士とリーリエから声をかけられる。

 

「ナイスファイトだったぜヨウカ、最後のひのことZワザはまさにきしかいせいの一撃だったな!」

「はい、ククイ博士!」

「私も、ヨウカさんが勝って・・・自分のことのように嬉しいです!

おめでとうございます!」

「ぴゅいー!」

「ありがとう、リーリエちゃん!」

 

ククイ博士にリーリエ、それとどうやらコスモッグも彼女を祝福してくれているようだった。

ここまで自分の勝利を喜んで祝ってくれてるのは、嬉しいけど少し気恥ずかしくて、ヨウカは照れ笑いをする。

 

「よし、今晩はヨウカさんとハウ、二人の門出を祝って宴を開きましょうぞ!」

「「おぉーっ!!」」

 

そしてその夜は、キャプテンのイリマとその友人であるセイル、そしてハウとヨウカの母親と一緒に宴で盛り上がった。

 

「ニャーくん、タツくん」

「にゃ?」

「たべ?」

 

自分の手持ちである2匹に、ヨウカは満面の笑顔を向けた。

 

「これからもあたしと一緒に、がんばろーねっ!」

 


 
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