No.962715

艦隊 真・恋姫無双 133話目

いたさん

半年以上お待たせしてしまい、申し訳ありません。
とりあえず短いですが投稿を。

8/9(木) 今月から11月まで公私で忙しくなり、投稿を休ませて貰う予定です。 ですので、本文に内容の続きを追記してしました。

2018-08-06 13:58:41 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1090   閲覧ユーザー数:1033

【 再開 の件 】

 

〖 司隷 洛陽 都城内 予備室 にて 〗

 

 

写真の事で話を中断した冥琳は、話を再開すべく口を開く。

 

ーー

 

冥琳「ゴホン。 話が反れたが………」

 

華琳「全くよ。 誰のせいかしら、こんな長話にさせて……」

 

冥琳「……………」

 

ーー

 

長話になった責任を華麗に押し付ける覇王。 そんな覇王に、何か言いたげに目を細め睨み付ける美周嬢。 

 

だが、話が堂々巡りになる事を恐れたのか、すぐに顔を背けると、すまなそうな表情で一刀へ顔を向ける。

 

一刀は冥琳の気遣いを『気にするな』と片手を上げて了承を示し、そのまま説明へと移行した。

 

この時、青ざめた一刀の顔が、若干ながらも血の気が戻ったように見えるのは、この事を見越した二人の他愛ないやり取りのお陰か。 はたまた、怪我の功名か。

 

何にしても一刀の容態が、先程よりも良くなっていると事実は、静かに心配していた艦娘や恋姫達を安心させる事になった。

 

ーー

 

一刀「それよりも……話の続きを。 先にも言ったが……青葉の調査により……王允からの情報漏洩は……明らかだった」

 

冥琳「うむ、それは昨夜の戦いでも判断できる。 白波賊との遭遇、あれは完全に待ち伏せだった。 他の官軍も北郷と同じような状況に陥り、成す術もなく壊滅したのだろう」

 

華琳「それだけじゃないわよ」

 

冥琳「ほう?」

 

華琳「『知彼知己、百戰不殆』………官軍の出方が全て筒抜けだったとしても、自分達の力を過大評価した烏合の衆であれば、連戦連勝なんてあり得ない」

 

一刀「………………」

 

華琳「弱者が強者を倒すには、情報を得るだけでは勝てない。 その情報を如何に運用するかが勝利への要。 まあ、結果を見れば、白波賊が一枚も二枚も上手だったようね」

 

冥琳「………ふむ、異論は無いな」

 

ーー

 

北郷達以前に出陣した官軍は、全て白波賊により葬られている。 その敗因とは、どこぞの夜戦大好きセンダイ=サンが、日々昼夜を問わず実行を求め訴える、夜間の戦闘。 

 

正解には……暗闇からの奇襲、である。

 

情報を得た彼らは、自分達の短所(兵力差、武器の優劣)を長所(謀、戦術)で補った結果、官軍は抵抗も出来ず、助けも呼べず、一人また一人……闇から闇へと沈められたのだから。

 

もし、負けた官軍達に勝者である白波賊の事を問えば、『白波賊、半端ないってぇ!!』と、思わず顔をしかめ荒い言葉が吐露しても可笑しくなかっただろう。

 

だが、残念ながら……この戦いで官軍に生き残りが居ない。

 

無様に敗けても、何かしら相手の情報を持ち帰れば、次の戦で役に立った筈だが、そんなミスを犯す者が官軍相手に戦いを挑むわけがない。 

 

当然……そんな回答など、ある筈もなかったのである。 

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

【 孫子 の件 】

 

〖 司隷 洛陽 都城内 予備室 にて 〗

 

 

一刀「………孫子を諳んじるなら……これも問おうか」

 

冥琳「…………」

 

華琳「…………」

 

ーー

 

一刀からの情報を吟味し合う二人に、更なる問いが入った。

 

武経七書の一つであり、華琳がよく引用する孫子兵法の一節をゆっくりと口ずさむ。 

 

 

   是故百戦百勝 非善之善者也 

 

   不戦而屈人之兵 善之善者也

 

 

二人は顔を見合わせると、其々の訳を口にする。

 

ーー

 

華琳「必ず勝利できる戦は、必ずしも最善のやり方では無い。 何故なら、どれだけ上手く戦い敵に多大な損失を与えても、味方に少なくない損失があるからよ」

 

冥琳「たとえ、兵や将に損害は無かったと言えどもだ。 兵糧や兵器の浪費は避けられん。 それに、敵する者達を無傷で取り込めば、その利益は計り知れないのだから」

 

一刀「………………」

 

ーー

 

孫子に対し一家言もつ華琳は、直ぐ様その意味を語る。 彼女は前の世で『魏武注孫子』を表すだけあり、その内容は的確で要点を押さえたもの。

 

冥琳も名にし負う名軍師ゆえ、孫子を的確かつ具体的な説明をも付け加え、判りやすく答える。

 

黙って聞いていた一刀は大きく頷き、次に一言を加えた。

 

ーー

 

一刀「これに……白波賊達の動きを……重ねる……と……」

 

冥琳「────!」

 

華琳「……狙っていた……って訳ね」

 

ーー

 

 

一刀の言葉に目を見開き、何かを察したかのように固まる冥琳の横で、華琳は……やっと納得したと冷笑を浮かべて頷く。

 

ーー

 

華琳「幾ら連勝をしても、白波賊と官軍の地力の差は明らかであり、少なからずの損害が必須。 なのに、その官軍相手に不毛な継続行為を犯すのは……何かしらの必要性があった」

 

一刀「………………」

 

華琳「不可解な理由を推測すれば、注視させる為の陽動か、誰かを誘導する為の二択。 そして、更に今回の行動で顧みれば、狙いは自ずと定まるわ」

 

一刀「…………」 

 

華琳「司徒王允からの拙速的な出撃命令、『深海棲艦』と言う貴方達と因縁ある相手の参戦を招いた白波賊。 そして、貴方達と伍する勢力が一介の賊集団に従い共闘した理由」

 

ーー

 

華琳は述べる。 

 

全ての行動は、目的が一致するからこそ多様な選択が発生する。 ならば、その目的が交わる場所こそ答えが存在するのだと。

 

王允、白波賊、深海棲艦の三者三様の選択にある目的。

 

それは───

 

ーー

 

華琳「天の国より降り立ち、この大陸に平和をもたらそうとする御遣い達。 いいえ、正確に言えば………その御遣い達を統率する長、北郷一刀………貴方よ!」

 

一刀「………………」

 

ーー

 

華琳の厳しい視線が一刀の顔を射抜くが、一刀の表情は変わらない。

 

ただ、相変わらず黙ったまま、華琳の顔を真っ正面より見るばかり。

 

ーー

 

華琳「貴方達は無自覚だけど、人外を優に超える恐るべし力を保持しながら、何も見返りを望まず粛々と実行する様は、立場が違う者により見方が別れるのよ」

 

一刀「…………」

 

華琳「自分に益となるか、害になるかによって、ね」

 

ーー

 

そう言って、一刀達が起こした益州と洛陽の行動を簡潔に説明し、今の御遣い達に関わる情勢を示した。

 

誰が敵か、誰が味方か………わざわざ幼子に諭すが如く。

 

ーー

 

華琳「益州、洛陽で数々の力を示し、注目を浴びた御遣い達の名声。 その名声は今も高まりつつあるけど、ただ見解の相違で国に住まう者達は、一刀の味方と敵に別れたわ」

 

一刀「…………」

 

華琳「勿論、今この場に居る私達は、味方と考えて貰って結構よ。 まあ……先の醜態は謝罪させて貰うけど、今後は誓って間違いなどしない。 他は───」

 

冥琳「漢王朝内では陛下より信頼を得て、司徒王允や極官より政敵と目される。 外では白波賊が天敵と称し排除を叫び、民から神仙のように崇められる存在……だったか?」

 

華琳「……………相変わらず、憎らしい程の正確な情報収集力ね。 それよりも、どうしたの? まだ顔が青いわよ?」

 

冥琳「…………大丈夫だ。 少し、北郷の考えが……怖くてな」

 

華琳「…………?」

 

ーー

 

未だに顔色が優れない冥琳からの言葉に、片眉を上げる華琳。 何故なら、彼女の考えでは怖いなどの感情は浮かばなかったから。 どちらかと言えば、怒りの方が大きい。

 

だから、彼女は持論の説明を優先する。 冥琳が怖いなど言う意味は後ほど聞けばいいと考えて。 

 

ーー

 

華琳「そんな天の御遣い達に、人々は弱点など無いと疑わないでしょうけど、唯一無二の弱味があるのよ。 それは、御遣い達を指揮する将、北郷一刀が……普通の人である事!」

 

一刀「…………!」

 

華琳「御遣い達は皆が皆、一騎当千の英傑。 数々の奇跡とも言えるが戦歴が耳目を集める中、図らずも私自身が目の前で体験したわ。 その戦歴に嘘偽りが無いと感じる程に!」

 

一刀「…………」

 

華琳「しかし、その御遣いを指揮する一刀は、優れた知将である事を万人が認めても、勇将でも豪傑でも無い。 これは先の夜戦、そして他でも多数の証言を得ている!」

 

一刀「…………」

 

ーー

 

確かに一刀は提督、司令官として、戦いを有利に導く為に作戦指揮をとり、命じる事が多かった。 

 

それでも乱戦となれば戦う事も当然あるが、無論、艦娘のように艤装を展開するわけでもなく、自分の腰に佩刀した軍刀を振るい、敵を退けていたのである。

 

他にも、どっかの誰かさんが、川の上を移動している様子を流した可能性があるが、言わぬが花……である。

 

ーー

 

華琳「………ならば、優れた統率力を発揮する北郷一刀、貴方を討てば、他の御遣い達の連携は瓦解………それだけじゃない、一刀が懐中で温めていた策も一挙に塵芥と消えるわ!」

 

冥琳「要である将を討てば、いかに精強な軍勢も秩序を保てず、烏合の衆へと成り変わる……か。 確かに、金剛殿ほどとは無いとは言え、皆の北郷への態度を窺えば頷ける話だ」

 

ーー

 

白波賊を主にする敵対勢力が狙うのは、北郷一刀を討ち取る事により、御遣い達の中枢を瓦解する事。 どんな組織と言えど、頭を潰せば末端に至るまで混乱するのは必至。

 

特に依存とまで言っても過言ではない、御遣い達が一刀を慕う様子を顧みれば、圧倒的多数から賛同を得られよう。

 

だからこそ、少なくない犠牲を払いつつも官軍を撃滅して、注意を示させ、これに王允の策略が加わり、一刀達を少数の人数で出撃させるのに成功させるのだった。 

 

だが、一つだけ勘違いして頂きたいのだが、如何に少人数となれど普通の人が戦えるわけがない。 もし、実際に行動に移すのであれば、それなりの戦力が必要とする。

 

例えば…………かの『深海棲艦』が加わらなければ。

 

ーー

 

華琳「白波賊は少ない犠牲で大物を討ち取り、尚且つ敵対する相手に恩を売りつつ弱味まで握る。 王允は邪魔者を排除し己の権勢を高め、白波賊という外部勢力の伝を得る」

 

冥琳「更に………深海棲艦という凶悪な者達と繋がりが出来た事を最高の成果として得よう。 奴らの真の目的……大陸全土を巻き込む破滅と、知ってか知らぬかだな…………」

 

華琳「深海棲艦に関して……言わずとも判るわよね?」

 

ーー

 

華琳は『是故百戦百勝』の言葉により、白波賊達の狙いを正確に理解して皆に語る。

 

その話に聞き耳を立てる諸侯や将達は、一部を除き唖然とするしかないのだが───

 

ーー

 

華琳「───ここまでが、一刀達を狙う敵対勢力の考えよ」

 

「「「 ────!? 」」」

 

一刀「……………」

 

華琳「一刀は言ったわね。 『是故百戦百勝』って……」

 

冥琳「言った……な」

 

華琳「その好機を狙っていたのは、敵対勢力ばかりではなかった。 一刀も………待ち構えていたのよ」

 

一刀「……………」

 

華琳「敵の撃滅を視野に入れつつ………私達へ決断を促したのよ。 自分達の……敵となるかどうかを……確認する為に」

 

 

 

◆◇◆

 

【 暴露 の件 】

 

〖 司隷 洛陽 都城内 予備室 にて 〗

 

 

この華琳の言葉に、恋姫側から息を呑み込む音が多数聞こえる。 中には、一刀へ目を細めつつ睨み付ける者、涙を浮かべ悲しむ者、腕を組み泰然自若な態度をとる者と様々。

 

そんな反応を横目で確認しがら、華琳の横合いより冥琳が口を出した。

 

ーー

 

冥琳「だが、これは別に間違いでもあるまい。 寧ろ、一軍を率いる将として立派だと、賞賛される対応ではないか?」

 

華琳「…………どう意味?」

 

冥琳「今の北郷は彼の北郷ではない。 そんな中、顔見知り程度の親交しかない諸侯より、猫なで声で親しげにすり寄せられれば、誰であろうと警戒するのは当然だ」

 

華琳「既に真名まで預けた身を疑う態度、それこそ不誠実な対応としか思えない! ただの同盟者扱いするなら、私や他の者が真名を預けた意味なんて、何もないわよ!!」

 

冥琳「…………北郷の想いは、そのような浅はかな……まあ、いい。 取り敢えず、説明を続けてくれ」

 

ーー

 

華琳の反論により、冥琳が悲しそうな表情で華琳を一瞥すると矛を収め、先を促して黙って見ている。

 

華琳は冥琳の意味深な言葉に気を止める事なく、説明の続きを始めた。

 

ーー

 

華琳「一刀の目論見通り……私達は動き、一刀達と力を合わせ白波賊を撃退し、文字通り勝利の美酒を酔う事が出来た。 これで私達の名声は上がり、洛陽でも名を知られるわ」

 

「「「 ……………… 」」」

 

華琳「そして、これに一刀が語った『是故百戦百勝 非善之善者也 不戦而屈人之兵 善之善者也』が生きてくる」

 

「「「 …………? 」」」

 

華琳「『是故百戦百勝』の一節は、私達が単独で動けば、第三者に漁夫の利を奪われるとの警告。 ある程度の『知識』があるとはいえ、いつ想定外の事が起こるとは判らない」

 

「「「 …………! 」」」

 

華琳「『不戦而屈人之兵』の一節は、こうして顔合わせできた諸侯同士で同盟なり組めば、無益な戦いが回避されると同時に、巨大な敵勢力に相互で挑み対抗できるでしょう」

 

「「「 …………!! 」」」

 

華琳「名声が高まれば庇護を求め、人や物が集まる。 そうなれば、国の力も自ずと強まり勢力も拡大し、私達が賊や民に対して取れる対策も、多数の選択肢を選べるわ」

 

冥琳「ついでに言えば、『互いに面識ある者』だから、軍事活動においても意志疎通も容易であり、何より信用ができる。 互いに背後を気にせず戦える、という訳だ」

 

ーー

 

華琳の説明に冥琳が補足を入れると、聞いていた者達から何人かが頷く様子を見せた。 確かに実行すれば、民の生活安定だけではなく、治安維持も兼ねているからである。 

 

働き口がなく流浪する民は、常に食い扶持を心配し、困り果てる容易く賊に変更するからだ。 だが、逆に取り込みが成功すれば、賊になろうとする者が減る。

 

しかも、それだけではない。 

 

華琳や冥琳は、敢えて曖昧な言葉で示したのだが、彼女達の中には前の記憶を持つ者が居る。 あの時代、互いに争い勝負を挑み勝ち負けを繰り返し、同じ時を歩んだ記憶を。

 

偶然か必然か判らぬが、前では互いに相手を知り抜いた強敵が、今は背中を預けられる友として居てくれる。 これ程、心強い援軍もないと言えよう。

 

だが、そんな希望が宿る提案を受けても、否応なしに拒絶の意思表示をする者が居た。 

 

それは───

 

ーー

 

華琳「だけど……私は私の道を歩むわ。 欺瞞を説く天の御遣いに従う価値はなし。 それなら、曹孟徳としての天命を受けとり、前と同じく覇道を歩むのが私の考えよ」 

 

「「「 …………!?!? 」」」

 

華琳「貴女達は貴女達で…………歩みなさい。 だけど、いい? もし、敵対すれば……私は貴女達を全力で叩き潰す。 覇王、曹孟徳として───」

 

冥琳「待て、聞き捨てならんぞ、華琳! 北郷の欺瞞とは何の事を言っている!?」

 

ーー

 

華琳の冷ややかな物言いに、ほぼ静観を決めていた冥琳が口を挟み、血相を変えて問い質した。

 

突然の暴言により恋姫達は勿論、一刀の背後で待つ艦娘達の目がきつくなる。 

 

ーー

 

華琳「言っておくけど、私は………この現状を作り出した事に不満などない。 だけど……一刀が最後に行った……謀が許せないの。 何で……あんな事をしたのか……」 

 

冥琳「謀……だと?」

 

華琳「一刀、貴方が刺客に害されたのは………全て計画の上! 自分を死んだと思わせ私達から姿を消す『偽死の計』だった事! 私達から……縁を切る為にっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【 暴露・裏 の件 】

 

〖 司隷 洛陽 都城内 予備室 にて 〗

 

 

華琳の冷ややかな物言いに、ほぼ静観を決めていた冥琳が口を挟み、血相を変えて問い質した。

 

突然の暴言により恋姫達は勿論、一刀の背後で待つ艦娘達の目がきつくなる。  

 

ーー

 

加賀「流石に気分が……激昂しますね。 赤城さん、そろそろ一航戦の出番でしょうか?」

 

桂花「す、少しは落ち着きなさいよっ!! って、腕に載ってるかんさいきっていうのが………はぁ!? か、華琳様に攻撃する!? ば、馬鹿ぁ! 何をするつもり───」

 

加賀「あのオーラから推測すれば、敵標的は深海棲艦の姫級並み。 これくらいの攻撃、人に例えれば顔を殴られるだけの威力だから……心配いらないわ」

 

桂花「それで何かあったら一体どうすんの!? それに、周りには他の将達が居るじゃない! 巻き添え食らわせたら、大変な事になるわよ!! 早く止めなさいっ!!」

 

加賀「みんな、優秀な子たちだから大丈夫よ」

 

桂花「────ちょっと、赤城っ!! アンタの同僚なんでしょう!? 早く、コイツを何とかしなさいっ!!!」

 

赤城「そうですよ、加賀さん! こんな場所で艦載機の発艦準備なんて危険です! 駄目ですよ!!」

 

加賀「………赤城さん」

 

桂花「…………ふう、まったくもう………」

 

赤城「だって、私! まだ残りの料理を食べてないんですよっ!! せっかく、鳳翔さんが手塩に掛けた料理を灰燼(かいじん)に帰したら、勿体ないじゃないですかっ!!」

 

桂花「……………はぁっ!?」

 

赤城「やるのなら、後十分……いえ、五分待って下さい! 必ず一航戦の誇りにかけて、残った料理を尽く平らげますから!! それまで待って貰えば、私も参戦します!!」

 

加賀「さすが赤城さん……戦の前に腹ごしらえね。 わかったわ」

 

桂花「何が判ったのよ!? 全然理解してないじゃない!! アンタ達の頭の中は、食べ物と一刀の事だけなの!?」

 

赤城「むぅっ! 幾ら桂花さんでも……ぷはぁ! 酷いですよ! 今、口に入れているのは『お汁粉』と言うれっきとした『飲み物』ですっっ!!」

 

加賀「………赤城さんの言う通り」

 

桂花「そんな意味で言ったんじゃないっ!!」

 

ーー

 

殆どの艦娘は睨むだけで済ましていたが、極一部の艦娘が暴発しかけ、桂花と駆け付けた鳳翔により無事鎮圧された。 

 

この後、赤城と加賀双方へ罰を与えられたが、余りの過激な内容で、伝え聞いた艦娘達は一斉に顔を青くしたという。

 

 

 

 

 


 
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