No.95829

恋姫無双異聞録~閑話9~

鴉丸さん

閑話の9です

あまり期待は・・・orz

2009-09-17 08:26:49 投稿 / 全11ページ    総閲覧数:3051   閲覧ユーザー数:2404

 

 

拠点√ 麗羽

 

 

呂刀と麗羽の出会いは、呂刀が冀州を目指していたときの事だった

 

 

呂刀「ここから、冀州か・・・早く、土台を作っておかないと」

 

 

呂刀は、太公望から『玄崩が消滅する間際に、七星剣を使い狂骨と刑天の二人をこの外史に飛ばした』と言われ、この外史に来た そして、ついでなのでこの外史で袁紹軍に身を寄せるように言われた なので、二人が来るまでに袁紹軍でそれなりの地位に上がり、土台を作っておく事にした

 

 

呂刀「あの二人も大変だな~・・・いや、俺も大変と言えばそうだったけど」

 

 

そういって思い出すのは崑崙山での修行の日々 太公望から軍略を学ぶのはよかった ふざけてはいたが締めるところは締めていたから 華佗から医術を学んだときもよかった なんだかんだで叫ぶのが面白かったから だが、貂蝉と卑弥呼との戦闘訓練は・・・

 

 

呂刀「これ以上思い出すと、トラウマ再発しそうだからやめよ・・・」

 

 

頭を振って忘れようとしていると、前方で戦闘が行われているようだった

 

 

呂刀「あれは・・・袁紹軍!ラッキー!」

 

 

そして、呂刀は走り出す

 

 

呂刀「・・・これも、貂蝉たちのおかげなのかな~(泣」

 

 

―――Side 袁紹軍―――

 

 

麗羽「ちょっと!顔良さん!?どうなっていますの!」

 

 

斗詩「そんな事いっても、文ちゃんが突っ込んで行っちゃったから、体勢を立て直す事ができないんですよ!」

 

 

麗羽の叱責に、目の前の黄巾兵を相手しながら叫ぶ斗詩 現在、袁紹軍は黄巾党との戦闘に入っていた だが、猪々子の部隊が先に進んでしまったため本陣の防御が手薄になってしまったのだ

 

 

麗羽「くっ!名家であるこの私が・・・」

 

 

麗羽は悔しそうに呟く だが―――

 

 

呂刀「ハアッ!」

 

 

その声と共に、斗詩の目の前にいた黄巾兵に針が何本も刺さった

 

 

斗詩「ふえ!?」

 

 

思わず、間抜けな声を上げた斗詩 そして、後ろを振り向くと外套を着た男が立っていた

 

 

 

 

―――Side 呂刀―――

 

 

呂刀「え~っと・・・袁紹さんで間違いないのかな?」

 

 

麗羽「え?え、ええ」

 

 

突然自分のことを聞かれ、返事がどもる麗羽 

 

 

呂刀「あ~そっか よかった~ちゃんと冀州に着いていたんだ」

 

 

呂刀は、袁紹に会うことができて満足げ でも、ここは戦場です

 

 

黄巾兵「隙ありぃ!」

 

 

斗詩「しまった[ヒュッ]へ?」

 

 

風を切る音ともに、黄巾兵の首に呂刀が放った鋼糸が巻きついた

 

 

呂刀「悪いけど、これからいろいろとやらなくちゃいけないんだ・・・死んでもらうよ」

 

 

そして、鋼糸を操り黄巾兵の首を切断した そして、呂刀は向かってくる黄巾兵に向かい針を投擲した

 

呂刀「いつもより多めに出しています!ってか?」

 

 

そして、黄巾党を退けると呂刀のほうに麗羽が向かってきた

 

 

麗羽「あなたは何者ですの!?」

 

 

麗羽は、斗詩を横につけてそう叫ぶ

 

 

呂刀「ん?俺は、呂刀 神仙さ」

 

 

そう自己紹介をした後、猪々子と合流し、南皮の城で様々な説明をした 最初は驚いていたが、猪々子は「すげー!」と興奮し、斗詩は「はあ・・・でも、あれを見たら」と、納得した 麗羽は「・・・?」と、あまり理解できていないようだった ま、誰もがそんなにすぐに理解できるとは思っていなかった

 

 

呂刀「という訳で、しばらく居候させてもらいたいんだけど」

 

 

麗羽「まあ・・・いいですわ」

 

 

そして、呂刀の第二段階『袁紹軍に入る』という目的が成功した 居候が決まれば後はどうにでもできるから

 

 

 

 

―――数日後―――

 

 

呂刀は、目の前の光景に少し腹を立てていた その理由は―――

 

 

麗羽「名家の私が―――」

 

 

麗羽の態度だった 麗羽は、何かにつけて「名家」を出してくる そして、自分の無力を全て部下のせいにする 

 

 

呂刀「(・・・大丈夫か?この国)」

 

 

とりあえず、夜にでも麗羽に問いただしてみようと決めた呂刀だった

 

 

―――深夜 麗羽私室―――

 

 

麗羽「・・・で?なんですの?呂刀さん」

 

 

深夜、麗羽の部屋にやってきた呂刀は、昼間の事・今まで見てきておかしいと思ったことを麗羽に聞いた

 

 

麗羽「・・・私は、袁家の主ですのよ?それを誇らないでどうするんです?」

 

 

呂刀「それでは、下のものはついてこない・・・その考えを改めるんだ」

 

 

麗羽「黙りなさい!」

 

 

呂刀「君のために言っているんだ!」

 

 

最初は、穏やかな会話だったが段々二人とも感情的になってきた だが、しばらく言い争いをしていると、突然麗羽が泣き出した

 

 

麗羽「あなたに分かりますか!?ただ、妾腹の子というだけで蔑まれてきた私の気持ちが!努力しても、「妾の子」という一言だけで認められない私の気持ちが!」

 

 

呂刀は、泣きながら叫ぶ麗羽の言葉に衝撃を受けた 確かに、袁紹という人物は正史でも妾の子として生を受けたという説があった 

 

 

麗羽「やっと・・・やっと!認められたのよ!だから・・・だから!」

 

 

でも呂刀は、一つの仮説を立てた 多分、名門「袁家」を継ぐことができやっと認められたと思ったのだろう だから、何かにつけて「名家」を表に出していた 自分を認めてもらいたいがために

 

 

 

 

呂刀「大丈夫 例え、君が「袁家」の主でなくてもついて来てくれる人はいるから」

 

 

麗羽「・・・」

 

 

呂刀は、麗羽の頭を撫でながら、言葉を続ける

 

 

呂刀「これは、俺の親友が言っていた言葉なんだけど『惚れた女がいれば、そいつの綺麗なところも、醜いところも受け入れろ そして、苦しんでいるなら助けてやれ』って言っていた 俺も同じだよ だから、苦しんでいるなら何でも言えばいいよ 俺が、助けてやるから」

 

 

麗羽「呂刀さん・・・」

 

 

呂刀「麗羽・・・」

 

 

壁】ω・)ジー ←太公望

 

 

呂刀「!?・・・あれ?今、太公望がいたような・・・」

 

 

麗羽「何を言っているんですの?」

 

 

呂刀「いや、なんでもないよ これからは、無理に認められようとしなくてもいいよ 俺が麗羽を認めるから」

 

 

麗羽「・・・分かりましたわ」

 

 

そう小さく呟いた麗羽 これで、大丈夫だろうと呂刀は、麗羽の頭を撫で部屋を退出した 残された麗羽は何を思うのか それは、まだ分からない ただ、一ついえるとすれば

 

 

太公望「ズズ 落とした、か」

 

 

 

 

拠点√ 桂花(時系列的には、参入直後)

 

 

麗羽「では、桂花さん・・・狂骨さんに渡していただけます?」

 

 

桂花「はい・・・これをですか?」

 

 

麗羽「ええ・・・桂花さんも一緒に行ってみます?」

 

 

桂花「・・・考えておきます」

 

 

そして、狂骨の部屋に向かう桂花は、麗羽から渡された令状を見た

 

 

―――〇〇村に行き、黄巾党の被害を調査すること―――

 

 

桂花「ま、あいつの補佐もしないとね」

 

 

そして、狂骨の部屋に入ったのだが

 

 

桂花「・・・こいつは」

 

 

部屋には、ツナギのままで明らかに新兵器を作ったまま寝ている狂骨の姿があった 狂骨たち三人の部屋は、通常の部屋よりも大分大きい 狂骨は新兵器の開発のための工房、刑天は新薬開発のための研究室、呂刀は診療室も兼ねているからである ちなみに、呂刀は医術に精通しているが、薬を作るのは刑天のほうが得意なので、刑天に薬の開発は任せている 要するに、刑天は薬局だ ちなみに、三人ともベクトルは違うがマッドの気がある

 

 

桂花「起きなさいよ」

 

 

狂骨に向かい呼びかけながら体をゆする

 

 

狂骨「んあ?・・・桂花か・・・何?」

 

 

未だ寝ぼけている狂骨に水を差し出し、麗羽から調査の命が降りた事を告げる

 

 

狂骨「了解・・・お前も来るのか?」

 

 

桂花「ええ あんただけじゃ不安なのよ」

 

 

 

 

そして―――

 

 

狂骨「ここか・・・」

 

 

桂花「結構やられてるわね」

 

 

二人乗りの馬で目的の村に到着し、被害の調査を開始した そして、調査があらかた終わりかえろうとした だが―――

 

 

子供「お前・・・官軍か!」

 

 

母親に抑えられていたが、それを抜け出して狂骨たちの前に走ってきた子供 周りの村人は顔を青くしている 

 

 

桂花「え、ええ・・・」

 

 

子供「お前らがもっと・・・もっと早く来れば父ちゃんは死ななかったんだ!」

 

 

そう言い放ち、狂骨に向かい石を投げた子供 それを見た大人が顔色をより悪くした 官軍にあのような仕打ちをすれば、自分たちも殺されてしまうかもしれないと思ったから 桂花が、思わず叱責しようと身を乗り出すが狂骨に止められる

 

 

桂花「あんた・・・」

 

 

桂花は、狂骨の顔を見た その顔にあったのは、怒り だが、それが子供に向けられていない事は、桂花には分かった そして、狂骨は子供の頭に手を乗せ

 

 

狂骨「そうだな・・・俺らが動くのが遅かったから、お前の父さんや友達の家族を死なせてしまったな・・・すまなかった」

 

 

子供「なんだよ!謝ればすむと思ってんのか!」

 

 

狂骨「思っていないさ・・・俺だって、大切な奴らを失ったらお前のように怒るからな 俺を恨みたかったらいくらでも恨んでくれていい・・・でも、怒りに身を任せるな 俺が言えた義理ではないが、お前の母さんを守ってやれ」

 

 

子供「お前に言われなくてもわかっている!母さんは俺が守る!」

 

 

そして、子供は走り去っていった 周りの大人は、どうしたものか迷っているようだった

 

 

狂骨「・・・さっきのことは気にしないでくれ あの子の気持ちも分かるからな・・・それと」

 

 

そういい、全員に向かい

 

 

狂骨「すまなかった」

 

 

そして、狂骨は背を向け歩き出した 桂花は何かあれば、城の方に訴状を出すようにと告げた後狂骨のあとを追った

 

 

 

 

桂花「・・・よかったの?」

 

 

村を出た後、自分の後ろで馬を歩かせている狂骨に聞いてみた

 

 

狂骨「ああ・・・情けないな あのような子供にあんな顔をさせるとは」

 

 

先ほどの子供の顔にあったのは悲しみと怒り あれくらいの子供は笑っていて欲しい だが、そうさせないのがこの時代だ 分かっていても、いざ目の前にすると自分の無力を痛感する そう思っていると、桂花が擦り寄ってきた

 

 

狂骨「・・・桂花?」

 

 

桂花「・・・あんたがそんな顔するのは調子が狂うのよ・・・あんたを心配している奴もいるってことを忘れないように・・・その・・・少しくらいなら慰めてもいいわよ」

 

 

最後のほうは、小さくなっていったが桂花の言葉で、少し落ちていた気分も上がってきた

 

 

狂骨「んじゃ、戻ってお茶でも付き合ってもらうかね」

 

 

下を向いて、悲しんでいる暇はない 『悔やむ暇があるなら、前を向き二度と同じことをさせないように行動しろ』いつかの外史で誰かに言われた言葉 その言葉はまだ心の中で響いている

 

 

 

 

―――拠点√ 聖

 

 

聖「(しかし、旦那様とまたこうして居られるのは嬉しいですね~♪)」

 

 

聖は、今刑天の部屋で報告書などの整理をしている 刑天が、呂刀の次に取り扱っている書類が多い その理由は、以前の外史で呉のほとんどの仕事をしていたからだ でも、聖もいるので幾分かは楽 ちなみに、人和もたまに手伝っています 本人曰く「暇だったので」とのこと でも、聖と涼は「増えたな・・・」と思っています

 

 

刑天「そっちは終わったか?」

 

 

聖「はい お茶入れましょうか?」

 

 

刑天「頼む」

 

 

聖は、部屋に備え付けられている(と言うか、狂骨が各部屋に作った)簡素なキッチンでお茶を淹れはじめた そして、戸棚の中から街で買ってきた煎餅を皿にいれ準備は完了

 

 

刑天「ん・・・うまいな」

 

 

聖「崑崙山で、何仙姑様にいろいろ教わりましたから♪」

 

 

刑天「あ~・・・姐さんね」

 

 

何仙姑(かせんこ):八仙の一人で、太上老君側 太公望たちとは仲間 女仙であるため、崑崙山にいた雛里たちに料理とか乙女として必要な事を教え込んでいた 狂骨・刑天・呂刀からは『姐さん』と呼ばれるお方 結構面倒見がいい性格の美女 でも、戦闘時は狂骨たちでさえ、逃げるしかなくなるほどの強いお方 

 

 

聖「はい!いろいろ教えていただきました」

 

 

刑天「しかし、どうだった?崑崙山での生活は」

 

 

刑天は、自分が知らない崑崙山での生活を聞いてみた

 

 

聖「基本は、先ほど言ったように何仙姑様にいろいろ教えていただいたり、貂蝉さんとお話したり、旦那様たちが何やっているのかを見たりしていました」

 

 

刑天「・・・そうか」

 

 

聖「・・・呉の皆さんとずいぶん親しそうでしたね・・・」

 

 

少し黒いオーラを纏った聖 まあ、聖の主観で50年以上会っていないので仕方がないといえば仕方がないのだが

 

 

刑天「まあ・・・な」

 

 

そんな聖の様子に、少し圧されながら答える

 

 

 

 

聖「でも、信頼されていたんですね 私たちが、旦那様を頼るように」

 

 

表情を、和らげそう言う聖 さっきは、少しの拗ねも入っていたが、目の前にいる刑天があの外史で呉のメンバーにとても信頼されていたのは分かる 刑天は知らないが、二人が消えた後の呉のメンバーの傷心具合は酷かった 特に、古参の将と美羽・七乃の落ち込み方が酷かった それを見ると、この人たちも刑天が好きなのだとよく分かった だから、太公望の策にも乗ったのだが

 

 

刑天「ま、分不相応だと言うのは分かっていたさ 突然消えた俺が「いいえ」ん?」

 

 

守りたいから必死でやってきたが、やはり自分は恋人・父親として失格なのだろう 理由はどうあれ、自分を慕ってくれた奴らに別れも告げずに、消えてしまったのだから そういおうと思っていたが、聖の真剣な表情と声に止められた

 

 

聖「旦那様が、そう思っていてもあの人たちはそう思ってはいません 確かに、突然消えてしまいましたが、旦那様の気持ちは伝わっています」

 

 

刑天が消えた後の、呉のメンバーは確かに酷かった でも、少しずつ立ち直っていった

 

 

「いつまでも、うじうじしていたら刑天に馬鹿にされる」

 

 

と、雪蓮が言った その言葉に、他のメンバーも少しずつ元に戻っていった その姿を見て、聖は大丈夫と判断しこの外史に降り立った

 

 

聖「だから、もしあの人たちが旦那様のことを思い出したら、ちゃんと愛してあげてください」

 

 

刑天「お前はそれでいいのか?」

 

 

いくらなんでも、それは・・・と思った刑天 だが―――

 

 

 

 

聖「だからと言って、独り占めさせるわけにはいきません それに・・・旦那様の、刑天の一番は私だよ?」

 

 

聖は、崑崙山に来た時に太上老君に前世の―――『沙耶』だったころ―――記憶を見せられた その時は驚いたが、自分が何者であったか等全てを受け入れた その結果、沙耶の記憶も持つことになった 

 

 

聖「『聖』としての私、『沙耶』としての私・・・どちらも、いっぱい愛してくださいね?」

 

 

刑天は、「やはり、自分はこいつには敵わない」と自覚した 元々、顔は変わっていなかった 違うのは、口調と性格と思っていたが、改めて見ると、口調しか変わっていない 聖も沙耶も根本は同じだった

 

 

刑天「ああ・・・分かったよ」

 

 

「多分、俺はこれからずっとこいつにいろいろ教えられていくのだろうな」と感じた

 

 

 

 

「舞台裏」

 

 

呂刀「なんか、ほのぼの?」

 

 

刑天「作者・・・結構悩んでいたからな」

 

 

狂骨「んで、書き置き残していったわけだが・・・」

 

 

『取材のため、別の外史に行って来ます by.作者(太公望)』

 

 

呂刀「・・・どうする?」

 

 

狂骨「ま、しばらくすれば戻ってくるだろう・・・余計なネタ持ってきて」

 

 

刑天「という訳で、次回から反董卓連合編に行くわけですが・・・」

 

 

狂骨「また、重傷負わないよな?」

 

 

呂刀「大丈夫!俺がいるから」

 

 

狂骨「それって、重症負う事前提ですか!?」

 

 

刑天「ちなみに、作者のメモに『パパを活躍させる』って書いているんだが・・・」

 

 

三人「「「・・・」」」

 

 

狂骨「とにかく、次回お会いしましょう!」

 


 
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