No.916404

yurigame!04~あおvひふ2~

初音軍さん

yurigame!01で付き合った二人の状態で例の話の後を書いてみました♪
アニメのみの方はネタバレ注意です。
先の話を気にしない方や知っている方は読んでもらえたら嬉しいです(´ω`)

2017-07-30 21:09:24 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:574   閲覧ユーザー数:574

Yurigame04_hihumi_aoba2

 

【ひふみ】

 

 コウちゃんがフランスへ渡ってからしばらくの間、キャラ班の中で何となく

いつも通りに仕事ができない空気になっていた。私も私なりにみんなのために動いて

りんちゃんも私をサポートしてくれた。

 

 そのおかげかいつもの空気が社内に流れていて青葉ちゃんも最初の内は

コウちゃんのいたところに声をかけたりしていて…恥ずかしさを照れ笑いでごまかす

そんな青葉ちゃんを見ていて私は心を痛めていた。

 

「おつかれさまでした」

 

 仕事が一段落して青葉ちゃんが荷物を取ったので私も一緒に帰ろうとして席を立った。

私と青葉ちゃんが帰る家は一緒。以前、青葉ちゃんが私に告白してくれてからは

同棲生活をしているから。

 

 電車に揺れながら青葉ちゃんの顔に少し疲れの色が見えていた。

私に気をつかわせないように笑顔では話しかけてくれるけど…。

私には気をつかわなくてもいいんだよって青葉ちゃんに…言いたい…。

けど言えなくて仕事の話くらいしかできなかった。

 

 でも、これじゃダメだよ。青葉ちゃんに伝えないと。

 

 家に帰ってから順番にお風呂に入ってリビングでくつろぐ二人。

まったりしつつも、ふと隣を見ると隙あらば何か考え事をしている顔をする青葉ちゃん。

私だけリラックスしてどうするの~って思って何か青葉ちゃんのためになることを

私なりに考えた。そうだ!私がコウちゃんになればいいんだ!

 

 勢いに任せた私はおもむろに下を脱いでパンツ姿になり青葉ちゃんの膝元に頭を

乗せてキリッとした表情のまま伸ばした手を青葉ちゃんの頬に触れてコウちゃんを

イメージしてなりきる…!

 

「青葉、悩んでいないで言いたいことがあったらぶっちゃけちゃいなよ」

「何してるんですか…ひふみ先輩」

「…!!!」

 

 だよね。いくら私がコウちゃんになろうとしても無理があるんだよ…。

恥ずかしさのあまりすぐに起き上がったその先に宗次郎がいるケージが見えて

宗次郎と目を合わせると何だか軽蔑したような目を向けられた後、宗次郎は自分の

ベッドに戻っていってしまった。

 

「……」

 

 何だか恥ずかしさを超えて頭が真っ白になり自然と涙目になっていたような気がした。

そんな私を見た青葉ちゃんはいつもの優しい笑顔を向けてきて私の手を握ってくる。

なんて健気な青葉ちゃん…!

 

「もう、どうしたんですか。ひふみ先輩。様子がおかしいですよ」

「うぅ…だって青葉ちゃんが…コウちゃんのこと…」

 

「あっ…やっぱりわかっちゃいますか…」

「私…青葉ちゃんの彼女だし…辛さも悩みも一緒でいたくて…」

 

 話しながら下を穿きなおした私は青葉ちゃんに抱きついた。

愛おしい青葉ちゃんの頭を撫でまわした。

 

「青葉ちゃんは一人じゃない…みんなに…ううん…私にもっと甘えてくれて

いいんだよ…!」

「ひふみ先輩…」

 

 私の名前を小さく呟いた青葉ちゃんのさっきまで曇っていた表情が少しだけど

明るくなっていた気がした。

 

「ありがとうございます…!」

 

 青葉ちゃんの真っ直ぐな眼差しが眩しくて私はつい立ち上がってご飯の準備を

始めていた。ほぼ無意識に動いていた。あの目をずっと見ていられなくて…。

私の胸がすごく高鳴っていた。

 

「青葉ちゃんの好きなもの作ってあげるね…!」

「じゃあハンバーグを」

 

 どこまでも青葉ちゃんらしくて、その言葉を聞いた私は微笑ましくて笑ってしまいそう

になるのを堪えて頷いた。

 

「うん…、じゃあハンバーグ作るね」

「あ、私も手伝いますよ!」

 

 時々青葉ちゃんと一緒に料理を作ることもあってその時も楽しいけれど、

今はもっと楽しいと思えたのはたぶん青葉ちゃんがいつもより近くに

感じられたからだと思う。

 

「おいし~」

「ふふっ」

 

 こうやってハンバーグを口いっぱいに頬張ってる青葉ちゃんを見ながら幸せを味わう。

宗次郎と二人の時には感じなかった感覚。好きな人がいるのは良いものだ。

だからこそ困った時には傍にいたいし、力になりたいのだ。

 

 食後、食器を洗って片付けてから二人で寄り添いながらテレビをボ~ッとしながら

眺める。その時は会話は全くなかったけれど、寝ようと部屋に戻ろうとした立ち上がると。

 

「あの、ひふみ先輩…。今日、一緒に…いいですか?」

「…? うん、いいよ…」

 

 一瞬何のことだろうと思ったけど、これから寝るのにやることといったら一つしかない。

お互いまだ毎日一緒に寝るのはこそばゆくて、時々こうやって青葉ちゃんと私の部屋を

行ったり来たりして一緒に寝ていたりする。

 

 今日は私の部屋。一つのベッドに二人、ちょっと大きめのベッドだからあまり窮屈には

感じられない。それどころか今日は珍しく青葉ちゃんの方から甘えてくるからちょっと

ドキドキしていた。

 

「明日から私…しっかりしますから」

「うん…」

 

「今日はいっぱい甘えさせてください」

「いいよ…」

 

 私は微笑みながら青葉ちゃんを布団の中で抱きしめると青葉ちゃんも私の体に腕を

回してきた。ちょうど私よりも下の方に青葉ちゃんの頭があって私は空いた手で

青葉ちゃんの頭を撫でる。さらさらすべすべした髪が触っていて気持ちがいい。

 

 同じシャンプーやリンスを使っているにも関わらず青葉ちゃんの匂いが感じられて

ドキドキの強さが増していく。もっと、ぎゅってしたくなる。

 

 そして青葉ちゃんは私の胸の辺りに顔を埋めていて、その状態で「いいにほひ~」

っていうからくすぐったかった。

 

「あ、青葉…ちゃん…!」

「ごめんなさい、つい。ひふみ先輩のおっぱい気持ちよかったですよ!」

 

「余計恥ずかしいんだけど…!?」

 

 顔を上げた青葉ちゃんにカーテンの隙間から漏れた月の光が差してキラキラしていた。

私はそんな青葉ちゃんに見惚れながら耳元で呟いた。

 

「好き…だよ」

「…私もです…!」

 

 私が言うと青葉ちゃんも負けずに耳元まで近づいて言ってくる。

心がくすぐったくて嬉しくなる。どんどん愛しくなってくる。

 

「一緒に…仕事…がんばろうね」

「はい…!」

 

 私に見せたその笑顔は、もうすっかりいつもの青葉ちゃんに戻っていた。

 

 

***

 

 翌日、二人でそっと手を繋ぎながら出社。キャラ班のブースに着くと

青葉ちゃんは手を離して一歩前に出て元気良く挨拶しに行った。

 

「おはようございます!」

「お、青葉ちゃん元気になってるね、よかった~」

「はじめのやつ、あの後青葉ちゃんのことずっと心配しとったんやで」

 

 いつものキャラ班のやりとりが始まり、私も安心して自分の席に座れる。

ちょっと離れたところで頼りになるコウちゃんがいないのは私だって寂しい。

でもそれで仕事にならなかったらコウちゃんにも呆れられるだろう。

だからがんばる。帰ってきたときにみんな成長していてびっくりするくらい。

 

 私の中にも一つ強い気持ちが芽生えた気がした。それも傍にあの子が…

青葉ちゃんが居てくれるおかげ…。

 

 軽く振り返った時、青葉ちゃんと目があってちょっと驚いたけれどお互いに視線が

合っただけで何だか少し嬉しくなる。

 

 貴女がそこにいるだけで…私は幸せだよ。青葉…ちゃん///

 

お終い。

 


 
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