No.911169

英雄伝説~光と闇の軌跡~エレボニアカオスルート

soranoさん

第37話

2017-06-22 22:05:52 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2084   閲覧ユーザー数:1842

~パンダグリュエル・パーティーホール~

 

「な――――――」

「何だとっ!?」

「な、”Ⅶ組”のみんなが”特務部隊”の直接指揮下に入るって事は……!」

「”Ⅶ組”はこれからメンフィルに従って活動しなければならないと言う事だろうね………」

レンの答えを聞いたオリヴァルト皇子は絶句し、トヴァルは信じられない表情で声を上げ、ある事に気づいたトワは悲痛そうな表情をし、ジョルジュは重々しい様子を纏って呟いた。

「ど、どうして僕達”Ⅶ組”が”特務部隊”―――メンフィル帝国の指揮下に入らないといけないんですか……!?」

「うふふ、これでもレン達メンフィルは”Ⅶ組”の事をそれなりに高く評価しているのよ?何せガレリア要塞を含めた帝国の一部で起こった”帝国解放戦線”によるテロ活動を未然に防いだという功績があるしねぇ?」

「!?何でメンフィルがガレリア要塞の件まで知っているのよ!?あの件は箝口令が敷かれていて、外部に漏れないようにしていたはずよ……!」

エリオットの疑問に対して答えたレンの説明を聞いてある事に気づいたサラ教官は血相を変えて声を上げた。

 

「あ……っ!」

「大方、今回の両帝国の戦争に勝つ為の諜報活動で知ったんじゃないの~?」

「正解♪うふふ、レンも驚いたわよ?何せ”西ゼムリア通商会議”にはレンも参加していたから、Ⅶ組のみんなが阻止してくれなかったら、”鉄血宰相”と一緒に女神の下に行っていたかもしれなかったし。」

サラ教官の言葉を聞いたアリサは声を上げ、疲れた表情で呟いたミリアムの推測に頷いたレンは小悪魔な笑みを浮かべた。

「”西ゼムリア通商会議”にレン皇女殿下も参加なさっていたのですか…………」

「そう言えば”西ゼムリア通商会議”でカイエン公もそうだけど、”鉄血宰相”も政治的ダメージが受けたけど、もしかしてあの件も”殲滅天使”の仕業?」

レンの話を聞いたラウラは驚きの表情で呟き、ある事に気づいたフィーはジト目でレンに訊ねた。

「うふふ、あの件を主導したのはレンじゃないわよ。―――話を戻すけど、アルフィン皇女達が”Ⅶ組”まで何故特務部隊の指揮下に入らなければならない事を訊ねた際にガレリア要塞の件も含めて説明したから、和解調印式に参加した人達もガレリア要塞の件を知ってしまったわよ?」

「なっ!?と言う事はアリシア女王陛下達もガレリア要塞の件をご存知なのですか……!?」

「”西ゼムリア通商会議”には女王陛下の跡継ぎであるクローディア王太女殿下も参加なさっていましたから、最悪リベールはガレリア要塞の件でエレボニアに対して賠償や謝罪を求めてくるかもしれませんわね………」

「そ、そんな………」

レンの説明を聞いてある事に気づいたクレア大尉は厳しい表情で声を上げ、シャロンの推測を聞いたマキアスは表情を青褪めさせた。

 

「うふふ、その点については安心していいわよ?アリシア女王は和解交渉の時にガレリア要塞の件を知った際、リベールはこれ以上エレボニアに追い討ちをするような事はしないって言っていたからガレリア要塞の件を持ち出して国際問題にはしないと思うわよ。―――まあ、問題にはしなくてもエレボニアはリベールに対して大きな”借り”ができてしまったけどねぇ?」

「それは…………」

「ただでさえ、エレボニアは”百日戦役”の件でリベールに対して大きな”借り”があるのだから、今後のエレボニアの国際的立場はリベールより下になる事は確実でしょうね。」

「セリーヌ!」

レンの推測を聞いたアルゼイド子爵は複雑そうな表情をし、静かな表情で呟いたセリーヌの推測を聞いたエマは声を上げてセリーヌを睨んでいる中その場にいる多くの者達は複雑そうな表情や辛そうな表情で黙り込んでいた。

「………レン皇女殿下。確かにオレ達”Ⅶ組”は自分達だけで、今まで起こった帝国各地の事件を解決した訳ではない上、”機甲兵”1体を戦闘不能に陥らせる事が精一杯であったオレ達がメンフィル帝国の役に立てるとは思えないのだが………」

「”Ⅶ組”を指揮下に置く事に関して戦力面では一部の人達を除いて最初から期待していないわよ。”Ⅶ組”が特務部隊―――いえ、アルフィン皇女指揮下の下で戦ってもらうだけで、貴族連合軍と正規軍に貴族派と革新派は派閥争いを止めて”アルノール皇家”主導の下で今後のエレボニアを支えるという意思表示を示す”旗印”になるから”Ⅶ組”を指揮下に置く事をメンフィルは判断したのよ。」

「『Ⅶ組が貴族派と革新派は派閥争いを止めて”アルノール皇家”主導の下で今後のエレボニアを支えるという意思表示を示す旗印になる』ってどういう事なんですか……?」

ガイウスの疑問に答えたレンの説明を聞いてある事が気になったトワは不安そうな表情でレンに訊ねた。

 

「あら、Ⅶ組には”革新派”は”鉄血宰相”に次ぐ”革新派”の有力人物である帝都知事の息子と”鉄血の子供達(アイアンブリード)”が在籍しているし、”貴族派”は”四大名門”の一角である”アルバレア公爵家”の次男が在籍している上、両派閥にも所属していない”中立派”はエレボニアでも5本の指に入ると言われている武人にしてエレボニアで双璧を誇る武術―――”アルゼイド流”の伝承者である”光の剣匠”の娘が在籍しているのだから、”貴族派と革新派が派閥争いを止めてアルノール皇家主導の下で今後のエレボニアを支えるという意思表示を示す為の旗印”としてピッタリでしょう?」

「そ、それは……………」

「…………………」

「あ、あんた達……!この子達を政治利用するつもりなのね!?」

「ハハ………貴族、平民関係なく集めた事が仇になってしまったのか………」

「殿下………」

レンの正論に反論できないマキアスは複雑そうな表情で答えを濁し、ラウラは重々しい様子を纏って黙り込み、サラ教官は怒りの表情でレンを睨みつけ、疲れた表情で肩を落としたオリヴァルト皇子の様子をアルゼイド子爵は辛そうな表情で見つめていた。

「……………ふ~ん、なるほどね~。要するにメンフィルはこの内戦を利用して”貴族派”どころか、”革新派”も”潰す”つもりなんだ。」

「え……それってどういう事なの……?」

その時ミリアムが真剣な表情でレンを見つめて呟き、ミリアムの言葉が気になったアリサは困惑の表情で訊ねた。

「先程レン皇女殿下はアルフィン皇女殿下を旗印にして、正規軍やⅦ組の皆さまを指揮下におくと仰いました。正規軍や両派閥の関係者や有力人物の家族をアルフィン皇女殿下の指揮下におく―――即ち”革新派”が掌握していた正規軍や”貴族派”が掌握していた”領邦軍”を奪い、”アルノール皇家”に正規軍、領邦軍共に掌握させるという意味だと思われますわ。」

「Ⅶ組には両派閥の関係者や有力人物の家族もいるから、正規軍、領邦軍からすれば”革新派”と”貴族派”は派閥争いを止めて、今後は”アルノール皇家”主導の下、エレボニアを支える事を決めたように見えるでしょうね。そして”軍”を失った派閥は”派閥としての力”を失ったも同然ね。」

「シャロンッ!」

「セリーヌッ!」

「それは…………」

「………………」

「く……ッ……!」

シャロンとセリーヌの推測を聞いたアリサとセリーヌはそれぞれ声を上げて二人を睨み、二人の推測を聞いたラウラは複雑そうな表情で順番にクレア大尉やミリアム、マキアスに視線を向け、マキアスは複雑そうな表情で黙り込み、クレア大尉は悔しそうな表情で唇を噛みしめていた。

 

「クスクス、”奪う”だなんて人聞きが悪いわね。王政の国の軍人が本来仕えるべき”主”はその国の”王”もしくは”王族”なんだから、レン達は両派閥によって歪められた形を”元通り”にしてあげるだけよ?―――よかったわね、オリビエお兄さん♪これで内戦が終わったらオリビエお兄さんの望み通り、両派閥はおバカな争いを止めて、エレボニアを支えてくれるでしょうね♪」

「ハハ………その代わりに新たな火種や問題が浮上する可能性は非常に高いけどね………レン君、何故メンフィルは”貴族派”だけでなく、”革新派”まで潰すつもりなんだい?”貴族派”を潰す理由は今回の戦争の件があるからわかるのだが何故”革新派”まで……」

小悪魔な笑みを浮かべたレンに視線を向けられたオリヴァルト皇子は疲れた表情で呟いた後表情を引き締めて自身の疑問をレンに訊ねた。

「あら、”革新派”は今まで自分達がエレボニアの主導権を握り、エレボニアを豊かにさせる為に様々な小国や自治州を併合させる為の”色々な活動”をしていたのだから、今回の戦争でエレボニアを衰退させる事になった”元凶”であるメンフィルにいつか”報復”をする為に、今回の戦争や内戦で自滅した”貴族派”を完全に排除してエレボニアの主導権を握って、”色々な活動”をする事も考えられるのだから、メンフィルとしても戦争勃発の可能性となる”芽”は小さい内に摘んでもおかしくない話でしょう?」

「ッ!」

「それは…………」

「ま、今までの”革新派”の行動を考えたらメンフィルが”革新派”を警戒するのも当然と言えば当然か……」

「フン、今回の戦争の元凶となった”貴族派”が原因で”革新派”まで潰されるなんて、皮肉な話ね。」

「サ、サラ教官。何も本人達の目の前で言わなくても………」

オリヴァルト皇子の疑問に対するレンの答えを聞いたクレア大尉は辛そうな表情で唇を噛みしめ、アルゼイド子爵やトヴァルはそれぞれ複雑そうな表情をし、鼻を鳴らしてクレア大尉をジト目で見つめて呟いたサラ教官の言葉を聞いたエリオットは冷や汗をかいて指摘した。

「何で国力、戦力共にエレボニアよりも圧倒的なメンフィルがボク達をそこまで警戒するのか意味不明だよ~。第一幾らオジサンでもメンフィルに喧嘩を売るみたいな無謀な事は考えなかったと思うよ~?」

「そうかしら?―――何せ”鉄血宰相”は『自分の死を偽装して、自身の配下に内戦の状況を調整させていた』可能性が非常に高いのだから、雌伏し続けていつかメンフィルに戦争を仕掛ける事も十分に考えられるわよ。」

疲れた表情で呟いたミリアムの疑問に対してレンは驚愕の事実を答えた。

 

 


 
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