大陸動乱編「覚醒」

先日、袁紹軍を退け琢県へ戻ってきた北郷軍は幽州各地に斥候を放ち、于吉たちが侵攻してくる時期を図っていた　

一刀「それで、街の皆は？」

愛紗「私たちと共に逃げる、とのことです」

事情を説明し、民の安全のためにここを去ろうとしていた北郷軍だったが民は北郷たちと共に逃げることを選択した

桃香「だったら、皆を無事に逃がさないと」

白連「でも、どこに逃げるんだ？」

そう、北郷軍はここを離れると拠るところもない流浪の集団になってしまう　逃げるにしても、目的地がないのだ

雅樹「・・・候補はある」

一刀「どこなんだ？」

そして、雅樹が提案したのは―――

―――Side　雅樹―――

民と一緒に街を出てから大体１月経った　俺たちは現在「蜀」を目指している　実は、反董卓連合の折に蜀の太守である劉璋に渡りをつけておいた　劉璋は高齢でこれから先太守の任をしていくことは難しいといっていた　そこで、俺は同じ劉姓の桃香に任せてみたらどうかと持ちかけた　劉璋は蜀の民の安全を保障するなら、との条件で時期が来たら俺たちが入蜀するという手はずになっていた　そして、于吉たちの追撃もあったが何とか大きな被害もなく蜀へと歩を進めていた

雅樹「ふう・・・とりあえずは、大丈夫か　先頭の一刀たちは大丈夫かね・・・」

雛里「大丈夫ですよ　先頭は愛紗さんも居ますし」

華雄「真ん中は恋が、後ろは私たちが守っているんだ　用心しすぎるとかえって拙いぞ？」

鈴々「にーちゃんは、少し考えすぎなのだ」

・・・そういうが、最悪の事態を想定しておくのは当然だと思うが・・・

白連「まあまあ、こいつがこんなだから私たちが居るんだろ？」

・・・なんか、最近雛里と華雄と白連が仲がいいというか・・・三人で俺を監視している気がする・・・いや、確かにこいつらは俺と一緒に生きて行くと言っていたが・・・

鈴々「ところで、ここはどこなのだ？」

雛里「え～と・・・確か・・・「長坂」だったかと」

雅樹「何！？ということは・・・しまった！」

華雄「どうした？」

兵「仙石将軍！後方より魏軍が！」

白連「はあ！？何で、魏が攻撃を仕掛けてくるんだ？」

やられた・・・奴らがただ追いかけてくるわけなかったか・・・

雅樹「おそらく、于吉が魏に何かしたんだろう・・・拙いな」

確か、于吉たちも追撃をしているはず・・・こっちは、この崖にかけられている橋を渡らなければならない・・・どうする？

雅樹「雛里！お前は、至急先頭へ行って長坂の橋を速く渡るように一刀に伝えて来い！白連は、騎馬隊を率いて老人や女子供を運べ！華雄はその援護だ！」

雛里・華雄・白連「「「御意！」」」

雅樹「鈴々は俺と一緒にここで足止めだ・・・いけるな？」

鈴々「応なのだ！」

―――Side　秋蘭―――

私たちは、魏の領内で略奪をした北郷軍の追撃をしているが・・・妙だな　幽州から、逃げているはずの北郷軍に暴れる余裕はないはずだが・・・命令だから仕方がないか・・・

季衣「春蘭さま！北郷軍の殿が見えました！」

春蘭「よし！全軍突撃！華琳さまの領地を荒らした奴らを許すな！」

姉者が突っ込んで行ったか・・・まあ、姉者はあれでいいのかも・・・

凪「秋蘭様・・・妙ではありませんか？」

真桜・沙和「「うんうん」」

霞「確かに、妙やな・・・今の北郷軍に暴れまわる余裕はないはずやけど・・・」

やはり、全員不審に思っているようだな・・・まあ、姉者と季衣以外は不審に思っていたしな　後ろにおられる華琳様は、「事実だろうがそうでなかろうが、今のうちに劉備は潰したほうがいいわ」と仰っていた・・・やるしかないか

―――Side　雅樹―――

来たか・・・先方は・・・「夏」それで、突撃してきそうなのは・・・夏候惇か

鈴々「にーちゃん！まだ皆渡りきっていないのだ！」

ふう・・・まさか、長坂仁王立ちを体験するとは・・・于吉は傀儡兵を魏の兵に偽装してくるのか？・・・もしそうなるなら・・・

雅樹「・・・来たぞ！」

―――Side　于吉―――

・・・ほう？なかなかやりますね・・・しかし、魏を操るのはたやすかったですね　ま、曹操はシナリオを立てられているといえチャンスを見逃しはしませんか・・・　しかし、なかなか粘りますね・・・仕方ない　傀儡兵を投入しますか

于吉「これで終わってくれるといいのですが・・・」

―――Side　雅樹―――

鈴々「にゃ～！なんか増えている気がするのだ！」

気がするではなく、実際に増えているな・・・しかも、曹操が直接指揮している部隊も来たか・・・くそ・・・

雅樹「・・・鈴々・・・大体、渡り終わった　次は俺たちが渡るぞ」

鈴々「でも、敵はどうするのだ？」

傀儡兵も・・・このままではジリ貧、か　これは、四の五の言っていられんか

雅樹「俺に策がある・・・先に渡れ！」

鈴々「わ、分かったのだ！」

橋の向こう側では・・・一刀たちが居た・・・さっさと逃げればいいものを

一刀「早くこっちに！橋を切るから！」

そこまで、この崖は広くない・・・弓で射られては適わんな・・・それに、回り道もないわけじゃない　なら・・・

一刀「雅樹！？」

退路を絶ち・・・可能な限り暴れまわる！

春蘭「なに！？」

凪「橋を切りおとして・・・こちら側に残った？」

桃香「雅樹さん！」

雅樹「行け！蜀までもう少しだ！振り返らずに進め！」

愛紗「しかし！「行きましょう！」な！？雛里！」

雛里「ご主人様は負けません！」

華雄「今私たちにできることは・・・蜀へ向かうことだ！」

朱里「でも・・・」

白連「むしろ、ここで止まっていたら雅樹が戦えないだろ？それに、私たちが安全なところに行けば雅樹だって生きて帰ってこれるんだ」

・・・よく分かっているじゃあないか　さすが、俺の恋人たち・・・キャラではないが、別にいいだろう？

一刀「くそ！無事に戻ってこいよ！」

雅樹「当然！恋人を残して逝くような真似はせんよ！」

―――行ったか　これで、後顧の憂いはなくなった

華琳「・・・あなたは賢いと思っていたけど・・・見込み違いだったかしら？」

雅樹「別に死ぬ気はない・・・さて、ここから先は死者の道・・・生者が通ることはできん・・・通りたくばその命を置いていけ」

華琳「（こいつ・・・）」

春蘭「なめるなぁ！」

何の変哲もない唯の大振りの剣・・・

雅樹「・・・フン、この程度で俺を倒すつもりか！」

春蘭「何！？素手で受け止めた！？」

雅樹「どうした？これで終わりか？なら・・・」

蹴りを叩き込むと同時に氣を夏候惇の中に打ち込む！

春蘭「ガッ！？」

秋蘭「姉者！」

雅樹「さすが、魏武の大剣か？今ので普通は死ぬが・・・ま、しばらく戦えないのには変わりないか・・・」

凪「貴様ァ！」

こいつは・・・確か、楽進か？ふむ・・・氣弾を使えるのはいい―――

雅樹「―――が、まだ甘いな」

凪「な！？」

雅樹「ただ、氣を打ち出せばいいってもんじゃあない　氣は練らなければ意味はない・・・氣弾とは、こう撃つんだよ！『青竜燐』！」

凪「うぐ！？」

こいつの氣弾は唯撃つだけ・・・密度も・・・速さもない　それでは、風船と同じだ

霞「くそ！化けもんかい！」

・・・化け物、か　それでも構わんよ・・・あいつらを守れるのならば、喜んでその呼び名を名乗ろう　―――ん？傀儡兵も多くなってきたな・・・「やる」か　俺は天龍を地面に刺し、懐から一枚の札を取り出した―――

魏軍「「「「？」」」」

太公望『この名を名乗ると君は仙人として覚醒する　その代償として、仲間に忘れられることになるけどね』

大丈夫　俺にはあいつらが居る・・・それだけで・・・他には何もいらん

雅樹「仙石雅樹は今死んだ！ここに居るのは、一人の仙人『狂骨』なり！」

さあ、行こうか？無限の道を・・・永遠の時を―――

―――Side　？？―――

・・・名乗ったか、仙石・・・いや、狂骨よ　それが、お前の選んだ道か・・・そこまでする意味・・・お前の言っていた言葉・・・今なら分かる

？？「旦那様・・・」

？？「兄さん・・・」

お前の生き方・・・見せてもらうか

？？「奴を・・・狂骨を支援する・・・行くぞ？お前ら」

？？・？？「「御意！」」

これから、楽しくなりそうだ・・・なあ？宿敵？

さて、１１話です　ついにやってしまいました＾＾；でも、時期的にはベストだと思います　た

だ、自分の描写が悪いかもしれないです・・・

そして、最後に出てきた謎の人物は！？（まあ、バレバレかも知れませんが＾＾；

それでは、次回お会いしましょう！