「袁術からの命令よ。あっちは別働隊の相手するから、私達で黄巾党の本隊を叩けですって」
主立った将たちと一刀の前で放った雪蓮の第一声だった。
一同呆気に取られる中、冥琳が口を開く。
「雪蓮。いくらなんでも・・・・・・」
「兵数の差がありすぎだって言うんでしょ?私もそう言ったわよ。で、呉の旧臣たちを呼び集める許可をくれるよう頼んだんだけど」
「くれたのか?」
「ええ」
「・・・・・・馬鹿だな」
「馬鹿じゃのう」
「ほんとお馬鹿さんですね~」
口々に袁術を馬鹿呼ばわりする孫呉の面々。
「それでも厳しい戦いには違いないわ。気合入れていくわよ!」
「「「応!!」」」
「お、おう!」
約一名乗り遅れたものがいたが、次なる大戦へと闘志を漲らせる一同だった・・・・・・
それから少し時は経ち、軍備を終えて出陣した孫呉一行は、他の部隊との合流地点で休息を取っていた。
「後は蓮華たちを待つだけね」
「妹さんだっけ?」
「そう。一刀も会うの楽しみなんじゃない?お尻好きなんでしょ?」
「それは非常に楽しみなんだが・・・・・・」
一息ついて、再び口を開く一刀。
「聞いた所によると、その妹さん随分堅物らしいじゃないか。俺、そういう人間からは結構嫌われる性質なんだよな・・・・・・」
「う~ん・・・・・・最初は警戒されるかもしれないけど、あの子も馬鹿じゃないし、何とかなるわよ。きっと」
「だといいんだが・・・・・・ん?」
「来たみたいね」
砂塵を巻き上げ、こちらに向かってくる軍勢。
その先頭にいた女性こそ、噂の孫権その人だった。
「姉様!お久しぶりです!」
「ええ。会えて嬉しいわ蓮華。思春と明命も元気そうね」
「はっ!」
「はい!」
再会を喜ぶ孫権、甘寧 、周泰。
「ところで、三人に紹介しておきたい人間がいるんだけど」
「「「?」」」
雪蓮は一刀を手招きし、一刀は頷いて雪蓮の隣にやってきた。
「紹介するわ。北郷一刀よ」
「・・・・・・姉様。その男はいったい何者ですか?」
訝しげな視線を一刀に向ける孫権。
甘寧、周泰の表情からも疑心、戸惑いの感情が見て取れる。
「天の御使いで、あなたたちの夫になるかもしれない人よ」
「な!?」
あまりの爆弾発言に固まる孫権。
甘寧と周泰も同様である。
その後、冥琳たちも混ざり、一刀に関して軽く説明が行われたのだが、
「納得できません!こんな得体の知れない男と子を為せなど!」
「・・・・・・」
「え、ええと・・・・・・」
激昂する孫権、無言で一刀を睨む甘寧と顔を赤くして戸惑う周泰。
そんな中、一刀はと言うと・・・・・・
(まさか、あの二人の下着は褌では・・・・・・それにあの孫権。腰つきから見るに、聞いた以上に素晴らしい尻をしている公算大!見、見たい・・・・・・)
表には出さなかったが下心全開だった。
「とにかく私は認めません!」
プイッと姉に対して背を向ける孫権。
その尻を見た瞬間、一刀は高速のスライディング土下座で孫権の背後へ迫った。
「え!?」
驚く孫権。
その後、一刀が取った行動は、
「お恵みを~~・・・・・・」
まるで神を祀るが如く平伏し、顔と腕を上げては再び平伏を繰り返していた。
「え?え?」
突然の事に混乱する孫権。
狼藉を働くのではないかと武器に手をやっていた甘寧、周泰もどうしていいか分からずに止まっていた。
「ね、姉様。これは?」
「私に言われても」
その疑問に答えたのは祭だった。
「権殿。こやつは無類の尻好きでしてな。おそらくは権殿の尻のあまりの見事さに、欲情を通り越して崇拝対象になってしまったのではないかと」
「な!?」
さっと尻を両手で隠す孫権。
一刀はまだ正気に戻っていないようで、平伏しつつ祈りを捧げていた。
そして一刀が正気に戻った後、
一刀は雪蓮たちのとりなしもあって三人に真名を教えられはしたものの、
その日はそれ以降、一言も口を利いてもらえなかった・・・・・・
どうも、アキナスです。
少々時間が空いてしまいましたが、投稿です。
遂に出会ってしまいましたね。
第一印象最悪のようですが。
ではまた次回・・・・・・
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それは神か・・・・・・