No.897031

英雄伝説~光と闇の軌跡~エレボニアカオスルート

soranoさん

第17話

2017-03-12 22:10:20 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1902   閲覧ユーザー数:1652

同日、17:10――――

 

メンフィル軍がバリアハートを占領したその日の夕方、大手柄を立てたL小隊の代表者であるリィンはリフィア達に公爵夫妻の殺害やアリサ達との戦いの経緯を説明した。

 

~バリアハート・元アルバレア公爵城館~

 

「―――なるほどな。レンから”カレイジャス”がバリアハートに現れた話は聞いていたが、まさか本当にレンの予想通り仲間の救出の為に幾ら”光の剣匠”達が共にいるとはいえ学生が”戦場”に現れるとはな……あの放蕩皇子が腐敗したエレボニアに”新たなる風”を巻き起こす為に選ばれただけあって、覚悟は相当なもののようだな。しかもよりにもよってお主達とその者達が剣を交える事になるとは……皮肉な話じゃな。」

「……?それはどういう事でしょうか?」

事情を聞き終えた後溜息を吐いたリフィアのある言葉が気になったリィンは不思議そうな表情で訊ねた。

「今の余の言葉は忘れろ。今となってはお主には無関係の話だ。」

「……?御意。」

「それよりもよくぞ公爵夫妻の首を取り、更にはアルバレア公爵の次男を捕縛し、予想外の乱入者である”光の剣匠”達を撃退した!褒めて遣わす!」

「恐悦至極に存じます。ですが今回の戦の手柄は俺だけでは決して成し遂げる事はできませんでした。全てL小隊の仲間達やベルフェゴール達のお陰ですから、俺自身は大したことはしていません。」

リフィアの称賛の言葉に対してリィンは謙遜した様子で答えた。

 

「ふふっ、優秀な人材を仲間にできる人望や運もまた貴方自身の実力ですから、謙遜する必要はありませんわ。」

「今回の戦の大手柄は間違いなくお前達L小隊である事は明白。お前達が大手柄を立てた事、お前達の上司として誇らしいぞ。」

「勿体無いお言葉でございます。ただ俺としては殿下達に相談もなく”光の剣匠”達をみすみすと逃がしてしまった事に責任を感じております。どうか罰するのならばL小隊の小隊長である俺だけにしてください。」

シグルーンとゼルギウスの称賛の言葉に謙遜した様子で答えたリィンはリフィア達に頭を深く下げ

「兄様………」

その様子をエリゼは心配そうな表情で見守っていた。

「なんじゃ、そんな事を気にしておったのか。その件に関して余達はお主達を罰するつもりは最初からない。話に聞くところその者達は仲間の救出の為に止むを得ずお主達と剣を交えたとの事。中立勢力にまで危害を加えたら、リベールとの”契約違反”になり、戦争終結後に余達の戦後処理にリベールが口出しできる口実を作ってしまうからな。むしろ、これ以上ユーシス・アルバレアの件でオリヴァルト皇子達に手出しさせない事を約束させたのだから、褒められるべき事だ。」

「リベールとの”契約違反”………もしかして俺達メンフィル軍が貴族連合軍の殲滅を命じられている一方、正規軍に関しては向こうから戦いを仕掛けて来ない限り手出し無用と厳命されているのはリベールとの何らかの取引によるものなのでしょうか?」

リフィアの話を聞いてある事に気づいたリィンは不思議そうな表情で訊ねた。

 

「うむ、そんな所じゃ。ちなみにお主達が捕縛したユーシス・アルバレアじゃが、”光の剣匠”の言う通り貴族連合軍について大した情報は持っておらんかった。」

「そうですか………その、殿下。俺如きが殿下に直接嘆願するのは身の程知らずな事だと理解しているのですが――――」

リフィアの話を聞いて頷いたリィンは決意の表情でリフィアを見つめ

「それ以上は言わなくてもわかっておる。既にエリゼから嘆願されているしな。ユーシス・アルバレアに関しては戦争終結まではこの城館にて軟禁、勿論奴への危害は厳禁、戦争終結後は”アルバレア公爵家”の財産の4分の1を現金にして渡して解放、お主達から預かった”宝剣ガランシャール”については明日にはレグラムにある”アルゼイド家”の屋敷に返還する手筈になっておる。」

「!寛大なお心遣い、ありがとうございます……!」

リフィアの答えを聞いたリィンは目を見開き、すぐに頭を深く下げて感謝の言葉を口にした。

「……殿下。今回の戦でリィンを含めたL小隊の手柄を考えるとL小隊は”次の作戦”に参加させてもよいかと思われます。」

「あなた………確かに言われてみればそうですわね。それにリィンさんはご自分が契約している異種族の方達の能力を適正なやり方による協力で今回の手柄をたてたと言っても過言ではありませんから、”次の作戦”でも彼らL小隊は必ずお役に立つと思われますわ。」

「うむ!余もお主達と同じ意見じゃ!」

その時ゼルギウスがリフィアに助言し、ゼルギウスの助言を聞いたシグルーンは目を丸くした後すぐに納得した様子で頷き、シグルーンはゼルギウスの助言の補足をし、二人の助言を聞いたリフィアは力強く頷いた。

「”次の作戦”……?それは一体どのような内容のものなのでしょうか……?」

「殿下、説明をしてもよろしいですか?」

「よい。」

不思議そうな表情で訊ねて来たリィンを見たゼルギウスはリフィアに確認を取った後説明を始めた。

 

「”次の作戦”……―――それは貴族連合軍の旗艦である”白銀の巨船”―――”パンダグリュエル制圧作戦”だ。」

「ちなみに諜報部隊が調べた所”現在のパンダグリュエル”には結社の”執行者”を含めた貴族連合軍の”裏の協力者”達の数多くが乗船し、更にはエレボニアの帝位継承者の一人であり、今回の戦争の発端の一因でもアルフィン皇女や貴族連合軍の”総参謀”であるルーファス・アルバレアも乗船しているとの事です。」

「貴族連合軍の旗艦を……!しかもアルフィン皇女や実質貴族連合軍のNo.2である”総参謀”まで乗船しているのですか……!」

ゼルギウスとシグルーンの説明を聞いて驚いたリィンは目を見開いてゼルギウス達を見つめた。

「うむ。次の作戦で裏でこそこそと動く貴族連合軍の”裏の協力者”共を”総参謀”を含めて殲滅し、貴族連合軍の旗艦を余達メンフィルが奪い、今後メンフィルの軍艦として有効に活用する為の作戦じゃ!」

「”パンダグリュエル制圧作戦”は滞空する敵艦に直接突入しての作戦になる為、突入できる兵達は陸での戦いと違い敵艦の兵達とすり替わった兵達を含めて数が限られている。その為作戦に参加する兵達は厳選されている。」

「ちなみに”パンダグリュエル制圧作戦”では余やプリネ達どころか、リウイも直々に出陣する事になっておる。」

「!今回の戦争のメンフィル軍の総指揮官であられるリウイ陛下が直々に出陣なさるのですか……!」

リフィアとゼルギウスの説明を聞いたリィンは信じられない表情で声を上げた。

 

「情報によると一人だけリウイやゼルギウスクラスでなければ討ち取る事が困難な”執行者”がいるとの事だからな。その為リウイも出陣し、その”執行者”をゼルギウスと共に討ち取る事になっている。」

「また他の”執行者”を含めた貴族連合軍の”裏の協力者”達も殿下やプリネ皇女殿下達が討ち取る予定となっております。……ここまで言えば敵艦に突入する他の兵達の役割が何なのかわかりますわよね?」

「……敵艦に潜入している兵達と連携して敵艦の兵達の殲滅並びに”総参謀”ルーファス・アルバレアの討伐、そしてアルフィン皇女の捕縛でしょうか?」

リフィアの説明を補足したシグルーンに問いかけられたリィンは静かな表情で答えてリフィア達に確認した。

「その通りじゃ。それで次の作戦、お主達L小隊も参加させるようかと思っておるが、どうだ?」

「ちなみに既に貴方達L小隊の大活躍はリウイ前皇帝陛下の耳にも届いておりますわ。恐らく現時点でも表彰は確実でしょうが次の作戦でも手柄をたてれば、直接出陣なさるリウイ陛下もいらっしゃるのですから、直々に表彰される事も早まると思われますわ。」

「!ハッ!L小隊、殿下達の抜擢にお応えし、ありがたく参加させて頂きます……!」

リフィアとシグルーンの話を聞いて目を見開いたリィンは次の作戦に参加する事を答え

「うむ!エリゼもしっかりとリィン達を補佐するのじゃぞ。」

「お任せ下さい。」

「”パンダグリュエル制圧作戦”は2日後に遂行される。詳しい時間は後で知らせる。今夜と明日は次の作戦に備えて英気を養っておくように。」

力強く頷いたリフィアに話を振られたエリゼは会釈をし、ゼルギウスはリィンに今後の事を伝えた――――

 

 

今回の話でリィンが次はどんな手柄をたてるのか察する事ができたかと思います(黒笑)


 
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