No.866190

真・恋姫†無双~貞操逆転伝~3

KTKさん

一刀君、徐々にこの世界に毒され始める。

2016-08-29 21:56:21 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:7277   閲覧ユーザー数:6362

 

「二人とも聞いたか。一刀殿がこの街で働き口を見つけたらしい」

 

「ええ、とても喜ばしいことです。我々三人も暫く袁紹殿の下で客将として迎えられましたから」

 

「風達がいつでもお兄さんを守れるとは限りませんからね~。己の道を見つけたのは良いと思います」

 

貂蝉の元から宿屋へ報告がてら戻ってきたら……ちょっとした悲劇が起こってしまった。

考えてみたらノックも、ましてや声も掛けずに女性の部屋へ入ったのが間違いだったんだ。

 

「そこで一刀殿、一つお願いがあるのだ」

 

虚ろな目をした趙雲さんが言う。

 

「袁紹殿の下で働く以上、次に顔を合わせるのがいつになるか分からん。なので――」

 

趙雲さんが両肩をガッシリ掴む。そんな強く掴まれると壊れるんですが……。

 

「暫しの別れのお土産として……む、むむむむむ胸を揉ませてもらって良いだろうか?」

 

はい煩悩超特急のお土産入りましたー。

ってか会う人会う人俺の胸好き過ぎるだろっ!

 

「ブホッ……! で、では私はお尻を揉ませて頂いてよろしいですか」

 

ちょっ、鼻血、鼻血ッ!!

 

「風は星ちゃんと稟ちゃんのように贅沢は言いません。少しだけお兄さんの下半身の暴れん棒を見たいだけなのです」

 

そのお願いは二人よりも遥か彼方に行っております程昱さん。

 

「お願いです三人とも! 俺が悪かった!」

 

三人が俺の人形を使って【ズキューンッ!!】してたのは墓場まで秘密にして持っていきます。だから――

 

「せめて話しかけるのは人形じゃなくて俺本人にしてくれーッ!?」

 

 

 

 

 

 

真・恋姫†無双~貞操逆転伝~【第三章 一刀、己が魅力を再認識するのこと】

 

 

 

 

 

 

ああ~……仕事初日だというのに憂鬱だ。今日は朝から酷すぎる。

でもお世話になった三人に報告もせずに働くのはどうかと思った故の行動だし……。

もうちょっと時間を置いて宿屋に戻っていたら今回の悲劇は防げたかもしれない。

 

「ほらほらどうしたの一刀きゅん♪ もうすぐ開店よん? 報告し終わったんなら笑顔、笑顔でお仕事よ!」

 

誰のせいでこんな気分になってると思ってるんですかねぇ……。

俺の人形? そんなもの、眼の前にいる筋肉達磨に叩き付けてやりましたとも。

ここに来るまでに俺が“俺”を担いで歩くという珍妙な光景を街行く人達に見られたけどな!

 

「で、店長殿。俺はここで何をしたら良いの?」

 

「ん~? ぶっちゃけ来た子のお相手よねえ。話し相手になってあげたり、あっちのお相手になってあげたり……」

 

「ああ、やっぱりそっちの方もなんだ……」

 

何というか、俺はまだ未経験なんだぜ。飢えた女の子達のエスコート出来る気がしないんだぜ。

 

「心配しなくても大丈夫よん。一刀きゅんがまだ童貞なら、来る女の子達もほぼ素人処女だから♪」

 

「なななななな何で俺が童貞だと決め付けてるんだよ!」

 

「んふふふふ。あたし程の漢女になると、男女の経験ぐらいすぐに見抜けるのよ!」

 

くそう……見事に見抜かれた。

 

「でも女の子と出掛けたり、そういう経験少ない俺が話し相手とか出来るかな」

 

しかもこの世界に来て初めて女の子からのお誘い断ったけどな! 事情が事情だったから仕方ないけど。

 

「それも大丈夫よ。一刀きゅんは普段通りにしてれば良いの。

 そうすれば貴方自身、この外史においてどんなに魅力的な存在かが分かる筈よ」

 

「普段通り……ねえ」

 

「まあ、ここの女の子から見れば一刀きゅんて物凄い淫乱なんだけどねえ」ボソッ

 

ん? 店長何か言った……って居ねえ! 素早いな全く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「店長……」

 

「なあに?」

 

「開店したんだよな?」

 

「開店したわねえ」

 

「もう随分と経ってないか?」

 

「経ったわねえ。もしかしてお腹空いちゃった? 何か作ってあげるわよん」

 

「あ、ゴチになります…………じゃねえよ!!」

 

お客さんが来ないッ! 誰一人として!! 女の子の“お”の字も無いよ!!!

 

「まあまあそう焦らないの。このお店はちょっと特殊だから。あ、内容的な意味じゃないわよ」

 

「違うんだ……」

 

「ここは心の中にもう辛抱たまらんって感じに、心身共に欲求不満が溜まってる娘だけが見えるお店なの。

 私が直接連れ込んで尚且つ従業員にした一刀きゅんは別よ? そうでもしないとお客さん殺到しちゃうもの」

 

「本当に殺到する程……ってこの世界ならするか」

 

「するわよぉ。一刀きゅんだって、元の世界に【綺麗な女の子が貴方のお相手致します。話し相手も床の相手も……】なお店があれば通うでしょ?」

 

悔しい……でも通っちゃう。んなモン、お金の続く限り絶対通うわ。

つーか何という童貞キラーなお店なんだ。

 

「そんなに客入り制限してる店なら、料金とか無茶苦茶に高いのか?」

 

「あたしとしてはそこまで高額には設定してないわ。

 強いて言うなら満足した娘達が『次もお願いします』的な意味合いで追加料金を置いていってくれる感じかしら」

 

「チップってか賄賂かよ」

 

「後はお店の決まりとして、ここでは地位や立場なんかを捨てて純粋な一人の乙女になることかしら。だから入店の際は真名を名乗ってもらうのよ」

 

「真名をッ!?」

 

それって信頼した人にしか教えない神聖な物なんじゃないのか!

料金とか無しにしてもかなりハードル高いぞこの店。

 

「当初はそれに難色を示した娘も居たんだけど……」

 

「けど?」

 

「欲望は何事にも強し……って事かしらねえ。時には神聖さも掻き消えるのよん」

 

真名を付けたお父さんお母さん、貴方達は泣いて良い。

……って、うん? 何やら音が鳴ったような。

 

「あらあら。お喋りしてたら、今日のお客さんが来たみたいねえ。早速お出迎えしなくちゃ♪」

 

「俺も一緒に行くか?」

 

「一刀きゅんはあたしが呼ぶまでここで待機ッ! 絶対よん」

 

「へいへい……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何ですの。この店は……」

 

政務の息抜きを兼ねて街を見て回っていたら周囲と別の、異様な雰囲気の店がありました。

何故だか分かりませんが、私はそこから目が離せなくなり、フラフラと入ってしまったのです。

護衛役として付いてきた斗詩さんや猪々子にまた小言を言われそうですわね。勝手に離れるなと。

 

「どぅふふふふ。いらっしゃ~い♪ ようこそ乙女の癒しの場へ」

 

あら、良い身体をしてる殿方が目の前に。それも格好が……何といやらしいんですの。

ああ……いけませんわ。今は欲望を抑えて、領主として問い質さなければいけませんのに。

 

「コホン……私は袁本初。この地を治める領主ですわ」

 

「あらんご丁寧にどうも。あたしは店主の貂蝉よん」

 

「私は自身の治める街は把握してるつもりですが、こんな店は初めて見ました。

 許可は取ってあるのですか? それと一体ここはどんなお店ですの?」

 

「どぅふふふふ。許可はご心配無く。そしてここは初めに言った通り、乙女の癒しの場よん。心身共に欲求不満の溜まった娘のね」

 

あらこの殿方、まるで私が欲求不満のような言い草ですわね。

普段なら無礼として怒るところですが、良い身体に免じて許してあげますわ。

 

「癒しの場という事は、店主の貴方がお相手して下さると?」

 

「残念ながらあたしは男女を問わず平等に愛するのよ。ゴメンなさいね?」

 

本当に残念ですわ。良い身体をしておりますのに……。

 

「代わりといっては何だけど、今日入った新人君が居るわ。

 どうかしら? 折角来たのだし、領主様もご満足頂ける筈よん」

 

「そうですわね……」

 

正直言って、店主以上の魅力をお持ちなのか疑問ですが……。

 

「まあ先ずはご対面ということで……一刀きゅん! ちょっと来て!」

 

「ん、は~い」

 

店主に呼ばれて奥の方から出てきたのは――とても若い殿方。

顔、体つきとも悪くありませんわね。それにしてもまさかまだ若い殿方が残っているなんて。

 

「ほら一刀きゅん。こちらが本日のお客様よん」

 

「あ、どうもいらっしゃいませ。一刀です」

 

「袁本初ですわ。どうぞよしなに」

 

あらこの殿方、どうして私を見て驚いているのかしら。

まあ袁家は名族故、仕方ないのかもしれないですが。

 

「店主、彼が本当に私を満足させてくれるのですか?」

 

「んふふふふ。疑ってるわねえ」

 

と、店主が私を店の端まで連れて耳打ちをし始めました。顔が近いのですが……。

 

「彼ね、今の世では珍しく女性に興味津々なのよん」

 

何ですって……。

 

「それにお願いすれば服も脱いでくれるし、身体も触らせてくれるわ」

 

な、何て淫乱な……!

 

「それでもって彼……“初めて”なのよん」

 

「店主、領主としてこのお店の質を調べなければいけません。彼……一刀に持て成しを頼みますわ」

 

私の決断はとても迅速でした。

 

 
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