この作品は、作者の妄想があふれ出して固まったという不純な動機から生まれています。
原作?なにそれおいしいの?なんてレベルは超越しております。
主人公もげろなんてしょっちゅうです。
それでも良いという方はどうぞお進みくださいませ。
人和ちゃんから電話をもらって数日後。
約束どおり、人和ちゃんがうちに来ることになった。
といっても、妹に言われるまで忘れてて今急いでるところだけど。
「お邪魔します」
「はい。お兄様~、人和さんがいらっしゃいましたよ!」
階下、おそらく玄関辺りから雛里の声が聞こえた。
「悪い!今着替えてるから、先お通ししておいてくれ!」
「はい!じゃあ・・・」
返事とともに、案内する声が移動してるのが分かった。
さて、ちょいと急ぐか。
人和 Side
妹の雛里さんの案内で一刀さんの家に着いたけど・・・。
「ホント、大きいお家ですね・・・」
「お兄様のお父様の遺産だそうです。どんな仕事をしてたのかは知らないんですけど」
「なるほど・・・」
お通しされたリビングのソファに座って、向かいに座ってくれた朱里さんとそんな会話。
「あの、これ・・・」
「ああ、さっき言ってたものですね。・・・はい、どうぞ」
「あ、ありがとうございましゅ!」
差し出された私たちのライブ写真集にサインして返すと、少し噛みながらも嬉しそうに受け取ってくれて、すごく可愛い。
「お、お茶です・・・」
「あ、ありがとうございます」
「いえ・・・」
雛里ちゃんは私にお茶を差し出すと、朱里ちゃんの隣に座って私を見つめてきた。
「・・・?どうかしました?」
あんまりにも見つめてくるから少し気になって聞いてみた。
「あ、その・・・。有名人をこんなに間近に見られる事なんて普通ありませんから・・・」
「ああ、そういうことですか」
そういえば、気にしてなかったけど私は一応アイドル。
この街に関しては私たちの大きな資本元でもある乃嶋グループのおかげで、そこまで気にしなくて済んでた+そもそも私たちの記事なんて散々書かれて一々相手するのも面倒だったこともあって、全く意識してなかったわ・・・。
「まあ、私が言うのもなんですけど。ただのお兄さんのお友達って事でそんなに緊張しなくていいですよ。私も今言われるまで取り繕うとか考えてもいませんでしたし」
「で、でも・・・」
まあ、いきなり言っても無理だよね。
私だって先輩アイドルにそう言われたってすぐには出来ないもの。
「遅くなったね。ゆっくりできてる?」
そこに私服に着替えた一刀さんが現れた。
「お邪魔してるね」
「いやいや、連絡もらってたのにごめんよ。今日だって事すっかり忘れててさ」
「あら、それはお詫びしてもらわないといけないかしら」
「あー、藪蛇だったかな?ならちょっと待ってて。お昼まだだって聞いたし、せっかくだから有り合わせで何か作るよ」
「お兄様、お手伝いは要りますか?」
「いや、母さんがご飯は炊飯器に入れておいたって言ってたし、特に無いかな?人和ちゃんとお話しててくれ」
「はい、分かりました」
「悪いね、前よりはマシになったけど、人見知りしやすいほうだからさ」
「気にしないわ。むしろ、さっきまで自分がどういう見られ方してるのかってすっかり忘れてて指摘されたところだもの」
「あー、前に電話したときもそんなこと言ってたね」
そう言いながら彼は台所に行きました。
「ちなみに、何か食べられないとか食べちゃいけない物ってある?」
「いえ、特には。まあ、体型維持はしないといけないからあまり食べ過ぎちゃうのはちょっと・・・」
「ハハ、了解」
視線をリビングに戻すと、二人がまたじっと見つめてきていました。
が、今度は何か疑ってるみたいな・・・?
「何か・・・?」
「あ、あの。もしかして、ですけど」
「うん」
「お兄様の事、気になってますか?」
ドキッとした。
「お兄様を見る目が、その・・・」
「・・・ふふっ、すぐにばれるって事はかなり見慣れてるって事かな?」
「・・・(コクリ」
一刀さんから聞いたけど、この二人は本当の妹というわけではないらしい。
つまり、彼の一番近くにいる彼女達からすれば見慣れた光景なのだろう。
「そう、ね。前にちょっと色々あって。それからかな」
「はわわ!あっさり認められちゃったよ!」
「あわわ・・・、これは強敵・・・」
隠してもしょうがないしと認めたら慌てた様子。
かわいい。
「出来たよー。っと、二人と話せてるなんてなかなか珍しいな」
と、両手に大皿を持った一刀さんがこっちへ来てそう言った。
「そうなの?私達のファンだってさっき聞いたけど」
「あー、そういやちょくちょく音楽番組見てたのは」
「学校でも話題持ちきりだったので、季衣ちゃんに勧められて」
「それで見事にファンになった、と」
話しながらも一刀さんはてきぱきと食事の準備を進めてる。
手伝おうかと腰を浮かしかけた私や妹さん達を片手で制しながらあっという間に準備が完了していく様は、熟練の主婦のよう。
部活でも見て思ってたけれど、生まれる性別間違ってないかしら・・・?
「冷蔵庫にほうれん草と里芋、鶏肉のささみがあったから、適当に炒めただけなんだけど。一応ご飯はお代わりもあるし、まあ気にせず食べてくれ」
「「「いただきます」」」
材料聞いただけでも、私のことを気にしてくれたことが分かる。
すぐに思いつくのは、やはり作り慣れているからだろう。
そんなことを考えながら私は箸を伸ばしていった。
人和 Side 終
「それで、私と姉さんはこの日とこの日、家庭科部の日程も一応聞いたので・・・」
「ああ、オレももらってるから平気だよ。後の3人は?」
「基本的に空いているって。武術部はテスト期間中はお休みだと聞いたし」
文武両道を掲げる武術部は、顧問である貂蝉先生の意向でテスト期間中は一切の活動を禁じられていることに加え、ある程度の水準、具体的には平均が中の下に達していないとありがたーい補習を受けることになってしまうらしい。
体験入部に連行された日の帰りに華雄先輩から聞かされた。
ちなみに、総部長である春蘭先輩は割と常連だそうだ。秋蘭先輩が付きっ切りで教えているそうだが・・・。
「そうだね。確か真桜と沙和は帰宅部だっけ?」
「厳密には真桜だけよ。沙和は地和姉さんと一緒に放送委員を不定期にやってるの。それに、真桜も器用さが買われて学校の備品を修理することを条件に特例で帰宅部になってるだけだから」
「なるほどねー」
会話しながらも全員が揃いそうな日程を確認していく。
「・・・こんな感じか。テストまでまだ一月ちょっとあるけど、オレも補習は嫌だし頑張らないと」
「一刀さんが補習を受けるなんて誰も信じないと思いますよ」
「わ、私も、ちょっと・・・」
「あわわ・・・」
なぜか人和ちゃんどころか妹達にまで変な目で見られた。
「ま、まあそれは置いておいて。結構な人数居るけど、いい場所とか見つかったかな?」
「ええ。大学の共用スペースが借りられるので、あらかじめ予約しておけば。多少五月蝿くしても平気だし」
「了解。連絡はお願いしていいかな?連絡先知らない人がほとんどだし」
「分かった。というか、彼女達教えてなかったのね」
「桂花からは聞いてるけど、姉妹のは聞いてないね。沙和のも聞いたけど凪や真桜のも知らないし」
「なるほど・・・。ち、ちなみに今一刀さんが連絡先知ってる人って誰が居るの?」
どこか真剣な目で人和ちゃんに聞かれた。
その横で妹達もこちらを見つめてくる。
「えーっと、部活の関係で白蓮先輩、桂花、蓮華、華雄先輩。バイト先の関係で美羽先輩、斗詩先輩、亞莎。後は個人的な知り合いとか色々で華琳さん、桃香さん、沙和、天和、人和ちゃん、霞先生、恋さん、詠、月ちゃん。そのくらいだったと思う。桃香さんなんて何でもないことでよく話すから、最近だと結構連絡取ってる気もするけど」
「・・・思ったより知り合ってたのね」
な、なんでジトーっとした目で見られてるのか・・・。
「で、でもオレから連絡することはほとんど無いから、専ら聞いただけになってるからね」
「ふーん」
何故だろう、信用されてない気配・・・。
「さて、そろそろ帰らないと。暗くなると流石にまずいわ」
「送ろうか?」
「いいの?」
「もちろん。あ、家の場所を知られたらまずいとか?」
「そんなこと無いわ。姉さん達も喜ぶもの」
なんで喜ぶかは分からないけど。
「じゃあ、留守番頼むな。母さん帰ってきたら先に飯とかやっていいって伝えておいて」
「分かりました」
「いってらっしゃい・・・」
「そんな寂しそうにするなって。ちゃんと帰ってくるから」
朱里の横で元気の無い雛里の頭を撫でてから、オレは人和ちゃんと外へ出た。
「今日はありがとう」
「こっちこそ、妹達が喜んでたしお相子だよ」
「あら、一刀さんは喜んでくれないのかしら?」
「ま、まあ嬉しいというか、楽しかったよ」
「ふふっ、なら良かった。私だけが楽しかったんじゃ寂しいでしょ?」
帰り道。
人和ちゃんは最初よりも随分と気楽そうに話しかけてきた。
控えめな性格だと思ってたけど、少しは打ち解けたってことなのかな。
「あら?人和じゃないの。って!一刀先輩まで!?」
人和ちゃんに聞いていた彼女の家の前に到着すると、地和ちゃんが外に出ていた。
手元に封筒を持っているところから、ポストの確認でもしたのかな?
「久しぶりだね。用事で人和ちゃんを借りてたから、ここまで送ってきたんだけど」
ここに来た目的を話せば、
「ああ、勉強会の日程の事ですね。当日はお世話になります」
「ああ、こちらこそ。それと、人和ちゃんにも言ったけどもっと砕けた口調で構わないよ。それこそ、アイドルのときの口調でもさ」
「え、いいんですか?結構きつい口調だと思いますけど?」
「気にしないさ。むしろ、今の口調のほうが違和感があるというか」
「・・・分かったわ。ならいつも通りにさせてもらうわね」
「ああ。よろしく頼むよ」
あっさり納得してくれた。
「では、私もこれで」
「そうだね、じゃあ当日に」
「楽しみにしてるわねー!」
二人に手を振られながら、オレは帰路についた。
あとがき
どうも、作者です。
えーと、前回投稿(10/13)から丸半年が経っていたようです。
遅くなりました;;
ちまちまと書いてはいたのですが、いい感じに纏まらずズルズルと掛かってしまいました。
待っていた人には申し訳ないです。
さて、本編ですが今回は一刀君のメル友(古い)が判明。
アイドルに完全ロックオンされた模様です。
本家のような可愛さが出せていればいいんですけども・・・。
次回はちょっと飛んで勉強会本番+テストになるかもです。
忘れられない様に頑張って書きますので、気長にお待ちください。
それでは!
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一刀と恋姫たちが現代の学校で繰り広げる物語。
笑いといちゃこらと(視聴者と私の)嫉妬からできています!