「正直、冗談を言っていられるのも今のうち……という状況になってるわね」
そう言う貂蝉に存在自体が冗談のようなお前が言うな、とその場にいた誰もが思ったが、それを口にする者はいなかった。
「まず、流琉ちゃんを守ってくれた兵だけど、戦線復帰はもう難しいけどなんとか無事よ。絶対安静だけどね」
「ほ、ほんとですか!?」
その情報に琉流の表情がぱっと明るくなる。
自分の不甲斐なさのせいで死ぬほどの傷を負ったのだ。
その兵が命を取り留めた。
心のそこから安堵し、そして申し訳なく思った。
「ええ、さすがは華佗ね。死ぬほど氣を消耗したとかで今は華佗もぶっ倒れちゃってるけど
ご主人様のとき以来の消耗だって言ってたわ。あとでお礼言ってあげてね」
「はい……!ありがとうございます!ありがとうございます!」
「その兵にもね。貴方の事を命がけで守ってくれたんだから♪
貴方は将なのだから弱気な姿を見せてはダメよ。
その兵にも謝罪ではなく感謝の言葉を言いなさい。
さっきも言ったけど、戦線復帰はもう無理なほど傷が深くて
後遺症の関係で日常生活を送るのが精一杯になるらしいの。
だから見舞金や退職金も忘れずにあげるのよん」
「はい……!!」
「(……真っ当なことを言っているはずなのに何故こやつが言うとふざけているようにしか見えないのだろうか?)」
秋蘭はそう思うが口には出さず静かに目を伏せた。
「まずはさっき秋蘭ちゃん達が言っていたあの敵だけど、あれはもう人ではないわ」
「人ではない……まぁ、頭を砕かれても生きている辺りでもう……」
秋蘭の脳裏にあの異常な光景が思い出され、貂蝉の言葉が真実であると納得する。
「多分それは先人が妖術の果てに行き着いた答えね。
不死の術……呪いと言ってもいいのかしら」
「不死だと?……そんなものが本当にあるのか?いやしかしあれは確かに……」
「混乱するのも無理ないわ。
それに不死と言っても秋蘭ちゃん達が見た通り体を破壊されれば何も出来なくなる。
だから完全ではないし、状況によっては死よりも辛い事になり得る術よ」
「それは……確かに呪いと言ったほうがしっくりくるかもしれんな」
秋蘭はその”状況”を思い浮かべ思わず顔をしかめる。
「そう、だから彼女が何故その術に手を出したのかがわからない。
そもそもあまりに不完全で危険、ほぼデメリットしか無いということで禁忌となり忘れられた術だったはずなんだけどね。
怨念を集めているというのも不気味な話ね。何か術を完成させる糸口を掴んでいる可能性もあるわ」
「なに?あれはあの女の狂言ではないのか?」
「そう思ったりもしたんだけど、でも確かに怨念というのは私達にとっては確かに存在する概念なのよ。
というよりも死ぬ間際の強い後悔や無念で氣が歪んで禍々しいものになる。
それを怨念と比喩しているだけなんだけどねん」
「仮にそうだとして、その怨念を集めて何になるというの?」
「華琳ちゃんも明花ちゃんの力は知っているでしょう?あれも一種の氣なのよん。
生物の成長を促進する──なんてのは特例の中の特例だけどね。
成長を促進するということは生命の流れにかなり綿密に絡んでいるということだと思うの。
それは華佗の医療技術よりも遥かに高度な治療手段にもなり得るかもしれない。
だから明花ちゃんと正反対と言ってもいいその”怨念”を使って何かができるとしても不思議じゃないわ」
貂蝉の言葉にその場にいた誰もが黙る。
貂蝉の言うことを鵜呑みにできる訳ではない。あまりに自分たちの生きてきた人生の中での現実とかけ離れている。
かといってその言葉を否定できる材料が一切ないのだ。
実際にその女と、明花の力を見てしまっているのだから。
「……とりあえず今は対処の方法はわからないのよね。
ならばまずは目の前のことから片付けましょう。
一刀の場所に目処がたったというのは?」
これ以上皆を不安にさせては士気に影響すると考え、華琳は話を一刀のほうへ移す。
「これからご主人様のいる外史へ向かう準備を進めるからちょっと時間は掛かっちゃうけどそう長くは掛からないはずよ」
「すぐに行けるものではないのか?」
「んー、外史っていうのは本来渡り歩くようなものではないからそれなりに準備が必要になってしまうのよねん。
ましてや人二人を連れ帰るっていうのだからそれなりに準備に時間が掛かっちゃうわ」
「……ふむ」
焦る気持ちを落ち着かせるように秋蘭は息をついた。
「それと白装束のここ最近の動向もつかめてきたわ。
もともと彼らは外史の管理者として生まれたわけだけど、その外史が今や一つの正史として成長しているって話はしたわね。
まぁつまりはこの世界が外史という枠からはみ出たってことなんだけど。
それを許さない派閥と、それは外史の進化だという派閥ができてることがわかったわ」
一刀の渡った外史を探しながらも白装束の情報を集めてくれていたらしい。
「白装束の中で仲間割れが起きているということか?」
「そう。事細かに言えば、白装束の中でももともと派閥はあったのよ。あなた達三国のようにね。
あたしと卑弥呼は外史どうこうよりもご主人様派だからどこの派閥でも無いんだけど、
まず外史の歪みを許さないっていう派閥の代表は左慈ね。
彼は過激派として白装束の中でも名が知れ渡っているわ。
どうやら自分の上官を何人か葬って今の地位についた。
そしてその行動力と彼のカリスマ性に惹かれた者の集団よ。
前にここを襲撃してきた兀突骨もその派閥よ」
「…なるほど」
「そして今ご主人様のいる外史を襲った于吉という男もその一味ね」
「なに!?」
「詳しい経緯はまだわからないけど白装束の大半は撤退したみたいだしもうご主人様も凪ちゃんも無事なんじゃないかしら」
「……そうか」
まただ。
また自分は、彼が危険な時にそばに居てやれない。
……いや、その役目は凪に任せたのだ。
ならば凪を信じろ。
凪ならば必ず一刀を守ってくれる。
そう言い聞かせるも、秋蘭の脳裏にはあの時、明花を守るために死にかけた一刀の姿が思い浮かんだ。
一刀は驚くほど強くなった。
それも武将として自分たちと肩を並べるほどに。
それは一緒に過ごしていた自分たちが一番よく知っているし驚いたことだ。
その一方で、命を粗末にしているような捨て身の行動が目立つようになってきたのも不安だった。
以前の一刀もできるだけ多くの人を救おうとするような所はあった。
その心意気は素直に買うし、できれば自分たちもそうしている。
それでも救えない者は必ず出てくる。
その時に一番歯がゆい思いをしたのは一刀なのだろう。
自分自身が手を出せずに誰かが目の前で死ぬのは一番辛いことなのだ。
そして戦いが終結し、一刀が消え、帰還を果たした時、一刀は戦う力を身に着けていた。
自分が戦って救えるのなら、迷わずにそこへ飛び込むようになってしまった。
それは一刀に対して女として惚れる反面、惚れた弱みというか、同時に辛いのだ。
それを感じているのは秋蘭だけではなく、一刀に関わりのある者皆が感じているものだった。
「……というか気になっていたんだが、何故白装束は突然一刀殿を狙ったのだ?」
冥琳の問いにその場にいた皆が確かにと頷く。
前の襲撃は明花を狙ったはずなのに。
「んー、大樹を想像してちょうだい。
本来ならこの世界は一本の幹から枝が生えてその先に外史があるっていう状態なんだけど
今はこの世界のおかげでその幹が途中から二手に分かれているの。
で、その直接の原因ではないけれど引き金となったのがご主人様であるというのが過激派の意見だったわけなの。
だから今回突然ご主人様が狙われたって訳ではなく、少なくとも目はつけられていたのよ。
逆に私達は明花ちゃんの力についてあまりわかっていないからそちらのほうが不安ね。何故明花ちゃんを奪おうとしたのか」
「ふむ……何か思い当たることはないのか?お前も管理者とやらなのだろう?」
「のんのん、私はもうあなた達と深く関わり過ぎたし、ご主人様をここに呼び戻す段階で既に管理者なんてものはやめてるわ」
「そもそも、今更の話だが何故お前は一刀殿にそこまで味方するのだ?惚れているというだけで自分の環境全てを捨ててまで味方になったりはしないだろう」
「ふふふん、もちろんご主人様には惚れているわ。可愛い顔してあんなに自分の意志を持っているんだもの。
それに只の学生だった彼がここまで心も体も強くなったのはあなた達の為だなんて、そんなの冥利につきるじゃない」
「それは嬉しく思うが、極端な話お前には関係の無い話ではないか?何故我らに味方する?」
冥琳に続き、秋蘭がそう投げかける。
「そうねぇ……もう外史や管理者の話もしてしまっているし、話しておいてもいいかもねぇ」
そう言いながら思いに耽る貂蝉はその場にいる誰もが見たことのない、真剣で悲哀に満ちた表情だった。
「自分語りになっちゃうから漢女としてはあんまり話したくはないんだけど、これを話す前に一人紹介しておく子がいるわ」
そういい貂蝉が何か合図のようなものを送ると、突然、貂蝉の横の空間が小さな蜃気楼のように揺れだした。
そして何もない空間から突如、白装束を着た者が現れた。
「な──!」
その場にいる皆が警戒態勢を取った。
春蘭、秋蘭といった武官は勿論、風や稟、冥琳、華琳までもが腰にある護身用の短刀に手をのばす。
当然だろう、今自分たちが戦っている敵と全く同じ風貌の者が自分たちの懐に現れたのだから。
「のーんのんのん。驚かせちゃってごめんなさいね。この子はこんな格好はしているけれど、これは管理者の制服のようなものであって
決して奴らの仲間という訳ではないの。それどころか彼女は奴らと敵対しているのよ」
貂蝉の言葉が終わると同時に被っていたフードを脱ぎ、素顔を露わにした。
フードに隠れていてわからなかったが、取った拍子に中から現れたのは長く美しい黒髪だった。
目は切れ長で、しかしどこか眠たそうな印象を受ける表情。
現れた白装束の素顔は透き通るような白い肌をした女性だった。
「あら」
「……華琳様」
「わかっているわよ」
いつもの悪い癖が出そうになる主を諌め、目の前の者が言葉を発するのを待つ。
すると意外にも、その場で膝をつき、まるで家臣の礼のような態勢を取った。
「以前もこうして皆様の前に参上させて頂きましたが、
こうして言葉を交わすのは初めてになります」
落ち着いた声で、その女はそう言葉を発した。
「……声も好みよ」
「華琳様」
そう軽口のようなものを叩くが華琳は腰の短刀から手を離さない。
「警戒されるのは承知の上、仕方のない事です。私を信用しろとは言いません。
只貂蝉の話に必要とのことでしたので、この場に参上させて頂きました」
皆が武器を手にし、自分を取り囲んでいるにもかかわらず、女は相変わらずの落ち着いた声だった。
「驚かせちゃってごめんね、でもご主人様を呼び戻したのは正真正銘、この子なのよん
そして私と全く同じ心境だった。だから協力しているのよん」
その貂蝉の言葉で、その場の皆の警戒が少しだけ好奇心へ変わる。
「……いいわ。ひとまず面をあげなさい」
華琳の言葉と同時に女は顔をあげる。
「名は?」
「蘇仙公と申します」
「では蘇仙公。とりあえず貂蝉の知り合いということで貴方の素性の全ては一時無視するわ。
貴方のしたこと、知っていること、何故そうしたのかを聞かせてちょうだい」
「……私情故、あまり大っぴらに話す事ではございませぬし、長くなってしまいますが、それでもよろしければ」
「かまわないわ」
「では──」
そうして女は静かに話し始めた。
自分がもう何度も、数えることさえ困難な程に管理者として外史を見てきたこと。
繰り返す輪廻の中で人を物のように見てしまう自分にどこか嫌気がさしていた時に、変化が起きた。
微々たる違いはあるものの全てが戦争の末、誰かが死に、正史にそって話が進む中で、一刀という一つの欠片が舞い降りた事によって変化が現れた。
彼が外史へ降り立ったのは完全に想定外の事であり、現代──一刀の時代に残っている神仙の道具が彼を引き込んでしまった。
偶然に偶然が重なり、奇跡と呼べるくらいの確率で起こった事だった。
その異分子が外史へ降り立ち、まず最初に目立ったのは正史に沿わぬ外史の進行だった。
同じことの繰り返しを見るだけだった自分にとってその変化は好奇心を煽られるには十分すぎた。
数ある外史が全て同じ結末を迎えるだけだった中でその変化はあまりに大きなものだった。
いつしか自分は彼の降り立った外史にしか目を向けなくなった。
現代で只の学生として過ごしていた一般人の彼が、外史へ引きこまれ、一部となり、戦乱の世に放り出されてしまうことには同情したが
その時は自分が楽しめればそれで良いと思っていた。
それから自分はずっと一刀の行動を見てきた。
只の学生が戦乱の世へ投げ出され、拾われ、生きるために戦争に身を投じる。
そんな過酷な運命を背負わされた彼の行く末を見ていたくなった。
そして彼の観察は始まった。
最初は平和そのもので、戦争のせの字も無い世界からやってきた彼がこの世界で生きていくのは無理だと思っていた。
すぐに命を落とすか、すぐに理不尽な己の運命に腐れていくだけだと思っていたのだ。
だがそうじゃなかった。
彼は懸命に生きていた。
自分にできることを全てやり、自分のことで精一杯のはずなのに、他人を思いやり、戦乱に苦しむ人々を救うために頑張っていた。
間近で戦争を経験し、人の死を経験し、心が折れかかっても踏ん張り、地を踏みしめ頑張っていた。
外史を、どこか箱庭のような感覚で見ていた自分はいつしか彼の外史へのめり込むようになっていった。
……いや、彼の姿、彼の成長にのめり込んでいった。
いつだったか、どうしても我慢できなくなり町娘に変装し、外史へ降り立ち彼と会話したこともあった。
戦争を経験し、世界の理不尽さ、苛酷さを経験したはずの彼は、それでも優しく、温かい人間だった。
少しでも多くの人の手助けをできるように頑張っていた。
「俺も自分の命は惜しいから当然死にたくは無いけど、こうして関わりを持った人たちが死んでいくのは辛いから。
世界中の人たちを救うなんて大それた事はできないし言うつもりもないけど、自分の手の届く範囲にいる人達のことは
……なんていうか、俺なんかがって話なんだけど、でも守れるなら守ってあげたいなって」
彼は自分との食事の席でそんなことを言っていたのだ。
その言葉を聞いた時、自分の中で何かが変わっていくような気がした。
外史とはいえ実在する人間をどこか物のように無感情で管理していた自分の中で、彼の言葉が響いた気がした。
血腥い世界で、冷徹な言葉が飛び交う中で、彼の言葉はとても暖かかった。
その気持ちが何なのかわからないまま、また彼の外史を見続けた。
しかし、その時は徐々に近づいた。
正史を捻じ曲げたことで、外史の理に反した彼はその反動で苦しみ始めた。
猛烈な体調不良に襲われ、数日眠ったこともあった。
それでも彼は自分の大切な人の為に、懸命に抗い続けた。
正史の知識を活用し、自分の限界を超えるまで。
そして、運命の日は訪れた。
あの満月の夜、彼は大切な人達を守り──消えていった。
「愛していたよ……華琳」
そう言い残して、彼はその世界から消えてしまった。
愕然とした。
彼とその愛する者達が共にあることができない外史など興味はなかった。
最初は只の好奇心で眺めていただけだった。
だけど今は違う。
彼はいつしか自分の生きる中で必要な人間になった。
いや……彼と、彼の愛する者達が一緒に笑っている世界をいつまでも見ていたかった。
そうしていると自分の中で何かが変われるような気がした。
初めて”心”というものを持ったような気がしたのだ。
外史から弾き出された彼は、正史と外史の境界に飛ばされ、そのまま何もしなければ永遠に消えてしまうだろう。
彼の暖かさが、温もりが、直接触れていなくても分かる、その優しい心が。
そんなのは嫌だ。
そう思った途端迷わず外史の境界へ自ら飛び込み、彼を探した。
何の道も作らずに境界へ飛び込むのは管理者とはいえ危険な事だったが、それでも飛び出さずにはいられなかった。
準備をしている間に手遅れになったら元も子もない。
見つけるなら今しかない。
僅かな可能性だったが、なんとか彼を見つけることができた。
しかしこのままもとの外史へ戻すにはそれこそ準備が必要になる。
だからしばらくの間は現世へ戻っていてもらおう。
彼がもともと存在した現世へ戻すのはそう難しいことではない。
むしろあるべきものをあるべきところへ返すのだから、すんなりと行くだろう。
只、外史と現世では時間の流れが違うから、彼は混乱するかもしれない。
でも少しの辛抱だ。
必ずキミを連れ帰る。
必ずキミをキミの大切な人達のもとへ連れ帰る。
それまで待っていて欲しい。
そして、女は彼を送り届け、すぐさま彼を呼び戻す準備に入った。
彼を呼び戻すために。
彼と彼の大切な者の幸せを壊さぬ為に。
「彼にも現世での生活があっただろうから、これは私の完全な自己満足なのです。
それでも私は彼に戻ってきて欲しかった。
彼に、彼の愛した者達と幸せな日々を送って欲しかった。
ようやく戦争が終わってこれから一杯楽しいことや幸せな事が待っているというのに──」
そう言い、その女は唇を噛み締め
「そんなの、あんまりじゃないか──!」
胸のあたりをくしゃっと握り、今にも泣きそうな表情でそう言ったのだった。
皆は黙って女の話を聞いていた。
どう反応すればいいのかわからないのだろう。
白装束の仲間だった者が一刀を見て心変わりをしたというのだ。
話だけ聞いていればさらさら信じる気などない。
しかし目の前で話す女はそう切り捨てられないくらい、鬼気迫るものがあった。
「それで、私と卑弥呼は手伝うことにしたわけよん。
私ももう輪廻にはうんざりしていたし、ご主人様のこと愛していたからねん」
「我らはこれから彼の外史へ向かいます。
時間の流れが異なるため時期がいつになるかは明言できませんが、そう長くはかからないはずです」
「……任せてもいいのね?」
「華琳様!?」
華琳の言葉に春蘭が驚く。
何もわからない、むしろ元白装束の仲間とは言うが敵かもしれない者に彼を任せるのだから。
「貂蝉も居るし大丈夫でしょう。それにその者の言葉に嘘はないわ。
私がそう判断するのだから間違いはない」
「……ありがとうございます。
必ず、曹操殿の元へお連れいたします」
そう言い残し、女はその場を去っていった。
「貂蝉」
「なぁに、華琳ちゃん」
「……あの子、私達の事ばかり気にしていたけれど、自分の気持ちには気づいているのかしら」
「どうでしょうねぇ。ずっと貴方達とご主人様とを一つとして見てきた子だからねぇ」
「まぁ、その辺りは当人に任せましょう。私達が何かを手を施すことではないわね」
「あの子を信じてくれるの?」
「私の人を見る目は確かよ」
「……ありがとねん」
貂蝉は嬉しそうに目を細めた。
そして、貂蝉は卑弥呼を呼び戻し、蘇仙公と共に一刀帰還の準備を進めていった。
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