No.817732 九番目の熾天使・外伝~マーセナリーズクリード~番外編 Secret Missionokakaさん 2015-12-08 03:36:53 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:691 閲覧ユーザー数:599 |
番外編~Secret Mission~ TypeFuture 未来の力はどうやって手に入れるのか9
――――――――特訓開始から6日後、残り滞在可能時間3日――――――――
とある世界、台東区久瑠間。そこに一台の赤い車を走らせる男がいた。
「いい調子だよベルトさん。今までで一番いい感じかもしれない」
ハンドルを握る男【警視庁特殊状況下事件捜査課所属、泊進之介巡査】は計器の上に鎮座したベルト、【ドライブドライバー】こと【クリム・スタインベルト】に話しかけた。
『うむ、修復を兼ねてオーバーホールしたのは正解だったね、上々の仕上がりだよ』
ベルトのセンターパネルに微笑みを浮かべたベルトさんは自身のメインボディであるマシン【トライドロン】の走りにご満悦、といった感じの答えを進之介に返してきた。
「二人共本当に車が好きなんですね」
まるで子供のように無邪気にはしゃぐ二人に少し呆れたようにぼやいたのは助手席に座る進之介のバディ【詩島霧子】だ。ぼやいてるとはいえ、その顔は少しうれしそうだ。
「こうなるとネクストライドロンも運転してみたかったなぁ」
『結局あの後未来に帰ってしまったからねぇ、恐らくパラドックスロイミュードをこの時間で倒したことで歴史が修正されたのだろう、あれは少し惜しかった』
「もう、クリムまでそんなこと言って!」
軽口を叩く二人の車好きに釘を刺す霧子。つい先日、あの未来から来たドライブの引き起こした事件で大変な目にあっておきながら、あっけらかんと話す脳天気さに少し腹を立ててしまったのかそっぽを向いてしまった。
「いやいや冗談だって、悪かったよ・・・・・・霧子?」
進之介が謝っても一向に機嫌を直さないのか、霧子は窓の外から視線を外そうとしない。これはやっちまったか、と思った進之介がちゃんと謝ろうかと思った瞬間だった。
「止めてください泊さん!「ちょっ、どうし」良いから早く!」
慌ててトライドロンを停車させた進之介は何事か、と霧子を見るが、霧子は一向に窓の外から視線を外さない。疑問に思った進之介が同じ方向を向いた瞬間、その謎が解決した。
「あれは・・・!」
『間違いない!ネクストライドロンだ!なぜアレがまたこの時間に!?』
霧子の視線の先にあるコンビニの駐車場。そこにはたしかにネクストライドロンが止まっていた。現代にあるはずのないあのマシンがどうしてここに?疑問に思った進之介はそのコンビニにトライドロンを向け、走りだした。
「とにかく調べてみよう、ひょっとするとまだあの事件は終わってないのかもしれない」
『気をつけろ進之介、またダークドライブとの戦闘になるかもしれない』
「解ってるってベルトさん、取り敢えず調べて見るだけだ」
進之介のトライドロンが同じコンビニの駐車場に停車すると、そこにはスーツ姿のいかつい大男が女性に何やら必死に話しかけていた。
「貴方ならきっとトップアイドルになれます。是非我がプロダクションに来ていただけませんか!?」
「え・・・その・・・私・・・もう20代ですし、そんなに若くは・・・」
「大丈夫です、うちのプロダクションには30代からアイドルを始めた方もいらっしゃいます。せめて、名刺だけでも・・・」
話を聞くにどうやらアイドルのスカウトのようだが、男の風貌からどうしても怪しい。ネクストライドロンも気になるがまずは目先の事件だ。そう思った進之介はその男に話しかけた。
「あーすみません、警察だけど、ちょっといいかな?」
「あ、はい。何でし・・・そちらの貴方、アイドルに興味はございませんか?」
「「・・・え?」」
職質をしようと思ったらいきなりアイドルにスカウトされた、何を思ったのかその男は進之介をスルーして隣にいた霧子に名刺を手渡してきた。
「1111?「ワンフォーオールと読みます」・・・1111プロダクションアイドル部門、CINDERELLA PROJECT担当プロデューサー、岡島武・・・」
「はい、どうでしょう、是非我が事務所でアイドルをやってみませんか?」
唐突なスカウトに困惑した霧子がフリーズしてしまった。と、同時に爆笑する男が一人。
「ぷっ・・・霧子がアイドル!?wwwいやいやwww冗談だろwww」
彼女の相棒、泊進之介だ。進之介はひとしきり笑うと真剣な顔で武に向き直った。
「何を考えてるか知らないけど、こっちは職務中だ。アンタの身分証明書を見せてもらえるか?」
「でしたら先程名刺を・・・」
「俺はこんなプロダクション聞いたこと無い、アイドル部門ってことは他の部門があるから結構な規模があるであろうはずなのに、だ。個性的な名前だから一度見たら忘れそうにないからこのプロダクションは本当にあるのか怪しい」
「それは・・・」
ここに来て武は思い出した、自分は今、25年前にいるのだ。この時代にはまだプロダクションは建設中、企業としては設立されていない。それ以前に移民船団だって引っ越しが終わったばかりの未完成状態なのだ。それをどう説明良いのかわからず、右手を首筋に当てて考えこんでしまった。
「おう、お待たせ・・・ってなんだこれ?何があったんだ?」
「あ、ロキさん。実は・・・」
そこに現れたのはコンビニ袋を抱えたロキだ。思わぬ助け舟に武が事情を説明しようとしたその時だった。
「あっ」
コンビニ袋で下が見えなかったのだろう。縁石の端に躓いたロキが転倒、とっさに体制を立て直そうとして霧子に、しかも胸に手が当たる状態でしがみついてしまったのだ。
「なっ・・・」
あまりに突然の出来事に今度は進之介がフリーズしてしまうが、それと入れ替わるように霧子が正気に戻った。
「・・・かっ、確保します!」
「いやちょっと待って!今のは不可抗力いででででででで!」
「・・・はっ!おとなしくしろ!痴漢の現行犯だ!」
瞬時に腕をねじりあげられ、手錠をかけられるロキ、それを見た進之介が正気に戻り、同時にロキを拘束した。
「・・・今はまだ未完成のプロダクションですが・・・もし、貴方が今の自分から一歩前に進みたいと思うのでしたら。グランダーI.Gの専用特別窓口にお電話ください。そこには、貴方の知らない世界が貴方を待っています・・・こちらが資料です。長々とお引き止めしてしまい、申し訳ありませんでした」
「あ、どうも・・・」
それを尻目に武は最初に話しかけた女性に資料を手渡し、スカウトを終わらせていた。
「待て!待って!今のは事故!事故だって!」
ロキが必死に抵抗する中、両腕に手錠がかけられそうになった瞬間だった。
「合流しようって言うから来てみりゃ・・・なんでお前逮捕されてんだ?」
「む、兄者、さっきの女性の持っていた袋、スカウトしたな?」
スカウトされていた女性と入れ替わるようにそこに現れたのはokakaと晶葉だった。
「okaka、助けて!事故なんだって説明してるのに聞いてくれないんだよ!」
「あー・・・大体わかった。特状課の刑事さん、ちょっと待ってくれ。そいつはシロだ。大方蹴っ躓いて転けたんだろう?そいつのラッキースケベ体質は筋金入りなんだよ。なぁ?クリム?いや、ベルトさんかな?」
「「「え?」」」
唐突に呼ばれたクリムの名前にロキ、霧子、進之介の三人の動きが止まった。
『・・・久しいね、プロトディケイド』
「おう、久しぶりだな」
進之介の肩に乗るシフトカー【シフトスピード】からベルトさんの声が響いた。
『進之介、彼等はOTAKU旅団、私がケースオフィサーを通じて財団Xを調べてもらうために来てもらった仮面ライダーとその仲間だ』
「・・・えええええええええええええええええええええ!?」
ベルトさんのあまりに唐突なカミングアウトに進之介の叫びがコンビニの駐車場にこだましたのは、その数秒後だった――――――――――――――――――――――――
――――――――その頃、とある古城では――――――――
「ここにいたのですか、探しましたよ」
竜神丸がそう言ってその古城の主に声を浴びせた。
「OTAKU旅団の人間か・・・俺になんの用だ?」
「いえ、ちょっと貴方の奪ったネオバイラルコアに興味がありましてねぇ・・・見せていただけますか?――――――――
――――――――怪盗、アルティメットルパン」
あとがき
色々すっ飛んでるけど、現状手分けして捜査し始めた状況です。内訳は次の通り
okaka&晶葉(ロキ&武、特状課と合流)組
ディア、ハルカ、こなた、拓海(まだ書いてないけどおまけで橘花)組
竜神丸(単独行動)
次回もこの組み合わせでのスタートになります。
Tweet |
|
|
2
|
0
|
追加するフォルダを選択
第9話です、今回はあのライダー達の視点からスタートです