君たちがたいせつなひとをうしなった日は 、そう、今日みたいに、お月様ばかりが爛々と空を支配して輝く夜だった。
きっと眠れない。いや眠ってはいけない。
またうしなってしまうかもしれないから。
怯え揺れる瞳に
「ここにいるよ」
と、互いに言う。それなのに離せず、すがるようなふたりの手を、お月様は冷たく照らしていた。
ある夜の話
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「アノリミア」(設定:http://www.tinami.com/view/812841 )より
月夜の晩の二人のちいさなお話。
眠りたくても大きな不安に心が飲まれてそうできないことって、だれしもあるよね。