No.794071

英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~ 戦争回避成功ルート

soranoさん

第72話

2015-08-04 00:19:46 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1638   閲覧ユーザー数:1453

その後バリアハートに到着したリィンは同行メンバーにエマ、マキアス、フィー、ユーシス、エリス、サラ教官を選んだ後プリネ達が待つクロイツェン州統括領主の城館に向かい、門番の兵士達に用向きを告げるとプリネ達がいる執務室に案内された。

 

~バリアハート・クロイツェン州統括領主の城館・執務室~

 

「―――プリネ皇女殿下!”トールズ士官学院”の方々がお見えになっています!」

「入れてあげてください。」

「ハッ!」

リィン達が執務室に入るとプリネとツーヤにレーヴェ、そしてエリゼとレン、エヴリーヌがリィン達を迎えた。

 

「うふふ、久しぶりね、”Ⅶ組”のみんな♪」

「―――おひさしぶりです。兄様達が無事に”戦争回避条約”通り内戦を終結させて何よりです。」

「久しぶりだね、みんな。」

「え………」

「エリゼ!?どうしてここに……!?」

「それに”殲滅天使”まで……まさかとは思うけどわたし達が戦争を回避できたことに難癖をつけに来たの?」

「フィ、フィーちゃん。」

エリゼの姿を見たエリスは呆け、リィンは驚き、警戒の表情でレンを見つめるフィーの言葉を聞いたエマは冷や汗をかいた。

 

「や~ね♪ここはメンフィル領となったクロイツェン州の統括領主の館なんだから、臨時領主のレンがいて当然じゃない♪」

「た、確かにそうなのですが………」

「………………」

レンの答えを聞いたマキアスは複雑そうな表情で黙り込んでいるユーシスを気にしながらレンを見つめた。

「プリネ達と”殲滅天使”はこの場にいるのは当然として……何でエヴリーヌとエリゼがここにいるのかしら?もしかしてあたし達を出迎える為にわざわざエリゼとエヴリーヌをこの場に呼んだのかしら?」

「フフ、それもありますがあたし達もようやく皆さんに合流できるようになりましたから、エヴリーヌさんもこの場に呼んだのです。」

サラ教官の問いかけを聞いたツーヤは微笑みながら答えた。

 

「え……ほ、本当か、それは!?」

ツーヤの答えを聞いて仲間達と共に血相を変えたリィンは明るい表情でプリネ達に尋ねた。

「はい。”戦争回避条約”の猶予期間を皆さんが守った事でメンフィル・クロスベル連合もエレボニア侵攻を中止したので、お父様に皆さんの力になる事に許可を求めた際に許可を貰えましたので。」

「まあ、”鋼の聖女”どころか”鉄機隊”の協力も取り付けた今のお前達にとって俺達の力等微々たるものだと思うがな。」

「なにおかしなこと言ってんの?大した事ないのはお前だけだし。」

「エ、エヴリーヌさん。」

プリネの後に答えたレーヴェの話を聞いてレーヴェを睨んで指摘するエヴリーヌを見たツーヤは冷や汗をかいた。

 

「そうか……!」

「フフ、カレイジャスに待機しているメンバーもあんた達の加入を聞いたらみんな喜ぶでしょうね。」

「ようやくこれで先輩以外のⅦ組のメンバーが全員揃ったな…………!」

「やれやれ。期限を守れる目途もついていたんだから、それくらいの時期から力を貸してくれてもよかったんじゃないの?」

「セ、セリーヌ。」

「これでわたし達の勝率は更に上がったね。」

「フン、元々俺達が勝つのは当然だろうが。」

一方プリネ達の加入にリィンやサラ教官、マキアスは明るい表情をし、溜息を吐いたセリーヌの言葉を聞いたエマは冷や汗をかき、フィーの推測を聞いたユーシスは静かな笑みを浮かべて指摘した。

 

「えっと……姉様は何故この場にいるのでしょう?」

「メンフィル・クロスベル連合がエレボニア侵攻を中止した話を聞いてリフィアに兄様達の”協力者”になりたい事を頼んだら許可が貰えたから、急いでこっちに来たのよ。」

「ええっ!?じゃ、じゃあエリゼさんもパント卿達同様私達の”協力者”になってくれるのですか……!?」

エリスの質問に答えたエリゼの話に驚いたエマは信じられない表情でエリゼを見つめ

「はい。大変遅くなりましたが、今後は私も皆さんの御力になりたいと思っています。どうか私も皆さんの仲間に加えて頂けないでしょうか?」

エリゼはリィン達を見回して加入の許可を求めた。

 

「エリゼ……ハハ、そんな事わざわざ聞かなくてもいいだろう?」

「フフ、あのカシウスさんやアリオスさんと同じ”剣聖”の称号を持つ貴女の力も期待させてもらうわよ。」

「はい。微力ではありますが私も”協力者”として皆さんの力になりますのでよろしくお願いします。」

リィンとサラ教官の歓迎の言葉を聞いたエリゼは軽く会釈をした。

「うふふ、エリゼお姉さん。”ヴァイスリッター”の説明をリィンお兄さん達にしなくていいのかしら?」

「”ヴァイスリッター”……?一体何の事だ……?」

「”ヴァイスリッター”は”白騎士”を意味する言葉だが……」

レンの話が気になったマキアスとユーシスはそれぞれ考え込み始めた。

 

「要するにエリゼは”騎神”を手に入れたって事。」

「エヴリーヌお姉様……」

「過程も説明せずに、結果だけを説明しないで下さいよ……」

「それ以前にヴァイスリッターは正確に言えば”騎神”ではないぞ。」

エヴリーヌの答えを聞いたプリネとツーヤ、レーヴェは呆れた表情をし

「な―――――」

「ね、姉様が兄様と同じ”騎神”を……!?」

「ハアッ!?”ヴァイスリッター”なんて名前の”騎神”は存在しないわよ!?」

「そ、それ以前にエリゼさんは”起動者(ライザー)”ではありませんよ……!?」

仲間達と共に血相を変えたリィンは絶句し、エリスは信じられない表情をし、セリーヌとエマはそれぞれ驚きの表情で声を上げた。そしてプリネ達はエリゼが手に入れた”神機”―――ヴァイスリッターの説明をした。

 

「け、”結社”が開発した人形兵器の”起動者”になったって……!」

「何なのよ、その超展開は……」

「”起動者”になった時の状況が”騎神”の”起動者”と似ているのが気になるわよね……?」

「ええ……その”神機”とやらが”騎神”と何か関連性があるのかもしれないわね。」

事情を聞き終えたマキアスは信じられない表情をし、サラ教官は疲れた表情をし、セリーヌとエマはそれぞれ真剣な表情で考え込み

「フッ、油断をしていればその内剣の腕前どころか”起動者”としての腕前も追い抜かれるのではないか?」

「ん、確かにその可能性は高いかも。エリゼだし。」

「ハ、ハハ…………で、でもさすがに得物である”太刀”は持っていないだろう?」

からかいの表情をしているユーシスとフィーに見つめられたリィンは大量の冷や汗をかいて苦笑しながらエリゼを見つめて尋ねた。

 

「えっと、それなのですが……」

「うふふ、実は”ヴァイスリッター”の事を知ったお姉様が大変喜んでね。それで”起動者”であるエリゼお姉さんがリィンお兄さんみたいに存分に”ヴァイスリッター”の力を引き出す為にウィルお兄さんに頼んで”ゼムリアストーン製の太刀”を創ってもらったのよ♪」

そしてエリゼが答えを濁しているとレンが笑顔で驚愕の事実を答えた。

「……………………」

「ええっ!?ゼ、”ゼムリアストーン製の太刀”を!?」

「しかもそれを作ったのがあの”匠王”とはな……」

レンの話を聞いたリィンは石化したかのように固まり、エリスは驚き、ユーシスは真剣な表情で呟いた。

「というか大量のゼムリアストーンをどこで手に入れたのよ……幾らメンフィルと言えど、大量のゼムリアストーンをそんな短期間で集められないでしょうに。」

「うふふ、みんなみたいにわざわざゼムリアストーンの結晶を探さなくてもクロスベルには”ゼムリアストーン製のスクラップ”があるじゃない♪」

「ゼ、”ゼムリアストーン製のスクラップ”ですか……?」

「しかもクロスベルにそれがあるだと……?」

サラ教官の質問に答えたレンの話を聞いたエリスは戸惑い、ユーシスは真剣な表情で考え込んだ。

 

「!まさか……破壊したオルディーネの残骸やオルディーネの得物である双刃剣を使ったんですか!?」

「あ………」

「…………なるほどね。オルディーネの得物の双刃剣もそうだし、”騎神”は”ゼムリアストーン”でできているから代用できるわね。」

一方ある事を察したリィンの推測を聞いたエマは辛そうな表情をし、セリーヌは複雑そうな表情で呟いた。

「大正解♪どうせ破棄する物なのだから、レン達が”再利用(リサイクル)”してあげたのよ♪ゴミの収集で”廃品回収”ってあるでしょう?あれと同じようなものよ♪」

「―――悪趣味だね。クロウに対する嫌がらせとしてそんな事をしたとしか思えないね。」

「お、おい、フィー。」

レンの答えを聞いてジト目でレンを見つめるフィーの言葉を聞いたマキアスは冷や汗をかいた。

 

「……ッ……!クロウはその事を知っているんですか……?」

「兄様…………」

「………………」

唇を噛みしめて辛そうな表情でレンに問いかけるリィンをエリスは心配そうな表情で見つめ、エリゼは目を伏せて黙り込んでいた。

「うふふ、逆に聞くけど行方不明になった相手に知らせる事ができる訳ないでしょう?」

そしてレンはリィン達にとって驚愕の事実を伝えた。

 


 
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