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邪教徒オレンジおじさん本音短編小説その5を書きます。
ノラルはいつの間にかフラフラした足取りで何かに強く引っ張られる形のように、一歩づつ着実に手斧の見える方向に向かって歩みを勧めて行った。それを見ているオレンジおじさんの目は怪しくギラギラと光っていた。その瞳の眼光は醜く淀み、目じりには赤い血管が浮き彫りに見えていた。ノラルの動きにも敏感にその淀んだ瞳は反応し、目の中の赤い滲んだシミのっような血管がまるで波打つようにノラルの動く方向に合せて微妙な動きを始めていた。だが決してノラルを引き留めるような素振りは見せなかった、少なくとも最初の数秒間は。
オレンジおじさん「ノラル、どうしんたんじゃ、何故そっちに行くんじゃ!」
ノラル「おじさんにはあれが見えないんですか?そしてこの部屋の匂い普通じゃないですよ。鼻をツーンとつくような匂い・・・そのことには気づかないのですか?」
オレンジおじさん「ノラル、わしとずっと上手くやって行きたいなら、何も見ざる、聞かざる、言わざる、分かるね・・・わしがお前に言っている意味が」
ノラル「僕、オレンジおじさんのこと大好きです。だからどんなことがあっても信じてあげたい・・・。でも、・・これはいったい・・・。」
手斧の前までノラルが足取りも重くやっと辿りつくと、その手斧の血のりがポタポタと床に流れ落ちて向かって行く方向に目をやるとそこには見るからに女性のものだと分かる赤いマニュキアの爪が生えている手の指が真っ直ぐに伸びて床の上に横たわっている腕の先に見えていた。その腕と手は血の気が引いたように青ざめていた
オレンジおじさん「とうとうそれを見てしまったね。もう何も見る前には戻れないよ。」
ノラル「これは、マネキン人形で、それで何かの悪い悪戯ですか、でもそれにしても匂いがスゴイ!」
オレンジおじさん「何もかもお前と二人きりで今後ずっと上手くやって行くためじゃった、悪く思うな、でもこれでずっと二人で上手くやっていけるんじゃ!」
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邪教徒オレンジおじさん本音短編小説その5を書きました。
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