おもちゃのおおぞら。
「いらっしゃいませー!」
「ハローあおいちゃん!こんにちは~」
大宙あおいがにこやかに出迎えた相手は、南隣の天南市に在住のドイツ人ゲルダ・バルヒェット。
「えーっと、確かこの辺に…お、あったあった」
ゲルダが向かった先はプラモデルコーナー。絶版に商品などもここで手に入ることがあり、
一部のマニアにも知られている場所だ。ゲルダが手にしたのは、なにやら鉄道車両の写真が貼られた箱。
「よーし、阪急通勤車のキットが手に入ったっ!あとはぁ…」
と、今度は塗料のコーナーに向かう。よく見かける航空機モデル用、キャラクターモデル用の隣、
狭い棚ではあったが鉄道カラーの棚があった。しかもご丁寧にその隣には鉄道模型用の部品まで…。
「すいませーん!これください!」
「はい、ありがとうございます。ゲルダさん、またコアなの手に入れましたねw」
「いやね、やっぱ阪急はカッコイイと思うのよ。特にマルーンの車体に角ばったスタイル!アルミの窓枠もいい感じだし!」
「あー、なんとなく判る気がするような…で、何作るんですか?」
「もちろん2000系!今の阪急スタイルの源流はこの2000系なの!だからそれをつくろうかなと思ってw」
阪急2000系。
1960年に登場した通勤電車で、大阪と神戸の間を走る阪急神戸線の電車だ。
兄弟車輌である2100系や2300系とともに、鉄道友の会ローレル賞の第1号に輝いた。
ゲルダが買ったのは、その阪急2000系をプロトタイプにした1/150のキットなのである。
「なんか…ゲルダさんって濃いですねw」
「鉄ちゃんだからねw」
ゲルダ・バルヒェット、本日の戦利品。
グリーンマックス阪急通勤車キット基本セット、2400円。
同 FS356台車3両分、計1200円。
同 PT42Nパンタグラフ2個セット 600円。
同 鉄道カラースプレーロング(マルーンB/ダークグレー) 計1200円。
トミーテック 鉄道コレクション用動力ユニットTM-12R、3400円。
合計金額(+税) 15336円。
憧れの阪急電車を作れるという気持ち、プライスレス。
このあと、ゲルダの組み立てた阪急電車2000系が鉄道模型雑誌の作例に取り上げられることになるのだが、それはまた別の話。
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阪急電車はカッコイイと思います。うん。
なお、劇中に登場するキットは全て実在しますが
このお話はフィクションです。
最近は鉄コレにお株を奪われてる感がありますが
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